第0章 デコンストラクション
「ようこそ、崩ヶ城の画廊へ。
えっ?ここには、たまたま来ただけだって?
それは幸運なことだ。
それともタイミングが悪かったのかもしれない。
実は今から、謎が紐解かれようとしている……。
君たちも知っているだろう?
ハーディカ。
最近、話題の犯罪者さ。ついにその犯人の正体を暴くところなんだ。
君は今まさにその瞬間に立ち会えるってわけさ。
どうぞ、こっちに。
その特等席で一緒に事件の真相を見届けませんか?」
「連続美術品損壊事件の首謀者、真の芸術を追い求める者 ハーティカは君ですね?」
今回の事件が発生した自分の画廊に友人たちが集まり、打ち上げを行った。
その終わり。
他の友人たちが帰るなか、ただ一人、友人ーーハーティカだけは残ってもらった。
まさか、ここ数ヶ月の間に起きたこの事件の犯人が私の友人の中にいるとは思わなかった。昔はそんなやつじゃなかったはずなのに……。
私の確信を持った指摘にハーティカは不敵な笑みを浮かべている。まるで自分が犯人である証拠がでてこないと言わんばかりの態度だ。
確かに、君が犯人である証拠は薄い。だが……。
「分かった。私のような、素人の推理れ良ければ聞いてくれ。ハーティカ」
私は画廊に二人きりとなった空間で、彼と向かい合った。なぜ、君がハーティカと断定したのかを語るために。
「さあて、推理を始める前に、少し時間をもらえるかな?
君たちも推理だけ聞いてもつまらないだろう?
ええと、どこから話すべきだったかな。……そう、推理を聞くためには、事件の当日の記憶まで遡る必要がありそうだった。
だから、まずはその最初の私が事件を知った時からまぁ、ゆっくりと話し始めようじゃないか……」




