5ー010 ~ お花見
その日はのんびりしたもので、リビングの棚にあった本なんかをぱらぱらと捲りながら過ごした。
テーブルに置かれたお茶を飲んだり、たまにクッキーをかじるぐらいなもんで、やっぱり食欲というものが湧いてこないのもあって、リンちゃんもテンちゃんも、俺の隣に座ってそっと寄り添ってるだけだった。
本を読むのを邪魔しないようにしてくれてるのかな、なんて思ったけど、そう言えば何もしていない時間ってこういう感じだったな、何だいつもの事か、ならいいかと思い直した。
本は料理のレシピ本だったり、聖なるアンデッズ劇団がやってる演劇を小説にしたものだったり、あと何だかさっぱりわからない結界魔法理論についてだったりと、ジャンルに統一性が無かった。魔法理論の本はテンちゃんが興味を持ったようで横から覗き込んでたのでそのまま渡したよ。
リンちゃんの方はたまに席を立ってお茶を淹れ直したり、どこかに行って戻ってきたりもしていたけど、基本的に俺の横に座って寄り添ってた。
そんな感じで夜になった日だった。
翌日。
いつもより少し遅めに起こされたような気がした。
だんだん日が長くなってるだろうから、気のせいかなとも思いながら体を起こしてベッドに腰かけた。
おはようの挨拶とタオルを手渡され、部屋の洗面台で顔を洗うなどの身支度をし始めて、いつもより遅いなと気づいたんだ。
「タケルさま、今日も柔らかい日差しがとても良い感じだそうですよ。朝食はあちらで食べませんか?」
- あちら?
「祈年祭会場ですよ」
着替えを手渡された俺は、『ああ』と返して着替え始めた。
食欲は昨日よりはある感じだ。というかそろそろ何か食べた方がいいだろうね。
寝巻替わりの服をリンちゃんに手渡し、そう言えば結局ピヨやミリィを見ていないなと、机の上に置いてあるミリィのベッドと、机の横に置かれているピヨ用の籠を見た。
どちらも寝具用に置いてある畳まれたタオルには使われた形跡が無い。
「ピヨとミリィなら現地に居ますよ」
- あ、そう。
帰ってきてない事には心配無用と言われた気がした。
ちなみにピヨはでかいアヒルぐらいの大きさなので、それ相応に寝床の籠のサイズもでっかくなっている。というか見覚えがあると思ったら脱衣所にある脱衣カゴだった。
それでもヒヨコの姿というのが何ともすごい。よくまぁ育ったもんだ。育ったと言えるのかは怪しいが。
なので、机の上よりは横のほうがいいだろうね。上だと邪魔だし。
ついでにこの部屋の隅に設置されているピヨ用のトイレもちゃんと大きくなってる。ピヨは扉の開け閉めもできるみたいだけど、ちょっと取っ手を引っ張ればかちゃっと開くタイプの扉になっている。
というかこの家の部屋の扉はだいたいそれだ。脱衣所や浴室のは引き戸だけどね。
施錠ってのが無いんだよ、この家。
俺の部屋の扉もいつの間にか無くなって、暖簾がかけられているだけになってた。
前は扉があったと思ったんだけどなぁ…。
まぁ川小屋のも暖簾だけだったし、別にいいんだけどね。
着替え終えるとリンちゃんのチェックが入り、それからすぐに祈年祭会場へと向かう事になった。
リビングで待っていたテンちゃんも加えて3人で歩いて行く。
- 祈年祭って、今日からなの?
「いいえ?、期間は特に決まってませんが、だいたい5日から7日ぐらいでしょうか」
- え?、そういうもんなの?
特に開会式のようなものがあるわけではなく、とっくに設営は終わっていて、俺たちが帰ってきた時には既に始まっていたらしい。
「花の見頃というのは短いものなのじゃ」
テンちゃんがうんうんとしみじみ言ってる。
まるでお花見シーズンのように言うなぁと少し笑った。
始まってたのなら、資材を運んでたのは何だったんだって尋ねたら、それは足りなくなった食材の補給や追加の屋台を作っていただけなんだとさ。
「堅苦しいものでは無いと言ったのじゃ」
へーと言ってから、まぁ行けばわかるかと思いながら踏み固められた小道を歩くと、数分とかからずに花々が見えてきて、会場に到着した。
俺たちのために取っておいてくれたんだろう場所から、ミドリさんたちが手招きしているのが見えると、テンちゃんが右肘に合図をしてからこそっと言った。
その場所は、いい感じに周囲が見渡せる場所で、そこに行くまでの間、集まって座っている寮の子たちがずっと静かにこちらを見ているのがとても居心地が良くない。
しかしこういうのも何度目かなので、俺は背中を丸めたり俯いたりきょろきょろしないように気を付けながら、できる限り毅然と、リンちゃんとテンちゃんに挟まれて歩いた。
左右の端には屋台が並んでおり、奥には飾られた少し高い台。そこにイケメンな人形が座って…、ん?
いや今はいいや、あとにしよう。
とにかく周囲は見事に咲いた、そう、元の世界の桜のように満開になっている、その桜っぽい色だけじゃなく色とりどりの木々に囲まれていた。
やっぱりどう見ても花見会場だよなー。
違うのは花の色と、敷物はあってもそこに直接座るのではなく、テーブルと椅子だという点。会場全体に敷いてあるので、土埃などが立たないようにしているのかも知れないね。
雰囲気的にはショッピングモールの屋台村やフードコート、ホーカーって呼んでるところもあったっけかな、そういう感じになっているようだ。
ああ、売ってるわけじゃないから屋台にひとが居ないってのもあるね。足りなくなったら欲しい人が追加を作れるようにはなっているみたいだ。
「おはようございます、タケル様」
ミドリさんたちが立ち上がって挨拶をするのに応えた。
見かけないなと頭の片隅で思っていたミリィとピヨも居た。
ミリィがふよふよと浮いていて、ピヨはテーブルの上で立ち上がった。と言っても鎮座してたのがちょっと上がっただけで大して変わらんな。
「おかえりなさいかな!」
「おかえりなさいませ、皆様」
そのふたりが言ったのはおはようでは無かった。
- あ、ただいま。帰ったの昨日だよ?
「帰ってもごはんが無いって聞いたかな!」
あー、それで帰ってこなかったのか…。
確かに、俺たちは妖精蜜(最高級品)の副作用(?)のようなもので、食欲が出なかったからなぁ…、でもピヨとミリィが居たら食事を出すぐらいはしたと思うよ?、リンちゃんたちが。
ここには寮の子と言っているが光の精霊さんたちなわけで、それが結構な人数集まっているわけなんだ。だから彼女たちに比べるとピヨはその平均よりは多いけど、ミリィは最低レベルの魔力量しかない。まぁ小さいってのもあるけどね、だから目立たないんだ。
俺がピヨとミリィの居場所がわからなかった理由だ。
近くまで来ればわかるけどね、上空からとか家の中からでは判別がつかない。
- ずっとここに居たの?
テーブルに着地して爪楊枝が刺してあった丸いもの、たぶん芋だろうそれを持ち上げるミリィを見下ろして尋ねた。
「ここには美味しいものがたくさんあるかな」
「あちらに休憩所がありまして、そちらに居たみたいです」
笑顔でミドリさんが言う。
指さすほうをみると、人形が飾られているところの隣には背もたれの無い長椅子が並んでいるブース。屋根続きでたぶんトイレがある。休憩所なのか。
気のせいか、ピヨのサイズのせいか、ミリィも大きくなったんじゃないか?、横に。
何かそんな気がするんだけど、とミドリさんに視線で合図をすると、彼女は苦笑になった。ついでにベニさんも苦笑になってた。アオさんは大して変わらないが、ちらっと横の椅子を見たので、そろそろ座りませんかという合図かも知れない。
「食べすぎないように、とは言ってあるんですけど…」
- そうですか。ところであの人形は…?
頷きながらミドリさんたちの向かいに座ると、ミドリさんたちも席に着いた。
まぁ別に太ってしまってもミドリさんのせいじゃないと思う。
ついでにあのイケメン人形についても聞いておこう。
たぶんあれがアオさんが作ったっていう俺の人形なんだろうけどね。服装が同じだし。
「アオが作ったタケル様の人形です」
- ああうん、リンちゃんから聞いたけど…。
俺が知りたいのはどうしてあそこに飾られてるんだって事なんだよ。
と、俺たちが座って飲み物を手にすると、静まり返っていた周囲がざわめき始めた。
食べ始めるひとや、席を立ってその人形のほうに行くひともいる。
ん?、並び始めた?
「見ていればわかりますよ」
と、リンちゃんは事も無げに言って料理を取り分けてくれた小皿を差し出した。
- あ、ありがと。
受け取って卵焼きっぽいものを食べ、人形のほうを見ると、どうやら隣に座って、すぐに席を立って次、という事をしている。
- あれは何をしてるの?
「記念撮影ですよ」
- …え?
「其方に直接は頼みづらいのじゃ。その代わりなのじゃ」
「これも福利厚生の一環なんです」
いあいあ、いくら何でもそれは…。
食べながら両側からそれぞれ言うふたりにどう返事すればいいのか迷う。
「あの…、タケル様のお傍近くまで寄れない子もいるので…」
「最近加わった者たちの中には耐性が低い者もいまして…」
ミドリさんとベニさんが言いにくそうにして言う。
- そんなに魔力を垂れ流してるつもりは無いんですが…。
「中には感知力が高いが耐性が低いのもおるのじゃ」
「そうなんです。個人差というものなので仕方ないんですよ」
- そういうもん?
「はい」
「うむ」
左右と向かいで頷くのを見ながら、特にそれが問題となっているんじゃなさそうだし、仕方ないならいいか、と思うことにした。
「ま、タケルさまよりもお姉さまに近寄れない者の方が断然多いんですから、気にしなくていいですよ」
「うむ、…それはそうなのじゃが…」
「何です?」
「…いや、もういいのじゃ…」
今それを言わなくてもいいんじゃないか、って思ったのは俺も同じなので、やや丸くなったテンちゃんの背中を撫でて慰めておいた。
そんな感じでちょこちょこ話をしながら、いまいち湧ききれない食欲を満たして朝食を終え、戻ると告げて席を立った。
帰りには『タケル様~!』とこちらに手を振る何人か、何十人かの声に応えて手を振り返して黄色い声を聞いたが、それ以外は寮の子たちからの接触は無かった。
料理も屋台に取りに行く事が無かったからね。
でも通路の横のテーブル席の子たち、お喋りをやめて見てるんだよ…。目がうるうるしてるのも居たり、真顔でじーっと見てるというか睨まれているんじゃないだろうけど、そう見えるのも居たりして、何か言われるのかと思ったけどそれも無いし、ちょっと怖かった。
例によってあとで聞いたんだけど、俺たちが行くって先に伝えられていたらしくて、その時に俺への接触は厳禁と言い渡されていたらしい。
そうしないと俺の前に列ができるんだってさ。それは困るので、そうしてくれたのは有難いんだけどね…。
『だから代わりに人形の設置を許可したんです』
と、面白く無さそうにリンちゃんが言ってた。
何だかなぁ…。
●○●○●○●
そうして数日経ち、パステルカラーで幻想的だった花見会場じゃなくて祈年祭会場の花々もあらかた散った頃、ウィノアさん経由で王都のメルさんから手紙が届いた。
というか泉からウィノアさんが出てきて直接手渡された。
手紙は2通あり、ひとつはウィノアさん経由の言い訳だった。
別に言い訳しなくてもいいのに、というか誰に対しての言い訳なんだろうね?
何でも、俺への手紙を書き終えて、朝のお祈りをしたらウィノアさんが、俺に連絡するなら届けますよと言ったらしい。
それでそんな恐れ多い事はと辞退しようとしたけど、早い方がいいでしょうと言われ、そのまま水盆から手がひょろっと出て、お供え物と一緒にその手前にちょっと置いていた手紙も持ってってしまったんだと。
そんな経緯が2通目に書かれていた。
どうして手紙をそんなとこに置いたんだとかツッコミどころはある。
あるけど、正直どうでもいい。
それで肝心の1通目の方だが、アリースオム皇国での用事が終わったら王都アッチダに寄ってくださいませんか?、という内容だった。
2通目の言い訳には、ウィノアさんから俺がもう『森の家』に戻ってきているとは知らなかったので1通目の文面がそうなったという言い訳も書かれていた。
訂正しようにも、もう1通目はウィノアさんが持ってっちゃった後なので、急いで書いたっぽい。1通目よりも文字に焦りが出ていた。
アリースオムに行った事はたぶんシオリさんから聞いたんだろうね。
- リンちゃん、メルさんへの連絡って定期的にはしてないの?
「はい。川小屋と違って補給の必要がありませんから、用事が無ければ連絡しません」
それもそうか。
情報の伝達が、電線や電波じゃない世界だもんなぁ。
光の精霊さんたちは謎の光通信があるけど、人種は早馬や伝書鳩だからどうしても情報の伝達が遅いのは仕方ない。結構料金もかかるみたいだし。
一応、定期馬車、まぁ駅馬車のようなもんだけど、宿場町を行き来する定期運行馬車には郵便物の運搬もあるようだ。そっちは特急料金が無い分、ちょっと安いらしい。
それでも元の世界の郵便に比べるとめちゃくちゃ高いみたい。
- なるほど、明日か明後日か…、あ、メルさんの都合にも依るか…
と、まだ居るウィノアさんを見た。
『タケル様のご用事で赴かれるのでしたらあの者の都合などどうでも良いでしょうに』
- どうでもよくないですからね?
あちらはホーラード王国の第二王女様だよ?
それも転移先って、その王女様の寝室だよ?
突然押しかけたら着替え中でしたーなんてラッキースケベどころかぶった切られても文句言えないよ?
いやまぁぶった切りはしてこないと思うけどさ。
- 一応、明日か明後日の予定を聞いてきてもらえます?
『わかりました。今夜にでも問いかけます』
と言って歩いて泉に戻って行った。
今回はしゅわっと消えたりはしないのか…。
「メルさんは何と?」
- え?、ああ、ホーラード所属になったでしょ?
くいくいと自分を親指で指差しながら言うと、リンちゃんも頷いた。
「はい」
- それの任命式だかをしたいとかで、王都に来てくれって勇者隊にも連絡が来てたんだよ。
「あー、前に何かそんな事を言ってましたね」
- うん、まぁ形式的なものらしくて、大々的にやるわけじゃないから、それほど日数もかからないと思うよ。
「なら、日程の調整だけやりとりをしてから行けばいいんじゃないですか?」
- それもそうなんだけど、王都って行ったことがないから、ちょっと見てきたいなって思ってさ。
「じゃああちらに泊まるんですか?」
- そこはツギの街のときみたいに、石板を置けばここで寝泊まりはできるでしょ?
「あ、そうですね。わかりました」
面白く無さそうに言ってたのに、急ににこにこし始めた。可愛い。
あ、俺ひとりで王都を散策すると思ってたのかな…?
いあまぁひとりでもいいんだけど、どうせメルさんの部屋に転移してもらうのにリンちゃんが一緒なんだから、一緒に行動するに決まってるじゃないか。
「タケルさん、またどこかに行くのかな?」
ふよふよと飛んで来て給水器のところに行きかけてたのを、話を聞いて寄ってきたミリィ。
前までのミリィなら顔の近くまで飛んで来て、それを俺がキャッチしてたんだけど、そうならずにちょっと距離を開けて空中停止している。
- うん、明日か明後日かだけどね。
「忙しいかなー、せっかく帰ってきたんだからのんびりすればいいかな」
いあいあ、ここ数日はのんびりしてたんだよ。
キミたちはほぼずっと祈年祭会場に居て、その会場設備が解体された今朝、ここに帰ってきたから、俺がここでのんびり過ごしてたのを知らないだけで。
- のんびりしてたんだけどね。ところでピヨは?
「ピヨちゃんさまならプールに居るかな」
- プール?
「地下に四角いおっきな池があったかな」
「体育館の下のプールの事では?」
「それかな」
なんとまぁ…。
「ピヨちゃんさまはあそこがお気に入りかな。あたしも浮き輪やボートを作ってもらったかな」
- そうなんだ…。
というか普通に泳いでカロリー消費をした方がいいと思うんだよ。ミリィも、ピヨも。言わないけど。
「あたしは着替えを取りに来ただけかな」
と、思い出したように給水器のコップを抱えて水を汲み、そのままふよふよと俺の部屋へと飛んで行くのをぼーっと見ていた。
ああ、だから扉を無くしたのか…、ピヨやミリィが出入りしやすいように…。
その夜、ウィノアさんの首飾りから返事が来た。
『明日の午後にお越し下さいという事でした』
あっさりしてるなぁ。
- ありがとうございます。
『どう致しまして。何かお伝えする事があれば、今でしたらまだあの者が祭壇の前に居りますが?』
- あ、じゃあよろしくお願いしますと伝えてもらえますか?
『わかりました』
こちらも眠るところだったので、リビングに戻ってリンちゃんに伝えておいた。
「…わかりました」
- ん、どうしたの?
「今後の事を考えると、メルさんに何か連絡手段をお渡ししておいたほうがいいんじゃないかと思いまして…」
- 『鷹の爪』のプラムさんに渡した腕輪みたいな?
実はもう俺はその腕輪の片割れを持ってない。リンちゃんが持ってる。
というか、リンちゃんが持ってる端末に連絡が来るようになってるらしい。
まぁ俺が持っててもしょうがないんだよね。結局リンちゃんにあちらの場所を尋ねる事になるから。
「はい、あ、それで良さそうですね」
いいのか…?
にこにこして言うリンちゃんに癒されるね。
- あれって距離とか大丈夫なの?
「はい。一応、勇者村から王都までの周辺であれば通知できるようになってます」
- へー…
また光の精霊さんの謎技術みたいなので中継器とか勝手に設置されてるのかな…。
- まぁ通知できるなら…。
「じゃあ明日行った時にお渡ししますね」
にこにこ状態継続中だ。
- あ、もしかして前に用意はしてあった、とか?
「はい、そうだったんですが、全然出番が無かったので死蔵状態だったんです」
- なるほど。
それがやっと出番が来たので準備しておいて良かったと。
リンちゃんって、そうやって準備したものが役立つと機嫌が良くなるよね。
気持ちはわからんでも無いし、リンちゃんがご機嫌だと俺も気分がいい。
- そういうのって、例えばサクラさんとかシオリさんとかにも渡しておいたほうがいいのかも知れないね。
「んー、そうしますと中継器をかなり設置する事になるので…」
やっぱり中継器だった。
- 地面じゃなくて、空の上とかは…?
「それはそれでコストの問題が…」
それもそうか。
つい言ってしまった思い付きだったけど、不可能とは言わないのね。
- まぁ今までそんなのが無くても大丈夫だったんだから。
「…そうですね」
『タケル様に関してのご連絡でしたら私が承りますので、ご安心下さい』
- あっはい、ありがとうございます。
『ふふっ』
「……」
そこで含み笑いみたいにするから、リンちゃんがまた真顔になっちゃったじゃないか…。
全く…。
次話5-011は2022年04月30日(土)の予定です。
(都合により1日遅れます)
20220429:助詞訂正。 会場設備は解体された今朝 ⇒ 会場設備が解体された今朝、
(作者注釈)
プラムに腕輪を渡したのは1章でしたね。
ずいぶんご無沙汰な便利道具です。
●今回の登場人物・固有名詞
お風呂:
なぜか本作品によく登場する。
今回入浴シーン無し。
タケル:
本編の主人公。12人の勇者のひとり。
気を遣われてますねぇ…。
リンちゃん:
光の精霊。
リーノムルクシア=ルミノ#&%$。
アリシアの娘。タケルに仕えている。
機嫌良くなったり少し斜めになったり。
テンちゃん:
闇の精霊。
テーネブリシア=ヌールム#&%$。
後ろの部分は精霊語のため聞き取れない。
リンの姉。年の差がものっそい。
ヌル様と言われる事もある。
基本的に、タケルの横に寄り添っていれば穏やかなんです。
ファーさん:
ゼファーリィ=ヴェントス#$%&。
風の精霊。
有能でポンコツという稀有な素材。
風の精霊の里では高位の存在なんですよ、これでも。
尊敬の対象なんですよ、これでも。
つまりタケルに縁のない芸事に堪能という…。
生かされない不遇な配置という事に。
今回出番無し。
ウィノアさん:
水の精霊。
ウィノア=アクア#$%&。後ろの部分は精霊語。
一にして全、全にして一、という特殊な存在。
タケルの首飾りに分体が宿っている。
今回ちょこちょこ出てますね。久しぶり。
アリシアさん:
光の精霊の長。
全精霊中最古というような存在。実は凄い精霊。
だいたい名前くらいしか登場しませんが一応。
モモさん:
光の精霊。
『森の家』を管理する4人のひとり。
食品部門全体の統括をしている。
今回出番無し。そろそろ戻ってくるはず。
アオさん:
光の精霊。
モモの補佐、主に機械や魔道具関係を担う。
お裁縫が得意。
普段は表情変化に乏しいが、
アンデッズ関係ではよく笑う。
今回居ますがセリフ無し。
ミドリさん:
光の精霊。
モモの補佐や、食品部全員の美容面を担う。
美容師の資格をもっている。
統括代理です。
いろいろと忙しい中、資格取得のために勉強中です。
ベニさん:
光の精霊。
モモたちの補佐をする。幹部で一番若い精霊。
最初はツンでしたが、4章でデレました。
こちらもいろいろ勉強中。頑張ってます。
ミリィ:
食欲種族とタケルが思っている有翅族の娘。
身長20cmほど。3章からの登場。
タケルに掴まれない距離なのは理由がありそう。
アンデッズ:
明るいアンデッドを目指す変な集団。
タケルの発案で、『聖なるアンデッズ劇団』となった。
光の精霊さんの里で生き生きと働いている。
余談ですが、undeadの複数形。
作者的には『アン』は小さめで『デ』に軽いアクセント。
そんな感じで脳内再生されている単語です。
今回は劇団というひとくくりでした。
彼らは25名ですが、
劇団所属の精霊たちが役者や運営に設営含めて100名以上います。
ハルトさん:
12人の勇者のひとり。現在最古参。
勇者番号9番。オオミヤ=ハルト。
ハムラーデル王国所属。
およそ100年前にこの世界に転移してきた。
『フレイムソード』という物騒な剣の所持者。
今回出番無し。
カエデさん:
12人の勇者のひとり。
勇者番号10番。シノハラ=カエデ。
勇者歴30年だが、気持ちが若い。
でも言動はタケルからするとちょっと古臭い。
今回出番無し。
ジローさん:
12人の勇者のひとり。
勇者番号3番。イノグチ=ジロウ。
ハムラーデル王国所属。
砂漠の塔に派遣されて長い。
2章でちらっと2度ほど名前があがり、
次に名前が出てくるのが4章030話でした。
今回出番無し。
クリスさん:
12人の勇者のひとり。
勇者番号5番。クリス=スミノフ。
現存する勇者たちの中で、4番目に古参。
現在快復ターン中。
今回出番無し。
シオリさん:
12人の勇者のひとり。
勇者番号7番。クリバヤシ=シオリ。
現存する勇者たちの中で、2番目に古参。
『裁きの杖』という物騒な杖の使い手。
現在はロスタニア所属。
勇者姫シリーズと言えばこのひと。カエデは大ファン。
今回名前のみの登場。
サクラさん:
12人の勇者のひとり。
勇者番号1番。トオヤマ=サクラ。
ティルラ王国所属。
勇者としての先輩であるシオリに、
いろいろ教わったので、一種の師弟関係にある。
勇者としての任務の延長で、
元魔物侵略地域、現バルカル合同開拓地に居ます。
今回名前のみの登場。
ツギの街:
元領都の大きな街。1章で登場。
元というのは現在はホーラード王の直轄領だから。
勇者が東の森のダンジョンでの修行を終えたと判断したら、
次に訪れることになる街。
ツギのダンジョンという名称のダンジョンがある。
ツギという街の名は、建築素材になるツギの木が周辺に多く、
それを伐採、加工をして発展してきた歴史があるため、
その名で呼ばれ、定着したため。
鷹の爪:
ツギの街を中心に活動しているベテラン冒険者チームの名。
構成は、チームリーダーであり遊撃ポジションのサイモン、
体格がいい盾役のクラッド、スレンダーで魔法使いのプラム、
小柄で弓や罠を扱う斥候のエッダの4名。
サイモンとプラムは『森の家』への出入りを許されている。
1章でタケルたちと行動を共にした。
※ 作者補足
この登場人物・固有名詞紹介の部分全ては、
あとがきの欄に記入しています。
本文の文字数にはカウントされていません。
あと、作者のコメント的な紹介があったり、
手抜きをしたり、詳細に書かれているけど本文には
無関係だったりすることもあります。
ご注意ください。