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4ー087 ~ 森の浄化・メルの祭壇

 この『瘴気の森』をきっちり囲んでいる結界は、まだ数日浄化を続けるんだそうだ。

 というのも、中心部にあった光の精霊さん由来の遺物を回収するのには、この森は瘴気濃度がまだ濃過ぎるんだそうだ。


 瘴気の発生源自体はリンちゃんが浄化魔法を頑張り過ぎたせいで――テンちゃん談――もうただの石像になっているので、この地に新たに瘴気が追加される事は無い。

 だがこれまでに撒き散らされ、木々を変質させ地中に染み込んだ瘴気は相応に膨大だ。

 それらが自然に散り、あるいは自然の自浄作用によって消滅するには何百年もかかるとか。

 当然、そんなもの待っては居られないので、せめて上空の母艦エスキュリオスに居る精霊さんたちが作業できる程度まで瘴気の濃度を下げる必要がある、という事らしい。


 俺たちが一旦森の外に出た後、リンちゃんがその母艦に連絡をしてからしばらくすると、例の88本の柱と11機の連絡艇によって作られていた結界内の浄化魔法の強度が数段上がったのが魔力感知でわかった。


 どうしてそれを最初からしなかったかというと…。


 「中途半端に浄化されなくて本当に良かったのじゃ」


 と、テンちゃんが呟いた理由で、何でもああいった強力な怨念は、それが根を張っているというか宿り続けているモノを先に浄化されて、あるいは浄化され始めるとそこを離れてしまうのだそうだ。


 そうなってしまうと怖ろしく厄介なモノとなり、怨念と瘴気を撒き散らして大規模な魔力災害になるだけに留まらず、小さな、普通ならすぐに消滅してしまうような些細な怨念も吸収し、雑多な怨念の集合体に成長してしまう事があるのだとか。


 ここに俺たちがせっせと立てた88本の結界柱やらは、万が一そうなってしまった場合にも核となる怨念をよそに逃がさないためでもあったらしい。


 テンちゃんが『中途半端に』と言ったのは、浄化手順を誤るとえらい事になっていた可能性の事だ。


 故に、結界柱が浄化パワーを加減していた事や、リンちゃんが中心部の浄化で時間をかけて難しい顔をしながら繊細な魔力操作をしていたわけだ。


 俺がやんなくて良かったね。


 「(それくらいの事、我々は重々理解していますよ…)」

 「……」


 テンちゃんの呟きが聞こえていたリンちゃんが、上との連絡をしたあと不満そうに、いや、あれは悔しそうな表情なんだろう、小さく呟いた。

 さらにそれをテンちゃんは聞こえていたようで、何か言いたそうにじっとリンちゃんを見ていた。


 何も言わなかったのは、テンちゃんが抱えている俺の右腕を、少し揺らして合図したのが伝わったからだろう。俺は抱えられている腕をめったに動かさないようにしてたからね。

 だって、言わなくてもわかるだろうけど、そりゃあもう素晴らしい感触が腕にだね…、いや、考えないようにしてるんだってば。


 とにかく、リンちゃんに尋ねたところ、遺物の回収作業が終わるのに5日下さいと言われたんだ。


- それってあの柱も含めて?


 「はい」


- 浄化ってどれぐらいまで浄化できそうなの?


 「そうですね…、撤収直後なら空気中の濃度が80以下といったところですね」


 いや、数値で言われても…。

 たぶん単位とか精霊語だから省いてくれてるんだろうけどね。


- えっと、一般人が入れるレベル?


 「どうでしょう?」


 えーw

 そんな可愛く首を傾げられても…。


- あ、採取した川の水の瘴気濃度ってどうだった?


 「あ、えっと…」


 リンちゃんがポケットから端末を取り出して操作をした。


 「分岐のところで24、西側の中央あたりのは47、河口で75、東側は56と88でした」


- 柱を立てる前の、分布ってどんな感じ?


 「はい、少しお待ちを」


 と言って前にも見た3D投影図が表示された。


 「分布を重ねますね」


 地形図が薄い青になり、そこに薄い赤の棒グラフがにょきーっと生えた。あの中心部はぽっかりとデータが無いが、そこを火口にした火山のような形になっている。


- これ、最大のとこはいくつなの?


 「あ、この最大値は計測不能なので算出された予想値なんですが…」


- うん。


 「5000です。あの、数値は94L)4FYK4G)HPYでQER4WGに…あ、えっと…」

 「2は1の単純な2倍では無いという事なのじゃ」

 「はい、そうなんです」


 よくわからんがややこしいってことだけはわかった。


- そうなんだ、ここの値は?


 端の方の低い棒の位置を指差した。


 「224です、タケルさま?」


- ん?


 「撤収直後から地中の瘴気が拡散し始めるんです」


- うん。


 「なので、直後は入れても、そのうち入れなくなりますよ?」


 あ、そうか。

 濃いほうから薄い方に拡散するんだっけ…。


- じゃあ結局は普通のひとたちは入れないって事か…。


 「はい。あの、何でしたらあの者たちに命じて浄化作業に当たらせてもいいのですが…」


- あの者たちって?


 「ヴェルマンテチェソリスたちです」


 あー…。でもそれってどうなんだろう。


- 具体的にはどうするの?


 「土地の浄化用具を貸し出して管理させ、定期的にこの森を浄化させるだけです」


- んー、そこまで介入していいの?


 ロミさんは喜ぶだろうけどね。


 「我々に責任が無いわけではありませんから…」


 それで振り回されるヴェルマン教のひとたちはいいのか…。

 どうも光の精霊さんたちの基準がよく分からないなぁ…。


- それはロミさんに相談してからにしたほうが良さそうだね…。


 「あ、そうですね。それと、」


- ん?


 「撤収後はおそらくここの、瘴気の影響で変質してしまった植物は全て回収されますので…」


- え?、んじゃここ、更地になるの?


 「土壌までは回収しませんが、はい」


 そりゃ瘴気が染み込んだ土石までもってっちゃったらここに湖ができるね。


- あ、周囲のハーブみたいな草も?


 「いえ、それはそのままの予定です」


- そっか、それは良かった。


 「タケルさま?」


- あ、ううん、とにかくそのへんも含めて一旦戻ってロミさんに相談しようか。


 「はい」


 ありがとうという意味を含めて表情を緩めて言うと、リンちゃんもにこっと笑みを浮かべて俺の後ろに回り込んでがっちりしがみついた。


- あ、一旦ちょっとあっち側の村のコウ先輩に伝えてくるから、ここで待っててね?


 「えー…」

 「いつものように空中で待機ではダメなのか?」


- あっはい、じゃあそれで。


 あれは森に置いとくのも何だから仕方なくそうしただけだったんだけどなぁ…。






●○●○●○●






 終わったら言ってくれと言われていたけど、それだと数日放置する事になるし、途中経過というか予定ぐらい伝えておいたほうが良いだろうと思ったんだよ…。


 ところが村の上空に、というか近づいたら気付いたんだけど、コウさんが居ないんだよ。


 一瞬、また『瘴気の森』の方に行ったんじゃって心配したけど、俺たちは森からでて一旦東の草原というかまばらに生えてる草地に降りてたわけで、そこから森を超えて反対側のちょっと固めの湿地帯南部の端、森の(きわ)ぐらいのところにある村――名前は忘れた――まで飛んできたし、途中にコウさんが居たらわかるから、それは無い。


 一体どこに…って思って、村のひとか例の戦士団のひとにでも尋ねようと考えてから、もしかしたらマッサルクの都、ロミさんのところに行ったんじゃないか?、って思い当たった。


 あれからすぐだったら時間的に、もう到着してるだろうし、余計な事を言ってしまったかも知れない。


 「下に降りるのでは無かったのか?」


- それが、コウ先輩が居ないみたいなんで…。


 「なら、そろそろ日も沈む故、早く帰るのじゃ」


- そうですね…。


 といって赤く染まりつつある西の空を背にするようにくるっと方向を変えて加速をし始めると腰にしがみ付いているリンちゃんの身体に力が入り、腕がきゅっと締まった。






 お城の部屋に戻ると、ロミさんが『おかえりなさい、タケルさん、テン様、リン様』と笑顔で言ったが、口元しか笑顔じゃ無かった。


 あ、これ不機嫌な時の表情なんだ…。


- ただいま戻りました。


 部屋に待機している女官さんたちの『おかえりなさいませ』の唱和を聞いて、ふとロミさんの後ろに立っている女官さんがいつもの女官長さんじゃない事に気付いた。

 それと、ファーさんは自室に居たようで、俺たちがロミさんの座るソファーに行く前に手洗いなどをしている間に出てきて、俺たちが座るのを待っていた。


 「おかえりなさいませですよ旦那様、テン様、リン様」


- うん、ただいま。


 「うむ」

 「はい」


 ロミさんの向かいへ順に座ると、女官さんがお茶を淹れてくれた。

 それを待ち、ロミさんが新たに淹れなおされたお茶を口にしてから、俺たちも手を伸ばした。


 「ねぇ、タケルさん」


- はい。


 「コウが来たのだけど」


- すみません…。


 「あら、どうしてタケルさんが謝るのかしら?」


 だって何か不機嫌じゃないですか…、とは言えず。


- あ、いえ、コウ先輩に余計なことを言っちゃったかも…、と。


 「ふぅん?、余計な事って何かしら?」


 怖いんですけど…。


- 魔法を教えろと言ったらどうすると訊かれたので、まずはロミさんが持ってる本を書写して下さい、って言ったんです。


 「そうなのね…、それは口止めしなかった私が悪かったわ。でも、コウの事、話したわよね?」


- ええ、はい…。


 「余計な情報を与えちゃダメって、言わなかったかしら?」


 余計な情報のカテゴリーだったのか…。

 俺としては先輩勇者全員にはちゃんと魔法を覚えて使えるようになってもらいたいんだけどなぁ…。


- そうですけど、一応先輩ですし、ごまかし切れるものでもありませんから…。


 「ああ、タケルさんってそういうひとだったわね…、はぁ…」


 そんな、溜息が出るような問題なんだろうか…。


- コウ先輩は?


 「上の会議室でせっせと本を書き写してるわ。彼にしては珍しく勤勉に」


 あのひとはたぶん、強くなるという事においては熱心でしょうねと言いたかったけど、そんな事はロミさんはとっくに知ってるだろうと思い、言うのをやめた。


- そうですか。


 「そんな事もあろうかと、簡略版を作らせておいて良かったわ…(※)」


 薄笑いでカップを皿ごと手にしてそんな事を言った。


- え?、そんなの作ってたんですか…。


 「だって、シオリさんの本にはいろんな追記があったんですもの」


 あー、そういう事か…。

 確かにそういう部分は、省略してもいいんじゃないかな。


- なるほど。


 「本を渡したら、持って帰ろうとしたのよ?、だからここから持ち出しちゃダメって言って、ここで書き写せって言ったら部屋を用意しろですって。全く、相変わらず図々しいのよね…」


 と、ここから愚痴が始まった。


 リンちゃんはそこでささっと席を立ち、部屋の隅のホームコア操作盤の前でどこかと連絡を取ったりと忙しそうにし始めるし、ファーさんは彫像のように固まってたし、テンちゃんは俺の右腕をむにゅーっと抱えて(もた)れかかり、目を閉じてたよ…。


 やれいやらしい目線がどうのこうの嘗め回す視線に鳥肌が立つのに耐えただの、気障なセリフや聞き慣れ過ぎて食傷気味な誉め言葉だの、本を手渡すと絶対手に触れて来るだろうから女官を介しただの、その女官にもいやらしい目線で嘗め回すように見ていただの、ここは娼館じゃないのにだの、世間話に品が無いだの冗談が面白くないだの……。


 俺は相槌を打つだけのマシーンになった。


 右腕が封じられた俺は、左手に持ったままのお茶をちびちび飲みつつ、夕食の準備を女官さんたちがし始めるのを横目で…、見るわけにも行かないので感知しながら居心地の悪い時間を、夕食の準備が終わるまでじっくりと味わう事になった。


 さらには調べてみたらコウ先輩が帰還した後はやっぱり補助金の額が増えていただの、巧妙に法を利用しているだの、戦士団に有利なように一部の官吏を接待していただの、それで複数の娼館にお金を回していただの……。


 「ちゃんと聞いてるの?」


- はい、ロミさんの大変さがよくわかります。


 「わかってるじゃないの、いい?、コウはね……」


- はい…。


 夕食の準備、女官さんたちは故意にゆっくりやってるんじゃないだろうな?


 しかしよくそれだけ文句が出てくるものだ。

 もしかしたら、コウ先輩に好かれている事は、案外満更でも無いのかも知れないけど、それを言うとたぶん逆上されるだろうから絶対言えないね。…はぁ…。






●○●○●○●






 『7日後、謁見の間にてこの祭壇を教会へ譲渡する場を設けなさい』


 朝のお祈りを捧げていると、水盆が輝いてこのお言葉を賜りました。

 もちろん反論も異論もありません。

 アクア様がそう仰ったのですから、それに従うのみです。


 私こと、ホーラード王国第二王女メルリアーヴェル=アエリオルニ=エル=ホーラードがこの王城の自室に戻った折、この部屋に日参し祈りを捧げていた城内の信者たちには不自由な思いがあったようです。






 それというのも、私が以前この部屋に光の精霊リン様とモモ様からご相談され、畏れ多くも転移石板を置いて頂ける運びとなりました際に、勇者タケル様のご自宅である『森の家』の庭、その片隅にある水の精霊アクア様の聖なる泉にご挨拶を申し上げたところ、何とアクア様直々に、勇者タケル様が造られたという精巧なアクア様のガラス像をお渡し下さり、自室に置くご許可を頂いたのです。この身の何と幸せな事でしょう。


 思えばタケル様とお会いしてから精霊様のお声を賜る機会が増え、時には経典の記述すら霞むほど、頻繁に顕現されそのお姿を目にできたのですから、イアルタン教の信者としてこれ以上の幸せは無いと言い切れるほどの日々を過ごしてきました。

 幸運にも魔力を鍛える機会も頂けた私は、アクア様の御力をより身近に感じられる程に成長したと実感しています。それでもまだまだだとは存じますので、タケル様や精霊様方に教わったように鍛錬は欠かしたことがありません。


 この部屋に立派な、そのアクア様そっくりなガラス像を置き、小さいながらも祭壇を設置してから一旦は勇者様方が拠点とされる『川小屋』へと戻った私は、しばらくこの王城の自室の事を忘れておりました。


 勇者タケル様が奇跡の帰還を果たされた後、私は国の事情から、水の精霊アクア様から認められたタケル様の従者という職務を一旦離れる事になりここに戻って来たのです。






 『川小屋』や『森の家』では聖なる泉に朝晩のお祈りを捧げますと、数日と空けずにアクア様のありがたいお言葉を賜る事ができましたが、この自室ではそのような事はめったになかったのです。

 あるとしても、私が就寝前にひとりでお祈りを捧げた時だけでした。


 それがこの日は朝のお祈りで、女官たちが後ろで同じようにお祈りを捧げていた時に、そのようなお言葉を賜ったものですから、後ろの女官たちは幸せのあまり気を失ったのでした。


 早朝から騒ぎとなりましたが、それが一旦収まると、父であるホーラード王ソーレスから使者が来ました。


 謁見の間ではなく執務室に呼び出された私は、挨拶の言葉も不要と言われ、用意された席に座るように言われました。

 そこには父王の他、母ルティオネラ、兄ウィラード、姉ストラーデ、そして妹リステティールと弟アイネリーノが既に席に着いていました。


 全員が集まるのはそう珍しくはありませんが、全員が緊張を隠さない面持ちなのは珍しいと思いました。

 もちろん、席に着いているのは私たち王族だけで、御用聞きや護衛などが少し距離をあけて立っていますが、それらは基本的に呼ばれでもしないと動きません。


 父王は私が着席し、姿勢を正すとテーブルの上に置いてあった魔道具の明かりを灯しました。それと同時に周囲の者たちは背を向けました。

 これは周囲に音が漏れにくくするもので、昼間でも時々使われます。


 「急ぎ集めたのは他でも無い。メルリアーヴェル、其方の自室にあるという『奇跡の祭壇』の事なのだ」

 「はい、今朝の騒ぎの事でございましょうか?」


 予想はしていました。


 「それだけでは無いのだ。先々週、ゼニス大司教と会見した折に其方の自室にある『奇跡の祭壇』を教会に寄付をしないかと打診された件は其方も耳にしたであろう」

 「はい」


 それはウィル兄様から聞いていました。断ったとも。


 「もちろんお断りしたのも聞いておる事だろう。妥協案として其方の朝晩の祈りには日替わりで女官たち数名を付き添い、ともに祈りを捧げる事になったのだから」

 「はい」


 城内の信者はほぼ全員であり、私の自室は王族以外の男子禁制であるので、半数近くの信者たちから不平不満が教会に集まっていたらしいのです。

 そこに私が帰ってきてしまい、これまで多くの女官たちが祈りを捧げていたのに制限がかかる事になったのですから、それらの不満は教会だけではなく、父王の耳にも届いていたのも知っていました。


 朝はともかく、自室の祭壇への就寝時の祈りは個人で行うものというのが通例なのです。それを曲げて私は就寝前と就寝直前との2度、お祈りを捧げる事になりました。


 「…今朝の騒ぎの事だが、アクア様からお言葉を賜ったそうだな?」

 「はい」

 「女官たちから城内に噂が広まってしまったのだ」

 「申し訳ございません」


 口止めをするよう運び出した者たちには言いつけたはずなのですが、力及ばずだったようです…。


 「いや、其方が悪く思う事は無い。噂を広めたのは其方の部屋に居た女官たちでは無いからだ。そしてその事はもう良い。問題は、其方の『奇跡の祭壇』を譲渡する事が規定事項になってしまった事と、其方には伝えなかったが、『奇跡の祭壇』を作り、アクア様のお声を聞くことのできる其方を巫女として教会に引き渡す事が断りにくくなってしまった事なのだ」

 「メル姉様を巫女にですって!?」

 「テティ」

 「失礼致しました」


 すぐにウィル兄様が注意したため、テティは表情を取り繕いましたが、目を伏せ羽扇で隠した手が微かに揺れているので、あれは声を殺して笑っているのでしょうね。

 でも気持ちはわかります。

 騎士団の猛者たちと日々訓練を共にする、若くして達人級にまでなったこの私が巫女?、一体何の冗談かと思うのも無理はありません。


 「それで、7日後に謁見の間にて祭壇を譲渡せよと仰られたのは本当なのか?」

 「譲渡する場を設けなさいとは仰られましたが、譲渡せよとは仰られておりません」


 これまで微笑んでいただけの母と姉、真剣な表情で聞いていた兄までもが目を見開きました。


 「そうなのか?」

 「はい、アクア様には何かお考えがおありなのだと思います」


 私がそう言うと、皆がほんの少し怪訝さを窺わせました。

 それはそうでしょうね。

 私もかなりタケル様たちの環境に慣らされたと言いますか、精霊様の存在が当然のように思ってしまっているのですから。

 そう言えば長らく忘れていましたが、それは普通の事では無いのでした。


 「その…、言いにくいのだが、メルはその、アクア様のお声を聞くような奇跡は普通の事なのか?」

 「そうですね、信じて下さるかはわかり兼ねますが、勇者タケル様と行動している間は、ほぼ毎日のようにお声を賜りましたし、顕現されたお姿も何度も拝見致しました」


 皆の目がさらに大きくなりました。

 テティとアインは身を乗り出してテーブルに肘を乗せる始末。

 いえ、父がそうしたからでしょうね。


 「け、顕現…?、されたのか?」


 父も驚きを隠せない雰囲気です。

 そう言えばタケル様とご一緒だった時期の報告は、精霊様方の事をほとんど省いていたのでした。


 「どのようなお姿でした?」


 ストラーデ姉様も興味津々の様子です。


 「スティ」

 「いいじゃないのお兄様、私、とても興味があるわ。お母様もそうでしょう?」

 「ええ、そうね。メル、良かったら聞かせてくれない?」


 話を振られたお母様も相好を崩して優しく仰いました。


 「あのな、確認のために集まったのであって、今はそれほど時間が無いんだが…」


 すっかり雰囲気が砕けてしまった父。

 ですがこの王族会議ではいつもの事のような気もします。だいたい途中からこうなるのです。


 「どうせいつもの詰まらない報告なのでしょう?、待たせるか先に進ませておけばいいのよ、それよりもこちらのほうが大事だわ」


 お母様…。


 「むぅ、あれはあれで大事なのだが…、仕方ない、少し待て」

 「父上、私が」

 「ああ、頼む」


 ウィル兄様が言って席を立ち、後ろで背を向けて立っている侍従長と護衛兵士に次の予定についてぼそぼそと話してから戻って来るのを皆が目で追いました。


 「先に進めるように言っておきました。場合によっては今日は欠席するとも」

 「そうか、助かる」

 「いいえ。僕も興味がありますから」


 ウィル兄様が『僕』と言ったということは、もう完全に形式が取り払われたという事でしょうね。


 「それで、どんなお姿なの?、やっぱりあの祭壇の見事なガラス像のようなお姿なの?」


 ストラーデ姉様が隣から覗き込むようにして尋ねました。目がきらきらしていますね。


 「あの像のようなというか、あの像をそのまま大きくしたお姿で、周囲にはシャボン玉のような淡い輝きがふわふわきらきらとしていましたよ、お姉様」

 「まあ♪、どんなに素晴らしいのでしょうね?、見てみたいわ♪」


 こういう時のお姉様は普段の落ち着いた雰囲気はどこへやら、今も私の左腕に縋るようにしてみたり、胸元に手を当てたり両手指を組んだりと忙しく、それはとても魅力的で女性らしいのですが…。


 「スティ、落ち着きなさい」

 「いいじゃありませんか、ねぇメル、絵姿は無いのかしら?」

 「残念ながら…」

 「なら、あの像を絵師に描かせましょう。メルの予定はどう?、いつがいいかしら?」

 「あの、昼間私が騎士団に行っている間ならいつでもどうぞ?、でも像には触れないで下さいね?」

 「ええ、ええ、いいわ、早速予定を」

 「スティ、私の分もお願い」

 「もちろんですわお母様」

 「あ、私の分も」

 「あ、あのっ、僕もいいですか?、お母様、スティ姉様」

 「わかりましたわ。お父様とお兄様は要りませんの?」

 「私は要らん」

 「…僕のも頼む」

 「ふふっ、わかりました。メルはいいの?」

 「はい」


 そこからは、どのようなお言葉を賜ったのか、どういう時に顕現されたのかという質問攻めに遭いました。


 私は当たり障りのない返答をするのに苦労しながら、そう言えばいつもタケル様が厳かな雰囲気をぶち壊しにされてましたね、と思い出しながら、笑顔でそれらに応えたのです。






 謁見の間での譲渡式、そう呼ぶように周知されたのですが、それまでの間は教会のゼニス大司教以下、役付きの方々が私に面会を求めたりと、妙に多忙な日々でした。


 当然ですが、私は巫女になる事など承諾した覚えはありませんが、かといってこれでもイアルタン教の信者であるのですから、教会に対して無下な態度は取れません。

 ですので、なかなかに疲れる面会が何度もあり、父王も兄も気疲れをしている様子が垣間見えました。


 「私のせいで要らぬ苦労をお掛けして申し訳ありません」

 「其方のせいでは無い故気にするな」

 「メルは居なければ居ないで、居たら居たでいずれも前例の無い事が起きるのが面白いな」

 「ウィル…」

 「どうせなのですから楽しみましょう、父上」

 「まぁ、そうだな」


 というような事もありました。


 兄様にそういう気楽さがあるのは、あの王族会議の後、譲渡式の大まかな段取りを打ち合わせる名目で残るように言われ、話し合ったからかも知れません。


 「その譲渡式で何が起こるか、もしかしたらメルは知ってるんじゃないか?」


 さすがはウィル兄様です。


 「どうしてそう思われたのです?、兄様」

 「メルがやけに落ち着いているからね。どこか他人事のように思っているんじゃないかなって考えたんだ」


 なるほど。確かに以前の私なら慌てていてもおかしくありません。

 成長したと思われない事に少し不満を抱きましたが、些細な事です。


 「知っているとまでは言いませんが、予想はつきますから」


 基本的に精霊様方は、私たち人種(ひとしゅ)――そう私たちを表現していました――の事については不干渉で、あまり関心を持たれていない、とはタケル様も時折仰っていた事でした。


 つまり、今回アクア様が私たちの事にご介入されたという事は、何方か、いえ、タケル様でしょうね、彼が介入するようにアクア様に言って下さったから、そうに違い無いのです。

 という事は、タケル様が私に不都合な事をアクア様に命じられる筈は無いと言い切れますので、今回の事で、私に害がある事では無いだろうと思えるのです。


 「その予想を聞かせてもらえる?」

 「はい。おそらくは、あの像を私たちから取り上げられるのだと思いますよ」

 「どうしてそう思ったのだ?」

 「それはですね――」


 あの像は、タケル様が造られたもので、アクア様はとても喜んでおられたのですから。

 それを、従者と認めて下さった私のところへと預ける事には許容されても、そこから別の者たちのところに譲渡せよとは決して仰らないと思うのです。

 というのを、あまり驚かせないように、うまく伝えるのに苦労しました。


 「その、タケル様というのは報告書にあったあのとんでもない見習い勇者様の事だよね?」

 「はい、そうですよ?、私に魔法の手ほどきをして下さったのもタケル様ですし、精霊様方にご協力を頂けたのも全てタケル様のおかげです」

 「その、彼は人なのかい?」

 「ええ。見かけは私たちとそう変わらない、勇者様です」

 「ああ、勇者様か…」


 ウィル兄様は、まだタケル様の事について納得したわけでは無さそうです。


 それも仕方のない事だと思っています。

 報告書では先も言いましたが、精霊様の事にはほとんど触れていませんでした。

 もし全てを正直に書いていたなら、一体何のおとぎ話か伝説かというくらい、精霊様方がほいほいと登場するものになりますし、そうすると荒唐無稽だと信じてもらえませんから。

 おそらく、騎士団からの報告書でも、精霊様の事には触れないようにしていたでしょうし、あのオルダインも相当悩み、文章を捻り出したことでしょう。

 私はそれを参考にさせてもらったので、然程苦労はしていませんが、でも悩んだのは確かですね。


 「メル、それで譲渡式にアクア様が顕現されると考えているのか?」


 お父様が心配そうな表情でちょいちょいと指で私に合図をし、少し頭を寄せた私の耳元へと腰を屈めて小声で尋ねました。


 「そこまではわかり兼ねます。ですがもし顕現されるのでしたら、それはおそらく相当に劇的な瞬間となるでしょうね」


 あのアクア様がタケル様のお願いを聞いてする事ですからね…。


 「そうか…、覚悟が必要だな」

 「そうですね」

 「そうですね」


 同じ言葉を発した私とお兄様ですが、その表情は対照的でした。





次話4-088は2021年11月26日(金)の予定です。


(作者補足)

 チーム『鷹の爪』所属の魔導師、プラムが作成した魔法についてのメモ書きの束は、

 『森の家』で最初にホーラード王国第二王女メルリアーヴェルとプラムが、光の精霊モモたちも時折交えて相談しながら章分けされ整理された羊皮紙の束になりました。


 それをそのまま写した(挿絵などは後で追記)のが勇者ネリと、勇者サクラです。

 サクラのものは紐で綴じられており、それを真似したネリのも同様ですが、ネリのものは章の順序がおかしかったり、ページが別のところにあったりします。

 綴じた時にページ順などがおかしいままだったのでしょう。

 それを書き写すはめになった勇者カズはちょっとかわいそうですね。


 その後に書写した勇者ハルト、さらにハルトのを書写した勇者カエデも、羊皮紙の束ですが、それは几帳面なハルトの手により、羊皮紙の表紙がつけられ、紐で綴じられています。いわゆる和綴じというものですね。


 勇者シオリは『川小屋』にあった上質の羊皮紙に書写したあと、表紙などの装丁をつけて1冊の本となっています。


 シオリの本を書写した勇者ロミのものは、『森の家』にあった植物紙に書き写された束状態でしたが、タケルたちとアリースオムに戻ったあと、女官や執務官たちの手によって複写され、装丁も整えられた本になっています。

 しかし、ロミはそれを全て書き写させたものと、一部省略した簡略版とを作らせていて、勇者コウに渡したのはその簡略版の方だったりします。

 タケルが勘違いするように誘導したロミ、さすがですw


20211120:脱字訂正。表現を追記。助詞抜けを訂正。助詞かぶりを避けるために文言を修正。あとがきのホーラード王族のところに少し追記。

  障りのな返答 ⇒ 障りのない返答

  私と兄様 ⇒ 私とお兄様

  規定事項なって ⇒ 規定事項になって

 (追記前) お父様が心配そうな表情で私の耳元へと腰を屈めて小声で尋ねました。

 (追記後) お父様が心配そうな表情でちょいちょいと指で私に合図をし、少し頭を寄せた私の耳元へと腰を屈めて小声で尋ねました。

 (修正前) それを、従者と認めて下さった私に預ける事に許容されても、そこから別の者たちの所に譲渡せよとは決して仰らないと思うのです。

 (修正後) それを、従者と認めて下さった私のところへと預ける事には許容されても、そこから別の者たちのところに譲渡せよとは決して仰らないと思うのです。


20250505:いまいちな箇所を修正。

 (修正前)そこに水の精霊アクア様の(中略)ガラス像をお渡しになり、

 (修正後)その片隅にある水の精霊アクア様の(中略)ガラス像をお渡し下さり、



●今回の登場人物・固有名詞


 お風呂:

   なぜか本作品によく登場する。

   あくまで日常のワンシーン。

   今回は入浴シーン無し。最近ありませんねー、

   ちょっと物足りない感じ。


 タケル:

   本編の主人公。12人の勇者のひとり。

   愚痴を聞くのも今回の仕事のうち。


 リンちゃん:

   光の精霊。

   リーノムルクシア=ルミノ#&%$。

   アリシアの娘。タケルに仕えている。

   タケルが本気で困っているわけでは無い事を察しています。


 テンちゃん:

   闇の精霊。

   テーネブリシア=ヌールム#&%$。

   後ろの部分は精霊語のため聞き取れない。

   リンの姉。年の差がものっそい。

   少し困っているタケルも好ましいのです。


 ファーさん:

   ゼファーリィ=ヴェントス#$%&。

   風の精霊。

   有能でポンコツという稀有な素材。

   風の精霊の里では高位の存在なんですよ、これでも。

   1500年も踊ってたんですからねー

   タケルの認識はそこ止まりですけども。

   返却の危機はまだ続いています。

   リンが忙しいので保留になっているだけです。

   風の精霊らしく?、空気のように座っています。


 ウィノアさん:

   水の精霊。

   ウィノア=アクア#$%&。後ろの部分は精霊語。

   一にして全、全にして一、という特殊な存在。

   今回は後半に登場?


 アリシアさん:

   光の精霊の長。

   全精霊中最古というような存在。実は凄い精霊(ひと)

   だいたい名前くらいしか登場しませんが一応。


 ハルトさん:

   12人の勇者のひとり。現在最古参。

   勇者番号9番。オオミヤ=ハルト。

   ハムラーデル王国所属。

   およそ100年前にこの世界に転移してきた。

   『フレイムソード』という物騒な剣の所持者。

   今回は作者注釈に名前が登場。

   それは登場と言えるのでしょうか?


 カエデさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号10番。シノハラ=カエデ。

   勇者歴30年だが、気持ちが若い。

   でも言動はタケルからするとちょっと古臭い。

   お使い継続中でまた移動。

   今回は作者注釈に名前が登場。


 ロミさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号2番。マサダ=ヒロミ。

   現存する勇者たちの中で、3番目に古参。

   現在はアリースオム皇国皇帝を名乗っている。

   タケルを少し困らせてみたいのもあります。


 コウさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号8番。ヨシカワ=コウイチ。

   現存する勇者たちの中で、5番目に古参。

   コウがこの世界に来た時には既に勇者たちは各国に散っていた。

   アリースオム皇国所属。

   今回は名前のみ登場。


 カズさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号6番。サワダ=ヨシカズ。

   ロスタニア所属らしい。今の所。

   体育会系(笑)。性格は真面目。

   川小屋に到着したので登場人物に復帰。

   今回は作者注釈に名前が登場。


 サクラさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号1番。トオヤマ=サクラ。

   ティルラ王国所属。

   勇者としての任務の延長で、

   元魔物侵略地域、現バルカル合同開拓地に居ます。

   今回は作者注釈に名前が登場。


 ネリさん:

   12人の勇者のひとり。

   勇者番号12番。ネリマ=ベッカー=ヘレン。

   ティルラ王国所属。

   サクラと同様。

   今回は作者注釈に名前が登場。


 森の家:

   1章でタケルが物置小屋兼燻製小屋として作ったものを、

   リンが拡張して住めるようにしたタケルの自宅。

   現在は規模が大きくなっており、

   隣接する工場やそこで働く精霊たちの寮、

   演劇練習用施設なども含まれている。


 川小屋:

   2章でリンが作った、当時は魔物侵略地域、

   現在はバルカル合同開拓地と名称が変わった地域にある、

   タケルの別荘。

   詳しくは2章を。


 アリースオム皇国:

   カルスト地形、石灰岩、そして温泉。

   白と灰の地なんて言われてますね。

   資源的にはどうなんですかね?

   でも結構進んでる国らしい。

   勇者ロミが治めている国。


 ベガース戦士団:

   コウと一緒に『瘴気の森』に派遣されている戦士団。

   話には出ていませんが、与えられたお仕事はちゃんとしています。


 母艦エスキュリオス:

   4章056話で登場した。

   ベルクザン王国内の竜神教神殿地下にあった、氷漬けの恐竜を、

   その装置ごと回収するために近くに来た母艦。

   4章065話で、『倉庫ごと回収』というのも、

   この母艦が近くに居たままだったから。

   統括責任者はベートリオ。

   補助艇が11機もでているけど搭乗員などには言及されません。

   哀しき裏方さんたちですね。


 メル:

   ホーラード王国第二王女。

   2章から登場した。


 ホーラード王家の面々:

   王と王妃、それと末弟の名前は今回初登場。

   王妃、姉、妹、弟の発言も初登場。

   それぞれの存在は2章で示唆されていた。はず。

   姉と妹には婚約者が存在する。

   以下、メルから見た関係と少し紹介を。


 ソーレス:

   メルの父。ホーラード王。温厚な性格。

   平凡だが穏当で良い治世をすると評判は上々。


 ルティオネラ:

   メルの母。ホーラード王妃。

   5人の母で、それも既に成人済みの子が2人いるとは思えない程、

   やや細身。国内の美容関係のトップに君臨する。

   だがそれは当人ではなく、配下に付いているものたちのせい。

   持ち上げられるのもお役目と割り切っており、性格はさっぱり系。


 ウィラード:

   メルの兄。ホーラード王太子。既に立太子の儀は終えている。

   民の信頼篤く、これも良い治世をするだろうと期待されている。

   婚約者候補は多いが、まだ決まっていないのが欠点。

   愛称はウィル。


 ストラーデ:

   メルの姉。第一王女。隣国ティルラに婚約者が居る。

   相手はティルラ王国王太子ハルパス。将来的にはティルラ王妃となる。

   演劇や歴史に戯曲、フィクションなどに幼少の頃より興味があり、

   いまやホーラード国内のみならずティルラなどの隣国の、

   芸能関係に幅広く影響を齎す存在。

   絵姿が最も多く売れているのは、その均整の取れたスタイルのため。

   愛称はスティ。


 リステティール:

   メルの妹。第三王女。1年違い。

   婚約者が居るとは当人の弁。実際は婚約者候補だが、

   周囲もそのうち確定するだろうと温かく見守っている状況。

   宝飾品や工芸品に興味を持ち、そのため高価なものを蒐集するのが

   父王と兄たちの悩みの種。

   メルに対抗心がある。

   ストラーデと同様にスタイルがよく、年の割に大きめの胸が自慢。

   愛称はテティ。


 アイネリーノ:

   メルの弟。第二王子。4つ違い。

   母親似で女の子かと思われるくらい線の細い、愛らしい顔つきで、

   城内の女官たちの人気を一身に集めている。

   当人は草花が好きな極めて大人しい性格。

   わがまま傾向があるリステティールからは溺愛されていて、

   よく一緒にいる。というか付きまとわれている。

   メルリアーヴェルについては崇拝の対象であり、英雄視もしており、

   近寄るのも話しかけるのも畏れ多いなんて思っていたりする。

   メルからするとそれが懐かれていない、

   嫌われているのではないかと心配になる原因でもある。

   愛称はアイン。


 ホーラード王国:

   勇者の宿がある、1章からの舞台。

   名称が出たのは2章から。

   2章の冒頭に説明がある。



 ※ 作者補足

   この登場人物・固有名詞紹介の部分全ては、

   あとがきの欄に記入しています。

   本文の文字数にはカウントされていません。

   あと、作者のコメント的な紹介があったり、

   手抜きをしたり、詳細に書かれているけど本文には

   無関係だったりすることもあります。

   ご注意ください。



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2019年05月にAI分析してもらいました。ファンタジーai値:634ai だそうです。
なるほど。わかりません。
2020年01月にAI分析してもらいました。ファンタジーai値:634ai だそうです。
同じやん。なるほど。やっぱりわかりません。
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