表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
303/321

5ー018 ~ 森の家へ・勇者の宿にて

 夕食を終えて王族の皆さんと、王都観光の感想などで談笑した後、宿舎じゃなくて迎賓館に戻るとカエデさんとメルさんが浴室に居るようだった。


 『ああ、メル(あの子)が騎士団で食事を摂るのは小さい頃からよくありましたから』


 と、ルティさん(王妃様)が言ってたんだけど、そんな小さい頃から騎士団に出入りしてたのかあのひと。

 上のふたり、ウィルさん(ウィラード王太子)と、スティさん(ストラーデ王女)とは年が少し離れていて、甘やかされて育ったのかなってちょっと思ったけど、それはどちらかというとメルさんよりもその1年下のテティ(リステティール王女)さんの方っぽい。

 でもそれにしてはもっと甘やかされているように見えるアイン(アイネリーノ)王子はめちゃくちゃ素直でいい子だよなぁ…。

 あのままで居て欲しいけど、子供は成長するものだからそうも言ってられない。


 まぁ俺が考えるような事では無いのは確かだね。


 とにかくメルさんたちが浴室を使ってる以上、待つしかないので、その間にちょいと用を足して戻る途中、玄関ホール横のリビングスペースにあるソファーで精霊姉妹がこそこそ話しているのが聞こえた。


 「タケルさまからあんな量の魔力を譲渡されても耐えられるところは、さすがお姉さまだと思いますよ…」

 「あれは同調しておる故、耐えられるのじゃ。それにもともと(われ)の魔力というのもあるからの、あとはまぁ…、き、気分の問題なのじゃ」

 「なるほど、そう言われてみればそうですね」

 「いくら(われ)でもタケル様の魔力において、あんな短時間であの量を注ぎ込まれたら平静を保てないのじゃ…」

 「そう言えば今日のは数秒と掛かってませんでしたね…」


 声自体は小声なんだけど、魔力が乗ってるから丸聞こえなんだよなぁ…。

 聞こえなかった振りをしておこう…。


 で、俺が近づいて行くと、何事も無かったようにふたりとも澄まし顔で同時にお茶のカップを傾けてんの。

 その様子がちょっと面白かった。


 それからしばらくしてメルさんたちが来て、入れ替わりに俺が浴室に行き、俺が出たらテンちゃんとリンちゃんが交代、という順番となった。

 俺が出たらメルさんは自分の部屋に戻るところで、お休みの挨拶をしたんだけど彼女はこれから部屋で書類仕事があるんだってさ。


 その時軽く聞いたんだけど、メルさんも今年成人という事で、担当する仕事が割り振られ始めてるらしい。と言っても騎士団関係の決裁書類にサインをするだけで、決裁済みではあるのでサインするだけ。内容はもちろんチェック済みだけど、疑問点があるなら別紙に書いて決裁留保する権限はあるとかなんとか。


 『簡単なお仕事ですよ、あはは』


 と言っていたけど、それって責任が伴う重要な仕事だよね?

 俺だったら胃がもたないね。たぶん。


 そんなメルさんを玄関先で見送った。


 え?、送って行かないのかって?、行かないよ、だってここ王城の敷地内だよ?

 それにあのひと見かけはあんなだけどめちゃくちゃ強いよ?、ホーラード最強らしいよ?


 純粋な剣技だけならまだオルダインさんに分があるみたいだけど、強化やら魔法やらが入るとオルダインさんはもう全然相手にならないんだそうだ。

 いやオルダインさん本人が笑ってそう言ってたんだよ。


 まぁ、テンちゃんが操る(すす)の怪獣とあんなバトルしてたぐらいだからなぁ、ホーラード最強どころか人類最強かも知れん。あんな見かけで。

 ひとは見かけによらないってのを体現してるとも言えるね。


 その後はソファーのところで、よく喋る元気なカエデさんが騎士団の訓練の事を話すのを聞いて相槌打ってお茶飲んでのんびり…では無かったけどそんな感じで居た。


 あ、そうそうカエデさんも(すす)の怪獣と戦わせてもらったんだってさ。

 こてんぱんにやられたらしい。全身真っ黒にされたってさ。

 でも楽しそうにめっちゃ笑いながら言ってたよ。


 俺にはそれの何が楽しいんだかさっぱりだけど、本人が楽しんでるならいいよ。






 翌朝。朝食前に『森の家』に戻るため、メルさんの寝室に行くのに寝室じゃないほうの部屋を通るんだけど、メルさんはもちろん、王族のみなさんが居た。


 別に石板のある場所からじゃなければ転移ができない訳では無いのだけど、一応そういう事にしておいた方が、あとあとややこしい事にならないんだそうだ。建前ってやつだな。うん。


 それと、俺への連絡はメルさんが担当らしい。まぁそりゃそうなんだろうけどね。

 でも、できればそう頻繁に勇者が呼ばれるような事は起きないで頂きたいものだ。


 そして王様から順番に挨拶された。堅苦しいのが嫌だってわかってくれているようで、あっさりしたものだった。助かる。

 でもカエデさんはかっちこちになってた。


 それをちらっと見てから、俺たちに挨拶をしたウィルさん。


 「お見送りが室内というのは初めてですよ、ははは」


 何でも、メルさん関係は前例が無い事が多くて、刺激的なんだそうだ。

 でもそれって暗に俺の事を言ってるよな?、まぁしょうがないんだけどさ。


 挨拶のとき、メルさんも俺について来たそうだったけど、あれこれ予定が詰まってるらしい。残念そうだった。


 アイン王子が名残惜しそうだった。あの表情と仕草はずるいと思う。可愛すぎる。


 そして、花のような香りがほんのりと漂う、明るく飾られたメルさんの寝室で、リンちゃんがカエデさんにペンダントを渡し、テンちゃんを梱包してすぐ俺に抱き着いたと思ったら転移が終わっていた。






●○●○●○●






 「おかえりなさいませ、タケル様、テン様、リン様」


 ずらっと並んで右手を左胸に添えてお辞儀をするモモさんたち。あ、ひとり多いと思ったらファーさんも居る。


- はい、ただいま戻りました。それと、


 「はい、伺っております。カエデ様、ようこそ『森の家』へお越し下さいました。先日は連絡の行き違いで失礼致しました。タケル様よりこの家の管理をお預かりしております、モモと申します」


 「え、は、はい、こちらこそ、えっと…」

 「では登録処理を行いますので、こちらへ。ミドリ」

 「はい、カエデ様、どうぞこちらへ」

 「は、はい…」


 カエデさんがしどろもどろの緊張状態なのは、転移直前にホーラード王族の皆さんから挨拶されたから、だけじゃなく…。


 「タケル様、本日のご予定はございますか?」


- あっはい、軽く食事をしたら『勇者の宿』にちょっと寄って来ようと思ってます。


 そうなんだよ、モモさんたちの格好が、今までのメイド服じゃなくて、濃紺のちょっと装飾が入ったスーツ姿なんだよ…。


 髪も全員きっちりまとめてあるしさ、高級店みたいでちょっとびっくりした。

 だからカエデさんも緊張が解けないままだったんだと思う。


 「わかりました。昼食には戻られますか?」


- 一応そのつもりです。


 「ただいまなのじゃ、む?、その出で立ちはどうしたのじゃ」


 梱包が解かれたテンちゃんが俺の横に並びながら言い、


 「お姉様…」


 袋を畳みながらリンちゃんが咎めるように言った。


- ああいいよいいよ、何かあるとは思えないけど、何かあったら近くの誰かに伝言頼むから。


 「そうですか?、できればタケルさまについて行きたいのですけど…」


 リンちゃんは勇者隊のひとに素性を知られてしまったので『勇者の宿』に行かないようにって言ってあるんだよ。一応口止めはしてあるらしいけどね。

 でもあの隊長さんだからなぁ…。

 というのも、『精霊様にどう接すればいいのかってうちの連中が言うもんでな…』と、後頭部を掻きながら言ってたんだよ、その隊長さんが。彼自身も戸惑いはあるみたいだったし、じゃあリンちゃんは緊急時でもない限りは来ないように言っておきますって言ったらちょっと焦ってたよ。

 大丈夫ですからって宥めておいたけど。


 でもさ、素性が知られていない光の精霊さんたち、あの村にうようよ居るよね?

 勇者食堂でも働いてるしさ。

 知らないって幸せだね。


 「では(われ)が、」

 「ダメですよお姉さま」

 「む、何故なのじゃ」

 「ダメったらダメです」

 「それでは納得行かんのじゃ」

 「あとで説明しますから」

 「むぅ…」


 不満そうにしながらも従うところが可愛らしい。


- まぁ何かあってもちゃんと帰ってくるから。


 「そうして下さい」


 と言うリンちゃんに対して、薄く笑みを浮かべて目を(すが)めるテンちゃん。


 「何ですかお姉さま、」


- まぁまぁ、それでモモさんその恰好は?


 「はい、タケル様配下の制服のテスト中です。たまたま今日はこれだったというだけでして、他に理由はございません」


- よくお似合いですけど、まさかそれで配達とか…


 「そこが問題だったのですよ」


- え?


 「私たち幹部は、リン様に合わせたデザインのメイド服を着用していたのはご存じですよね?」


- はい。


 「配達時、手伝いの子たちは普段着と言いますか、ちょっとおしゃれな服装だったりと自由なのですよ」


 確かに、前に見た時もそんな感じだったっけ。


- あ、そこにメイド服がひとりだとおかしい、という事ですか。


 「はい。それで、制服のテストがてら、見劣りしないものをと模索中なのです」


- なるほど…。


 言われてみればそうだ。

 でも勇者村や東の森のダンジョン村で、ひとから見られる事を気にする精霊さんたちじゃ無いと思うんだけどなぁ…。


 「タケルさまは何かご意見ありますか?」


- え…?


 「もっとこうした方がいいとか、何かございません?」


 んなの急に言われてもなぁ…。


- んー、配達用の、配達中だとわかりやすいように同じ服を着るというのはどうです?


 引っ越し屋さんとかさ、デリバリーのひとみたいな。


 「そうしますと手伝いの子たちはどこかで着替えなくてはなりませんね…」


 着替え?、あ、現地でか…。

 それは考えて無かった。


- 行って、戻ってくるまでが配達です、というのはどうです?


 「うふ、そうですね、考えておきます」


 うふ、てw


 「タケルさま、そろそろ入りませんと」


- あっはい。


 リビングを見ると、登録処理が終わったんだろう、ミドリさんとカエデさんが中からこちらの様子を覗っていた。






 まだ緊張気味のカエデさんが、精霊さんたちを紹介したあと居心地が良く無さそうだったのもあって、手早く用意された軽い朝食を少し食べてすぐに出かける事にした。


 「慌しいのじゃ…」

 「それだけ早く戻って来れると思いましょう」


 こっちをちらちら見て言わないで欲しい。

 俺じゃなく、カエデさんに刺さってたみたいだし。


 見送りを断って庭に出るとカエデさんが、勇者食堂に行ってみたいって言うので、じゃあ『勇者の宿』に寄るついでに行く事にした。


 朝食後はいつもならのんびりお茶飲む時間ぐらいはあったんだし、午前中なら食事じゃなく飲み物だけでもいいかも知れないからね。それぐらいの余裕を持ちたいね。

 もちろんちゃんと現地で訊いてみるけども。


- 先に宿の方に寄りますけど、それでいいですか?


 「…はい」


 昨夜あんなに元気だったのになぁ…。

 どんだけ苦手なんだよ王族とかフォーマルなのが。

 まぁ俺も苦手だからひとの事は言えないんだけども。


 それで飛んで行こうとしたらカエデさんが嫌がったので、走って行く事に。

 まぁいいけどね…。


 そして森の小道、と言えるぐらいに道になってるところを走り、勇者村の門で挨拶をして抜け、勇者の宿に誰か居るなと思いながら行くと、兵士さんたちと談笑しているクリスさんが居た。


 え?、復活早くね?






●○●○●○●





 「近頃は時々勇者タケル様が様子を覗いに来られてますよ」

 「ほう、そうなのか」

 「噂をすれば何とやらですね、来られましたよ」

 「ん?、おお!」


 何やら話し込んでいるようだからいつ話しかけようかとタイミングを見計らって、入り口付近で立って待っていたら、中の兵士さんと示し合わせたかのように後ろから『勇者様、どうぞお入りください』と声を掛けられた。


 すっと立ち上がる兵士さんたちに、クリスさんも立ち、こちらに向き直ったので『カエデさん、お先にお願いします』と囁いて背中を少し押した。


 「ゆ、勇者番号10番!、シノハラ=カエデです!、ハムラーデル所属です!、ハルトさんからお話をいっぱい聞きました!、お会いしたかったです!、クリスさん!」

 「お、おお、そうか、ハルトさんは元気か?」

 「はい!、変わらず元気で頼りになります!」

 「ははっ、そうかそうか、ハムラーデル所属というと、ハルトさんの弟子か?」

 「はい、そんな感じです!」

 「じゃああとで鍛錬見てやろうか?」

 「え、いいんですか!、やったー!」


 そんなに喜ぶもんなのか…?

 まぁここでカエデさんがいつもの元気さを取り戻したなら良かったかも知れない。


 と、ここで俺に視線を移したのを見て、俺も名乗る。


- 勇者番号4番、ナカヤマ=タケルです。お久しぶりですクリスさん。お早い復活で、驚きましたよ。


 ところが俺の挨拶の途中から、それまで笑顔だったクリスさんの目が大きく見開かれて表情が強張った。


 「…ゆ、勇者番号5番、クリス=スミノフと申します…、使徒様におかれましてはご機嫌麗しく、今後とも宜しくお願い申し上げ奉ります」


 そして、ざっと片膝をつき、右手を左胸に添えて頭を垂れての挨拶…、え?


 カエデさんも急にクリスさんがそんな態度になったのに驚いて口が開いてる。


- クリスさん!?、どうしたんですか急に!


 彼の目の前に俺も片膝をつき、肩に手を添えて顔を上げてもらった。


 「使徒様は勇者でもあらせられたのですね…」


 目がうるうるしている。いあいあ何で?


- あらせられた、って…


 「使徒様では無いのでございますか?」


- 違います。一体どこで…、あ、あの時ですか…。


 「はい、あの時でございます」


 どの時だよ…。


 と、俺が戸惑ったのを見てか、説明された。


 「あの時、私の剣に宿る精霊に認められ、水の精霊様を従えるお方には敬意を示さねばならないと思った次第でございます。あの者らにも使徒様と言われておりました」


 あの時か…。合ってた。


- あ、いやそれは事情があっての事でして、先輩勇者であるクリスさんにそんな態度をされたら困りますので、どうか普通にして下さい。


 「そうですか?、いやしかし…」


- とにかく立って下さい、というか座って下さい。僕も座りますから。


 テーブルを挟んでじゃなくて、テーブルの間の椅子、まぁ背もたれが無い丸椅子なんだけどね、そこに向い合せに座る俺とクリスさん、と、カエデさん。


 そして何故かぞろぞろと席を立って外に出て行く兵士さんたち。


 「クリスさんの剣ってそれ、テンペストソードですよね!?」


 それらに構わずいきなりカエデさんがクリスさんの腰を指さして問い掛けた。

 俺が口を開こうとしたらこれだよ…


 相変わらずなのを喜ぶべきか、よくわからんね。






次話5-019は2022年07月15日(金)の予定です。


20220715:衍字削除 俺をに視線を ⇒ 俺に視線を

20220730:誤字訂正 窺って ⇒ 伺って

20240421:あとがきの登場人物モモさんの説明が合って無かったのを訂正。



●今回の登場人物・固有名詞


 お風呂:

   なぜか本作品によく登場する。

   でもここのところ出ませんね…。入ってるんですけどね。


 タケル:

   本編の主人公。12人の勇者のひとり。

   用事が終わったらまた次の用事。


 リンちゃん:

   光の精霊。

   リーノムルクシア=ルミノ#&%$。

   アリシアの娘。タケルに仕えている。


 テンちゃん:

   闇の精霊。

   テーネブリシア=ヌールム#&%$。

   後ろの部分は精霊語のため聞き取れない。

   リンの姉。年の差がものっそい。


 ファーさん:

   ゼファーリィ=ヴェントス#$%&。

   風の精霊。

   有能でポンコツという稀有な素材。

   風の精霊の里では高位の存在なんですよ、これでも。

   尊敬の対象なんですよ、これでも。

   つまりタケルに縁のない芸事に堪能という…。

   生かされない不遇な配置という事に。

   今回出番無し。そろそろ森の家に戻ってるのでは?

   出たけどセリフ無し。


 ウィノアさん:

   水の精霊。

   ウィノア=アクア#$%&。後ろの部分は精霊語。

   一にして全、全にして一、という特殊な存在。

   タケルの首飾りに分体が宿っている。

   今回出番無し。


 アリシアさん:

   光の精霊の長。

   全精霊中最古というような存在。実は凄い精霊(ひと)

   だいたい名前くらいしか登場しませんが一応。


 モモさん:

   光の精霊。

   『森の家』を管理する4人のひとり。

   食品部門全体の統括をしている。

   今回試験中のスーツ姿でしたね。。


 ハルトさん:

   12人の勇者のひとり。現在最古参。

   勇者番号9番。オオミヤ=ハルト。

   ハムラーデル王国所属。

   およそ100年前にこの世界に転移してきた。

   『フレイムソード』という物騒な剣の所持者。

   今回は名前のみの登場。


 カエデさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号10番。シノハラ=カエデ。

   勇者歴30年だが、気持ちが若い。

   でも言動はタケルからするとちょっと古臭い。

   普段の調子になったり緊張で猫被ったりと忙しいね。


 ジローさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号3番。イノグチ=ジロウ。

   ハムラーデル王国所属。

   砂漠の塔に派遣されて長い。

   2章でちらっと2度ほど名前があがり、

   次に名前が出てくるのが4章030話でした。

   ヤンキーらしいw

   今回出番無し。


 クリスさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号5番。クリス=スミノフ。

   現存する勇者たちの中で、4番目に古参。

   やっと登場。というか復活速過ぎ。


 シオリさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号7番。クリバヤシ=シオリ。

   現存する勇者たちの中で、2番目に古参。

   『裁きの杖(ジャッジメントケーン)』という物騒な杖の使い手。

   現在はロスタニア所属。

   勇者姫シリーズと言えばこのひと。カエデは大ファン。

   今回出番無し。


 サクラさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号1番。トオヤマ=サクラ。

   ティルラ王国所属。

   勇者としての先輩であるシオリに、

   いろいろ教わったので、一種の師弟関係にある。

   勇者としての任務の延長で、

   元魔物侵略地域、現バルカル合同開拓地に居ます。

   今回出番無し。


 ネリさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号12番。ネリマ=ベッカー=ヘレン。

   ティルラ王国所属。

   サクラと同様。

   魔力操作・魔力感知について、勇者の中では

   タケルを除けば一番よくできる。

   結界の足場を使った戦闘がメルに遠く及ばないのは、

   メルが達人級の剣士であることと、

   そもそも身体能力や身体強化はメルのほうが圧倒的に上だから。

   今回出番無し。


 カズさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号6番。サワダ=ヨシカズ。

   ロスタニア所属らしい。今の所。

   体育会系(笑)。性格は真面目。

   呆けていたのは、勇者食堂にいた、

   一目惚れしちゃった娘が精霊様だと感づいたから。

   今回出番無し。


 ホーラード王国:

   勇者の宿がある、1章からの舞台。

   名称が出たのは2章から。

   2章の冒頭に説明がある。


 メル:

   ホーラード王国第二王女。

   2章から登場した。

   いわゆる姫騎士ではあるが、剣の腕は達人級。

   それに加えて無詠唱で魔法を駆使できるようになっており、

   『サンダースピア』という物騒な槍まで所持している。

   もしかしたら人類最強かもしれない。

   ホーラード最強らしい。


 ホーラード王家の面々:

   王と王妃、それと末弟の名前は今回初登場。

   王妃、姉、妹、弟の発言も初登場。

   それぞれの存在は2章で示唆されていた。はず。

   姉と妹には婚約者が存在する。

   以下、メルから見た関係と少し紹介を。


 ソーレス:

   メルの父。ホーラード王。温厚な性格。

   平凡だが穏当で良い治世をすると評判は上々。


 ルティオネラ:

   メルの母。ホーラード王妃。

   5人の母で、それも既に成人済みの子が2人いるとは思えない程、

   やや細身。国内の美容関係のトップに君臨する。

   だがそれは当人ではなく、配下に付いているものたちのせい。

   持ち上げられるのもお役目と割り切っており、性格はさっぱり系。

   愛称はルティ。


 ウィラード:

   メルの兄。ホーラード王太子。既に立太子の儀は終えている。

   民の信頼篤く、これも良い治世をするだろうと期待されている。

   婚約者候補が多いが、まだ決まっていないのが欠点。

   愛称はウィル。


 ストラーデ:

   メルの姉。第一王女。隣国ティルラに婚約者が居る。

   相手はティルラ王国王太子ハルパス。将来的にはティルラ王妃となる。

   演劇や歴史に戯曲、フィクションなどに幼少の頃より興味があり、

   いまやホーラード国内のみならずティルラなどの隣国の、

   芸能関係に幅広く影響を齎す存在。

   絵姿が最も多く売れているのは、その均整の取れたスタイルのため。

   愛称はスティ。


 リステティール:

   メルの妹。第三王女。1年違い。

   婚約者が居るとは当人の弁。実際は婚約者候補だが、

   周囲もそのうち確定するだろうと温かく見守っている状況。

   宝飾品や工芸品に興味を持ち、そのため高価なものを蒐集するのが

   父王と兄たちの悩みの種。

   メルに対抗心がある。

   ストラーデと同様にスタイルがよく、年の割に大きめの胸が自慢。

   愛称はテティ。


 アイネリーノ:

   メルの弟。第二王子。4つ違い。

   母親似で女の子かと思われるくらい線の細い、愛らしい顔つきで、

   城内の女官たちの人気を一身に集めている。

   当人は草花が好きな極めて大人しい性格。

   わがまま傾向があるリステティールからは溺愛されていて、

   よく一緒にいる。というか付きまとわれている。

   メルリアーヴェルについては崇拝の対象であり、英雄視もしており、

   近寄るのも話しかけるのも畏れ多いなんて思っていたりする。

   メルからするとそれが懐かれていない、

   嫌われているのではないかと心配になる原因でもある。

   愛称はアイン。


 オルダインさん:

   ホーラード王国の騎士と兵士の頂点である騎士団長。

   団長という名称の理由が今回出ましたね。

   メルリアーヴェル姫の剣の師匠でもあります。

   もちろん達人級。

   全盛期の頃より多少衰えはあるにせよ、それでもすごい爺さんです。

   今回名前のみの登場。



 ※ 作者補足

   この登場人物・固有名詞紹介の部分全ては、

   あとがきの欄に記入しています。

   本文の文字数にはカウントされていません。

   あと、作者のコメント的な紹介があったり、

   手抜きをしたり、詳細に書かれているけど本文には

   無関係だったりすることもあります。

   ご注意ください。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説家になろう 勝手にランキングぅ!
小説家になろうアンテナ&ランキング
ツギクルバナー
2019年05月にAI分析してもらいました。ファンタジーai値:634ai だそうです。
なるほど。わかりません。
2020年01月にAI分析してもらいました。ファンタジーai値:634ai だそうです。
同じやん。なるほど。やっぱりわかりません。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ