4ー005 ~ 強度テスト
翌朝、というか未明じゃん!、とにかくメルさんに起こされた。
「さぁ、タケル様、訓練しましょう!、タケル様はすっかり鈍ってしまわれたのですからね、今日からビシビシやりますよ!」
一応、メルさんは俺の剣の師匠ってことになってるんだっけ、と思いながら、こりゃ逆らえなさそうだと諦めて、起きてもぞもぞ着替え始めると…。
「あ、待ってください、どうせ汗をかくのですし、それは夜着と言っても普段着でしょう?、でしたらそのままで」
それもそうかと、薄着のままメルさんと一緒に外にでた。
東の空は薄く明るくなり始めていたが、川小屋の前は薄暗いというよりもまだ夜と言ってもいいんじゃないかってぐらいの暗さだ。
何て時間に起こすんだよ、農家の老人かよ…、と思いながら、言われるように基礎の型の練習から入った。
それでだんだんと目が覚めてきて、やっと気付いた。
メルさんその服さ、夏用の普段着だよね?、タンクトップっていうかランニングシャツっていうかのちょっと女性用みたいな、布面積が少な目のチュニック。元の世界の服じゃないから素材は伸縮しないので、動きを阻害しないようにゆるゆるなんだよ。
少しずつ夜の闇が去っていくわけで、つまり隙間が多くて動くとちらちら見える。それに、その下、何もつけてないでしょそれ…。
エロいというかエロスというか、そんなので剣を振らないで欲しい。剣を振る距離が離れてるとは言え正面にいるんだから気が散るじゃないか。下半身はズボンだけどさ。
だって見かけ中学生ぐらいの金髪碧眼で丸顔っぽいアイドル顔負けの超美少女がだよ?、そんなゆるゆるの服で剣振って運動してるから上気した顔で、薄暗い中、チラリズムって言葉がぴったりの誘惑…、してるわけじゃないのは頭では理解してるけど、大きくは無いんだけど形のいい胸が、形を変えてよく見えるんだよ。
そりゃね、魔力感知ではさ、今までもこれからも気付かないフリをし続けるし、もう慣れたもんだけどさ、やっぱ視覚的に見えるってのはさ、それもチラチラ見える、ってのがこれほどの威力があるなんて思わなかったよ。
これ、明るかったら…、あ、しまったそんなの考えたら無視してた魔力感知でばっちりと形状が、あたっ。
「タケル様、別のことを考えていましたね?、ちゃんと訓練に集中して下さい」
注意された。
- はい、すみません。
「その、タケル様は討伐に多大な貢献をされていますし、今日予定している島のダンジョン攻略について考える事も多いのでしょうけれど、今は剣の訓練中なのですから、そこは切り替えて頂かないと」
すみません、そんなの考えてませんでした、もっと邪なことでした。絶対に言えませんけど。
絹のような繊細な生地じゃなくて良かったよ、この世界の普段着っていうかまぁ一般市民のなんだけど、その普段着って、植物性の綿と亜麻の中間ぐらいのもので、しなやかではあるけれど伸縮性に乏しいんだよね。肌触りが悪くないのはいいんだけどさ。
だから動きやすい服イコールゆったりとした服なんだよ。
紡織技術も元の世界よりかなり遅れてるので、生地も薄くは無い。だから汗で濡れても透けるってことは無いんだけども…。
- …はい、あ、そう言えばメルさんにちょっと試して欲しい事があったんですよ。
「はい?、試す…ですか?、…一応、お伺いします」
昨夜の事があったからか、慎重になってるようだ。
- 僕がいつも飛んだりするときに張ってる結界障壁なんですが、どれぐらいの強度なのかちょっとメルさんに斬ってみて欲しいんですよ。
「え?、私が、タケル様の結界をですか?、無理です無理です!、そんな事をしてもしもの事があったら大変ですよ!?、本気で斬ることになるので寸止めができませんし!」
慌てたようにメルさんは剣を持ってないほうの手の平をこっちに向け、横に振って言った。
- あ、そこは土の柱を作ってその周囲に張りますから大丈夫です。
「え?、あ、それなら大丈夫ですね、でもどうしたのです?、急に」
- 強度の目安を知っておきたいんですよ。それで強度調節して慣らしておかないとって思ったんです。
「ふむ、なるほど、いろいろと考えてらっしゃるのですね。わかりました」
という訳で、メルさんに結界障壁の強度テストに付き合ってもらう事になった。
土の柱を立てて、その周囲50cmに俺が普段慣れている障壁をさっと張る。飛行結界の強度と同じってわけ。
なんで土の柱なのかってのは、言わなくてもわかると思う。だって達人が本気で剣に魔力を纏わせて振ってくるんだぜ?、怖ぇじゃん。
で、結果は、土の柱がキレイに切断された。でも障壁は半分だけで、逆側のところで止まったってわけ。
「振り抜けるかと思ったのですが、止められてしまいました…」
残念そうにメルさんは言うけど、俺の身代わりの柱、ぶった斬られてんじゃん。
と言いたかったけど、どう言えばいいのかよくわからないんで黙って見てたら、
「もう一度お願いしていいですか!?」
と迫られたので同じのをもう一度作った。
剣が早すぎてよく見えないっていうか、一応魔力感知ではわかるんだけどね、さっきより魔力が篭ってたよ。
さっきと違って今度は少し距離をおいてから踏み込んで横を走り抜けるというか、スタートダッシュすっげぇのな。身体強化のレベルが高い。俺だとあんなスタートしたら足首か膝か腰かどっかがおかしくなる。
まぁそんで結果はというと…。
「ははっ、やりましたよタケル様!、自分でもなかなかの剣筋だと思うのですが、どうでしたか!?」
最初は踏みこんで袈裟斬りだったけど、今度は走り抜けて横に斬っていた。もちろん土の柱も障壁もすっぱり斬られた。
鞘はこっちに置いてるので、抜き身の剣を片手に満面の笑顔でたったかと駆け寄ってくるメルさん。ちょっと絵面が怖いんだけど。
だいたいさ、俺の結界障壁魔法のテストだって言ったのに、どうしてメルさんがぶった斬るテストになってんだよ。何を満足そうにしてるんだよ、目的が変わってんじゃんよ…。
- …そうですね、お見事でした。
「ありがとうございます!、最初は不安だったのですが、やってみれば何とかなるものですね、ふふっ、何だか久し振りの達成感ですよ」
笑顔で歩み寄るメルさんを仕方なく褒めると、もう本当に嬉しそうにじりじりと近寄って来るんだよね、だから俺もじりじりと下がる。
だってじっと立ってたら抱きつかれそうなんだもん。もっかい言うけど抜き身の剣もったまま満面の笑顔で、ね。怖いよね?
- じゃ、じゃあ今度は障壁を2重にしてみましょうか?
と、下がりながら言うと、メルさんの足がすっと止まった。笑みも止まった。
「…それは挑戦しがいがありそうですね…、ぜひお願いします!」
うぉ、目がきらっきらだ。
それからメルさんが魔力の使いすぎでへとへとになるまで付き合わされた。
もうすっかり日は出ていて、往来を行く商人や兵士の人たちが足を止めて25mほどの距離から見て、また移動し始める。兵士たちの一部はずっと見てる人もいたけれど。
まぁ、魔力感知がある程度できないと俺やメルさんが具体的に何をしているのかわからないだろうね。
終了の合図は、ミリィが川小屋入り口に掛けられている布のふちからそっと顔を覗かせて、『お腹が空いたかなー!』って俺を呼ぶ声だった。
昨夜のうちにミリィには入り口付近、外から見えるところには行かないようにって言い聞かせておいたので、それで『そろそろ朝食にしませんか』と言うと、やっと消耗を自覚したのか終了になった。
後片付けをして川小屋の壁に設置してある手洗い場のところに行くと、タオルで汗を拭っていたメルさんがとてもいい笑顔で言った。
「ありがとうございます。とてもいい訓練になりました♪」
そんな、いい汗かきましたみたいに…。
途中、2重にした結界もぶった斬ってたからなぁ、恐るべし。さすが達人級だ。
あれだと大亀の甲羅なんて豆腐レベルだろう。まぁ硬さの種類が違うんだけども。
- そうですか、じゃあミリィたちがお腹空かせてるみたいなので急いで用意しますね。
「はい、お願いします。私は汗を流してきます」
うん、わかってたよ。
●○●○●○●
川小屋に入るとミリィが食卓の上で腕組みをして仁王立ち状態でお怒りを表現していた。ついでにぶつぶつ文句を言われた。ピヨは大人しく鎮座していたけど。
テーブルの上から、やれ外に出られないんだからとか、起きたら俺が居なくて外に出ていたとか、昨日ケーキを食べそびれたとか、なんかそんなようなことを言ってたけど、台所には入って来なかった。別に来ても構わないのに、何で入って来ないんだろう?
それで支度が整い、メルさんも出てきて席に着いて、さぁ食べようかというところでリンちゃんが帰ってきた。
- おかえり、あ、リンちゃんの分も用意しなくちゃね。
「ただいま戻りました。いえ、どうぞ先に食べて下さい。自分でやりますので」
- そう?、んじゃお先に。
と言っていつもの『いただきます』の唱和をして食べ始めた。
今朝は早めというか早すぎる時間に起きたので少し多め。
柔らかい白いパンと、サラダと川魚フライとつくね団子スープだ。
ちなみにこの白いパンは光の精霊さん産のものだけど、天然酵母を使ったふわふわのパンは普通に存在する。と言ってもここだと各国の王都かそこそこの町じゃないと売られていないが。
シオリさんの話では、ロスタニアでは国境防衛地でも食べていたそうだ。ティルラやハムラーデルは国境防衛拠点で出ていたのは固いパンだ。薄く切って食卓に並ぶ。たぶん輸送などの問題で、どうしてもそういうパンになるんだろう。
『勇者の宿』で出されるパンも固いやつだ。そして白くない。いくつかの麦や穀物が混ざってる粉を使ってるので、たぶん健康的なんだろうけど味は微妙。固いし。スープなどでふやかさないと、とてもじゃないけど食べるのに苦労する。
だから最初はそういうパンしか無いんだと思ってたよ。ツギの町に行くと普通に柔らかいパンが売られてたけどね。
まぁ俺の場合はその固いパンに慣れた頃に、リンちゃんが柔らかいパンを出してくれたんだけど、ある意味では元の世界でよくある異世界モノの定番だよね、固いパンって。
「このスープに入っているお団子は変わった料理ですね。魚を使っているようですが、いつもの川魚とは風味が違いますね」
- ああ、海の魚ですよ。海草入りです。
「海の魚と海草ですか…、初めて食べました。とても美味しいです。いつの間に獲ってきたんです?」
メルさんは驚いたように、そしてふと疑問に思ったんだろう。そんな感じでころころと表情を変えて尋ねた。
- 向こうの大陸に飛ばされたときに現地で獲ったんですよ。
そこからどうしてつくね団子になったのかの理由、まぁあれだ、爆発で大量に獲れたってのを説明した。
「そのような方法があるんですね…」
と、メルさんは感心したように言ったが、
「それで団子もお魚も大量にあったんですか…」
リンちゃんには呆れたように言われた。
ピヨとミリィはお腹が空いていたってのもあるんだろう、『美味しいです』とか『やっぱりこのお団子は美味しいかなー』と笑顔で言い、それからピヨは出された分を食べたあとは大人しく、ミリィはおかわりを要求してがっつり食べていた。
メルさんもつくね団子スープを気に入ったのかおかわりをしてたっぷり食べて満足したようだった。いい運動したようだったし、お腹も空くよね、そりゃあ。
そしてミリィがケーキを要求したので、光の精霊さんの母艦で貰ったケーキを出した。
俺たちもそれをひとつずつ取ったらミリィが不満そうな目で何か言いたそうに見てたので、リンちゃんに言ってプリンを出してもらったら、ケーキそっちのけでとびっきりの笑顔になった。
ピヨもプリンを食べていた。スプーンを器用に使って、小さめの容器のプリンで、リンちゃんによるとピヨ用のものらしい。そうですか、もうピヨに関しては何も言わないよ。突っ込むときりが無いからね。あれは鳥というかでーっかいヒヨコの形をしているだけの何かだ。中にちっさい人が入っていても驚かないぞ。
「ふぅ、朝から少し食べ過ぎてしまいました…、ミリィちゃんはよく食べますね…」
と、メルさんは満足げに言っていたけどちょっと苦しそうだった。
そんなこんなで、食休みをのんびりとってからピヨとミリィには留守番を頼んで、俺とリンちゃん、そしてメルさんの3人でサクラさんたちの居る待機小屋へと向かった。
●○●○●○●
待機小屋へ到着すると、サクラさんとネリさんもとっくに朝食を終えていて、小屋の中で魔力の訓練をしていた。
サクラさんは姿勢正しく立った状態で、土球を浮かせてゆっくりと円を描くように動かしていて、ネリさんはだるそうに座っていて、浮かせた土球の周りに水球を2つ回転させていた。
へー、もうそこまで安定して操作ができるようになったんだと感心した。
中に入り、めいめいが口々に挨拶をした。
その間も浮かせた球は揺らいだり落としたりはしていない所を見ると、喋るぐらいでは集中が乱れたり途切れたりはしないようだ。かなり進歩したもんだ。
「すぐに出るんですか?」
- あ、どうぞ続けて下さい。僕はちょっとリンちゃんと話があるので。
「そうですか」
「では私も訓練を」
メルさんは2人と一緒に魔法の訓練をするようだ。
今朝結構消耗したはずなんだけど、回復も早いのかな。
などと少し思いながらも、リンちゃんを連れて小屋の横手にまわり、話をすることにした。
●○●○●○●
「昨日タケル様と模擬戦をしたんですが、ひどいんですよ、遠距離攻撃はしないって言ったのに、私の剣を風属性魔法で固定されたんです」
いつも魔法の訓練をしながら雑談をするのですが、今日は昨夜の模擬戦の話をおふたりにしてみる事にしました。
「それは…、ずるいですね」
サクラ様は、『タケルさんと模擬戦…?』と少し考えたあと、そう仰いました。
「んー、でもそれって攻撃魔法じゃないんじゃない?」
「「ネリ(様)? 」」
「あれ?、でも足元に穴を開けるとか泥濘にするのは攻撃?、補助?、直接攻撃じゃないけど攻撃になるのかな…」
いつものように椅子に逆向きに足を広げて座り、背もたれに頬杖をついていたネリ様が、ふと顔を上げて言い、それから私たちが聞き返したのには返事をせずに、宙を見るようにゆっくりと視線を上げながら呟きました。
その間も片手の上に浮かせ回転させている球は安定しています。私も話をしながらやっているのですが、ネリ様も私も随分と上達したものです。
「普通、遠距離魔法攻撃をしないと言った場合は、身体強化のような、身体から離れない魔法だけを使うと思いがちではあるな」
サクラ様は手の上に浮かせている土球を静止してからネリ様の疑問に答えるように仰いました。
「じゃあタケルさんのはダメじゃん」
「ダメとは言いがたいところだな、ファイアボールや石弾などの直接攻撃ではないのだし、従来の、武力という捉え方で言うと身体強化や剣に魔力をまとわせるのはルール上問題無かったのだから、身体から離れてもいいとも言えるのだし…」
なるほど。確かにそうでした。
武力だと考えていた頃、いえ、おそらく現在も騎士団などではそうでしょう、『魔法不使用』のルールで模擬戦を行う場合、武力は使用可です。
「そう言われてみればそうですね」
「もー、どっちなのぉ?」
ああ、ネリ様は模擬戦の経験が少ないと以前仰っていましたね、それも専らサクラ様とだけだとも。
「だからずるいと言ったじゃないか、確かに直接的な魔法攻撃はしていないが、魔法ありのルールなら、タケルさんはやりたい放題ということになるからな」
確かに昨夜のタケル様は、戦いになる前に何とかすると仰っていました。あの様子ですと、手段はいくつもありそうです。
「…そうですね、確かに、さっきネリ様が言ったように足元に穴をあけたり泥濘にする移動妨害も、あとでタケル様が言っていましたが、結界魔法で動けなくするという方法もあったそうですし…」
「それをしていいならタケルさんとの模擬戦で魔法ありでは勝負になりませんね」
全くその通りです。
火球や石弾などの直接攻撃以外が使用可であれば、サクラ様の仰るように、タケル様はやりたい放題でこちらの動きを阻害してしまうでしょう。勝負になるわけがありません。
「結局、タケルさんはずるいけど、ルールをちゃんと確認しなかったメルさんは負けてもしょうがなかったってことぉ?」
「そうなるな」
「そうですね…」
魔法ありというのは厄介ですね。
昨晩も眠る前に考えていたのですが、風属性魔法での物体固定無し、障壁魔法の使用不可などと、ひとつひとつ潰していってもそれを迂回する何らかの方法をタケル様は採択することでしょう。
「やはり魔法ありのルールでタケル様には敵わないのでしょうか…」
「でも魔法無しだったらメルさんの圧勝でしょ?」
「だな。圧勝以前に勝負にならんぞ?」
「だよね」
「そうですね…」
それは昨夜も考えたことです。
でも魔法ありで遠距離攻撃無しなら勝負になりそうだと考えてしまった私は、まんまとタケル様に踊らされてしまったのです。
そして1度負けてしまったからには、何とかできないかと思ってしまうのです。負けず嫌いだということは自覚しているのですが、こればかりはどうも…。
「ねね、それで剣が動かせなかったなら手を離して格闘戦になったんでしょ?、だったらメルさんに勝ち目がありそうだけど、どうなったの?」
「そうだな、結果が気になるところだな、どうだったんです?」
と、2人から興味深そうに問われてしまいました。
「あ…、それがその、固定されたのは剣だけではなかったので…」
「えー?、メルさんも固定されちゃったの?」
「それはもう攻撃魔法ではないですか?」
「いえ、私ではなく、その、私のズボン…の、一部を…」
「「え…?、あっ…」」
私が言いにくそうにしているのを見て、おふたりは同時に疑問を浮かべ、状況を想像し、気付いてしまったようです。サクラ様は土球をご自身の手の上に落とし、ネリ様は土球は浮かべたままでしたが水球をぺちゃりと床に落としてしまいました。
「やっぱりタケルさんはズルいよ…」
無言になったサクラ様とは異なり、ネリ様はへにょりと力を抜いて呟きました。
タケル様はあの後謝っておられましたので、恥ずかしい思いをしたこと自体はもういいのですが…。
そうですね、ええ、私もそう思います。
次話4-006は2020年05月01日(金)の予定です。
20200906:タケルの平文にちょとだけ追加。
20201215:メル視点でのサクラへの敬称が「さん」になっていた箇所を訂正。
●今回の登場人物・固有名詞
お風呂:
なぜか本作品によく登場する。
あくまで日常のワンシーン。
今回メルが入浴したが描写無し。
タケル:
本編の主人公。12人の勇者のひとり。
やっぱりズルい。
リンちゃん:
光の精霊。
アリシアの娘。タケルに仕えている。
今回セリフが少ない。
アリシアさん:
光の精霊の長。
全精霊中最古というような存在。実は凄い精霊。
今回も登場せず。
ウィノアさん:
水の精霊。
一にして全、全にして一、という特殊な存在。
今回出番なし。
サクラさん:
12人の勇者のひとり。
ティルラ王国所属。
真面目な性格で、そのせいか苦労人。
喋りながらでなければ土球のまわりに
水球をひとつ動かせるらしい。
ネリさん:
12人の勇者のひとり。
メルの次にタケルたちから魔力の扱いについて指導を
受けたため、勇者の中では比較的魔力の扱いが上手い。
ティルラ王国所属。
魔法無しルールでタケルに勝てるかをちょっと悩んだのは内緒。
メルさん:
ホーラード王国第二王女。いわゆる姫騎士。
騎乗している場面が2章の最初にしかないが、騎士。
剣の腕は達人級。
『サンダースピア』という物騒な槍の使い手。
ネリと仲がいい。
負けず嫌いの自覚があったようだ。
シオリさん:
12人の勇者のひとり。
『裁きの杖』という物騒な杖の使い手。
現存する勇者たちの中で、2番目に古参。
サクラに勇者としての指導をした姉的存在。
ロスタニア所属。
今回も登場せず。
ミリィ:
食欲種族とタケルが思っている有翅族の娘。
身長20cmほど。
ピヨはミリィが気軽に接することのできる精霊様という感じ。
ウィノアさんが怖い。
ピヨと仲良くお留守番。
ちゃんと食事も用意されている。
川小屋:
2章でリンちゃんが建てたタケルたちの拠点。
メルもピヨもちゃんと夜には帰って来る。
ロスタニアから流れてくるカルバス川本流と、
ハムラーデル側から流れてくる支流が合流するところにある。
3章の期間中にこの近くの騎士団拠点もかなり形になり、
街道も整いつつあるのでこの小屋の前は人目につく。
よくメルたちが剣を振っているのも有名。
何せ住人たちは勇者と王女なので、
騎士団の偉い人や勇者シオリから厳命されているのもあり、
一般商人や兵士たちは特別な用が無い限りは近寄らず遠目に見るだけ。
ピヨ:
風の半精霊というレア存在。見かけはでかいヒヨコ。
川小屋に住む癒しのヒヨコ。メルたちに癒しを与える。
さらにでかくなったようだ。
そのせいで外に出してもらえなくなったらしい。
ミリィという話し相手ができたおかげで、
留守番が寂しくなくなった。
バルカル合同開拓地:
解説はこれまでの本文参照。
カルバス川:
同じく本文参照。
島:
バルカル合同開拓地の西にある、アーモンド形の島。
島の北部に光の結界柱が見え、その色が変化することから
昔は畏れられ『魔王島』と呼ばれていた。だが魔王など居ない。
ウィノアによるとその結界の内側には光の精霊がアリシアのために
建造した塔の一部が残っているらしい。
南西部に小さな入り江があり、洞窟がある。
次はその洞窟の攻略が予定されている。
結界の内側についての情報をリンが聞いてきた。