第一章 ある組織団体宇宙ヘ逃亡
「地球大変動から3年後、まだ完全に復興していない地球。そんな地球では、或者は空中へ、そして或者は地下へと二分化されようとしている。更に悪徳科学研究家でも自由に組織団体を発足できる時代ヘと移り変わろうとしている2999年。だが、そんな組織団体を断じて許さないある組織機関の物語が今始まろうとしている」と地球全体を映しながらナレーションが流れた。
「西暦2999年もあと10日で終わろうとしている12月21日。それは突如起こった。ある組織団体に加入している悪徳科研究家が地球脱出を謀ろうとしている情報が入ったのは、ある組織機関だ」と地球を拡大しながらナレーションが流れた。
「ある組織機関が置かれているのはフノレス島だ。ある組織とは地球警察機関最高峰と言われている警察監理署の事だ。地球唯一の浮遊島だ。この浮遊島は2999年3月から11月の間に製造された人工島だ。その島の面積は六千㎢という巨大な島だ。その中央部に高さ三百㍍の建造物を建立した。その内部に警察監理署本部を設置した。その横に警察監理署が使用する宇宙船基地を設置した。その基地の高さは二百五十㍍だ。警察監理署と宇宙船基地周辺の土地をエメラルドグリーシティーと名付け、浮遊島最大の都市にした。」と浮遊島を拡大しながらナレーションが流れた。
場所エメラルドグリーンシティー内にある警察監理署本部
警察監理署は、ある組織団体の地球脱出を阻止しようとしていた。警察監理署最高責任者は、ある人物に依頼する事にした。その最高責任者がオルタン署長。ある人物に会うためオルタン署長は署長室から出た。そしてある人物が居てる部屋ヘと歩き始めた。
その部屋ヘと辿り着いたオルタン署長はドアをノックし「署長だ。入るぞ」とドアを開けた。
そこに居たのはオルソード策敵官だ。ある部屋とは策敵官室。ある人物とはオルソード策敵官の事。オルソード策敵官は策敵業務に長けている人物だ。
「策敵業務中悪いがちょっといいかな?」とオルタン署長は椅子に座った。
「はい、何でしょうか?」とオルソード策敵官は策敵業務を止め振り向きながら椅子から立った。
「今直ぐにブラックシティーへ行ってどんな様子か探って来てくれないか?」とオルタン署長は問い掛けた。
「探るのは構わないがその場所ってもしかして」とオルソード策敵官は驚いた顔で返事をした。
「そうだ地球犯罪組織団体がある場所だ。」とオルソード策敵官の顔見た。
「やっぱり」とオルソード策敵官は呟いた。
「かつては無人島だったが突如、地上400m、地下300mの建造物を勝手に土地面積を拡大しやがった。恐らく増築液を使ったんだろう。」とオルタン署長はは机を叩いた。
「増築液ですか?」とオルタン署長に聞いた。
「その液を更地に垂らすと土地面積が拡大できる。」とオルタン署長はが再度机を叩いた。
「でもその液自体は違法性はないのですよね?」とオルタン署長に聞いた。
「そうさ。彼奴らは勝手に使用したからアカンのだ」とオルタン署長は険しい顔をした。
「落ち着いて下さい。署長」とオルタン署長を宥めた。
「ありがとうオルソード策敵官。」とオルタン署長は一呼吸置き
「その島周辺を航海中の漁船からは地上の様子、そして潜水艦からは地下の様子の状況を知らせてくれた。」とオルタン署長は椅子から立った。
「良く知らせてくれましたね?」とオルタン署長に聞いた。
「丁度あの辺は船舶が航海しやすい場所だからな。それが急に通りにくくなり、漁船や潜水艦で調査を自らやってくれたんだよ。」とオルタン署長が窓を眺めた。
「それで私に何を策敵したら宜しいのでしょうか?」とオルタン署長に聞いた。
「君には地球犯罪組織団体の策敵業務をして欲しいと思っている。それに島の詳細位置や建物の内部がどうなっているのかも知りたいと思っている。」とオルタン署長が急に椅子に座った。
「策敵業務は私の専門ですから大丈夫です。その後はどうすればいいのでしょうか?」とオルタン署長に聞いた。
「あくまでも様子を探るだけで良い。様子か判明したら私に連絡して来てくれないか?」とオルソード策敵官の顔を見なが問い掛けた。
オルソード策敵官は「了解しました。今直ぐに行って参ります。判明次第、署長に連絡致します。」オルタン署長に返事をし、行く準備を開始した。
場所ブラックシティー内にある地球犯罪組織団体内部
地球脱出を謀るため着々と準備を始めている地球犯罪組織団体。
「おい、お前ら早くしろ。」とリーダーは手下に促した。
「そんな事言われても準備をしない奴等が。」と一人の手下がリーダーの顔を見た。
「よし、準備をしない奴は俺から注意しとく、お前は準備をしとけ。」とリーダーは一人の手下の顔を見た。
「分かりました。」と自分が用意する物の準備を開始した。
リーダーは準備をしない手下に準備を進めるように手で合図を出した。
場所警察監理署宇宙船基地
オルソード策敵官はブラックシティーに行く為に身支度をしていた。数分後準備完了。
「では行って参ります。」とオルタン署長に敬礼した。
「詳細が分かったら無線連絡を忘れるな。連絡後直ぐに巡警船艦を向かわせるから。」とオルソード策敵官の顔を見た。
オルソード策敵官は頷きながら小型飛行船に乗り込み操縦しブラックシティーに向って行った。オルタン署長は小型飛行船が飛び立つのを見てから署長室へと戻った。
場所地球犯罪組織団体
地球脱出の準備が終了していた。残すは襲防船艦の点検のみだ。然し点検を開始しようとした時問題が発生した。それは、空から何かが此方へと飛んで来るのを地上で見張りをしていた手下が発見した。
「リーダー、空から異様な物がこっちへ来るぜ」と叫んだ。
「鳥か飛行船ぐらい区別つかんのか」と怒鳴った。
「あっあれは……」と言葉を詰まらせた。
「なんだ、はよう言わんか」と急かした。
「飛行船だー」と目を細めた。
「それは多分、警察監理署の飛行船だ。早く帰って来い。捕まるぞ」と手下を中に入るように促した。
地上に居た手下は慌てて地下に入った。地下ヘと戻った手下にリーダーは襲防船艦の点検をするように促した。
場所ブラックシティー上空
小型飛行船でブラックシティー上空を飛行中のオルソード策敵官は
「うん、彼処に人影が……。」と地上に居る人物を見つけ近づこうとした。だが、オルソード策敵官は、ふとオルタン署長の「様子を探るだけ」の言葉を思い出した。そこでオルソード策敵官は小型飛行船に搭載されている透視カメラのスイッチを押した。するとモニターに地下へと降りていく人影が映し出された。オルソード策敵官はブラックシティーにある建造物内部を透視カメラを使用し探り始める。
暫くその周辺を飛行し探り出すと
「何だあれは、良く見えないな」と透視カメラを拡大したオルソード策敵官。
するとモニターに、はっきり映し出され
「よくみると戦艦の様な物が表示された。あれで逃げる気だなぁ」とオルソード策敵官は確信した。
モニターに映し出された様子をオルタン署長に報告しようと無線を入れる。
「こちらはオルソード策敵官。署長応答願います。応答願います。」とオルソード策敵官は無線を入れながら建造物上空を周回する。
「どうしたのだ?」とオルタン署長は署長室にある無線を取りながら椅子に座った。
「透視カメラで探ってみたら、戦艦の様な物が移りました。」とオルソード策敵官は相手に無線を傍受されないように上空を何回も周回している。
「やっぱり地球脱出は真実だったか。」とオルタン署長は机を叩いた。
「そのようですね。これから私は帰還でしょうか?待機でしょうか?」とオルソード策敵官はまだ上空を周回している。
「本当は帰還して欲しいが場所が分からないから其処で待機と言うことで良いかな?」とオルタン署長は申し訳ない口調で机に手を置いた。
「待機は可能です。場所記憶装置を使用しますから」とオルソード策敵官は装置を使うべく周回を止めて浮遊停止した。
「そうだな、その装置を使えばその場所を記憶できるしね。地球犯罪組織団体に潜り込もうと思うから待機してくれ。巡警船艦でその場所に行くから頼んだよ」とオルタン署長は椅子から立った。
「了解。待機します」とオルソード策敵官は、無線を切り終えると、その場所をコンピュータに記憶しておく為に「場所記憶装置」のスイッチである赤く小さいボタンを押した。モニターに記憶を開始中のメッセージが映し出された。記憶作業時間は一分も経たないうちに完了する。
オルソード策敵官はオルタン署長からの連絡が入るまで建造物上空を浮遊停止しながら待機する事になった。
警察監理署署長室にいるオルタン署長はオルソード策敵官が無線が切られたのを確認し、巡警船艦監理責任者であるシャーシュ船艦司令官を呼ぶ為に基地内通常連絡スイッチボタンを押した。
場所宇宙船基地巡警船艦係留区域
その区域内では船艦と銃器の掃除、点検等の整備が行われ空中整備工場だ。
そんな場所で何時通りの整備をしていたら宇宙船基地全域に
「連絡スイッチ作動、連絡スイッチ作動……」と数回にわたってアナウンスが流れた。
アナウンスを聞いた基地に居る全員が喚き始め作業が止まった。
「こら、作業を止めるな、ちゃんと作業しろ」とシャーシュ船艦司令官は作業開始を促した。「分かりました。だけど連絡スイッチが作動したって事は問題が発生ですか?」と一人の整備士がシャーシュ船艦司令官の顔を見た。
「詳細は聞いておくから作業開始だ」とシャーシュ船艦司令官は全員の顔を見渡した。
基地に居る全員が頷き整備作業を再開した。
シャーシュ船艦司令官はオルタン署長に会う為に警察監理署に向った。警察監理署と巡警船艦基地は目と鼻の距離に有る。
場所責任者専用移動通路
その通路は筒状になっている。そんな通路を何時ものように歩くシャーシュ船艦司令官。この専用通路を使えば数分には着く距離にあるためかあっという間に署に到着し署長室がある場所ヘと歩いた。
場所署長室
その前に辿り着いたシャーシュ船艦司令官はドアをノックした。
「誰だ」と中から声が聞こえたので、
「シャーシュです」と返事をした。
「どうぞ」と中から聞こえたので、
「入ります」と扉を開けた。
「整備作業中呼び出して悪かったね」と顔を見た。
「いえいえそんな事ありません」とお辞儀をし、一呼吸置き
「署長、連絡スイッチが基地内に作動したのですが何かあったのでしょうか?」とオルタン署長の顔を見上げた。
「地球犯罪組織団体の居場所が判明した。」とシャーシュ船艦司令官に視線を向けた。
シャーシュ船艦司令官は無言のまま頷いたが驚きを隠せなかった。
何故なら今まで突き止められる人物が居なかったからだ。
『まあ、驚くのは無理もないわ。このワシも驚いたわい』と心中、オルタン署長はシャーシュ船艦司令官の
驚きを隠せなかった表情を見詰めながら、
「実はなぁ、オルソード策敵官が居場所を突き止めたのだ」と椅子から立ち上がり顔を見下ろした。
「それで突き止めた居場所とは何処なのですか?」とシャーシュ船艦司令官は椅子から立ち上がったオルタン署長の顔を見上げた。
「それはなぁ。ブラックシティだ。そこにオルソード策敵官が上空で待機している。」とオルタン署長はシャーシュ船艦司令官の顔を見下ろした。