表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

500文字小ネタ超短編

海の老人と異世界の器のそばに

作者: 日出明

私は天上より箱庭の世界を観測する。

それは壁に囲まれた夜の海で満たされた世界の器だった。


水底には何か得体のしれないものが漂い、しかしその真ん中に衣にくるまれた老いたものが半分浮かんでいた。


月も浮かばない真っ暗な海にただ一人ぽつんと漂うその様は、ただひたすらに寂寥感を覚えさせ、何とかしなくてはならないという強迫観念にとらわれてしまう。


他者の世界に手を出すのは暗黙のうちに忌避される行為であることは理解しながらも、私は井の中のそれをすくい上げずにはいられなかった。


慌てて拾い上げたそれは、濡れた衣は剥げ落ち、晒された真っ赤な肉が否応もなく目を引く。


しまった。遅すぎたのだ。




「勝手に海老天を取ってんじゃねーよ。海老天なければただのかけそばだろうが」


とりあえず、私は椎茸を差し出しておいた。


「いや、全然等価交換になってないし!エビ返せよ!」


今日も寒い。こういうときは暖かい海老天蕎麦に限るな。

関東風のツユは濃すぎ。真っ黒だよね。

よろしければポイント評価、感想をいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ