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戦闘員、調理する

 ウナギやオーク、トレント等の素材を運ぶのどうしようかと考えてたらリョウが分裂体を増やし組み合わせる事でリヤカーを作り出し解決する。


 帰りの道中には魔物が出なかったので順調に小屋に到着。

 小屋を覗くとガルが調味料を舐めてはメモをとり考え込むループ状態。

 声を掛けても返事が無い自分の世界に入っている。

 小屋にある薪や炭を勝手に使わせてもらうことにする。


 調理道具はリョウや分裂体⋯子リョウが【擬態】でキャンプギアに変わってくれた。

 地球でもやっていた事だが生命体になって有効かは心配だったが平気そうで助かった。

 炭火蒸し器の準備は程なく完了。


 その後はうなぎのタレを作る

 酒、醤油、みりん、砂糖。比率は1:1:1:1。

 本当は煮詰めたり工夫をするのだが今回は基本的な作り方ですます。


 先ずはオークから解体する血抜きが済んでいるとは言え鮮度が落ちるからだ。

 うなぎのはまだ生きているから後回し。

 俺は猪や豚を捌いたことあるがオークの様な人形ひとがたは初めてだったが人形した豚だと思えばなんてこと無かった。

 もつの処理は子リョウたちが綺麗にしてくれたので簡単に終わった。

 ナノスライム便利過ぎるだろ!


 うなぎは関東風にする、目打ちして背中を切り頭を落とす。

 串はトレントの枝を使用する。

 この枝は固くでしなやかさあり表面の樹皮は火に強いようだ。

串刺ししたら白焼きにし蒸し焼きにする。

 その後はタレにつけては焼くを繰り返すと完成だ。

 調理した感想は地球産よりも大きいだけで手間は変わらない。

 ちなみに泥抜きは子リョウ達がしてくれた。


 オークも串焼きにするかと仕込みを始めようとしたら


★★★★★


 小屋から現れた私は、閻魔が構える炭火と、その上で焼かれている見慣れない食材に目を丸くした。

 甘く香ばしい匂いが漂い、彼の理性が警告を発する。

 これは、薬草でも、森の木の実でもない。


『……これは、いかなるものなのでしょう?』


「お一つどうぞ」


 出された串焼きは長方形で串が2本刺さっている見たこともない形だ。

 恐る恐るエンマさんから受け取った串を口にする。

 舌に触れた瞬間の、ぬるりとした柔らかさ。

 そして、脳髄を直撃するような、甘く、そして深い旨味が押し寄せた。

 私の表情から、一瞬にして余裕が消え失せる。


『……っ!? これは……毒では……ない……?』


 薬師としての知識が、この未知の味覚に対応できない。

 彼は混乱したように顔をしかめ、しかし、次の瞬間には、恍惚とした表情に変わっていた。


『いや……違う!これは……至福……!』


 目を閉じ、ゆっくりと咀嚼を続ける。

 今まで味わったことのない、しかし魂に響くような感覚。

 それはまるで、彼の内なる何かが覚醒したかのようだった。


『今まで、私が食べてきたものは、一体何だったのだ……?』


 私は、不思議な串焼きに釘付けだった。

 それは、彼の食の世界を根底から覆す、革命的な出会いだった。


★★★★★


 美味しいのはわかるんどけどもっとリアクションしてくれよ。


「エンマさん!!!」


 俺の右手を両手で包むと激しく上下に振った。


「素晴らしいです!感動しました!コレはまさに異次元の味!!!」


 余りの絶賛ぶりに嬉しいを通り越して引く。

 普通の配合で目新しい事は何一つしてない。

 異世界の食事事情って酷いのか?

 【調味料精製】が無かったらストレスで死んでいたかもしれない。


「【沼ミミズ】がこんなに美味しくなるなんて!

このソースがあれば木の根すら美味しく食べれそうです」


「はぁ?」


 俺は左でガルの顔面を掴むと少し力を入れた。


「ふざけるなテメェ!ウナギ一つ作るのにどれだけの先人達の技術と工夫があると思っているんだ!

褒めてくれたのは嬉しいが全部調味料のことじゃねぇか!!

食感とか料理に対するリスペクトしやがれ!」


 ガルは余りの痛みのため言葉は出ないが俺の手首を何度も叩くので手を離す。

 この世界にもタップして降参するのあるのだろうか?


「スイマセン!余りにも未知の味でそこにしか頭が回りませんでした!

料理人⋯エンマさんへの配慮が欠けていました!

あのウネウネした沼ミミズを均一に捌くには相当な技術と工夫ですね⋯泥臭さが一切無く、口に入れたらホロホロと崩れる。

大変美味しかったです!」


 エルフの長い髪が地面に付くことも厭わず180°頭を下げ謝る姿に許すことにした。


「ちゃんと理解してくれているならイイよ

俺も大人気なかった、スマンな」


 しばらく謝罪の応酬になるが結論としたらうなぎもオークの串焼きは異世界でも通用するようだ。

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