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戦闘員、お供えする

お久しぶりです!

煮詰まって他の作品書いたりしてました。

連載再開とまで行きませんが書き上がったらあげていきます。

全10話のトモの華麗な推し生活もヨロシクです。


 日本刀を構え油断なくジョーワンを見つめるが立ち上がる気配がしない。


「⋯燃えてない?」


〈おそらく『不死身』は異名で異常な程に再生能力が高かったのでは?〉


「『魔族』って中々のポテンシャルだったけど能力だよりのバカだったな」


〈全ての『魔族』がそうとは言い切れませんがレベル上げは推奨します〉


「そうだな⋯⋯」


 俺はこの世界で最強を目指しては居ないし程々の強ささえあればと思っている。

 情報収集に強さより頭を使う事と考えているからだ。

 ステータスを確認するとレベルが10上がってた。

 リョウは14上がっていた。

 それを踏まえると脳筋は中々のレベルだったようだ。


「色々考えないとな⋯⋯」


〈魔族との関わりですか?〉


「いや技の名前だよ。

全部デセオだと使っている俺も混乱するし

浸透系の攻撃は【デセオ(願い)】生活魔法のゴリ押しは【オラシオン(祈り)】にするよ

どっちでも発動するしな」


 そう言いながら地面に手をかざし「オラシオン・ホール」と唱えると直径1メートル深さ2メートルの穴が出来た。

 脳筋を穴に入れて「オラシオン・プラグ」を唱えると土が湧き出てきて穴を埋める。


「子リョウに戦闘の痕跡を消させてくれ」


〈了解〉


 お尻から子リョウ達が出て来て痕跡を消し始める。


「だからそれをやめろよ!」


〈最初は冗談でしたがイメージが固定したためどうにもなりません〉


「やっぱりわざとだったのかよ!」


 もうコレに関しては疲れるだけなので諦めて採った食材を手に帰路へ。


 精霊の事を考える。

 ガルの話と称号で俺には多くの精霊が周りにいるらしい、実際新しい技も生まれたわけ出し精霊に何か出来ないか?

 俺がアイドルならファンに何かをしなければ駄目だと思う。


 小屋に戻ってきて行動を開始する。


〈何をするんですか?〉


「精霊の力添えもあってデセオとオラシオンが出来たし感謝の気持ちを込めてお供えを作ろうかなっね」


〈お供え?〉


「日本人は全ての物に神が宿る多神な考え方だから感謝を伝えるのにお供えをするんだ」


〈そんな事しても食べれないのでは?〉


「俺の意思を考えを読み取れるし気持ちは伝わっているとは思うけどカタチにしたいんだよ」


〈⋯わかりました〉


「絶対にわかってないよな?」


 リョウと会話しながらもフライパンを加熱し準備をする。

 このフライパンは岩を俺が切り出し子リョウが溶かして作ったもので他の調理道具もそんな感じで製作した。


 ボールにパンケーキミックスと卵、牛乳を入れてかき回す。

 【生活魔法】の振動を使うと菜箸でもよく混ざる。

 これらの材料全て【調理道具精製】で出した。

 流石に卵は驚いたが、すき焼きの卵はソースと外国人に説明したからか普通に出てきた。

 卵から割った状態だけどね。


 フライパンが程よく熱した所でバターを入れ溶かす。

 バターを満遍なく拡げたらよく混ぜたパンケーキミックスを流して焼く。

 泡の様子を見てひっくり返し両面を焼く。

 それを何回か繰り返して何枚も焼いた。


 ハチミツも生クリームも出せるのでトッピングして完成。


「いただきます!」


 そう言って皿に手を伸ばすガルの顔面を掴む。


「何のつもりだ?」


「イタイ、異世界料理を食べようとしただけですけど」


「俺がいつ許可した?」


「私とエンマさんの仲でしょ」


「これは精霊へのお礼なんだからガルのじゃない」


 と手を離す。

 ガルは顔を手で擦りながら


「精霊は食事しませんよ?」


「そうかも知れないが感謝の気持ちをカタチにしたら伝わるだろ?」


「それはエンマさんの世界の文化ですか?」


「そうだ」


「神も精霊も見えないのにするんですか?」


 イタイやつを見たような目してくる。


「見えても何もしない奴に変わっているなコイツなんて思われたくない!」


 ガルはきょとんとした顔で首を傾げた。


「でも、エンマさん。精霊さんは感謝の気持ちだけで十分だって、エルフはみんなそう思ってますよ? 見えてるんですから」


 ガルは素朴な疑問をぶつけてくる。

 エンマは深いため息をつき、焼きたてのパンケーキを一枚皿に載せた。

 焼きたての甘い香りが、木々の間にふわりと漂う。

 俺が料理しているのは小屋のすぐ外、青空の下だった。

 小屋の中では薬品の調合や魔道具の製作も行うため、料理の匂いが移るのを嫌った俺のの判断だ。


「……気持ちの問題だよ。俺は精霊のおかげで、オリジナルの力が使えるようになった。

だから、感謝の気持ちを表したいんだ。

それは、例え俺に見えなくても、精霊に伝わると信じている。

お前たちは見えるんだから、余計に何もしてないのが変だろ」


 エンマはそう言うと、パンケーキを祭壇に見立てた箱の上にそっと置いた。

 ガルの視線は、ずっとパンケーキに釘付けだった。


「それに、お供えっていうのは、神様や精霊だけじゃなくて、自分自身のためでもあるんだ。

こういうことをすることで、心が落ち着くっていうか……」


 そこまで言ってもガルはまだ納得がいかない様子で、お腹を鳴らしている。


「あの、エンマさん。その、精霊さんが食べないなら、僕が食べてもいいですか?」


「これは精霊へのお礼だって言っただろ。……まぁ、仕方ない。ガルには、後で別のを用意してやるから、今は我慢しろ」


「え、本当ですか!?」


 ガルの目が輝いた。

 単純なガルに、エンマは苦笑する。


「エルフってある意味スゴいな⋯⋯

見えてなくても精霊が楽しそうなのわかるのに

見えてて何も感じないんだからな」


 そう言いながらガルのパンケーキを出しやると目を輝かせる。


「精霊さんは大体楽しそうですよ?」


 パンケーキを頬張りながら幸せそうな笑顔。


「そうそう明日にでも街へ帰ろうと思うのですがエンマさんは大丈夫ですか?」

お読み頂きありがとうございます。

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