表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/31

眞木治水(まき おさみ) (1)

「えっ……?」

 高校の入学式から帰って来て、居間にやってきた瀾ちゃんが固まった……。

 平常心に戻るまで、約三〇秒。

 瀾ちゃんにしては長い方だ。

「な……なんで……?」

 あたしと一緒に居間に居たのは、中学の頃からの同級生で、同じ高校の同じクラスになった久保山(ゆかり)ちゃん。こっちは……固まったまま。

「知り合いだったの?」

 そう言や、紫ちゃんは小学校まで瀾ちゃんが前に住んでたのと同じ小郡(おごおり)に住んでて、中学1年の時に、久留米に引っ越して来た筈……。

「えっと……何から説明すればいいか……。紫……ちゃんは……私の小学校の頃の同級生だ」

 ん? 何で下の名前で呼んで、しかも「ちゃん」付け?

「で……瀾ちゃんは、あたしの双子のお姉ちゃん。親の離婚で別々に育って、名字も違うけどね」

「あ……そ……そう……なんだ……」

「えっと……」

「あ……私、飲み物……持って来る……。何がいい?」

「大丈夫、それ……あたしが……」

「いや、後の洗い物も私がやる」

「あ……そ……」

 何なんだ、この妙な雰囲気は……?

『わかんないの?』

 先月から、あたしに取り憑いてる自称「神様」、事実上は傍迷惑な怪獣(ゴジラ)である瑠璃ちゃんの声が頭の中で響いた。

『わかんないよっ‼』

『ほんとに、わかんないの?』

『だから、何が言いたいの?』

 そして、数分後、瀾ちゃんはインスタントじゃない方のコーヒーを持って台所から戻って来た。

「あ……元気だった……?」

「う……うん……」

「ごめん……ずっと連絡しなくて……」

「い……いや、こっちこそ……」

 だから、何なんだよ、この雰囲気は?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ