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039_今孔明

 


 永禄九年秋。

 夏に信長様は美濃に出征したが、、木曽川を渡った先の河野島(各務原市)で洪水にあってしまい、兵の多くを失ってしまった。

 俗にいわれる河野島(こうのしま)の戦いだ。


 こちらは信辰が長島城の城代になって、殿はそのまま伊勢方面の抑えとして古木江城に留められた。

 だけど、殿は伊勢方面に関して裁量権を持っているので、伊勢に注力してもらおう。

 てか、美濃のことは置いておいて目の前の伊勢に注力してくれ。


 さて、俺のミッションの方だけど、『服部友貞を倒せ!』はまだクリアしていない。

 彼は俺たちの長島城攻めの前に城を出て、桑名に入ったそうだ。なかなかしぶとい。

 だけど、『長島城を攻め取れ!』はクリアした。

 実際に長島城を攻め落としたのは信辰と滝川様だけど、俺も色々とお膳立てをしたことから、ミッションコンプリートになったようだ。


【ランクC】

 ・鉄砲×10


【ランクD】

 ・火薬(1箱)×10

 ・鉛玉(100発)×10


【ランクE】

 ・清酒(小樽)×10

 ・醤油(小樽)×10


 醤油はこれで二回目だ。どれだけあっても困らないからありがたい。

 そういえば、信長様が鉄砲隊を組織していたな。

 俺も鉄砲を配備しようかな。


 今回の戦いだけど、織田家と一向衆の争いはうやむやになっている。

 大きいのは伊藤氏が願証寺を焼き討ちしたことだ。

 織田家はその仇を討った形になってしまっているのだ。

 じゃぁ、七千人の一向衆を皆殺しにしたことはどうなるのか?

 少なくとも、織田家には非がないと世間的には見える。

 なぜなら、長島の一向衆が国境を越えて尾張に入ってきて略奪をしようとしたのだから、討伐されるのは仕方がないのである。

 悪いのは一向衆なので、本願寺としてはあまり大事にしたくないようだ。


 さて、俺は加増があって、碌は三千五百貫になっている。

 そうなると、俺の家臣の碌も増えることになる。

 清次は四百貫、雲慶は三百貫、伊右衛門は三百貫、利益は三百貫、貞次は五百貫、半兵衛は五百貫だ。

 今回のことでは皆が加増されていたけど、半兵衛は俺たちを勝利に導いてくれたので、五百貫になっている。

 それと貞次は鯏党の全員分なので、多くなっているのは当然のことだ。

 みんなにもっと碌を与えたいけど、俺も雇われの身なので簡単ではない。


 あと、貞次は別として、他の五人には馬用ニンジンを与えた馬を贈ろうとしたが、半兵衛が断ってきた。

 半兵衛は「名馬を買うと、いざ戦おうとする時にその名馬を他人に盗まれはしないかと惜しんで馬を下りられず、戦機を逃がすことになりますから乗り捨てても惜しむことのない貧祖な馬でいいのです」と言って断ってきたのだ。

 なんか半兵衛らしいと思って笑ってしまった。

 ちなみに、利益は俺が贈った馬に松風と名づけていた。まさかここで松風が出てくるとは思わなかった。

 半兵衛といい、利益といい、こいつらは俺を退屈させない奴らだ。


 今後の方針だけど、今は何もない。

 信長様が美濃を攻めているので、その戦いに駆り出される可能性はあるけど、そろそろ斎藤家も後がなくなっている。

 西美濃三人衆は全員、織田家への内応を約束している。

 半兵衛が三人を説得しているので、なかなかの手柄だ。

 おかげで、西美濃は織田家へ内応する者が後を絶たない。

 半兵衛半端ない!


「なぁ、半兵衛」

「なんでしょうか?」

「お前は俺の下にいて幸せか?」

 半兵衛がふっと笑った。鼻で笑われた感が半端ない。

「殿の元にいるからこそ、この半兵衛は力を発揮するのです」

「そうか……」

 半兵衛の功績は大きいから、そう言ってくれると俺も気が楽になる。


 半兵衛の活躍もあって殿は一向衆に攻められて死ぬことはなかった。

 これはとても嬉しいことだけど、殿を検索しても内容は変わっていない。

 今後は検索があてにできないので、これからのことが逆に不安になってくる。

 俺は畳の上で死ねるのかな?

 そのためにも畳を購入しておこう。この時代では畳は一般的じゃないんだよね。


 

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