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第3話 異端審問官

 


夜の街は、

静かだった。


 


灯りは、

等間隔に並ぶ。


 


ロンドは、

宿のベッドで横になっている。


 


だが。


 


眠れない。


 


神殿での話が、

頭から離れなかった。


 


神性。

狙われる存在。


 


――考えすぎだ。


 


そう思おうとする。


 


コン。


 


小さな音。


 


窓の方。


 


ロンドは、

体を起こす。


 


もう一度。


 


コン。


 


何かが、

当たった音。


 


「……?」


 


窓を開ける。


 


誰もいない。


 


だが。


 


路地の影が、

動いた。


 


ロンドは、

嫌な予感がした。


 


「セリオ。

 ルーナ」


 


隣の部屋を叩く。


 


二人が出てくる。


 


「どうした?」


 


答える前に。


 


屋根の上から、

黒い影が落ちてきた。


 


銀色の仮面。


 


黒装束。


 


短剣が、

光る。


 


「対象確認。

 神性反応あり」


 


冷たい声。


 


ロンドの背筋が、

凍る。


 


「下がれ!」


 


セリオが、

剣を抜く。


 


ルーナは、

杖を構える。


 


もう一人。


 


さらにもう一人。


 


三人の仮面。


 


囲まれる。


 


「聖裁庁だ」


 


仮面の一人が言う。


 


「異端は、

 排除する」


 


「ふざけるな!」


 


セリオが、

斬りかかる。


 


剣と短剣がぶつかる。


 


火花。


 


ロンドは、

指を突き出す。


 


「雷撃!」


 


稲妻。


 


一人の仮面が、

吹き飛ぶ。


 


だが、

すぐ立ち上がる。


 


「効きが、

 弱い」


 


心臓が、

跳ねる。


 


ルーナが、

光を放つ。


 


「防護……」


 


三人の周囲に、

薄い光の膜。


 


仮面の一人が、

屋根へ跳ぶ。


 


上から、

投擲ナイフ。


 


ロンドは、

横へ転がる。


 


肩を、

かすめた。


 


血が、

にじむ。


 


「くっ……」


 


セリオが、

一人を押し返す。


 


「ロンド、

 狙われてるぞ!」


 


分かっている。


 


だから。


 


ロンドは、

前へ出た。


 


雷を、

短剣に込める。


 


刃が、

白く輝く。


 


仮面の男へ、

踏み込む。


 


「うおお!」


 


斬る。


 


雷が、

爆ぜる。


 


仮面が、

吹き飛ぶ。


 


残り二人。


 


一人が、

ルーナへ。


 


「やめろ!」


 


ロンドは、

雷撃を放つ。


 


直撃。


 


男は、

地面に倒れる。


 


最後の一人。


 


じりじりと、

後退。


 


「報告する」


 


煙玉。


 


白煙。


 


姿が、

消えた。


 


静寂。


 


ロンドは、

膝に手をつく。


 


息が、

荒い。


 


セリオが、

肩を叩く。


 


「生きてるな」


 


ルーナが、

ロンドの傷を見る。


 


「治す」


 


光が、

温かい。


 


痛みが、

引く。


 


ロンドは、

唇を噛む。


 


「俺のせいで……」


 


セリオは、

首を振る。


 


「仲間だろ」


 


ルーナも、

頷く。


 


胸が、

熱くなる。


 


だが。


 


聖裁庁。


 


確実に、

狙われている。


 


ロンドは、

拳を握った。


 


逃げない。


 


冒険者として。


 


そして。


 


自分として。


 


第二部は、

さらに加速する。


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