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2ー027 ~ 勇者3人

 食事は普通だった。俺だけメニューが貧相ということも、おかずが一品闇に消されたわけでもなく、皆と同じだった。よかった。

 う、またびくびくしてるな、俺。堂々とするんだ。俺は何も悪くないんだから。


 食事中にもどうしてお姫様抱っこだったのか訊かれた。ネリさんに。


 それで、サクラさんの背嚢を背負っていたから、前しか空いてなくてって言ったのに、そこでリンちゃんが、『だったらサクラさんに背嚢を返して、サクラさんごと背負えば良かったのでは?』と言ったため、もう何故か『そうだね、ごめん、気付かなかったよ、サクラさんもすみませんでした』なんて謝るハメになり、そこでサクラさんが頬を染めて『い、いえ…タケルさんが謝られる必要なんてありません、私が至らないせいでご迷惑を…』なんて言うもんだから雰囲気がピリピリどんより曇ってしまって、食事の味なんてさっぱりわからなかった。


 そのままみんな無言で黙々と食べるんだもんなぁ…、『お姫様抱っこ』ってそんなに重要なのか?、まさか肩に(かつ)ぐとか、小脇に抱えるとか、そんなの論外だろ?

 俺にしてみれば『背負う』ほうが背中や腰にあたる部分に気を遣うっていうかさ、まぁ今の所は胸当てつけてる人しか背負ったことないけどさ、そういうのがあるから、その『お姫様抱っこ』のほうが気楽なんだけどな…。


 それで雰囲気を何とかしようとリンちゃんに、『モモさんが前に作った、ゼリーのフルーツ寄せはまだある?、あったら食べたいな』って言って皆に出したんだけどさ…。


 「わぁ、きらきらしてきれいなデザートですね」


 なんてサクラさんが最初に、いかにもお嬢様みたいな仕草と微笑みで言ったもんだから、場の雰囲気にヒビが入った。効果音があるなら『ピシッ!』って感じ。

 パッシブの魔力感知で敏感にわかるけど、そんなの使わなくてもわかった。


 「(サクラさんがおかしい、こんなのサクラさんじゃ無い…)」


 ネリさんは何かを(うしな)ったような表情でぶつぶつ言ってる。

 そんなこと言われても俺サクラさんの普段を知らないし、俺と会ってからずっとこんなだよ?、このひと。


 「(サクラ様が相伴したからこのような高価なデザートが…?)」


 メルさん、違うからね?、俺が食べたかったのもちょっとあるけど、前に食べたとき美味しかったから皆にも食べて欲しかっただけで、別にサクラさんがどうのってわけじゃないよ?


 あれかなぁ、サクラさんの見かけが同年代ってのと、やっぱりこうしてみてると上品だし、黒髪ストレートで姫カットっていうんだっけ?、前と横がなんか揃ってる感じのやつ。よく知らないけどさ。

 それがとてもよく似合ってる和の美人なんだよね。きっと浴衣とか着物とか似合うだろう。


 あ、もちろんメルさんだって上品だよ?、仕草とか立ち居振る舞いって言うのかな、前に言ったかもしれないけどさ。

 でもどう見ても小学生だから、美人になるだろう可愛く整った子、なんだよね。


 ネリさんもたぶんめちゃくちゃ人気あったんじゃないかな、ドイツ人の良し悪しはよくわからないけれど、金髪碧眼で目鼻ははっきり色白で整ってるんだから美人にちがいない。

 でも俺から見て高校生…にはちょっと見えないけど、でも若いってのは分かる、そんな感じ。


 あ、あれか、大人の女性――見かけがね――だから俺がどうにかなるとか思ったりしてるのかな?、自意識過剰か?、んじゃ何だろう?

 リンちゃんは別にサクラさんじゃなくても他の女性が近づくとああなるので除外して…。


 ああ、午前中魔法の訓練で、上手くいかなくてイライラしてたところに俺が遅くなったせいで腹が減って余計にイラっとしてたのに、原因の俺が暢気にサクラさんをお姫様抱っこして現れたから不機嫌なんだ。そういうことか!


 だったら動いて発散すればいいよね、でももう近くに大型とか居ないし、次に近いダンジョンって、ハムラーデル方面にここから40km近くあるんだよね…、位置と規模からして1層か2層程度だから、大型は居ないし…、うーん。


 剣の訓練か?、でもなー、こういう雰囲気のときって、やっぱ訓練よりも…、あ、橋を渡って川沿いに36kmほど行った所に、4層は確実にあるダンジョンがあるじゃないか。

 そこだと橋を渡らなくても、こちら側にこないだ作った船がまだあるし、風向きもちょうどいいから帆と(かい)つけるだけで楽にいけそうだ。

 今夜はその中に小屋つくって泊まることになりそうだけど、でも大型も居るし、そこそこ規模もあるから発散できるんじゃないかな?、よし、これでいこう!






- えーっと、食後は予定を変更して、東にあるダンジョンを攻略します。


 「「「えっ?」」」

 「全員で、ですか?」


- うん。風向きもちょうどいいし、川下りができるなって。


 「船ですか?」


- そう。とは言っても急流でもないし岩がごろごろあるわけでもないから、どちらかというと遊覧船のような感じだろうけど。


 「はい!、タケルさん、船に乗りたいです!、あ、でもこないだみたいなジェットとか槍でズバババってのはイヤですよ?」


 ネリさんが勢いよく手を挙げてそんなことを言った。


 「槍でズバババ……」


 あ、メルさんが思い出し沈みしてる。


- うん、川の流れと風で進むだけ、魔物がいたら倒すけど、みんなは現地の分岐で活躍してくれればいいよ。4層はあると思うし大型も居るから。


 「!」

 「はーい、頑張ります~」


 メルさん復活。やっぱり戦闘したかったっぽいなー。ネリさんも明るい。


 「あの…、タケルさん?、私もでしょうか?」


- サクラさんは今日のところは見学ということで、僕たちのやりかたを見ていてくださればいいですよ。


 「本当にダンジョン攻略をこれだけの人数で?」


- それは現地で。今ここで説明するより、実際に見たほうが早いでしょう?


 「はい」


- たぶん今日はダンジョンで泊まることになると思うので、そのつもりで準備してね。


 「はい」「はーい」






●○●○●○●






 4人がゆったり座って余裕があるサイズの船だから、1人増えたところで問題は…、なんて思ってたけど、結局平底の大きな船を作り直した。

 だって帆を張るんだから、その分スペースが必要なんだよ。


 帆の回転とか構造がよくわからないし時間ももったいないので、固定にした。どうせ下るだけだし。

 また船が必要になったら作ればいいさ。もう開き直った。


 俺は後部…、船尾?、何か言い方があった気もするが、とにかく後ろに乗って、うろ覚えだけど(かい)の形を作って(へり)にはめ込んで、船の舵取りをした。


 見かけた魔物は例のごとくスパスパ倒して、舵をリンちゃんに任せ、たーっと走って回収してたーっと戻ってきてまた交代した。


 ここで水の上を走るテストができたんだが、最初はバランス崩して盛大にすっ転んだ。

 起き上がろうとしては転び、起きてはまた転び、走ろうとして波のとこで踏み切れなくて転び、踏み出した先では波の向こう側でふにゅって足が滑って転び…、と散々だった。


 ネリさんにスゲー笑われた。そりゃーもう呼吸困難になってたぐらい笑われた。


 だってホントにめちゃくちゃ走り辛いんだよ、沈みはしないけど、ちょっとだけ足元が凹むしさー、波だってあるからふらふらするし、平らじゃないから、慣れるまでは変な走り方してたと思う。

 そのせいで輪を掛けて面白かったらしく、『ひっ、ひっ、く、くるし、も、やめ、おね、ひっ、しぬ、』とかもう船の上でのた打ち回ってた。だったら見るなよホント。


 だいたいそんだけ楽しそうなやつがひとりいると、他も釣られて楽しくなるんだろうね、ネリさん程ではないけどみんな笑ってた。リンちゃんまで声出てたぐらいだから余程面白かったんだろうね。俺は必死だったけどな!!


 倒した魔物を回収して戻ってきたら、サクラさんが『タケルさんは水の上を走れるんですね』なんて言うもんだから、わざわざ反対側を向いて落ち着いてお茶を飲んでたネリさんが『ぶふーーー!』盛大にお茶を噴き出してまた笑い転げてた。


 ちぇっ、そんなに面白かったのか?






 結局、ネリさんのせいでその話題は避けるしかなくて、時間を置いてから説明しますってことにした。と言っても理論なんてわからんので簡単にしか言えないんだけどね。


 俺も何度か走ればそりゃ慣れもするので、水面の軟らかさや弾力――変な話だろうけどそう表現するしかないんだよ――を利用して速く走れるようにもなった。

 でも陸地のように身体強化で全力にして走ると水面のほうが()ぜてしまってロスが多いので、適度に加減して走る。だから陸地より早く走れるわけじゃあない。


 それは置いといて、そよ風程度でもそれを受け、川の流れに押されて走る平底船は、まさに滑るように川を下り、目的のダンジョン近くの川岸に止めるときには帆を降ろし、進む勢いで川べりに突っ込んで止まった。なかなか豪快な止まり方だなと思ったけど、皆は何も言わなかったのでそれでいいらしい。






 そしてダンジョンに入ったとこ。

 さらっといつものようにリンちゃんが暗視魔法を使って、新メンバーのサクラさんが驚き、メルさんがまたかという顔をし、ネリさんが苦笑いをしたぐらい。


 そして探知のためにピンガーをぱぱっと撃って、受け取って羊皮紙に1層全体の地図を描いたら走る。

 走りながらスパスパ撃って、大型以外は回収。魔力ポイントがあったら土魔法で崩して散らし、分岐があったら本筋は4人で行ってもらい、俺は分岐へ行く。

 今回は分岐が多くて、なかなか大変なので、ゆっくりめに進んでくださいと伝えて、終わって合流したときには休憩する。


 俺は結構多忙なので、質問などはネリさんやメルさんにってサクラさんには言っておいたので、3人はよく話しているようだった。

 時々リンちゃんが説明を補ってた。






 「もう何から何まで驚くことばかりですよ…。ネリはよく付いて行けますね、それにかなり強くなったんじゃないですか?」

 「あたしはサクラさんのその言葉遣いと態度のほうがびっくりですよ、タケルさんのせいだと思いますけど、やっぱりお姫様抱っこが原因ですか?、ふふふ」

 「そ、それを言うなというのに。理由は説明されていただろう?」

 「じゃあどうしてサクラさんのほうがずーっと先輩なのに、タケルさんには敬語なんですかぁ?」

 「それを言うならネリだってタケルさんの先輩ではないか。どうせネリの事だ、最初は偉そうにしてたんじゃないのか?」

 「うっ…、そんなことは…、あったかも……」

 「でも今は敬語ではないか、私もそれと同じだ」

 「あっ、ずるいですサクラさん、あ、ということはサクラさんもタケルさんに最初偉そうにしたんですか?」

 「いや、私はそんなことはなかったぞ?、最初から敬語だった……と思う」

 「えー…?」


 予想より分岐が多くてちょっと遅くなってしまったが、なんとか3層までを掃除し終えて、4層手前のところで小屋を建て、風呂を用意。

 それで順番に入ってもらって、その間に食事の支度をしようと思い、風呂に先に入ってくださいと声を掛けようとしたら、2人が何やら(はしゃ)いでいて、それを少し離れたところでメルさんが微笑んで見ていた。

 んじゃメルさんに先に入ってもらおうかな。


- メルさん、お風呂どうぞ?、どうしたんです?


 「ああタケル殿。いや、勇者とは言っても我々と何ら変わらないのだなと思ったのです。昔話や物語、吟遊詩人の(うた)にあるような特別な面もあるのでしょうが、それでも同じ(ヒト)なのだなと」


- そうですよ?、僕だってこの世界に召喚、なのかな、転移してくるまでは市井(しせい)の普通の人でした。生まれの違いや環境の違いは多少ありますが、彼女らもたぶんそうでしょう。


 「そうなのですか…」


- そういう点で言えば、メルさんのほうが余程特別ですよ?、王女様ですし。


 「なるほど。それは考え付かなかったな、あはは」


- そう、そうやって普通に話してくださいね、どうも王女様から敬語というのはむずむずすると言うか、居心地が悪いというかなので。


 「それは、我等王族は勇者様に対しては敬語というのが決まっているからであって、個人的に許可されたならこうして普通に話してもいいのだが…、今回は勇者様が3人も居られるので、タケル殿しかいないならともかく、ネリ様やサクラ様が一緒だとその…」


- なるほど、そういうことでしたら我慢します。でも2人で話すときは普通でお願いしますね。さ、お風呂に入ってください。僕は食事の支度がありますので。


 「わかった、では先に入るとしよう」






●○●○●○●






 さて4層なのだが、最奥の部屋がどうにも様子が違う。


 具体的には大部屋だ。そして建造物のようなものがあり、中型程度、全長5mの翼を生えた尻尾のある、んー、トカゲか?、これ。ドラゴンってこんなだっけ?、なんか違う気もするが、そんなのがいる。全長5mってのは尻尾までいれただいたいの目測――魔力感知の目で――なので、実際はちゃんと見てみないとよくわからん。

 地図に焼いてみたけど、解像度(笑)の問題で結局わからん。


 経験豊富そうな2人に尋ねてみたが、やっぱり首を傾げていたし、メルさんも知らないらしい。

 まぁメルさんはあまり王城の図書室を利用してなくて、魔物にもそれほど詳しくはないって言ってたけどさ。


 なのでそこまではいつも通りだ。






 で、大部屋の入り口のところに居るんだが…。

 大部屋って言うだけあって、いや、言ったの俺だけどさ、でかい。

 ツギのダンジョンみたいに全部繋がってるような広さはないけど、天井まで結構ある、これあとで崩して大丈夫なのかな…?、ま、いいかあとで考えよう。


 あ、天井が高いってことは空飛ぶ敵がいるのか?、ああ、ボスっぽいのは翼あったな、あれが飛ぶのか?、飛べるのか?、まぁいいか、行けばわかるだろう。


 ということでザコは左右に壁があってその向こう側にそれぞれ固まってるので、片方ずつ処理。

 ん?、ツギのダンジョンに居た中型のトカゲがいたぞ?、これ外に居なかったよな…?

 まぁいいか、脅威でもないし、外に居ないならそれで。


 さてボスだ。






 「タケルさん…、せめてあたしたちがボスを見るぐらいまでは待ってくれてもいいと思うんですよ…」

 「そうですよ、どんな魔物かとか、どういう動きや攻撃をしてくるか、これじゃ分かりませんよ…」

 「今後の対策や我々が対処することも少しは考えてください」


- あっはい…、すみませんでした。


 どうして襲われる前に安全に倒したのに叱られているのだろう?

 確かに、今後の対策とか言われると、そうだなとは思う。結局ボスは飛ぶのかどうかわからなかったし。


 と、首が切り離されたボスのところにきて、これは尻尾の先が細いからリンちゃんのほうには入りそうなので持って帰れるな、って思いつつ叱られてた。


 全長5mだと思ってたけどもう少し長かった。でも尻尾が長いだけなので、たぶん二足で立ち上がったら頭まで3mぐらいだろう、首落としちゃったのでわかりにくいけど。


 いやほら、いい感じで伏せて首を前に差し出すみたいな格好だったので、部屋に入るまえに、上は空いてるんで、こう、上から曲射みたいにしていつもの氷の刃に風を纏わせてシュッと飛ばして上からズバッと斬ったわけですよ。はい。


 真っ直ぐ飛ばすのとは違うのでそれほど加速もしてないし、倒せなくてもいいや、って程度に軽い気持ちで撃っただけなんだけど、十分だったようできれいに倒せてた。


 んでこれ、角ないよね?、魔物なの?


 「よく見ると角がありませんね」

 「あ、ほんとだ、亀みたいに尻尾についてたりしない?」

 「もう少し探してみましょう」


 ほら、あっちでも言ってる。






 みんなで探したんだけど、角は無かった。

 んじゃ魔物じゃないってことになるのかな…、もしかして倒しちゃまずかったのかな?

 でもボスだし、ここに居たってことはダンジョンの魔物なんだろうってことになった。

 リンちゃんにも訊いてみたけど、こんな動物も魔物も知らないらしい。


 光の精霊の里のほうにも連絡して訊いてみるって言ってたので、分かったら教えてくれるだろう。たぶん。


 首は牙の先がリンちゃんのリュックに入るので持ち帰ることができた。






 皆にボス部屋と仮称してるけど、トカゲボスが居たこの部屋の中と周囲を調べてもらってる間に、俺は魔力ポイントや、天井の崩しやすい箇所なんかを探してた。

 それで気付いたんだけど、この部屋の壁、あちこちなんだか不自然な崩れ方をしてるんだよね。

 壁と壁の間が廊下みたいになってるところなんかも、こう、対になってるっていうか何というか、どうにも違和感が…。


 ん?、(もろ)くなってるのか?、こんな石積みの壁が?


 土魔法でトンカチ作って叩いてみた。

 うん、やっぱりおかしいな。


 「タケルさま?、どうかしました?」


- あ、リンちゃん。この壁さ、こっちはすごく脆いのに、すぐ隣のこっちはしっかりしてるんだよ。


 「ダンジョン生成時の(むら)のようなものでしょうか?」


- うーん、そういうのもあるのか…。あっちの崩れてる箇所もちょっと見てみよう。


 「はい」


 同じように、崩れている周囲は叩くとすぐぼろぼろと落ちた。少し離れた箇所は頑丈だ。

 落ちている部分の石もよく見てみたが、どうも崩れた部分の石と、落ちて散らばってる石の量が合わない気がする。


 それで崩れてる箇所を見比べながら、ピンガーを撃って他のところも感知して……。


- あ!?、ボス部屋の壁で崩れてる箇所のサイズがほとんど同じだぞ?、これ…。


 「え!?、どういうことでしょう?」


- んー…、もしかして…、


 地図を見ながら崩れてる箇所に印をつけてみる。

 ボスの居た位置からボス部屋の壁につけた印までのラインの延長に、崩れている箇所があることが多い気がするなこれ。

 といっても壁の印は4箇所しかないし、延長線の崩れてる箇所は3箇所、さらに先で崩れてて同じぐらいのサイズか少し大きいのは1箇所しかない。


 これじゃ多いとか言えないな。


- もしかしたらあのボストカゲの攻撃なのかもしれない、って思ったんだけどね……。


 そうだったら危険なんてもんじゃないぞ?


 「ではそれも含めて里のほうに確認してみますね」


- うん、お願い。


 結局今考えてもわからないのだった。






●○●○●○●






 帰りに埋めながら戻っていくとき、ふとこのパーティ構成について考えてみた。


 勇者3人、内前衛2人、後衛1人。そこに前衛と後衛が1人ずつ。

 合計で、前衛3人と後衛2人。

 うん。こう書けばバランスはいいよね。


 勇者3人+槍士+メイド。こう書くとひどいバランスだよね。


 メルさんは槍だけどちっさいので中衛じゃなく前衛になってしまう。

 サクラさんとネリさんはどう見ても刀――でいいよね魔力纏って強化してるから――主体で盾はない。


 ゲーム的にはサムライか?

 ってことは、サムライ2人とランサーが前衛?、盾職いないよねこれ。

 ゲームだとなかなかつらいパーティのような気がする。


 元の世界でゲーム結構好きだったって言ってたネリさんにも話してみたら、『そうですね!、あははは、面白いこと考えますねタケルさん!』って背中をバンバン叩かれた。


 このひとは何がツボなんだかよくわからないなぁ…。






 そうしたらサクラさんが、

 「その、ゲームというのはどういう遊びですか?」

 ってきいてきて、ネリさんが説明したんだけど、ほとんど通じてなかった。


 よく聞いてみると、サクラさんがこっちに来る前は、コンピューターというのは文字がたくさん出るもので、壁一面ぐらいあるでかい筐体(きょうたい)に小さいブラウン管やボタンやランプがいっぱいついているようなそんなものしかなかったらしい。当然ネットなんてものも普及していなかったそうだ。携帯電話もなかったんだと。

 携帯電話をみんな持ってるって話をしたら凄く驚いてたよ。


 そりゃ通じないよね。






 そこでふと、最古参ってきいたハルトさんのことを尋ねてみたら、100年近く前にこっちに来たらしい。

 これにはちょっと驚いた。


 100年前っていうと、えーっと、第一次大戦が終わったぐらいだっけ?、いやさっぱりわからん、大正時代か?、うわー、話合わないよきっと。

 って思ったらサクラさんとも話が合わなかったそうだ。


 まぁ、元の世界の話で仲良くならなくても、こっちの世界の話で仲良くなればいいさ、それにもうこっちのほうが長いんだろうし、しかし100年てスゲーな。


 勇者って長生きなのかな。そういやサクラさんも40余年って言ってたっけ。最初44年かと聞き間違えたけど。でも見かけは俺とかわらない。

 ならきっと寿命も長いんだろうな…。




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2019年05月にAI分析してもらいました。ファンタジーai値:634ai だそうです。
なるほど。わかりません。
2020年01月にAI分析してもらいました。ファンタジーai値:634ai だそうです。
同じやん。なるほど。やっぱりわかりません。
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