第17話 建国2
「王城の戦力はどれくらいだ?」
「残っているのは近衛騎士団とその団長、それと衛兵がおります。近衛騎士団長は千里眼のスキルを持っておりますので、我々が王城に向かっているのは既に把握されているかと。」
「ほぉ、なるほど。」
〖人間支配〗によって支配した王城へと向かっていた。王城の門に着いたが門の前には1人の老騎士が立っているだけだった。こちらの動きが見えて居るのならもっと戦力を集めると思っていたのだが。
「あの男が近衛騎士団長です。」
「貴殿がシラツチ・ハジメ殿か。」
「あぁ、そうだが、そちらは1人だけなのか?」
「数を揃えてもそこに居る者たちのように敵になるのが見えて居たので。」
「そうか。だがこの数相手に1人で勝てるのか?」
「どちらにせよ他に勝ち筋が見えなかったので。」
「その勇気に答えて一騎打ちをしてやろう。どうせこうなる事がが見えていたんだろう?」
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名前 リューイ・ウィンザー
種族 仙人
Lv12268
JOB 天穿剣士Lv5790 穿弓王Lv3878 剣士Lv50 戦士Lv50 鑑定士Lv50 弓士Lv50
騎士Lv100 高位剣士Lv100 高位鑑定士Lv100 細剣士Lv100 高位弓士Lv100 武士Lv100
近衛騎士Lv300 剣豪Lv300 穿剣士Lv300 観測者Lv300 上級騎士Lv300 弓騎士Lv300
HP150780/150780
MP708/708
SP160230/160230
筋力108022
耐久94582
敏捷224503
魔力680
魂力60724
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【スキル】
〖弓剣一体〗〖千里眼〗〖未来視〗
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【ジョブスキル】
〖天穿剣術〗〖翔刺穿万〗〖瞬歩〗〖穿弓技〗〖一射入魂〗〖疾風弩投〗〖鷹の目〗〖護衛術〗
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〖弓剣一体〗
弓を使う際、剣として扱え、剣を使う際、弓として扱える。
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〖千里眼〗
遠くを見ることが出来る。
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〖未来視〗
未来を見ることが出来る。
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〖天穿剣術〗
自身の技量に応じて貫通力が上がる。
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〖翔刺穿万〗
高い貫通力を誇る刺突を飛ばす。
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〖瞬歩〗
高速で移動する。
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〖穿弓技〗
弓を用いて何かを穿つ技術が向上する。
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〖一射入魂〗
次の一射の威力を引き上げる代わりにその威力に応じて反動を受ける。
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〖疾風弩投〗
自身が放つ矢の速さと貫通力を向上させる。
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今まで見てきた中でもトップクラスのステータスだろう。特に敏捷は今の私の3倍近くもある。何より初めて特級職に複数就いている者を見た。今の私のLvが槍聖や王太子、その護衛の騎士を殺して上がったといっても、まだ奴のLvの2倍には到底届いていないため、〖人間支配〗で配下にする事ができない事が惜しい程の逸材だろう。
「儂から行かせてもらうぞ!〖ピアッシングソード〗〖ロングショット〗!!」
リューイの剣から刺突が放たれる。本来なら剣の間合いでは無いが、〖弓剣一体〗の効果により弓士系統のスキルと合わせる事にで、その範囲が大幅に上がり、こちらに奴の刺突が迫ってきた。
「〖聖剣化〗〖光刃〗」
ガギィィン
持っていた鋼鉄の剣に〖聖剣化〗を使用し〖光刃〗で相殺したが〖不壊〗が付いていなければ剣が折れていただろう。やはり武器も買い変える必要が有るだろう。
「甘い!!〖螺旋突〗〖五月雨打ち〗ぃぃ!!!」
今度は、リューイと私のスキルのぶつかり合いで巻き起こった土煙を突き破り、渦を巻いた刺突が大量に襲いかかってきた。
「〖マテリアルシールド〗」
ゴガガガ
「支配系統のスキルだけで無く、剣士系統と魔術師系統のスキルまで使うとは、芸達者だな。〖聖剣解放〗!!!!」
そう叫ぶとリューイの持っていた剣が翡翠色の光を発し変形していく。初めは翡翠色の剣身をした細剣だったが、今では捻れた剣身を持ったランスのような形に変形していた。それだけでなくリューイの周囲に翡翠色のオーラが渦を巻いている。戦いが始まってから、〖メタルマニュピレーター〗での干渉を試みていたが出来なかったため、何かあると思っていたが聖剣だったのか。
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〈暴風聖剣テンペスト〉《解放状態》
〖暴風魔術〗〖不壊〗〖聖剣気〗〖暴風鎧〗〖治癒阻害〗
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〖不壊〗
壊れない。
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〖聖剣気〗
聖なる剣気を纏う。魔物や邪悪な者へ絶大な威力を誇る。
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〖暴風鎧〗
聖剣気を混ぜた暴風を所有者に纏わせる。
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〖治癒阻害〗
付けた傷の治りを悪くする。
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見たところ〖聖剣化〗で聖剣にした武器より随分強力な気がする。
『〖聖剣化〗は本来は聖剣を失った時の保険や強化な魔剣などに使うスキルです。』
なるほど、鋼鉄の剣に使うのは間違いなのか。
『はい。』
やはり武器の買い変えは必要だろう。
「ゆくぞ!〖ドリルピアッシング〗!」
ガキン ザシャャ
突きを弾いたが剣身とリューイが身に纏っている暴風により手や腕に裂傷をおった。そこまで深くは無いが回復魔術などでも治らない。あまり長期戦になるのは不味いだろ。
「〖サンダーボルト〗〖フレアボム〗〖ヘビィグラビティ〗」幾つか魔術を放ちその隙に距離を取る。
「〖魔王化〗」
〖魔王化〗の発動と同時に額からは2本の角が生え、背中からは3対の翼が生え、尾てい骨から尾が生えた。そして身長も4m程にまで伸び筋肉量も大幅に上がった。そして全てのステータスが10倍になった事による全能感に全身が包まれた。
「お得意の〖未来視〗で勝ち筋を探して見たらどうだ?」
「もはやこれ以外に策は無いか。〖ピアッシングエンチャント〗〖一射入魂〗〖翔刺穿万〗!!!!!」
ドゴォォォォぉぉ
奴の放った突きが私を貫き消し飛ばした。それと同時に全身から血を吹き出しながら奴も膝を付く。
「ぐはっ ゴフッ」
ベチャベチャ ドサッ
「今のは中々だったぞ。」
「やはり……届かぬ…か」
何とかして剣を杖に立ち上がろうとするその首に斬撃を放った。
「〖王剣〗」
ゴトッ バタンッ
もし〖不屈〗が無ければ間違いなく死んでいただろう。あるいは〖治癒阻害〗が〖不屈〗にまで効果を及ばしてもやはり死んでいただろう。そして奴も〖治癒阻害〗に掛けていたのだろう。だが、結果としては全回復とはいかずとも復活する事ができた。後は王の首を取るだけだ。