第1話 昇格試験と新たな仲間
朝のギルドは、
いつもより騒がしかった。
掲示板の前に、
人だかりができている。
ロンドは、
その隙間から紙を見る。
――Fランク昇格試験
――受験者募集
喉が鳴る。
あれから、
何度も依頼をこなした。
雷撃は、
確実に強くなっている。
「……受ける」
そう呟き、
紙を剥がした。
受付のミレナが、
目を丸くする。
「受験ですね」
ロンドは、
頷く。
「はい」
◇
試験会場は、
街外れの訓練場だった。
受験者は、
十数名。
緊張した空気。
隣に立つ少年が、
話しかけてきた。
「君も受けるの?」
短い黒髪。
人懐っこい笑顔。
「セリオだ。
剣士見習い」
ロンドは、
少し戸惑いながら答える。
「ロンドです」
さらに後ろから、
小さな声。
「……ルーナ」
白髪の少女。
杖を、
ぎゅっと抱えている。
試験官が前に出る。
「第一試験。
模擬戦」
番号順で、
戦う。
ロンドの相手は、
槍使い。
「始め!」
ロンドは、
距離を取る。
槍が、
突き出される。
雷撃。
穂先に命中。
弾かれる。
隙。
ロンドは、
踏み込む。
短剣で、
胴を打つ。
「そこまで!」
勝利。
息が、
荒い。
第二試験。
三人一組で、
魔物討伐。
ロンドは、
セリオとルーナと組む。
◇
森の中。
ゴブリン三体。
「俺が前に出る」
セリオが言う。
「後ろは任せて」
ルーナが、
杖を構える。
ロンドは、
中央。
ゴブリンが、
突進。
セリオが受け止める。
ロンドは、
指を向ける。
「雷撃!」
稲妻が走る。
一体、
撃破。
ルーナの光が、
セリオを包む。
「回復……」
残り二体。
一体が、
ロンドへ。
ロンドは、
雷をまとわせた短剣で迎え撃つ。
斬る。
感触。
倒れる。
最後の一体。
セリオが斬り、
終了。
静寂。
試験官が、
頷く。
「合格」
ロンドは、
膝から力が抜けた。
◇
ギルド。
カードが、
新しくなる。
Eランク。
ミレナが微笑む。
「おめでとうございます」
セリオが、
肩を叩く。
「これから、
一緒に組まない?」
ルーナも、
小さく頷く。
ロンドは、
少し迷ってから言う。
「……お願いします」
胸が、
温かい。
一人じゃない。
ロンドは、
冒険者として、
次の段階へ進んだ。
まだ知らない。
この出会いが、
大きな運命を呼ぶことを。
第二部は、
動き出した。




