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青春とともにプロの世界へ  作者: 急激加速
青春とともにプロの世界へ
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第3章 才能

俺は飛夢と一緒に帰っているので、寄り道をよくして帰るのだ、今日も。


「なあヒロト明日の対局、俺もルミと一緒に、応援に行ってもいいか?俺もヒロトの活躍みたいなぁ」


「構わないぞぜひ見に来てくれ、俺の招待客といえばVIP席みたいなのを用意してくれるから、そこで見守っててくれ」


広斗は特に否定することもなく快く受け入れてくれた。俺と広斗はかたい握手を交わした。


「じゃあ勝利祈願としてカツ丼食いに行くぞ!カツ丼食う者は必ず勝つ!今のこれ俺の名言だぞ」


「そうだな!縁起もいいし」


「今日は俺の奢りだから死ぬほど食えよ!」


そうして二人は明日の勝利祈願も兼ねて、カツ丼大盛りを胃袋に放り込んだ。

そしてその日の夜、当然の如く夜飯はお腹に入らず、親にご飯いらないならしっかり連絡しなさいとこっぴどく怒られた二人であった。


「はぁーー気持ちいい、体に染み渡る」


湯船に浸かりながら、独り言を呟く。

温かいお湯は最高だぜ!

さあて、明日の為に脳もしっかり休ませないとな。


留美も飛夢も来ることだし絶対負けらんない、そして勝ってプロになる。

たしか相手は一つ下の女子だ、レベルは間違いなく高い。歳下だろうと可愛かろうと冷静に対処して倒す。それが俺だ!

風呂をあがり、布団を敷いて寝る準備をする。


「試合相手の情報少しは、かじっとくか」


パソコンを立ち上げ、大会本社からもらった対戦表の名前を確認する。


俺の対戦相手は「稲葉優美子」調べてみると、

将棋歴十年、東北ジュニア大会優勝、

全国ジュニア大会第三位、しかも10歳で。

間違いなくこれは才能だ。


「ア……ハハハ……」


いくらなんでも強すぎるだろ!!

もっと前から研究しとけばよかった。


だが俺の方が将棋歴は長い、負けた数も俺の方が多いだろうだからこそ、今まで負けて学んだ事、俺の努力を全てこの対局にぶつけてやる。


「全面戦争だ」


翌朝対局会場に向かう為に、タクシーを拾った、電車やバスは遅延などがあったりする為、こういう大事な時にはあまり頼らないようにしている。


留美や飛夢とは現地集合にしている為、行き方はバラバラである。

対局一時間前、会場に全員揃った。


「意外とすげーところで対局するんだなーヒロトは、将棋会館なんて俺初めて来たわ!」


会場を見ただけで大はしゃぎしている飛夢、まあ普段見ないような場所に来たら、テンション上がるのは普通か。


「ヒロト昨日はしっかり寝れた?寝れてなかったのなら対局時間まで膝枕してあげようか?」


今日は朝から留美はからかいモードに入っているようだ。楽しそうな笑みはこちらに向いている。


「おかげさまでしっかり寝れたよ、準備は万端だ!」


気合いを入れて自分の頰を両手で叩く。

そして会場の係りの人に友人を、招待客用観戦席へ連れて行ってくれと頼む。

じゃあ頑張ってねーと留美と飛夢は言い、案内に従って歩いてく姿を見守り、俺は控え室に向かう。


控え室の扉を開けるとそこそこ広い一部屋があった。鏡やテレビ、冷蔵庫などがある。

しばらく寛いでいるとヘアメイクさんが来た。


「失礼します、ヘアメイク担当の田宮です。

中に入ってもよろしいですか?」


とても礼儀正しく可愛らしい声が聞こえた。


「どうぞ入ってください」


すぐさま返事を返すと若い女性が入ってきてよろしくお願いしますと告げてくる。


「では鏡の前に座ってください。髪をセットしますので」


と淡々と作業が進んでいく。最近調子はどうだ〜などと世間話も交えていたら、セットが終わってしまった。


「頑張ってくださいね、応援してます!では失礼しました」


俺もそろそろ行くかーと、控え室を出て対局室に向かう。

現在地は四階、対局室は六階と少し離れているのでエレベーターを使って登る、すると五階で止まってしまった。


扉が開いてその瞬間今日の対局相手稲葉優美子が、姿を現した。

どうする俺、一応ガンでも飛ばしとくか?などと考えていると、


「今日はよろしくお願いします!楽しい対局にしましょうね!」


先手を取られてしまい、頭の中が真っ白になった。


「あ、はいよろしくお願いします」


丁寧に返してしまった。相手は敵意など向けている様子ではなく、むしろ好意的だった。

俺は勝ちにこだわりすぎたせいで、まともに挨拶もできなくなってしまったのかと反省していると、何やらモジモジした様子で俺に話しかけてきた。


「あのもしよかったら私とお昼一緒に食べませんか?」


歳下の女の子に上目遣いで頼まれてしまった。その上目遣い反則だろ、断れない。


「わかったいいよ」


こっちも負けず劣らずな笑顔で返してやった。


「おぉー!ヒロトさんの笑顔可愛いですね!無邪気な子供みたいな笑顔です!」


さらにもう一段上の笑顔を作ってきやがった。

そういえば留美と飛夢と一緒に食べる予定だったが、まあ二人で食べてもらえばいっか。

一応留美に連絡を入れといた。

「昼ご飯は飛夢と済ませてね」と、これでよし。

そして六階に着いた。


「じゃあ対局室に向かおうか」


「はい!」


よし、じゃあ始めるか。

俺、長柄広斗の運命をかけた大勝負!!

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。

個人的に学生といったら寄り道!ということで、今回は寄り道シーンを入れてみました。

そして新キャラ稲葉優美子が登場!これからの展開をさらに熱くしていくキャラなので今後もよろしくお願いします。

次回予告いっちゃいましょう!

才能と努力のぶつけあいを、盤上で繰り広げる優美子と広斗。

どちらも負けずと互いの技術を見せつけあう。

プロを決める対局どちらが勝つのか!

次回もよろしくお願いします。

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