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第38話 勧誘

半悪魔王 ルシフェル

────────────────────────

オレは今ギーツだった男と対峙していた。


あいつが言うにはギーツは既に死んでいるらしいが些細なことだろう。


しかし、この男〖魔眼〗で何か隠している事は見えていたが、まさかここまで強いとはな。


実力でいうとサルバンと同格だろう。


「それで、何時まで隠しているつもりだ?」


「アナタにはバレて居ましたか。それも〖魔眼〗の力ですか?とはいえ貴方の言う通りですね。もう隠す必要も無いでしょう。」


そう言って男が刀を振ると生き残って居たイーリス教の奴らが一斉に死体になり、辺りに濃い血の匂いが充満した。



これ程の幻術の使い手は稀だろう。


「それで貴様の目的はなんだ。」


「アナタの討伐、などではありませんよ。流石のワタシでもアナタに勝つのは苦労しそうですからね。」


「まるで勝てるかのような良いようだな。」


「事実勝てますからね。」


私は〖呪詛魔法〗を放った。


触れれば死ぬまでこの世のあらゆる苦痛を感じる呪いを込めた強力なものだ。


男は避けようとするが避けきれず当たり痛みに悶えていた。


いい気味だ。


そう思いながら悶える男を眺めていると、突然目の前に法王が現れた。


「どうですか。本物見たいでしょう。」


法王の口から男の声がする。


「ところで腕は大丈夫ですか?無いようですが。」


見るとオレの右腕が全て無くなっていた。


「貴様ッ、何をしたッ!!!」


「私は何もしてませんよ?どこかで落としたのでは?私も一緒に探して上げますよ。優しいのでね。」


私は残った左腕に3本の〖呪詛魔法〗で作った剣を持ち目の前の法王に斬りかかった。


確かに肉を裂き、骨を砕く感触が左腕から伝わってくる。


そして背後から男の子声がした。


「冗談ですよ。ほら、よく見てください。着いてるでしょう?右腕。」


見れば先程まで無かったはずの右腕が全て生えていた。


果たして腕が有るのが事実なのか、はたまはないのが事実なのか、オレにはもう分からなかった。


「いけない、アナタの反応が面白いから忘れるところでしたよ。ワタシはアナタにお願いがあるんですよ。何だか分かりますか?」


「願いだと。オレの首か。」


「まさか、ワタシに悪魔の首を部屋に飾る趣味はありません。そんな事ではなく、アナタの主人に合わせて頂けないでしょうか?」


「我が王に会いたいだと。貴様のような得体の知れぬ物をか。ふざける「待て」なよ」


再びヤツを殺そうとしたところでオレを止める声がした。


声がした方には陛下が居た。


「お前は我に会いたいらしいな?何の用だ。」


「アナタ様が〖傲慢〗の所有者ですね。私は「既に聞いた。」そうですか。では本題に、ワタシはアナタ様の配下になりたく来た次第です。」


「我の配下になりたいと。良いだろう。我は寛大ゆえな。歓迎するぞ。だがその前に貴様の本当の名を言え。」


「では、改めて、ワタシは幻王ファウストと申します。アナタ様に仕えることができ、光栄にございます。」


そう言って男は丁寧に陛下に頭を下げた。


「陛下、良いのですか。このように得体の知れぬものを。」


「構わん。謀反など誰も企てはできぬからな。ところでルシフェル、そこの女はどうした。性奴隷にでもするつもりか?」


「いえ、ただ素質が有りそうなので陛下に献上しようかと。」


「そうか、まぁ良い、ひとまず城に戻るとしよう。〖転移魔法〗を。」


「かしこまりました。」


戦いで相当消費したが4人程度なら何とかなった。



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