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青春とともにプロの世界へ  作者: 急激加速
青春とともにプロの世界へ
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第2章 友人との対局

今の時代将棋盤を、わざわざ持ってこなくても、スマホで将棋ができる便利な時代だ。アプリを起動し、対戦モードを選択する。


世界中の人とランダムマッチか近くの人とマッチ、どちらか選択をしなくてはいけない。


もちろん飛夢は、目の前にいるので近くの人とマッチを押す。すると三件ほどマッチした。


[Name:ゼロ] [Name:マグ] [Name:トム]


なんてわかりやすいやつだ、いい歳した高校生がゲーム名に自分のリアルネームを入れているなんて少しはプライバシーの心配とかしろよ。

少し呆れていると飛夢が、悩んでいる表情を浮かべながら確認をとってきた。


「おいヒロトの名前ってゼロってやつか?」


「いいや違う、ダークってやつだ」


おぉーこれか!と、飛夢は手際よくマッチボタンを押した。

俺もその作業をこなす。そして対局までの間には多少時間があるので待ち画面にお互いのプロフィールが書き出される。


「ヒロトめっちゃ対局してるんだな、一五六三勝、四九七負ってすげーな勝ちまくってんじゃん!」


驚きをあらわにする飛夢、それを聞いていたのか留美が、へぇーすごいじゃんと賞賛を送ってきた。


「やっぱりしっかりとした実力はあるのね、さすがプロ手前のヒロトだわ。んでトムの勝率はどうなのよ」


「お、俺はネット対戦だとボコボコにされるから」


引き気味な感じで答える飛夢、そんな飛夢に追い打ちをかけるかのように留美は、にやけながら問いを続けた。


「教えなさいよ、ねえヒロト、トムはどのくらいの勝率なの?」


俺は画面を確認してみると、飛夢は2勝5敗という感じだった。俺はどう穏便に伝えるかを考えながら答えた。


「まあ勝率はそんなに酷くないかなぁーなんて」


「おいヒロト遠回しに酷いぞ」


察しがついたのか留美は、小悪魔みたいな笑みを浮かべてきた。


「つまりトムは弱いんだ。まだまだペーペーなのね」


「うるせーガチ勢じゃなきゃこんなもんじゃ!」


そんな和やかな会話をしていると、準備が終わったようで、スマホの画面に対局開始!と表示されていた。


「おいトムほんとうにハンデなしでいいのか?」


飛夢を煽るように告げてみる。


「余裕だぜ、さあかかって来いや!

能ある鷹は爪を隠すってな!

そして!能ある俺は飛車で特攻!」


超ドヤ顔で決め台詞を言った飛夢。

そして始まる飛夢と広斗の本気の対局。


飛夢の戦法は、十字列を自由に駆け巡ることのできる飛車を、使った戦法が得意なのだ。

だが飛夢は攻めることに集中しすぎて、毎度防御が甘くなってしまう。こういう相手は動きが読めるので楽なのだ。


そして約10分ほどの対局を、俺は勝利で収めた。


「やっぱり強いなぁーヒロトは、俺のじいちゃんより強いかもな」


笑いながら試合の感想を述べる飛夢。


「あんたのじいちゃんなんか知らないわよ、

ねぇヒロト今度は私とやろうよ!負けないわよ!」


すごく可愛い笑みをしながら飛夢の席に移動し、前のめりになる留美、最近可愛くなったんじゃないかと思いながら、おういいぜと答えた。


だがその刹那、俺と留美の愛の対局とも思われる対局が打ち消されるかのように、お昼終了のチャイムが鳴った。

また今度しようねーと留美は席に戻ってしまった。なんだこのモヤモヤする気持ちは、俺は留美の笑顔に、100万ボルトでも食らっちまったのか?


そんなことを考えてるうちに授業が始まった。

飯食った後の授業は、どうしてこんなに眠くなるのかなあ、なんて考えてるうちに眠ってしまった。


〜〜〜〜〜〜〜夢の中〜〜〜〜〜〜〜


「う………なんで……かて……ないんだよ」


「ヒロトはまだまだ弱い、出直して来い」

「このクソガキこの程度の強さでいきがってたのか」

「がっかりだぜ……」


怒涛に浴びせられる罵倒、もうやめてくれ。


「ヒロト!あなたなら勝てるわ!くじけちゃダメよ!」

この声は………留美?

「ヒロト応援してるわよ!頑張れ〜!」



留美〜ありがとう…………ん?ハ!」

突如夢から覚める、そして今罵倒を受けてないと、察しると夢だったのかーと、気持ちに安堵が訪れる。


あと5分ほどすれば、授業が終わるというタイミングだった。長時間机に伏せて寝ていたせいか、手の痺れなどを感じる。そして、んんーーと体を伸ばすと、少し体が軽くなる感じがした。


そして隣にいる留美をみると、目が合い少し頰がピンク色に染まっている気がしたが、太陽に当たって明るく見えたのだろうと自己解釈し残りの授業時間を寝た。


当然の如く前の飛夢も寝ていたらしい、しかもいびきをかきながら。

残りの授業はしっかりと受け、家へ帰宅した。

青春とともにプロの世界へ

第2章を読んでいただきありがとうございます。

今回は前回の続きということで、ヒロトとトムの本気の対局をメインの構成として、作らせていただきました。

そしてヒロインのルミの魅力も徐々に出しつつ、学園での青春そして恋の青春、どちらも今後織り交ぜながら今後も書かせてもらおうと思ってます。

今後のルミとの繋がりや、トムのネタ発言、ヒロトのプロの将棋指しに注目してもらいたいなと思ってます。

今後もよろしくお願いします。


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