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5ー002 ~ 年末年始

 何だかんだと俺の自宅って事になっている『森の家』で過ごしているうちに、テンちゃんがとても楽しみにしている品評会へ行く前日になった。なってしまった。


 品評会というのは、100年に1度の風の精霊さんのお祭りで、場所は持ち回り。今回はヴェントスの地というところで開催されるらしい。

 ヴェントスの地というのは中緯度帯にある森林や山岳を含めた広範囲にわたる地域の事で、風の精霊ヴェントスファミリーの、言ってみりゃ支配地域、その中心地の事をそう呼んでいるんだそうだ。


 場所が持ち回りと言っても、全ての風の精霊さんファミリーを順番にというのではなく、規模の大きなところに限られるのでヴェントスの地での開催は500年ぶりなんだそうだ。

 もっと多いのかと思ってたよ。


 しかしよくよく話を聞いてみると、品評会は春の祭典なので、春がある地域で大きいところが5つしか無いからなんだってさ。冬しかないような地域にはまた別の祭典があるんだと。夏しかないような地域の事は聞いてないけど、あるのかな…。


 ファーさんはリンちゃんに許されたのもあってか、風の精霊さんのほうの新年の事や品評会の準備の事もあり、翌日に飛び立って行った。

 何でもファーさん単独だと、ヴェントスの地までは12時間かかるんだってさ。途中休憩もあるらしいけども。


 前にハムラーデル国境からウィンディを連れて飛んで行った時は、1時間ほどのところにヴェントス様の分体が居たんだそうで、ファーさんはヴェントスの地ではなく、大陸のこちら側に一番近い風の神殿での仕事に戻るだけだったから、それほど飛行時間があるわけでは無かったんだと。

 あの時点では俺にそのへんの詳しい話をしていいか判らなかったんで、まぁ俺が尋ねなかったってのもあるけど、言わなかったらしい。


 でも1時間程でどうのとか翌日また来ちゃうとか、状況的にぽろぽろ出てたのがポンコツさを物語ってる気がするね。


 今思えば、最高級品の妖精蜜を運んでるのにヴェントス様の分体もそれに気付いて無かったんだから、…まぁ済んだ事ではあるけども。






 何だかんだってひと言で略したけど、細々(こまごま)とした事はいろいろあったよ。


 リンちゃんが『川小屋』へ補給物資を持ってった時に、シオリさんが戻っていて俺の所属がホーラードに決まったと聞いてきた事。その8日後に早駆けの使者が『勇者の宿』にホーラード王城への召喚状を持ってきた事。

 俺はちょくちょく『勇者の宿』に様子を見に行っていたのですぐにそれを知ることができた。宿の方にもそれぐらいに行きますって言ってあったからね。


 ホーラード王国は今まで正式に所属した勇者が居なかったというのもあり、他の国々を参考に任命式を行うんだそうで、それが50日後の予定らしく、それまでには王都アッチダに来て一度挨拶をして欲しいんだそうだ。


 日程がだいぶ先なのは移動時間が掛かるのが普通だからで、俺みたいにひょいひょい飛んで行けるような者の事は考えて無いからだろうね。リンちゃんに転移魔法で連れてってもらえるし。まぁ転移先がメルさんという王女様の私室なのが何ともアレだけども…。


 それと、精霊さんたちの新年があったね。新年のセレモニーって言ってたけど。


 その前後数日は、この『森の家』に隣接してる燻製小屋って名前の食品工場もお休みで、そこで働いてる若い精霊さんたちも里帰りやらがあり、しょっちゅうこの家の前の庭で荷物を持ったそれら精霊さんたちが集団で転移していってたよ。


 その子たちが住んでる寮の責任者ブランさんとか、工場の作業管理責任者ミルクさん他、あと見慣れない精霊さん(ひと)数名が交代で何度も引率みたいに転移してたところを見ると、大人数の転移が可能な大型免許を持ってる精霊さん(ひと)なんだろうね。


 最初のうちは『森の家』のリビング、まぁ居間というかだいたい俺がぼーっと座ってる広い部屋なんだけど、そこから見えるもんで、あっちから呼ばれて手を振ってるのが見えてて、俺もそれに応えなくちゃいけないんだろうな、なんて思いながら手を振り返したりしてたんだけど、そのうちカーテンが閉じられて見えなくなった。


 『こんな事なら転移場も作っておくのでした…』


 リンちゃんとモモさんがそんな事を言ってたけど、転移場ってったら俺が知ってるのって、光の精霊さんの里にあるでっかい祭壇のような場所と、何てったか名前は忘れたけど母艦にあったやっぱりでっかい祭壇みたいな場所なので、あんなのが作られたらまたここの敷地が増えるのかーって思った。


 いやもう既に学校かどこかの企業のような敷地面積があるんだよ、ここ。だから今更なんだけどね、でも何とも言えない気分になるね。


 最初は俺が作った木と枝と板と葉の、雨風が凌げる程度の燻製小屋というか物置兼作業部屋だったんだけどね…、それからリンちゃんと出会って、そのリンちゃんが建てた家になり、気が付いたら燻製もできる食品工場ができて寮ができてた。


 先日聞いたところによると寮の隣には寮の子たちのための福利厚生施設、体育館やらプールやら何やらの建物もあるそうな。とんでもないな。いや、いいんだけどさ。


 今はさらに聖なるアンデッズ劇団なんてものの関係者たちの寮や練習用ステージやらが建てられてる。


 そのせいで、ここの庭が、囲まれた配置になってしまってて、まるで中庭みたいな感じになってるわけ。中庭って呼ばれてるスペースはいくつかあるみたいで、ここは今も森の家の庭なんだってさ。


 俺はしょっちゅう飛行魔法で『勇者の宿』のある村、勇者村と呼ばれてるところからここまでを往復してたので、毎回複雑な気分でこの『森の家』の規模を上から見てるよ。

 木々に囲まれた、元々あまり日当たりなんて気にならない小屋だったんだけどなーってね。






 そうそう、そのアンデッズ25名と劇団関係者たちは新年を跨いで前後に公演が予定されているので、ここには戻って無い。

 というか今でも公演は立ち見が出るほど盛況で大人気で、開催日は早くから列をなして並んでいるんだそうだ。基本的に入場無料だからね。一応は予約席もあるみたいだけど、公演予定日は最終日まで埋まってるとか何とか。

 それで開催予定を延長しようって話になってるんだそうだ。

 人形(グッズ)も飛ぶように売れていて、作れば作るほど売れるんだってさ、どんなだよ…。


 リンちゃんは面白く無さそうにしてたけど、俺の人形もあるらしい。


 『タケルさまの役をしてる役者がモデルだからあまり似てないんです』


 って言ってたけどさ、髪と目が黒くて、服装が2種類ある。エクイテス商会の服と、いつも俺が着てる光の精霊さんの来賓用というか俺専用に作られたものらしいけど、その服ね。

 見せてもらったけど、うん、俺の顔じゃないね。イケメンだった。足も長いし俺的には別人だから気にならなかったけど、リンちゃんには不満らしい。わからん。


 アンデッズと並べて飾られるのかと思うとちょっと変な気分だけどね。


 演目も、初演の時は途中休憩を抜いて1時間ちょいぐらいだったのが、今では内容追加やら歌に踊りにと、3時間近いらしい。

 何でも、母艦で彼らの面接や身体能力テストなどのために待機していた間の事も、今では演目に含まれているんだってさ。監視してた兵士さんたちが笑い転げてたらしいから、光の精霊さんたちにとってはいい演目のネタなんだろう。


 新年のセレモニーに行っていたモモさんたちの話では、そのセレモニーにリーダーゴーストと(スケルトン)数名が壇上に呼ばれてて挨拶をしたらしく、場を沸かせてたそうだ。


 『すっかり壇上慣れしていて、とても生き生きしてましたよ、ふふっ』


 って言ってたけど、生き生きとしたアンデッドってのもすごい表現だよね。


 セレモニーの壇上に呼ばれるというのは、精霊さんたちにとってはものっそい(物凄い)栄誉な事なんだそうで、それだけ彼らも知名度も上がり、光の精霊さんたちに受け入れられたって事だ。本当に良かったと思う。


 『壇上で輝いてましたよ、あはは』


 ベニさんがそう補足してたけど、これは文字通り光を放ってたらしい。

 壇上には魔力量の膨大な精霊さんたちも多く、それだけ魔力が濃密な場だからだろうと思うけど、何というかそれだけでも光の精霊さんたちにとっては笑いを誘う事なんだろう。例によってアオさんはまた席から転げ落ちてたらしい。光り輝く骨がそれ程までに面白いのだろうね。俺にはいまいちわからないけど。


 あ、そのモモさんも壇上に呼ばれて挨拶をしたんだってさ。大喝采を浴びたらしい。


 『タケル様が来られていればもっと凄かったでしょうね…』


 なんて言ってた。俺の代わりらしい。『そうですか』って曖昧に返しておいたけど、絶対にそんなところに立ちたく無い。

 あと、リンちゃんが代わりじゃないのは、『あくまで統括はモモさんですから』って事らしい。


 俺のところに来る前は毎年、アリシアさんの隣で微笑んで手を軽く振る程度だったそうだけど、リンちゃんにとっては、あまり面白くない役だったみたい。言葉を濁してたし、詳しく聞いたところで返答に困るだろうからそこはさらっと流した。


 でもまぁ予想はつく。

 光の精霊さん、特にアリシアさん以下側近のひとたちってのはとにかく長生きだ。テンちゃんが言ってたけど寿命という概念が無いひとも多いらしいし、人間社会と違ってずっと現役なわけだ。

 だから引継ぎなんて無いし、代替わりもしない。ずっとアリシアさんの娘、なわけだ。

 新たに何かを任せてもらえるわけでもなく、ずっとお姫様をやらされてたのなら、リンちゃんがつまら無さそうに言うのもわからなくは無い。


 そんなリンちゃんをちらっと一瞬だけ、ちょっと冷めた目でテンちゃんは見たけど、特に何かを言う事も無かった。それに気づいたので俺も詳しくは聞かなかったんだ。


 そんなリンちゃんがどうして俺の活動範囲に降りて来ていたのかって疑問が少し浮かんだけど、たぶん、まぁアリシアさんあたりがこのあたりの様子を見に行けとか、何かの話に出したとか、大地の精霊ミドさんのところに用事でもあったついでに連れてきたとか、何か理由があったんだろうね。アリシアさんの計画だったのかも知れないし。


 まぁ仮にそうだったとしても、俺にとっては助かってるし、ここまで何とかやってこれたのも精霊さんたちのおかげだと思ってるから、それならそれでもいいと思ってる。






 ああそうだ、『勇者の宿』での話も少ししておこうか。


 まずはミイラみたいだったクリスさんの事。

 勇者隊の隊長、グリンさんの話だと、げっそり痩せている人、ぐらいには戻ってるんだそうだ。驚きの回復力だね。


 『人に見えるようになったぞ』


 と言って笑ってたよ。

 だからもう服も着せてるし、毛布ぐらいは掛けてあるんだそうだ。

 敷布団が無いのは普通らしいけど。


 1Fの待機所の壁にある石板の表示は緑色だった。

 11番のトールさんと色が並んじゃったよ。どうなってるんだろうね、トールさん。

 というかクリスさんが早すぎなんだろうけども。


 宿の筋向いの勇者食堂がしばらくは夜だけの営業になってるんだそうで、昼食をまた西門前のあたりまで行かなくちゃ飯屋が無いとかボヤいてた。

 俺はその理由を知ってるけど、言っていいのかわからないので曖昧に返事をしておいた。


 だから村に活気が無いっていうか、人通りがだいぶ減ってたよ。

 屋台の数も減ってたのは、予め知らせてあったのかも知れないね。勇者食堂とも繋がってるお店が多いみたいだし。






 あとはまぁミリィとピヨの話ぐらいか。

 俺も遊び相手じゃなくて訓練なんだけど、相手をしたりした。


 気のせいかミリィがちょっと柔らかくというか、丸くなったというか太ったんじゃないのかと思ったんだけど、比較対象が居ないっていうかピヨが丸いしでかいし、相談しようにもリンちゃんは無関心だし元を知らないファーさんに訊いてもしょうがないし、ミドリさんは里帰りしちゃってて居ないし、当然だけど本人には言い難いしで、結局言えなかった。


 リンちゃんの目を盗んでか、居ないタイミングでピヨと一緒に風呂に入って洗ってやってたら乱入してきて、『ピヨちゃんさまと入るならあたしもあわあわにして欲しいかな!』って、また例の手のひらの上でシャワーをさせられた。


 その時に気が付いたんだけど、まさかその最中には言えないだろ?


 ミストシャワーについても言われてさ、シャワーヘッドのひとつがごつくなってて、その機能がついてるのがあるとかで、ちょっと試してみて、なるほどこういうのかと。

 それで手に乗せてそのシャワーの下へ持ってったら違うと言われ、練習してたらお湯を入れてた桶から手が出てウィノアさんに叱られ、またボールみたいにお湯に包まれてポイって投げ捨てられて泣いてたよ。


 それを宥めて、ミストシャワーができるようになるまでやらされたんだけどね…。


 そんな事があってからミリィは単独で入る事が多くなった。あわあわも何日かに1度程度になって俺も精神的に楽になった。






 テンちゃんが乱入して来ないのは、ピヨと一緒だからみたい。


 ミリィはテンちゃんが服を着て手袋をしていたら大丈夫みたいなんだけど、ミリィ自身も、『テン様とリン様のすぐ近くは畏れ多いかな…』って言ってたから、たぶん近すぎると魔力圧を感じてるんだろう。ピヨもあまり近寄らないし。テンちゃんへの場合は近寄れないが正しいかもね。リンちゃんの近くには、呼ばれたら行くって感じかな、見てる限りでは。


 それで、俺がピヨを毎日の風呂で洗ってるんだけど、そういう時にはテンちゃんは脱衣所にも入って来ないわけ。


 俺が居ない間はどうしてたのかと尋ねると、ミドリさん他、交代で洗ってたんだってさ。毎日じゃないみたいだけどね。

 まぁピヨの場合はニワトリのヒヨコの形はしていても鳥類じゃないからね、別に毎日洗っても構わないだろうと思って、テンちゃんの乱入防止にもなるので連れて入ってた。


 俺もピヨを洗うの楽しいし、乾かしてもこもこもふもふなのを撫でるのもいいからね。


 『あまりピヨを甘やかさないで下さいよ…』


 と、リンちゃんにはちょくちょく注意されるけど、どっちかというとピヨを膝の上に置いて撫でるのは俺のためなので、ピヨが嫌がらない限りはソファーでそうしてる。


 それで居眠りしてたら、眠ってる間にピヨがどっか行ってて、代わりにテンちゃんが俺の膝を枕にして寝転がっててさ、やわらかくて感触が幸せなものを撫でてて、ん?、ピヨじゃないぞこれ、って気づいて飛び起きたよ…。


 『むふん、もっと撫でて良いのじゃ』


 って鼻息荒く赤い顔で言われたけど、だからっていくらリンちゃんが居なくてもできるかっての。


 それ以来、ピヨを抱いて撫でていても、テンちゃんが来るとすぐにピヨがどっか行っちゃうんだよなぁ…、俺が居眠りしている間に何があったのやら…。






 あとは…、脱衣所のマッサージチェアがまた新しくなったとかで、俺に使い心地やらを聞きたいらしく、あまりにリンちゃんが困ったように言うので、仕方ないなーって試して、それが思ったより良くできていて気持ちが良かったんでそう伝えたんだ。


 そしたらその夜、リンちゃんが居ない間に脱衣所に結界が張られてさ、一体何事かと思って起きて見に行ったらウィノアさんがマッサージチェアを使ってて笑ったよ。


 俺は結界には同調すればぬるっと入れるからね。

 ウィノアさんはそれをうっかりしていたみたいでめっちゃ焦ってた。


 『あ、あの、できればご内密にして頂けるとその…』


 って頬を染めて言うんだもんなぁ…。

 毎回思うけどどうやって赤くなってるんだろうね。謎だ。


 だいたいさ、ウィノアさんは体が水っていうか、顕現状態の人型でも別に骨や筋肉なんて無いわけで、もちろん内臓なんて無いんだから、肩こりとは無縁でしょうに。

 いやまぁ透明に近い半透明な身体で骨やら筋肉やらあっても、見る方が困るんだけどさ。


 聞けば、マッサージチェアに対抗意識を持っちゃって、風呂で俺をマッサージするときの参考に、体験しておこうと思ったんだってさ。


 気持ちは分からなくは無いけどね?、そこまでしなくてもウィノアさんのマッサージは心地いいですよ?、って言っておいた。


 翌朝テンちゃんがニマニマしてたから、絶対気付いてると思うよ。

 約束したから俺は何も言わなかったけどさ。






 とまぁ、そんな感じの、モモさんたちや寮のひとたちがほぼ居ない間、ちょこちょこといろいろあったってわけ。


 リンちゃんは時々里に出かけたり、『川小屋』に補給をしに行ったりしてたから、居ない時間も夜も何度かあったけど、俺とテンちゃんとミリィとピヨはずっと居たからね。


 そして三箇日(さんがにち)じゃないけど、それが終わると寮の子たちもモモさんたちもぞろぞろと帰ってきて、その日は庭はひっきりなしに転移して来ていた。

 魔力感知でわかるだけに、急に賑やかになったなーって思ったね。


 その時にセレモニーの事などを聞いたんだよ。


 翌日からは食品工場も稼働が始まり、その翌日からは勇者村や東の森のダンジョン村への配達も再開、もちろん勇者食堂の昼間のお手伝いも再開したそうだ。






 さて、どうして前日なのかというと、俺たちは光の精霊さんの里に前日入りをして一泊し、明日の朝から品評会が開催されるヴェントスの地へ、まとめて転移で行くからなんだそうだ。


 そうしていつものようにテンちゃんが袋に梱包され、モモさんからペンダントを配られての転移で、里の転移場にシュバふわっと転移し、箱馬車でこっそりと運ばれて庁舎敷地内にある迎賓館みたいな立派な建物に入った。


 こんなとこに泊まっていいんだろうかって恐縮するね。

 入り口のとこ、馬車越しに見えたけど門から玄関ポーチまでの間に噴水とか花壇とかあるしさ、モモさんが玄関の扉を開けてくれたけど、分厚いでかい扉だし、中は豪華だし…。

 映画とかで見た、貴族の館みたいだったよ。甲冑は飾られて無かったけど。

 玄関ロビーにカウンターがあったら旅館かホテルみたいだ。


 リンちゃんに手を引いてもらわないと足が踏み出せなかったよ…。

 テンちゃんがさ、『懐かしい作りなのじゃ、ほれ、早く進むのじゃ』って後ろから押してくれて、前後から引っ張られ押されて、部屋に案内されたんだ。


 モモさんは後ろでくすっと笑ってた。


 まぁ笑われても仕方ないか…。






次話5-003は2022年02月18日(金)の予定です。




●今回の登場人物・固有名詞


 お風呂:

   なぜか本作品によく登場する。

   あくまで日常のワンシーン。


 タケル:

   本編の主人公。12人の勇者のひとり。

   今回は本編というより主人公の回想ですね。


 リンちゃん:

   光の精霊。

   リーノムルクシア=ルミノ#&%$。

   アリシアの娘。タケルに仕えている。

   年末年始は忙しい。


 テンちゃん:

   闇の精霊。

   テーネブリシア=ヌールム#&%$。

   後ろの部分は精霊語のため聞き取れない。

   リンの姉。年の差がものっそい。

   リンと違ってヒマ。

   言及されてないが、タケルがピヨを抱いていない時は、

   だいたいべったりくっついている。


 ファーさん:

   ゼファーリィ=ヴェントス#$%&。

   風の精霊。

   有能でポンコツという稀有な素材。

   風の精霊の里では高位の存在なんですよ、これでも。

   今回は名前のみの登場。

   体よく追いやられたとも言う。


 ウィノアさん:

   水の精霊。

   ウィノア=アクア#$%&。後ろの部分は精霊語。

   一にして全、全にして一、という特殊な存在。

   今回ちょっと登場。


 アリシアさん:

   光の精霊の長。

   全精霊中最古というような存在。実は凄い精霊(ひと)

   だいたい名前くらいしか登場しませんが一応。


 ミドさん:

   大地の精霊。世界に5人しかいない。

   北半球の中緯度帯を担当。

   時々名前が登場しますね。


 ヴェントスさん:

   風の精霊。

   ヴェスター=ヴェントス。

   ヴェントスファミリーの長。

   ファーの親のようなもの。

   実際この精霊は惑星環境の大気循環などを是正したりする、

   とっても偉い精霊なのです。


 品評会:

   今回はヴェントスの地で開催される、100年に1度の、

   風の精霊たちのお祭り。

   ゲストに大物精霊たちが参加するのは5百年ぶりらしい。


 シオリさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号7番。クリバヤシ=シオリ。

   現存する勇者たちの中で、2番目に古参。

   『裁きの杖(ジャッジメントケーン)』という物騒な杖の使い手。

   現在はロスタニア所属。

   勇者姫シリーズと言えばこのひと。カエデは大ファン。

   今回は川小屋での話に名前が登場。


 サクラさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号1番。トオヤマ=サクラ。

   ティルラ王国所属。

   勇者としての先輩であるシオリに、

   いろいろ教わったので、一種の師弟関係にある。

   川小屋を拠点としている。

   今回は登場せず。


 ネリさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号12番。ネリマ=ベッカー=ヘレン。

   ティルラ王国所属。

   サクラと同様。

   今回は登場せず。


 クリスさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号5番。クリス=スミノフ。

   現存する勇者たちの中で、4番目に古参。

   現在快復ターン中。


 トールさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号11番。ミサキ=トオル。

   名前のみの登場。4章030話でも名前が登場した。

   本編ではほぼ寝ていますね。

   いや、ずっとですね。


 モモさん:

   光の精霊。

   『森の家』を管理する4人のひとり。

   食品部門全体の統括をしている。

   それ以外にも、リンの付き人役をしたりもする。


 アオさん:

   光の精霊。

   モモの補佐、主に機械や魔道具関係を担う。

   お裁縫が得意。

   普段は表情変化に乏しいが、

   アンデッズ関係ではよく笑う。


 ミドリさん:

   光の精霊。

   モモの補佐や、食品部全員の美容面を担う。

   美容師の資格をもっている。


 ピヨ:

   風の半精霊というレア存在。でかいアヒルサイズのヒヨコ。

   癒しのヒヨコ。もこもこのもふもふ。

   ミリィと仲良し。


 ミリィ:

   食欲種族とタケルが思っている有翅族(ゆうしぞく)の娘。

   身長20cmほど。

   やっぱり太りますよねw

   タケルが作った服がお気に入りです。

   着替えは同じようにだぼだぼゆったりサイズで、

   アオが作ったものです。


 メルさん:

   ホーラード王国第二王女。いわゆる姫騎士。

   騎乗している場面が2章の最初にしかないが、騎士。

   剣の腕は達人級。

   今回は名前のみの登場。


 アンデッズ:

   明るいアンデッドを目指す変な集団。

   タケルの発案で、『聖なるアンデッズ劇団』となった。

   光の精霊さんの里で生き生きと働いている。

   余談ですが、undeadの複数形。

   作者的には『アン』は小さめで『デ』に軽いアクセント。

   そんな感じで脳内再生されている単語です。


 母艦アールベルク:

   光の精霊さんが扱う何隻かある航空母艦のひとつ。

   魔砂漠(まさばく)魔塵(まじん)処理作業のため、

   魔砂漠(まさばく)中央あたりの上空8kmに停泊している。

   母艦というだけあってでっかい。

   相変わらずタケルは名前を覚えない。


 森の家:

   『勇者の宿』のある村と、『東の森のダンジョン』近くの村の

   間にある森の中にあるタケルたちの拠点。

   タケルが作った燻製用兼道具置き場の物置小屋をリンが建て直し、

   次にモモたち4人が住むようになって拡張された。

   タケルの知らない間に、隣に燻製小屋という名前の食品加工工場と、

   そこで働く光の精霊たち200名以上が住まう寮までができ、

   さらに3章で登場したアンデッズ25名と演劇関係者たちが

   住む場所と演劇練習用の屋内ステージまでが建てられる事になった。

   これらを全て含めて、『森の家』と呼ぶ。

   結界に包まれているため、許可のない者は近づけないらしい。


 川小屋:

   2章でリンちゃんが建てたタケルたちの拠点。

   ロスタニアから流れてくるカルバス川本流と、

   ハムラーデル側から流れてくる支流が合流するところにある。

   ミリィとピヨがお留守番をしている。

   ホームコア技術で護られているため、許可がある人物以外は

   入り口の布を避けて中に入ることができない。

   ここの浴室は広い。


 エクイテス商会:

   3章でタケルと交流のできたそこそこの規模の商会。

   詳しくは3章を。



 ※ 作者補足

   この登場人物・固有名詞紹介の部分全ては、

   あとがきの欄に記入しています。

   本文の文字数にはカウントされていません。

   あと、作者のコメント的な紹介があったり、

   手抜きをしたり、詳細に書かれているけど本文には

   無関係だったりすることもあります。

   ご注意ください。


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2019年05月にAI分析してもらいました。ファンタジーai値:634ai だそうです。
なるほど。わかりません。
2020年01月にAI分析してもらいました。ファンタジーai値:634ai だそうです。
同じやん。なるほど。やっぱりわかりません。
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