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5ー016 ~ ある意味では受難

 人払いをしてもらっているので、もうこのままここで話をしてもいい?、と、目線でメルさんに訴えると、『仕方ないですね…』という雰囲気で部屋の片隅に置かれているテーブルを示してくれた。


 リンちゃんがその高そうな布が掛けられているテーブルに、上からテーブルクロスをかけ、手早く飲み物の用意をし始めたのを見てカエデさんを誘導した。


- とりあえず座りませんか?


 「あ、はい…」


 椅子が足りないが、席に着いたのは俺とテンちゃん、向かい側にカエデさんの3人だけだ。

 リンちゃんは俺の隣に立ち、メルさんはカエデさんの後ろに立った。この部屋の主なのに、いいのかな?、いいらしい。


 どうぞと言う前に目の前のコップをさっと手にしてこくこくと飲むカエデさん。コップを置くのを待ってから尋ねた。


- 順を追って話してくれませんか?、川小屋に行ったんですか?


 「はい、タケルさんにお願いがあって、それであそこなら連絡がつくかなって思ったんですよ」


 なるほど。


 「勇者の宿に行く事も考えたんですけど、川小屋へ行くほうがちょっと早かったし、タケルさんの予定って宿で訊いてもわからないんじゃないかって」


 ああ、俺は飛んで移動したり、リンちゃんに転移してもらったりだもんなぁ。

 『森の家』の事も伝えて無いし、あそこ精霊さんたちの許可がないと入れないから…。


 「それで、サクラさんやシオリさん、それとネリに相談したんですけど、日程に余裕があるなら宿の方にも行ってみたほうがいいんじゃないかって話になって、」


 なるほどね、カエデさんも早馬より早くなったんだっけ。


 「それで一泊して次の日に、泉のところでお祈りを一緒にしたら、こう、ざばーっと水が溢れて」


 …ん?

 そいやさっき『声が響いて』って言ってたっけ?


 「一瞬、家みたいなのが見えたなって思ったら周囲が真っ白になって、眩しくて何も見えなくて、地面はあるんだけど真っ白で、走っても走っても変わらなくて…」


 どういうことだろう…?

 とりあえず最後まで聞こう。


 「そしたら森の端っこみたいなとこに立ってて、どこだかわからなくて、壁みたいなのが見えたんですけど、そっちに行ってるつもりなのにまた戻ってきちゃってて、」


 ふむ…、東の森か?


 「そしたら若い女の子たちに囲まれて、衛兵のところに連れて行かれたんですよ。それでやっとそこが勇者村だって知ったんです」


- だいたいわかりました。ウィノアさんの仕業ですね。


 『仕業だなんて酷いです、タケル様。私は良かれと思ってこの者をお連れしたのですよ?』


- 森の外にですか?


 「あ、タケルさま、カエデさんは『森の家』に登録されてません。なので強制排除されたのではないかと…」


 リンちゃんが恐る恐る言う。強制排除ってそんな風になるのか…。


- 森の外まで?


 「はい、現在の『森の家』は複数のホームコアによって管理されていまして、特に重要な中庭部分は、それら複数から多重に監視されていると思われます」


- 真っ白ってのがそれ?


 「そうですね、かなり強固な結界に包まれて森の外まで運ばれたのではないかと…」


 いやまぁセキュリティが万全ってことはよくわかった。


- つまり、ウィノアさんが『森の家』に運んだけど、登録してないから排除された、ってことね。


 「そういう事になります」


 済まなそうにカエデさんを見ると、納得行かないって顔をしていた。


 「川小屋には入れますよ?、あたし…」


 小さく呟くような反論だった。


 「タケルさまの『森の家』は最重要施設ですので…」


 そうだったのか。

 確かにまぁ、精霊さんたちがたくさん住んでるから、そうなんだろう。


- ウィノアさんも良かれと思ってしたのかも知れませんけど、送る前に連絡と確認をすべきでしたね。


 『申し訳ありません、事がタケル様に関わりましたので、あちらの私がお急ぎだと判断したと思われます。以後、周知致しますのでご容赦を』


 なるほど。ややこしいな…。


- それで、モモさんのペンダントだよね、それ。


 「え?、あ、これタケルさんの所に連れて行くのに必要だって言われて渡されたんです」

 「あたしの方から返しておきます」

 「あ、はい」


 リンちゃんがカエデさんから受け取ってポケットに入れた。


- さっきのひとがモモさんです。僕の家の管理をお願いしてる精霊さんなんですよ。


 モモさん?、って顔に疑問が出てたので軽く説明をした。


 「精霊様だったんですね…、きれいな人でしたね…」


 ほわーっと斜め上をみて胸元で手を組んでる。

 まぁきれいなひと、ってのには同意するけども。


- それで、僕に用があるというのは?


 「あ、砂漠の塔ってのがあってですね――」


 と、途中こちらからも質問を挟んだりしつつ、説明してもらった。






 聞いたところ、砂漠の塔ってのは元魔物侵略地域の南側、ハムラーデル王国の領域にある砂漠というか荒野にある、魔物が占領している塔の事だそうだ。

 塔タイプのダンジョン、と言う事もできるみたいだけど、ハムラーデルではダンジョンという認識では無いらしい。


 日程的には、ハムラーデルの王都アンデルスから援軍を派遣しているので、それと同じぐらいに到着すればいいらしい。およそ1か月ちょいかかるとか言っていた。


- メルさん、僕の予定って、所属国が決めるんですか?、僕が好きに決めちゃったらまずいですよね?


 「ホーラードでは、勇者が決めて行先を申告してもらうというのが前例です。他国から要請があった場合も勇者と相談して決めていたそうですので、今回の場合はタケル様から行先や予定を申し出て頂ければそれでいいと思います」


 前例があるのか…。


 「あ、一応ハムラーデル王からの親書が…、あ、荷物が川小屋に置きっ放しだ…」


 そう言えばカエデさんは手ぶらだった。着の身着のまま連れて来られたんだろう。


 「あっ、着替えなどはこちらでご用意しますので!」

 「あ、いえ!、そんなご迷惑をお掛けするわけには!」

 「ご迷惑だなんてとんでもありません!、他国の勇者様ですから賓客としておもてなし致しますので!」

 「賓客!?、いえいえ成り行き上こうなってしまっただけですのでお気遣い無く!」

 「そういう訳にも参りませんから!」


 ふたりでいえいえ、いえいえ、って言ってるのを見ていてもしょうがないのでそろそろ()めよう。見てる分には面白いんだけどね。


- カエデさん、メルさんも、落ち着きましょうよ。とりあえず僕たちが泊ってるところなら部屋もありますよね?、そこでいいんじゃないでしょうか?


 「あ、そうですね。でも一応父と兄には報告しなくてはなりませんので…」


 というわけで、メルさんの先導で、あの王族サロンの部屋に行く事になった。






 移動中、リンちゃんが小声で尋ねてきた。


 「タケルさま、カエデさんのお話、受けるんですか?」


 先導するメルさんはカエデさんに王様たちとの挨拶について軽い注意事項のような事を話しながら歩いている。

 リンちゃんがそれをちらっと見たので、俺も釣られてちらっと見た。


- 困ってるみたいだし、放っておく訳には行かないでしょ?


 「そんな魔物が湧いてくるような塔、それごと破壊したほうがいいんじゃないですか?」


 光の精霊さんって、たまに物騒だよなぁ…。


- 飛行タイプが湧くというか増えてきたって、たぶん竜族絡みじゃないかな?、だとすると、例の転移装置があるかも知れないよね?


 「あ、そう言われてみればその可能性がありますね…」


- だったらさ、ちゃんと調査してからの方がいいんじゃない?


 大きな拠点は前ので潰れたみたいだけど、そこだけって事は無いと思うんだよ。

 じゃなきゃ1500年以上も精霊さんたちとやりあえてないはず。


 もし、テンちゃんが居た島にあったダンジョンの時のように、稼働中の魔導機械を分析できたなら、別の拠点だって見つかるかも知れない。

 あ、でも稼働しっぱなしにはできないから分析も相応の時間が掛かるかもね。


 「…わかりました。タケルさまに従います」

 「ふふ…」

 「何ですか、お姉さま」

 「別に、何でも無いのじゃ」

 「じゃあどうしてそんな含み笑いをするんですか」

 「ちょっと思い出し笑いをしただけなのじゃ、気にするで無いのじゃ」

 「…まぁいいです、そういう事にしておきます」


 リンちゃんが不機嫌だ。また城下町でも散歩するかと思ったけど、それだとテンちゃんがついて来れない。


 「ん?、何じゃ?、(われ)の事は良いのじゃ、また騎士団で遊んでおる故、ふたりで楽しんで来ると良いのじゃ」

 「お姉さま…?」


 意外だったんだろう、リンちゃんは目を見開いて、テンちゃんを見直したというようなきらきらとした目で見ている。


 「じゃがあの(すす)は出して行ってくれると助かるのじゃ」


- あ、うん、テンちゃんがそれでいいならいいけど…。


 「良いのじゃ、その代わりと言っては何なのじゃが、また(すす)から魔力を戻すのを頼むのじゃ」

 「…お姉さま…?」


 見開いていた目が半分閉じられた。


 「そ、それが目的では無いのじゃ、勘違いするで無いのじゃ」


 上げておいて落とすみたいになったんじゃないのかな…?


 「…はぁ…、まぁいいです。タケルさま、今度はさらに南側の市場に行きませんか?、大きな商会が多く、専門店が並んでいるんだそうですよ?」


- へー、面白そうだね。


 「東側の商店は早朝が良いんだそうです、メルさんの話では朝が活気があって荷馬車や荷車の出入りが激しいとか、高いところから見下ろすのが好きと言ってました」


 そりゃそんなところは旅行者や不慣れな者が行くと邪魔になるだろうね。


- 上からでいいなら、


 「あ、上からというのは建物の上からですよ?」


- あっはい、わかってるって。


 だってメルさんの話なんだから。

 屋根の上だったりするかも知れないけどね。


 と、こそこそ話している間に王族サロンって俺が勝手に思ってる部屋の前に到着した。






●○●○●○●






 王様と王妃様(ルティさん)は居なかったけど、王太子(ウィルさん)以下の皆さんは室内に居て、ウィルさんは上座のほうの執務机っぽい机で書類仕事をしていたし、スティさんは部屋の反対側で絵に向かっていて、どうやら仕上げ作業をしているようだ。

 アイン王子はその絵を横から覗き込んでいたようで、テティさんは少し離れたテーブルの前の椅子からそれを見ていた。テティさんの前には挿絵のページが開かれた本があるので、アイン王子と一緒に読んでいたのかも知れない。


 俺たちはメルさんに誘導されるまま、ウィルさんの前に並んだ。


 「あ、タケル様方はこちらへどうぞお座り下さい」


- あっはい。


 ああ、それで途中、メルさんがふらついたように見えたのか。

 あれは指示だったのか…、わかるかそんなもん…。


 でもテンちゃんとリンちゃんが俺の肘それぞれに手を添えたのはそのタイミングだったような…、もっとわかりやすく引っ張って欲しかった。


 俺たちがソファーに座ると、メルさんは速足でウィルさんとカエデさんの所に行き、補足説明を始めた。


 「タケルさま、何か飲みます?」


- んー、さっき果実水飲んだから、今はいいよ。


 「でも、ほら…」


 と、リンちゃんの目線を追うと、部屋付きの女官さんだろうか、俺たちの前のテーブルに何か出した方がいいのか迷っているような表情で、やや焦りながらちらちらと俺たちとメルさんたちの方を窺っていた。


- あー、んじゃ何か出しておいてくれる?


 「はい」


 にこっと微笑んで立ち、エプロンのポケットからお茶請けのクッキーなどが載った大皿を出し、水差しを置き、ティーカップを並べてから座り直した。

 女官さんはほっと安心したのか、焦りが消えたように見えた。


 ああいうひとって、あまり表情に出さないもんだと思ってたけど、意外だね。


 すると、テティさんがアイン王子の手を引いてこちらに歩み寄り、優雅に一礼して『お向かい、よろしいでしょうか?』と尋ねたので頷き、『どうぞ』と言うとお礼を言って席に着いた。


 リンちゃんが俺を見たので頷くと、立ち上がって新たにティーセットを取り出して水差しから注ぎ、向かいに回ってそれぞれの横からすっと置いた。


 「ありがとうございます、リン様、頂きます」

 「あ、ありがとうございます、リンさま、いただきます」


 お茶じゃなくて果実水だと思うんだけどね。


 そう言えば王族や貴族って、毒見とかそういうのがあると思うんだけど、今までメルさんにそういうのを見た事がないし、ここでも見てないね。

 あ、アリースオムでもロミさんにはそういうのが無かったっけ。ロミさんは勇者でもあるからまた違うのかな?

 まぁ、俺たちが出すものを信用しているんだと思っておこう。

 光の精霊さんたちは食べ物に毒を入れたりなんてしないだろうし。


 あ、でもアレルギーとか無いのかな、大丈夫かな?、心配し過ぎか?


 「冷たくて美味しいですわ、香りも良くて…、こちらはピアメィですの?」


 テティさんが尋ねた。アイン王子はちょっとずつ味わうようにして飲んでいる。美味しそうに。気に入ってくれているようだ。俺が見ているのに気づくと、さっと頬を染めて目を伏せて、でもまたちびちびと、ティーカップを両手で持って飲み始めた。なんて可愛らしい仕草をする子なんだ…。


 「ピアメィという名ではありませんが、こちらの実の果汁に少し手を加えたものです」


 リンちゃんが取り出した実は、モモとスモモの間ぐらいの実だった。

 どこかで見た事あるなと思ったら、以前、当時魔物侵略地域って言われてたとこのダンジョンで、ウィノアさんがお供え物にあったと言って出してくれた果物によく似ていた。

 漂ってくる香りからして、たぶんそれだろう。


 名前が違うのは、ホーラードでの呼び名と、精霊さんたちの呼び名が違うからだと思う。

 それだけじゃなくて国によっても違ったりするのがややこしいんだ。


 俺が名前を覚えない理由のひとつだね。


 「こちらではピアメィと呼ばれています。…ですが、私の知るピアメィの果汁の何倍も美味しいですわ」


 リンちゃんはそれには答えず、薄く微笑んで頷いただけだった。


- 僕にも少し貰える?


 「はいタケルさま」


 入れてもらい、少し飲んでみた。

 これ、妖精蜜の通常品質が少し混ざってるようだ。

 それと、前に言っていた、皮から抽出したんだろう香料も使われてるんじゃないかな。


 と思ったけど、さっきリンちゃんが詳しく説明をしなかったので、言う必要が無いと判断したんだろう。俺も黙っておこう。


 「テティ姉さま…」

 「あら、リン様、おかわりを頂いても?」

 「どうぞご自由に」


 と、手で示すリンちゃんに、少し戸惑った様子を一瞬だけ見せたが、腰を浮かせて手を伸ばし、水差しを手にしてアイン王子のカップに注いだ。ちょっと体勢が辛そうだった。


 そしてアイン王子がお菓子のほうに興味を持ったようで、食べてもいいのか迷っているみたいだったから、『良かったらどうぞ?』と笑顔で言うと、ぺかーっと輝くような笑顔になって、薄焼きのクッキーをひとつ手にとって食べた。

 笑顔がさらに輝いている。


 それを見たテティさんも、微笑んでひとつとり、口に入れて目を見開き、じっくりと味わうように食べ始めた。


- お口に合ったようで、よかったです。


 「美味しいです」

 「上品な甘さでとても美味しいです」


 そうですかと笑顔を交わした。


 「美味しそうですこと、私もご相伴にと言いたいところですけど、テン様、リン様、姿絵の方、ご覧頂きたいと存じます」


 スティさんが来てそう言うと、俺の両側に座っていたテンちゃんとリンちゃんがすっと立ち上がる。


 「ほう、では見せてもらうのじゃ」


 それはいいんだけど、どうして俺の袖を引いているのかな?

 俺も見なくちゃダメなのか…。絵とかよくわからんのだが…。


 一応は、魔力感知で見えてはいるんだよ。写実的というか、よく描かれていると思う。

 テンちゃんの絵も、リンちゃんの絵も、それぞれ澄ました顔だけどほんのり微笑んでいるようにも見える。並べると斜めに向かい合っているような構図で、背景も繋がっているようだし、よく出来ているとは思う。


 「うむ、良い腕なのじゃ、よく描けておるのじゃ」

 「そうですね、とてもよく描けていると思います」

 「光栄でございます。テン様、リン様」


 この絵は、ここのサロンの壁に飾られる事になった。

 ただ、例の奇跡の祭壇譲渡未遂の時の、エフェクト過多なウィノアさんの絵と並べて飾られる事になったのが、ふたりには少し不満だったみたい。


 夜にこの絵の話題がちらっと出たんだよ。


 「(われ)エフェクト(えふぇくと)を付けて描かせれば良かったか…?」

 「()めてくださいねお姉さま、あの場どころかこのお城で卒倒する者が続出してしまいますから」


 それは大惨事だなぁ…。


 「う…、そこは上手い事やるのじゃ、光のエフェクトにすれば問題無いのじゃ」

 「上手い事やったところでお姉さまが力を奮えばどうなるかぐらい、予想するに容易いではありませんか」

 「で、ではあの(すす)を使えば…」

 「真っ黒に塗り潰されてもいいのでしたらどうぞ」

 「う…」


 でもまぁやりようはあると思うんだけどね。

 テンちゃんだって光の魔法が使えないわけじゃないしさ。






次話5-017は2022年07月01日(金)の予定です。


20230606:助詞抜け補完。 俺の肘それぞれ手を ⇒ 俺の肘にそれぞれ手を

20250118:まだあったタイプミス‥。 ややましい ⇒ ややこしい


●今回の登場人物・固有名詞


 お風呂:

   なぜか本作品によく登場する。

   でもここのところ出ませんね…。


 タケル:

   本編の主人公。12人の勇者のひとり。

   ヒマそうですね。今は。

   まぁのんびりするのもいいと思います。


 リンちゃん:

   光の精霊。

   リーノムルクシア=ルミノ#&%$。

   アリシアの娘。タケルに仕えている。


 テンちゃん:

   闇の精霊。

   テーネブリシア=ヌールム#&%$。

   後ろの部分は精霊語のため聞き取れない。

   リンの姉。年の差がものっそい。


 ファーさん:

   ゼファーリィ=ヴェントス#$%&。

   風の精霊。

   有能でポンコツという稀有な素材。

   風の精霊の里では高位の存在なんですよ、これでも。

   尊敬の対象なんですよ、これでも。

   つまりタケルに縁のない芸事に堪能という…。

   生かされない不遇な配置という事に。

   今回出番無し。そろそろ森の家に戻ってるのでは?

   そのうち出番がきます。


 ウィノアさん:

   水の精霊。

   ウィノア=アクア#$%&。後ろの部分は精霊語。

   一にして全、全にして一、という特殊な存在。

   タケルの首飾りに分体が宿っている。

   今回はちょっと登場。と言っても声だけ。

   王城で出てくるととんでもない騒ぎになるので、

   決して出てくるな声も出すなと言われています。

   タケルが呼び掛ければ別なのです。


 アリシアさん:

   光の精霊の長。

   全精霊中最古というような存在。実は凄い精霊(ひと)

   だいたい名前くらいしか登場しませんが一応。


 モモさん:

   光の精霊。

   『森の家』を管理する4人のひとり。

   食品部門全体の統括をしている。

   今回は名前のみの登場。


 ハルトさん:

   12人の勇者のひとり。現在最古参。

   勇者番号9番。オオミヤ=ハルト。

   ハムラーデル王国所属。

   およそ100年前にこの世界に転移してきた。

   『フレイムソード』という物騒な剣の所持者。

   今回出番無し。


 カエデさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号10番。シノハラ=カエデ。

   勇者歴30年だが、気持ちが若い。

   でも言動はタケルからするとちょっと古臭い。

   そりゃ妙な転移や強制排除されちゃあね、混乱しますよね。


 ジローさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号3番。イノグチ=ジロウ。

   ハムラーデル王国所属。

   砂漠の塔に派遣されて長い。

   2章でちらっと2度ほど名前があがり、

   次に名前が出てくるのが4章030話でした。

   ヤンキーらしいw

   今回出番無し。


 クリスさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号5番。クリス=スミノフ。

   現存する勇者たちの中で、4番目に古参。

   現在快復ターン中。

   今回出番無し。


 シオリさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号7番。クリバヤシ=シオリ。

   現存する勇者たちの中で、2番目に古参。

   『裁きの杖(ジャッジメントケーン)』という物騒な杖の使い手。

   現在はロスタニア所属。

   勇者姫シリーズと言えばこのひと。カエデは大ファン。

   今回は名前のみの登場。


 サクラさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号1番。トオヤマ=サクラ。

   ティルラ王国所属。

   勇者としての先輩であるシオリに、

   いろいろ教わったので、一種の師弟関係にある。

   勇者としての任務の延長で、

   元魔物侵略地域、現バルカル合同開拓地に居ます。

   今回は名前のみの登場。


 ネリさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号12番。ネリマ=ベッカー=ヘレン。

   ティルラ王国所属。

   サクラと同様。

   魔力操作・魔力感知について、勇者の中では

   タケルを除けば一番よくできる。

   結界の足場を使った戦闘がメルに遠く及ばないのは、

   メルが達人級の剣士であることと、

   そもそも身体能力や身体強化はメルのほうが圧倒的に上だから。

   今回は名前のみの登場。


 カズさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号6番。サワダ=ヨシカズ。

   ロスタニア所属らしい。今の所。

   体育会系(笑)。性格は真面目。

   呆けていたのは、勇者食堂にいた、

   一目惚れしちゃった娘が精霊様だと感づいたから。

   今回は登場せず。


 ホーラード王国:

   勇者の宿がある、1章からの舞台。

   名称が出たのは2章から。

   2章の冒頭に説明がある。


 メル:

   ホーラード王国第二王女。

   2章から登場した。

   いわゆる姫騎士ではあるが、剣の腕は達人級。

   それに加えて無詠唱で魔法を駆使できるようになっており、

   『サンダースピア』という物騒な槍まで所持している。

   もしかしたら人類最強かもしれない。


 ホーラード王家の面々:

   王と王妃、それと末弟の名前は今回初登場。

   王妃、姉、妹、弟の発言も初登場。

   それぞれの存在は2章で示唆されていた。はず。

   姉と妹には婚約者が存在する。

   以下、メルから見た関係と少し紹介を。


 ソーレス:

   メルの父。ホーラード王。温厚な性格。

   平凡だが穏当で良い治世をすると評判は上々。


 ルティオネラ:

   メルの母。ホーラード王妃。

   5人の母で、それも既に成人済みの子が2人いるとは思えない程、

   やや細身。国内の美容関係のトップに君臨する。

   だがそれは当人ではなく、配下に付いているものたちのせい。

   持ち上げられるのもお役目と割り切っており、性格はさっぱり系。

   愛称はルティ。


 ウィラード:

   メルの兄。ホーラード王太子。既に立太子の儀は終えている。

   民の信頼篤く、これも良い治世をするだろうと期待されている。

   婚約者候補が多いが、まだ決まっていないのが欠点。

   愛称はウィル。


 ストラーデ:

   メルの姉。第一王女。隣国ティルラに婚約者が居る。

   相手はティルラ王国王太子ハルパス。将来的にはティルラ王妃となる。

   演劇や歴史に戯曲、フィクションなどに幼少の頃より興味があり、

   いまやホーラード国内のみならずティルラなどの隣国の、

   芸能関係に幅広く影響を齎す存在。

   絵姿が最も多く売れているのは、その均整の取れたスタイルのため。

   愛称はスティ。


 リステティール:

   メルの妹。第三王女。1年違い。

   婚約者が居るとは当人の弁。実際は婚約者候補だが、

   周囲もそのうち確定するだろうと温かく見守っている状況。

   宝飾品や工芸品に興味を持ち、そのため高価なものを蒐集するのが

   父王と兄たちの悩みの種。

   メルに対抗心がある。

   ストラーデと同様にスタイルがよく、年の割に大きめの胸が自慢。

   愛称はテティ。


 アイネリーノ:

   メルの弟。第二王子。4つ違い。

   母親似で女の子かと思われるくらい線の細い、愛らしい顔つきで、

   城内の女官たちの人気を一身に集めている。

   当人は草花が好きな極めて大人しい性格。

   わがまま傾向があるリステティールからは溺愛されていて、

   よく一緒にいる。というか付きまとわれている。

   メルリアーヴェルについては崇拝の対象であり、英雄視もしており、

   近寄るのも話しかけるのも畏れ多いなんて思っていたりする。

   メルからするとそれが懐かれていない、

   嫌われているのではないかと心配になる原因でもある。

   愛称はアイン。


 オルダインさん:

   ホーラード王国の騎士と兵士の頂点である騎士団長。

   団長という名称の理由が今回出ましたね。

   メルリアーヴェル姫の剣の師匠でもあります。

   もちろん達人級。

   全盛期の頃より多少衰えはあるにせよ、それでもすごい爺さんです。

   今回も登場せず。


 ベルガーさん:

   ホーラード王国の鷹鷲隊(おうしゅうたい)の隊長。

   数ある騎士隊の中で、鷹鷲隊(おうしゅうたい)は一番有名。

   王国民の尊敬と信頼を集めています。

   この超人ですら、達人級には1歩及ばずなのです。

   今回も登場せず。



 ※ 作者補足

   この登場人物・固有名詞紹介の部分全ては、

   あとがきの欄に記入しています。

   本文の文字数にはカウントされていません。

   あと、作者のコメント的な紹介があったり、

   手抜きをしたり、詳細に書かれているけど本文には

   無関係だったりすることもあります。

   ご注意ください。


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2019年05月にAI分析してもらいました。ファンタジーai値:634ai だそうです。
なるほど。わかりません。
2020年01月にAI分析してもらいました。ファンタジーai値:634ai だそうです。
同じやん。なるほど。やっぱりわかりません。
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