5ー030 ~ 水着騒ぎその後
『森の家』とまぁ俺が呼んでる部分は3階建ての一戸建て部分だけなんだけど、そこのリビングに戻った。
お茶でもしてろと言われたように、ベニさんとアオさんがお茶を淹れてくれて、向い合せに座っている俺とクリスさんのそれぞれの横に立ってるわけだが、どうも落ち着かない。
というのも、テーブルの上には番号が記された写真、と言っていいだろう絵姿のカタログが置かれていたからだ。
もうお分かりだろう。
さっきの水着ショーの子たちの写真なんだよ。
これをどうしろと?、って目でアオさんとベニさんを見ると、ちょっと困ったようにアオさんが『どの水着が気に入られたかを聞くように言われてまして…』と言う。
「なるほど、そういう事でしたら僭越ですが私から」
クリスさんがそう言ってカタログを手にとってぺらぺら捲り、さっき言ってた番号のところを開いて品評を始めた。それをふむふむと聞きながらアオさんがメモを取っていく。
さすがってところだけど、俺はどうしようね?
だってそんなの最初に言っておいてくれないと、そういうつもりで見てたわけじゃないしさ、そんなのガン見するわけには行かないじゃないか。だから見ているようで見ていないというか、考えないようにしていたんだから…。
それをカタログ写真を見ながら選べと?、無理じゃね?
ベニさんとアオさんには悪いけど、あとミドリさんとモモさん、幹部って言うぐらいだからその印象が強かったせいで他が霞んで見えたぐらいに言ってごまかすかな。
それにしてもモモさんは迫力というか豪華というか、濃紺の大人デザインなワンピースがヤバかった。
隠してるのに隠してないんだよ、隠れてる部分が強調されるデザインだから。
脇のとことか谷間や背中とかが大胆に開いてるかと思えば紐とかメッシュで見えないようになってるし、生地もなんか高級感あってキラキラしてたんだよ。そんでそれがまた歩いて揺れ動くから余計にね。
俺はそういう女性が身近に居たわけじゃ無いし、セレブや芸能人とは当然ながら無縁だったからね、何て言うか気後れするんだよ。近寄りがたいって思ってしまう。
あ、それでミドリさんは妙に積極的っていうか、いつもよりちょっと距離感が寄ってたっていうか、そんな雰囲気出してたのかな?
もしかして、俺がモモさんだとゴージャス過ぎて気後れするなーって思ってたのを察してたのかも知れない。相変わらず考えてることがバレるのって油断ならんなー。
「タケル様、一覧を…、タケル様?」
- え?、あっはい。
クリスさんが身を乗り出してカタログを差し出していた。
急いで受け取ったはいいけど、どうしろと…。
- えっと、やっぱり何か言わなくちゃだめ?
「はい、できれば…、ですけど…」
- ベニさんたちの印象が強くて他が霞んじゃったってのは?
「そ、それは……困ります…」
小声になっちゃったベニさん。ホントに困るみたいだからやっぱり幹部だからって擦り付けちゃうのはまずいかも知れん。
そう考え直したんだけど、あのカエデさんとの差もあって印象的だったし、細身でスタイルのいいベニさんにとてもよく似合っていたのは確かなので、そう言って褒めてフォローしたら、小声のまま『ありがとうございますぅ‥、う、嬉しいです』って耳まで赤くなってた。
ヤバい、可愛すぎだろ。
それにしても最初の頃あんなに強気で、俺にもぐいぐい言いたいことを言ってたベニさんはどこに行っちゃったんだろうね?
すると『あらあら』、『ふふふ』とモモさんとミドリさんが帰ってきた。
「タケル様、あまりベニを揶揄わないで下さいな?」
頭から湯気がでてもおかしくないほど赤くなってたベニさんが、困ったような助けを求める視線をモモさんに送ってたから、そう言われるのも仕方ないと思う。
- いや、その、揶揄ったわけでは…。
「それでタケル様、何番の水着がお気に召しまして?」
と、ベニさんからメモを受け取って場所を代わったモモさんが隣に座った。さりげなく身体を寄せて。
あ、何だかちょっと威圧的な気がする。
- それが特に何番という印象が無くてですね…。
「あら、そのためにカタログをご用意したんですよ?」
俺がクリスさんから受け取ってテーブルに置いたカタログを取り、モモさんの威圧めいた接触から離れようとして身を反らしている俺の膝の上に載せた。
それがまた落ちないように持ったままなんだよなぁ、まるで俺の脚が動かないようにカタログで押さえつけているようにも思える。
これは逃げられない。
- あっはい、そう、そうですね…。
俺がカタログを手で持つと、カタログから手を放したモモさんは、ベニさんから受け取ったメモへちらっと視線を動かしてから、俺の膝をぐいっと掴んでゆっくりと身を乗り出し、覗き込むようにして俺を見た。
「タケル様?、確か、可愛らしい水着を見るのが楽しみだ、と仰いましたね?」
笑顔で。
- は、はい…。
怖い。
俺はハツとメイリルさんの水着について言ったつもりだったんだよ。
でも、言い返せない。
「寮の子たちも急な予定で短い準備時間というのに張り切ったんですのよ?」
- はい…。
うんうんと頷いた。頷くしかない。
「ひとつを選んで頂かなくとも構いません。お気に召したデザインはありましたか?、と問いかけているだけなのです」
- ど、どれも似合っていてステキでした。
「それは本心ですの?」
- も、もちろん、です。
妙なところを注視しないように気を遣いはしたが、全体的にどの子も違和感が無く、皆笑顔で楽しそうだったし、奇抜だったり煽情的過ぎるようなものも無く、変な言い方だが安心して見ていられたのは確かだ。
奇抜なのっていうとまぁアレだ。紐だけとか極小シールだけとかほぼ裸みたいなのは無かったし、着ぐるみのようなのも無かったからね。だから安心。
でも水着だから目のやり場に困るってのは依然としてあったけどね。
とか説明したいけど、じーっと見られてるし威圧感があるので言えないんだよ。
しょうがないだろ、俺はこういうのには弱いんだってば。
「……ま、いいでしょう」
すっと立ち上がるモモさん。そのままアオさんと一緒に少し離れてひそひそ話をし始めた。
はー、解放された、助かった…。
「タケル様、お水をどうぞ」
- あ、ありがとう。
ミドリさんがすっと差し出したコップを受け取って半分ほど飲んだ。給水器の水だ。人心地ついた感じ。
自分でも気づかなかったぐらい緊張で渇いていたらしい。
「今回の水着、全部アオと私のデザインなんですよ?」
- あ、そうなんですか、全部?
「多少は今日の子たちの意見が採用されたのもありますが、基本部分はそうなんです」
- へー…。
感心したように俺が言うと、ミドリさんはクスッと笑ってから、
「実はそういったカスタマイズ方式は、タケル様の魔法理論からの応用なのですね…」
なんて言うもんだから驚いた。
- え…?
「え?、だってその棚にある魔法理論書にも書かれてますよ?」
と、棚に近付いて持って来ようとしたので慌てて引き止めた。
- あ!、そうでしたそうでした!、持ってこなくていいです!
「うふっ、とぼけるなんてタケル様も人が悪いですよ、私だってちゃんとタケル様の書籍には全て目を通します」
まるで、試すような事をするなんて意地悪な戯れをされるんですね、と、ちょっと膨れたような、でも楽しそうな表情をされたら知らないなんて言えないじゃないか。
- あっはい、ミドリさんも幹部ですもんね、お見逸れしました。
とは言ったものの、あの本って7冊セットみたいなカバーがついてるやつだよな?
そんでもって前にテンちゃんが俺の隣とか膝の上とかで読んでたやつ。
「あ、酷いですよう、もう、今思い出したみたいな言い方してー」
ぺちっと可愛く肩を叩かれた。
何でそんな楽しそうなんだ、ミドリさんも、顔色が落ち着いたベニさんも…。
そんな和やかな雰囲気。
いやーアハハなんて言いつつも内心焦ってる俺。
ヤバいぞ?、俺、あの本の内容さっぱり理解できなかったんだが…。
あの本、俺の魔法理論書なの?、それも知らなかったんだけど…。
真面目にリンちゃんかテンちゃんにあの本の内容を教わっておいたほうがいいような気がしてきたよ…。
●○●○●○●
そしてその夜が大変だった。
- はー、疲れた…。
と思って風呂でのんびり浸かってたわけなんだよ、この時の俺は。
クリスさんは俺と一緒の入浴は遠慮するんだよ。何故か。
だから一人。まぁそのほうが気を遣わずに済むからいいんだけどね。
で、だよ。
リンちゃんが入ってきたわけだ。水着で。
キラキラというかぬるっとした見た目の、虹色に光を反射する魚の皮か?、って見えるぐらいの綺麗なワンピース水着だった。
- リンちゃん?
俺の入浴中には入るなって前に言ったよね?、っていう目で見ると、
「私たちの水着も見て欲しかったんです…」
って胸元で手指を組んで訴えるように言うんだもん、その幻想的な水着姿で。
背中に神々しい翼か光の迸る輪とか幻視したね。一瞬。
まぁそれは大げさでもあるんだけど、それに負けた。負けてしまった。
脱衣所にはテンちゃんの水着姿もあったんだけど、負けてしまったわけだ。
そうして始まった、リンちゃんとテンちゃんが交互に浴室に来て、ポーズを取ってコメントを要求して出て行くという水着ショータイム。
水に濡れると効果が出るとか、色に変化が出るとか屈折率がどうとか説明されたが、そんなもん頭に入ってくる状況では無い。
「ほら、手触りが変わるんですよ、ね?」
と、俺の手を取って触れさせるとかさ、平常心を保つのが大変だった。
そりゃさ、『お、ホントだすごいね』とは言うけども、リンちゃんの恥じらい混じりの仕草とか、触れた瞬間の『ん…』ってハートマーク付き音声が漏れた時とかね、聞こえなかったフリはしたけどね…。
そしてその時は気付かなかったんだ。
だんだん布面積が減っていたことに。
リンちゃんはまだいいよ、いや良くないけどさ、子供っぽい体型だし、エロいけどエロスの方だからね、芸術的とも言えるので耐えられる。
問題はテンちゃんだ。
「ふふん、これだけ隠れておれば良いであろ?」
と言って、短パン半袖の身にぴったりした真っ黒い水着で入ってきたわけだ。
この時は、布面積がどーんと増えたように見えたし、あまりにもぴったりだったので、生地が薄いんだろうぐらいに思ってたんだ。迂闊にも。
そしたら何と、薄く魔力を纏っているだけだった。
つまりこれ、ボディペイントみたいなもんだ。言ってみりゃ全裸と変わらない。ってか全裸だった。
何でわかったかって言うと、『これも水に入ると肌触りが変わるのじゃ、ほれ』と、しれーっとウソついてさ、半身浴みたいにしてる俺に抱き着いたからわかった。
- …ん?、テンちゃんこれって…。
「むほっ、其方少し興奮しておるのじゃな?、むふふん、どうじゃ?、良い肌触りであろ?」
と、鼻息荒くもその大迫力の胸を押し付けるだけに留まらず、膝の上に乗ってくる始末。
ボディペイントみたいなもんだし全裸だから生地の伸縮や抵抗なんて無い。水面を波打たせ波打たされ複雑に弾むそれは夢に出そうなほどの大スペクタクルで迫る様には圧倒されるなんてもんじゃ無かった。そしてやってくる圧巻の幸せな感触…!
それはそうと、むほって何だよ…w
「お姉さま!、何やってるんですか!、ダメじゃないですか、折角の計画が!」
そこにリンちゃんが扉を勢いよく開けて飛びこんできた。ほぼ紐みたいな極小水着で。
- 計画…?
「あっ…!」
あっ、じゃねーよw
だいたい何だよそのほぼ全裸な水着。ほぼ紐じゃん。ってか下のパーツ腰にまいた紐だけじゃん。
それは水着なのか?
いくら半身浴でもこうなってくると俺も上せそうなので、腰にタオル巻いて浴槽の縁に腰掛けた。
何故か俺の前に並んで立つふたり。
どうして目の前に並ぶんだよ…、自分たちがいま、どんな姿なのか自覚してないのか?
と言いたいところだけどそれを言うと話が進まないので、なるだけ顔だけを見て他は見ないようにして、その計画とやらを問い質すと、水着なら一緒に入浴可能ってとこまで持って行きたかったらしい。
もちろんきっぱりと禁止した。だって紐とかペイントとか水着とは認めん。
いや、水着でも一緒だと俺がリラックスできないからダメって念を押しておいた。
「これならイケると思ったのじゃ…」
元々からして入浴中は入るなって言っておいたはずなんだよ。
それがどうしてイケると思ったんだ?
そりゃ緊急時までは禁止と言ってないけどさ。
今回は、まぁ断れなかった俺も弱かったと思うので例外。
「お姉さまのバカな計画に乗ってしまったあたしが愚かでした…」
ん?、リンちゃんの様子がいつもと違う気が…。
「ば、バカな計画とは何じゃ、其方もノリノリだったではないか」
「ええ、ですから愚かだったと反省しているではありませんか、だいたい何故乗ったのか自分でもよく解りません」
ふぅん…?
テンちゃんに擦り付けようとしているわけでは無さそうだ。
ちょっと様子を見ようか。
「み、皆が盛り上がっておった故、仕方無かろうなのじゃ」
「冷静に考えてみたらひどい計画でした…、ってこの紐がどうして水着だと思ったのか…」
あれ?
テンちゃんがじりじりとリンちゃんから距離を取ってるぞ?
「…どうして離れて行ってるんです?、お姉さま」
「気のせいなのじゃ」
「あ!、何かしましたね?、したんデスね!」
「き、気のせいなのじゃ」
「あ!、もしかしてここのところずっと魔法理論書を読み込んでいると思ったらそのためだったんデスか!」
「知らないのじゃ」
「こっちを見て言ってください!」
「♪~」
「あっ!」
リンちゃんが掴みかかろうとしたのを巧みに交わして、脱衣所のほうに逃げるのかと思ったら、え?、なんでこっちに…!
どうやら俺を盾にしたかったようで、後ろに隠れようとしたが、そこは浴槽の縁につんのめって頭から湯舟に突っ込んだテンちゃん。
それを助けようと思わず腕を伸ばしたせいで、俺まで巻き込まれる形で湯船にはまった。
そしてそんな俺を湯船から持ち上げてくれたウィノアさん。
咄嗟の事だったんでテンちゃんを支えようと引き寄せ、ぎゅっと抱えた俺は、逆さになったテンちゃんを抱えて浴槽の縁に座った形となった。
プロレス技のパイルドライバーを思い浮かべて欲しい。
座った俺の両ひざというか太腿に、テンちゃんの両肩が乗っていて、俺の腹にテンちゃんのでっかい胸が密着、つんのめったので足を開いていた姿勢だったから、そのまま不安定に足を開いているテンちゃんも俺の腰に腕を回して抱き着いていて…、ってこれ詳しく説明する意味あるのかな…?
ついでに言うとテンちゃんのボディペイント魔法は解除されているので、まぁとんでもないね。
「ちょ!、お姉さま!、何て恰好で!」
と、急いで俺からテンちゃんを奪い取って脱衣所に持って行ってくれた。
「いたた!、締めすぎなのじゃ、もちっと丁寧に運ぶのじゃ!」
とか言ってるテンちゃんを無言で運び、脱衣所には無かったはずなのでかばんから出したんだろう毛布でテンちゃんを梱包、自分はバスローブをさっと纏ってリンちゃんの部屋へ運んで行ったのを感知で見送った。
はぁ…、なんで風呂でまで疲れるような事に…。
『お察し致します』
溜息を吐いたからか、首飾りのウィノアさんから労われた。
- あ、ウィノアさん、さっきはありがとう。
『ふふ…』
素直に感謝していいのかよくわからないところもあるけど、とりあえずお礼は言っておかなくちゃね。
もしかしたらテンちゃんがあんな恰好で俺にくっついた状態になったのは、ウィノアさんのせいでもあるような気もするが、そこは追及しても仕方がないか。
俺も思い出したくないし。
いや、だってどんなプレイだよ、テンちゃんの名誉のためにも思い出しちゃ悪いでしょ。
あ、でも毛布に包まれて縛られ、首だけ出してる姿のテンちゃんはちょっと可愛らしくて笑えたかも。
●○●○●○●
そんな感じで3日ほど『森の家』でのんびり…はしてない気もするが、そろそろ川小屋に行くかという話になった。
しかしいろいろあった。
カエデさんは水着を何着か作ってもらったらしい。
それでプールで泳ぐのが久しぶりだと言って毎日2度も泳ぎに行っていた。
ファーさんのステージも見たらしい。擬音だらけで絶賛してたよ。
ハツとファーさんや寮の子たちと泳ぎ方の、カエデさん曰く議論をしたり、クリスさんに剣を見てもらってたり、食品工場を見学したり料理を教わってたり裁縫道具を貰ってたりと、かなり充実の日々だったようだ。良かったね。
クリスさんのほうはメイリルさんがべったりだった。
どうやら水着お披露目会のときの批評が良かったのか、それともクリス効果がメイリルさんにはあったのか知らないけど、彼女はハツと一緒ではない時間はだいたいクリスさんと一緒だった。
有翅族の5名、ディアナさんたちだね、彼女たちは思い思いの、といっても基本2名以上で、寮に居たり、花見会場じゃなくて祈念式会場跡地に居たりと、自由な過ごし方をしていた。
食事の支度や後片付けも手伝うようになってたし、精霊さんたちとの生活に慣れてきていたように見えた。
まぁ、ディアナさんは時々、俺がひとりのときにちょっかいかけに来てたけど以前のようにではなく、感謝を伝えに来たのだったり、フルーツを持って来たりと、まるで別人のようでこっちが気を遣う感じだった。
ミリィとピヨ?
ああ、そのふたりはファーさんのステージの出演者だからね。
当人たちもそれが楽しいみたいで、夕食時以外はほぼプールと体育館でファーさんが付きっ切りだったみたい。
リンちゃんが言ってたように、ピヨの成長にもいいらしくて、ミリィも鍛えられているとか。
ピヨの成長っていうのは、精霊的には歪な生い立ちらしくて、きちんと成長しないと魔力や記憶が定着しない不安定な存在になってしまうから、だそうだ。
リンちゃんが言うには、預かった頃のような危険からは脱しているらしいけど、まだまだ油断禁物なんだってさ。
まぁ精霊さんの事だから俺にはよくわからん。
で、雑談をしに来てたディアナさんが言うには、その鍛錬というかステージに参加できるように交渉中なんだそうだ。
ディアナさんたちは大人なので、魔力的な成長がどうとかは関係が無いみたいだけど、技術的には学べるところが大いにあるんだそうで、ステージを見たディアナさんたちも、もし参加できる余地があるなら参加したいと思っているらしい。
まぁそれを俺に言われたところでそうですかと言うしか無いんだが。
そんな森の家での生活だったが、そろそろ川小屋に行っておこうかという事になったんだ。
日程的にはまだ余裕があるんだけどね、それぐらいのほうがいいだろうって事。
ちなみにこちらから行くメンバーは、俺とリンちゃん、テンちゃん、クリスさんとカエデさんの5名だ。
まぁ、デフォだね。
現地川小屋には現在、シオリさん、サクラさん、ネリさん、カズさんの4名が居るらしい。
「シオリさんと会うのはかなり久しぶりですね」
クリスさんが言ってたけど、何十年ぶりなんだろうね。
ってか勇者が集まり過ぎじゃないか?
でもリンちゃんが言うには、シオリさんたちは現在急速発展中のバルカル合同開拓地、旧名称魔物侵略地で問題が起きないように忙しい日々だそうだ。ネリさんとカズさんも手伝っているって言ってた。
リンちゃんが何日かに1度、食料品などの物資を補充しに行っているので、その時に少し話を聞いてたみたい。
ふと思っただんけど、確かに俺の別荘ってカテゴリーだからリンちゃんがそうやって管理してるってのはわかる。
でもずっと食料品を供給してるのはいいのか?
いや、ケチ臭い事を言っているのではなくて、先輩勇者たちはそれでいいのかって事。
まぁ、そのへんも現地で尋ねてみるか…。
次話5-031は2023年03月31日(金)の予定です。
(事情により延期が続いて恐縮です)
20230128:訂正。 隠れて居れば ⇒ 隠れておれば
●今回の登場人物・固有名詞
お風呂:
なぜか本作品によく登場する。
ドタバタ入浴‥。
タケル:
本編の主人公。12人の勇者のひとり。
リンちゃん:
光の精霊。
リーノムルクシア=ルミノ#&%$。
アリシアの娘。タケルに仕えている。
水着ショー後半に居なかった理由でした。
この準備をしていたわけですね。
テンちゃん:
闇の精霊。
テーネブリシア=ヌールム#&%$。
後ろの部分は精霊語のため聞き取れない。
リンの姉。年の差がものっそい。
水着ショーに居なかったのにはいくつかの理由があります。
ひとつは今回のためですが、
寮の子たちにあまり近付かないようにしているのが主な理由です。
ファーさん:
ゼファーリィ=ヴェントス#$%&。
風の精霊。
有能でポンコツという稀有な素材。
風の精霊の里では高位の存在なんですよ、これでも。
尊敬の対象なんですよ、これでも。
つまりタケルに縁のない芸事に堪能という…。
生かされない不遇な配置という事に。
今回も名前のみの登場。
タケルがプールに行けませんからねー。
風の精霊なりの鍛え方って事かも知れませんね。
ウィノアさん:
水の精霊。
ウィノア=アクア#$%&。後ろの部分は精霊語。
一にして全、全にして一、という特殊な存在。
タケルの首飾りに分体が宿っている。
今回さりげなく登場。
アリシアさん:
光の精霊の長。
全精霊中最古というような存在。実は凄い精霊。
だいたい名前くらいしか登場しませんが一応。
モモさん:
光の精霊。
『森の家』を管理する4人のひとり。
食品部門全体の統括をしている。
いわゆるメイド長みたいなものもやってます。
スタイルすごいですからねー。ゴージャス水着でしたし。
威圧的なのは実はフリです。
ちゃっかりタケルに触れてますね。
そしてだいたい察してます。
ミドリさん、アオさん、ベニさん:
光の精霊。
モモと同じく『森の家』を管理する4人のひとり。
食品部門の幹部。モモの補佐をしている。
ハルトさん:
12人の勇者のひとり。現在最古参。
勇者番号9番。オオミヤ=ハルト。
ハムラーデル王国所属。
およそ100年前にこの世界に転移してきた。
『フレイムソード』という物騒な剣の所持者。
今回出番無し。
カエデさん:
12人の勇者のひとり。
勇者番号10番。シノハラ=カエデ。
勇者歴30年だが、気持ちが若い。
でも言動はタケルからするとちょっと古臭い。
まさか参加するとは…。
あ、実は普通の水着もちゃっかり貰ってます。
露出控え目で地味な色のものです。
素材からして光の精霊さん産のものは
一般的な人種のものと差がありすぎるのです。
ジローさん:
12人の勇者のひとり。
勇者番号3番。イノグチ=ジロウ。
ハムラーデル王国所属。
砂漠の塔に派遣されて長い。
2章でちらっと2度ほど名前があがり、
次に名前が出てくるのが4章030話でした。
ヤンキーらしいw
今回出番無し。
なかなか登場までいかないですね。
クリスさん:
12人の勇者のひとり。
勇者番号5番。クリス=スミノフ。
現存する勇者たちの中で、4番目に古参。
『嵐の剣』という物騒な剣の持ち主。
カエデたちには砕けた口調になります。
彼も字がきれいな方です。毛筆のみですが。
メイリルさんに懐かれてしまって、ちょっと困ってました。
その時にメイリルさんの身の上話も聞いています。
ロミさん:
12人の勇者のひとり。
勇者番号2番。マサダ=ヒロミ。
現存する勇者たちの中で、3番目に古参。
現在はアリースオム皇国皇帝を名乗っている。
クリスとはこの世界に転移してきた時に少し話した程度だが、
互いに気にかける程度の仲間意識はある。
今回出番無し。
シオリさん:
12人の勇者のひとり。
勇者番号7番。クリバヤシ=シオリ。
現存する勇者たちの中で、2番目に古参。
『裁きの杖』という物騒な杖の使い手。
現在はロスタニア所属。
勇者姫シリーズと言えばこのひと。カエデは大ファン。
サクラさん:
12人の勇者のひとり。
勇者番号1番。トオヤマ=サクラ。
ティルラ王国所属。
勇者としての先輩であるシオリに、
いろいろ教わったので、一種の師弟関係にある。
勇者としての任務の延長で、
元魔物侵略地域、現バルカル合同開拓地に居ます。
ネリさん:
12人の勇者のひとり。
勇者番号12番。ネリマ=ベッカー=ヘレン。
ティルラ王国所属。
サクラと同様。
魔力操作・魔力感知について、勇者の中では
タケルを除けば一番よくできる。
結界の足場を使った戦闘がメルに遠く及ばないのは、
メルが達人級の剣士であることと、
そもそも身体能力や身体強化はメルのほうが圧倒的に上だから。
カズさん:
12人の勇者のひとり。
勇者番号6番。サワダ=ヨシカズ。
ロスタニア所属らしい。今の所。
体育会系(笑)。性格は真面目。
寮の子たち:
タケルの家とされている『森の家』その隣の、
燻製小屋という名前の食品工場に勤める精霊さんたちの事。
寮生活をしているが、自由時間は結構多いので生活を楽しんでいるようです。
これでも光の精霊さんですから、
普通の人種とは比較にならない魔力量があります。
これまで名前が登場したのはアーコなど数名ですが、
寮には200人ほど居ます。
ハツ:
詳しくは3章を。
森の家にしばらく居ることになりました。
元気に楽しく生活してますね。
メイリルさん:
メイリル元王女。詳しくは3章で。
ハツからはメイと呼ばれてます。
森の家にしばらく居ることになりました。
基本的にはハツと一緒に居ます。
クリスとの別れを、口には出しませんが悲しんでいます。
ピヨ:
風の半精霊というレア存在。
見かけはでっかいアヒルサイズの巨大ヒヨコ。
だから頭部が鳥類にあり得ないぐらい大きい。
2章の途中から登場。
ファー預かりになってますね。
ミリィ:
3章から登場した、有翅族の娘。
わけあって背中の翅が無いが、それでも有翅族。
詳しくは3章を。
実はリンが話したエピソード4のお姫様役は彼女。
有翅族:
身長20cm前後の種族。
背中に昆虫のような翅を持つ。
種族特性として、魔法が使えて空を飛べる。
翅は生え変わったりするもので、
毎回同じ形状のものが生えるとは限らない。
ディアナさん:
3章008・9話に登場した、有翅族の長老の娘。
月光のような白っぽい髪に、赤茶色の瞳。
黒鳳蝶のような羽。
初回登場時から黒いワンピースだったが、
いまは腰に黒いベルトでゆったり留める、
清楚なクリーム色のワンピースを着ている。
種族固有の魔法で人型サイズに変身できる。
魔法に関して実力者でもあるので、ミリィの成長に気づいています。
ステージを見て、技術的に学びたいと一番感じているのは彼女。
ディアナのとりまき:
当然だが有翅族。
4人とも見かけの年齢は10代から20代とそれぞれだが、
ディアナと一緒に50年前に村を出たのだから実年齢はお察し。
ディアナの事を姫様と呼ぶ。
精霊さんだらけなので実はびくびくしていますが、だんだんと慣れてきてます。
それぞれの名前が実は5章001話で出ていたのに
紹介を忘れていたのでここに記載しておきます。
エイナ:
端がちょっと青紫色をした白いシジミみたいな翅。
髪はニミナと同じく明るいニンジン色で、
普段は首の後ろでまとめ、布で包んで簪で固定。
ディオナの筆頭世話役。手先が器用。
ニミナ:
小ぶりで薄い緑色で半透明の翅。
髪はエイナと同じく明るいニンジン色で、
普段は編み込みをして後ろでまとめ、簪で固定。
ディオナの世話役その2。エイナの妹だったりする。
トリア:
細長くて透明な翅。糸トンボみたいな感じ。
肩まであるレンガ色のふんわりヘアー。
4人中一番大人しい性格。胸が一番大きい。
レモア:
ふわっとしている黄色っぽい茶髪で活発そうな短めの髪型。
翅は5名中一番小さくてまるっこくて透明、
ミツバチのような翅。
ハツ曰く、「いつもちゃっかり得してるみたい」。
背丈が小さい事は別に気にしていない。飛べるからね。
でもミリィより胸が小さい事は気にしている。
なので、ミリィに少しだけ対抗心を持つが、
一応大人的な余裕はある。
※ 作者補足
この登場人物・固有名詞紹介の部分全ては、
あとがきの欄に記入しています。
本文の文字数にはカウントされていません。
あと、作者のコメント的な紹介があったり、
手抜きをしたり、詳細に書かれているけど本文には
無関係だったりすることもあります。
ご注意ください。





