第4話 雷撃の新形態
朝。
霧が、
街を包んでいた。
昨夜の戦闘の痕跡は、
もう消えている。
ロンドは、
ギルドの裏庭に立っていた。
誰もいない。
静かだ。
「……強くならないと」
呟く。
雷撃。
ただ放つだけ。
それでは、
足りない。
ロンドは、
目を閉じる。
体の奥。
微かな熱。
指先へ、
意識を集める。
ピリッ。
小さな火花。
「集中……」
雷を、
流れとして感じる。
血管を、
走る感覚。
怖い。
だが、
逃げない。
「形に……
できるはずだ」
木の棒を、
地面に立てる。
五歩、
下がる。
指を伸ばす。
「雷撃」
稲妻。
棒が、
黒く焦げる。
だが。
毎回、
同じ。
「違う……」
雷を、
集める。
溜める。
放つ、
前に。
押し固める。
額に、
汗。
視界が、
白くなる。
――制御。
雷が、
一点に集まる。
ロンドの前に、
細い光の刃。
「……できた?」
振る。
空気が、
裂ける音。
木の棒が、
真っ二つ。
ロンドは、
息を止める。
「雷刃……」
仮の名。
胸が、
高鳴る。
さらに。
雷を、
足に流す。
地面を、
蹴る。
視界が、
流れる。
「はやっ……!」
数歩先。
心臓が、
追いつかない。
「雷歩……?」
立っているだけで、
膝が笑う。
だが。
可能性が、
見えた。
◇
午後。
セリオと、
ルーナ。
裏庭。
「見てくれ」
ロンドは、
雷刃を作る。
二人は、
目を見開く。
「おい……
別人じゃん」
ルーナは、
静かに頷く。
「強い」
ロンドは、
苦笑する。
「まだ、
未完成だ」
セリオが、
剣を抜く。
「試そうぜ」
模擬戦。
開始。
セリオが、
突っ込む。
ロンドは、
雷歩。
横へ。
雷刃で、
剣を弾く。
火花。
「うおっ!」
セリオが、
距離を取る。
ルーナが、
障壁を張る。
ロンドは、
雷撃。
障壁が、
震える。
「止め!」
セリオが、
笑う。
「もう、
新人じゃねえな」
ロンドは、
首を振る。
「まだ、
足りない」
夜。
宿。
ロンドは、
ベッドに座る。
手を見る。
微かに、
光っている気がした。
「トール……」
返事は、
ない。
だが。
胸の奥で、
何かが応えた。
雷は、
導く。
次の戦いへ。
第二部は、
終盤へ向かう。




