3ー011 ~ 予想外
エクイテスさんに誘導されるまま席に着き、ドロシーさんを救ったことについて改めてお礼を言われ、治療費ですといわれて小さな金貨を10枚、小さな皮袋に入れられてお盆に載せてすっと目の前に出されたのでつい気軽に受け取ってしまった。
相場なんてわからないし、もちろん貨幣価値もわからないのでそれが多いのか少ないのか判断できない。
受け取ってすぐに皮袋の紐を解いて中身を改める、って行為が失礼なのかどうかもわからないので、そのままポケットに入れた。
どうして中身がわかったのかというと、微弱な魔力反応がその小さな金貨にあったので大きさや質が把握できたからだ。
一応、『これ、多過ぎでは?』と言っておいたが、エクイテスさんが『大切なドロシーの命を救って頂いたのです、これでも少ないほうですよ』なんて言って、ドロシーさんがぽっと頬を染めていたのと、彼女は酒場の歌姫だったそうで、その声が元に戻ったことが何より嬉しいらしく、伴奏が欲しいところですがと言いながら1曲歌を捧げてもよろしいでしょうかと言われ、目の前でその美しい歌声を聴かされてお金の話はうやむやになった。
病気で衰弱していたのでしばらく歌っていなかった彼女は、感覚を取り戻すために、帰ってからずっとこのエクイテス商会の中庭――荷馬車を停めたり荷降ろしや検品のための広い場所がある――で練習していたんだそうだ。
久しぶりに彼女の歌声を聴けたエクイテス他従業員たちや傭兵たちは涙し、その場に幸運にも居合わせた取引に来ていた商人たちはその素晴らしい歌声の対価に、エクイテス商会に多少は有利なレートでも快く取引をしたんだそうだ。
何だそれ、魔法か何かか?
その話だけを聞けばそう思うが、それはまさに魔法の一種だと歌声を聴いてすぐにわかった。
と言っても、別に幻惑したり洗脳したり催眠や暗示をかけるような悪質なものでは全く無く、ただほんのりと幸せな気持ちに、心を落ち着ける作用があるだけの、微弱なものだ。
歌自体も素晴らしく声もきれいで心に染みる。ああこれは確かにお金を払ってでも聴きたくなる類のものだと思った。
そこにそんな微弱な魔法的効果が乗ってるんだから、そりゃあ抜群の相乗作用だろうと思う。
歌声を聴きながらよく観察してみたら、ドロシーさんのノドに体内魔力が集中しているのが見えた。
もしかすると、病気になった部分がそこに近かったので、何か関連性があるのかも知れないと思ったが、再発だのと不安にさせることもないだろうと、少しだけ予防のための食事のことを伝えればいいかなと考えた。
ついでにその魔力の流れをじっくり見て構成を把握したので、歌声はとてもマネできるようなものじゃないが、その魔力波は模倣できるなと、内心ほくほくちょっと儲かった気分になった。機会があったらどこかで試してみよう。
歌の途中、エクイテスさんは涙を流しながら聞き、彼と同じように涙している人が扉の外に数人集まっていたのと、隣の部屋に2人いて、扉越しに聞いてるんだなと、ちょっと微笑ましく思った。
ドロシーさんの熱唱が終わり、俺も笑顔で拍手をして褒めてから、この地で採れる貝類や海藻が、風土病の予防になるのではないかという説を伝えておいた。
それらにあまり良い印象がなく、食べるのを避けていたと以前言っていたドロシーさんは、そういう効能があるのならこれからは進んで食べるようにします、と言っていたので再発はしにくくなるだろうと安心した。
そこで中間報告ですがと伝令だろう若い男性がやってきて、ガラスの器とコップがそれぞれ50あったこと、石の皿とフォークとスプーンを現在それぞれ500ずつ運び終えたことを伝票だろうか、書類をエクイテスさんに手渡しながら伝えた。
そのタイミングでドロシーさんが立ち上がった。
「では私は席を外します、タケル先生、失礼致します」
そう言うとドロシーさんと伝令役の男性がそれぞれお辞儀をして退室し、エクイテスさんと商談を交えた話になった。
扉が閉まるときココンと小さい音がした。
あ、そうそう、ここの応接ソファーだけど座面と背もたれの間が大きく開いていてさ、最初はそういうデザインなのかと思ったら、尻尾を出すための隙間なんだと2人が座ったときにわかった。
そういえばここに来るまでの間、この町の人たちとすれ違ったけど全員もれなく尻尾と耳がついてたよ。
どうやらここでは俺のほうが異端のようで、何度も二度見されたよ。あはは。それで俺と目が合うとさっと目を逸らされたりもした。エクイテスさんが『都では時々見かけることもありますが、ここではム族の方はかなり珍しいのですよ』と言っていた。
そこで『ム族』という名称についても少し気になったので尋ねると、
「私たち人種はこのように、」
と自分の頭と尻尾を指差し、
「何らかの獣の特徴が備わっているのが普通なのです。
昔、先生のようにそれが無い人たちが我々の事を獣人族と呼んだのに対して、こちら側からは『無人族』と呼んだのです。
それが言いにくいのでだんだんと略され『ケモ族』・『ムー族』となり、今では『ム族』と言うようになったのですよ」
と説明してくれた。
その『ム族』の人たちについても続けて尋ねると、
「数は少ないのですが、この地方の先住民だと言われています。彼らは都からかなり離れた西のほうに住んでいると聞いた事がありますが、そちらのほうは私もあまりよく知らないのです、申し訳ありません」
と謝った。
謝られるようなことではないと宥めてから、地理的な話を尋ねたところ、彼はこの港町セルミドアから都までの間、2つの村落を経由して行き来し、商売をしているらしいことが分かった。
この町が『港町』だったのは小型船が輸送の主流だった頃の話で、中継地として入り江のあるここが拠点として便利だったから町ができたのだそうだ。
大型の船が輸送の主流になってから、この町の入り江には大型の船は深さが足りず入港することができないのと、沖のほうは深すぎたり妙な位置に岩があったりと、停泊するにも向かないらしく、街道ができてからは専ら陸送に頼るようになって、港自体は漁船だけが使っているのみになっているらしい。
話を戻そう。
エクイテスさんが提示した価格は、ガラス食器が器もコップもそれぞれがひとつ大銀貨2枚(2000エカーだそうだ)。土魔法で作った石の器はひとつ大銅貨5枚(50エカー)、フォークとスプーンはそれぞれ大銅貨2枚(20エカー)だった。
俺としてはガラスのは正直価値なんて分からないので、そこそこ価値があると認めてもらえればそれでよかったし、土魔法で作ったものなんて、俺からすれば手軽に作れる使い捨てのような感覚なので、正直なところ最低価格でも充分だと思っている。
そもそもこの地方に腰を落ち着けるつもりもないし、そのうちリンちゃんたちの所に帰るつもりなんだから、当座の活動資金になるならそれでいいわけだ。
そこで、ロープや衣類、布や金属製品の価格が気になるところなので、そのあたりの値段などを、魔導師の家から引き取ってもらう食器類を運んでいる人たちが総数を報告してくるまでの間、雑談を交えて話をした。
当初心配していたような、俺の出自を怪しまれるような事も無かった。
めったに無いことですが、と前置きしてから『海を越えて流れ着く人や物が見つかるのです』と言っていたのでそれだと思ってくれたようだ。
そう言えばハツも流れ着いた樽に入れられていたと言ってたっけな。
そこでこの地方の、と、あくまで俺は他所から来たのでこういう言い方をして貨幣レートを尋ねてみると、貨幣の種類と額面は、銅貨=1エカー、大銅貨=10エカー、銀貨=100エカー、大銀貨=1000エカー、小金貨=10000エカーで、ここまでが普通に使われる貨幣なんだそうだ。
これより大きい額面のものは、金貨=20000エカー、大金貨=50000エカーで、金貨はともかく大金貨はほとんど市民が見ることはないらしい。
それ以上だと証書を使うらしい。魔法の存在する世界なので特殊な処理をされた羊皮紙とインクで作成し、それをやりとりするんだとか。
昔は鉄貨というのがあったそうだが廃止になったとか、その当時、銅貨1枚=固パン1つ、というのを決めたそうだが不作の年に撤廃されたので、各地のパン店で価格も大きさも異なるようになった、という話も聞けた。
ちなみに港町セルミドアでは幅6cm長さ12cmほどのコッペパンのような固パンが銅貨1枚だそうだ。見せてもらった。
小金貨から10倍ずつではないのは、昔、鋳潰して贋金貨を造るヤツがいたとか何とかでそうなったらしい。現在では金の含有量も変えてあるそうで、単純に鋳潰して造りなおしてもバレるし割に合わないようになっているんだとか、それ以来、証書と同じように貨幣には魔法的処理を施してあるそうで、贋金造りに手を出すぐらいならその技術で他のものを造って売ったほうが余程儲かるとか何とか笑いながら話してくれた。
こちらからは必要な衣類や布製品、ロープや調理器具などを伝えると、エクイテスさんはそれを手早く記して召使いの人を呼んで用意するようにと伝えた。
値段のことが気になったのが表情にでていたのか、『ご心配には及びません。食器類の代金で充分お釣りがでますよ』と笑顔で言われた。
その雑談ついでに、この館で使われている食器類を一通り見せてもらい、それぞれの販売価格も教えてもらったところ、絵入りの白い陶器の皿が一番高くて1枚1500エカー、絵のない白い陶器は1000エカー、それからいくつかあって、木製の茶碗サイズの器が1つ1エカーだった。
白い陶器は、ガラス質になっているので俺には磁器にみえるが、ここでは陶作師が作るものは全て陶器という名称らしい。
都の商店では他に銀食器や陶器に金属をあしらったものなどがあるんだそうだが、ここには無いんだと。『この町ではそんなもの買う者がおりませんので』と笑っていた。
そこで、俺が作った食器がなぜそんな値段なのかを尋ねてみた。
「先生のお作りになった器は、そうですね、まずガラス食器ですが…」
と言って執務机のほうに行き、上に置いてあった表面加工がしてある木の箱を丁寧な所作で持ってきた。そしてその箱のフタをそっと取り、ポケットから薄い皮手袋だろうか、それを着けて上等そうな布をはらりと開き、大事そうに取り出したのは俺が作ったガラス食器だった。
え?、そんな扱いなの?、と驚いたが、無表情を取り繕って見ていると、先ほど置いたフタの裏――何と白い布が張ってあった――にその食器をそっと置いて指差して言った。
「このように、美しくゆるやかな渦模様がうっすらと入っているのですよ…」
- そうですね…。
知ってる。精錬が甘くて微妙に不純物が混じっちゃうから、どうしても色が着いちゃう部分ができるんだよね。だからそれをごまかすためににゅるんと動かして模様みたいにしただけなんだ。
「そして、このような加工をされているのに気泡がないのです」
- はい。
そりゃね、魔法で作ったんだからね。逆に気泡を入れるほうが難しい。
「さらに裏面です。一見不均等のように見えますが、ほんのわずかな隆起があり、こうして置いたとき実に安定が良いように計算されているのですよ」
- そうですね。
計算したつもりはないんだけどね、陶器のような高台をつけると透けて見えておかしいかなって思ってそうしただけで、特に意味があってやってる訳じゃ無い。
「なのにその外側の厚みは寸分違わず同じ厚みですので、下のものが歪まずに見えます。それが中心部では歪みが見え、優美な渦模様と相まって不思議な感覚を醸し出すのですよ…、もうこれは芸術の域でしょう…」
ほう…と、器に息を掛けないようにずらしてため息をつきながらそんな事を言われてもね…。
狙ってそうなったわけじゃないんだよね…。
俺としては純度の高いものを作りたかったけどできなくてそうなったんだし、ある意味ごまかしみたいなもんだ。
あと、透明だと太陽光線でレンズみたいになって不慮の事故なんて起きたら悪いから、中心部分はそうならないように適度に凸凹にして、底がもし平らな場所にぴったりだと水分やらで動いたりくっついたりしそうだから足みたいにしただけ。それも足だとはっきりわかるとポキっと折れたり欠けたりしそうだからその凹凸を利用しただけで…。
優美な渦模様?、不思議な感覚?、芸術の域?、好意的解釈過ぎるだろ…。
- あー…、ぐ、偶然の産物ですよ。他のガラス食器でたぶん模様が同じものは無いと思いますよ?
「何と!?、ではこちらの模様は、唯一のものだと仰るのですか!?」
ぐい、と応接テーブルに両手をついて身を乗り出してきた。目が真剣すぎてちょっと怖い。
- え、ええ。はい。
「コップのほうもよく見ると斜めにうっすらと色が入っておりましたが、それも各個唯一の模様、でしょうか!?」
- …はい、そうです。
「……何という事だ、この私が見誤るとは…」
呟くような小声で言い、応接ソファーにどさっと腰掛けて両手で顔を覆った。
やっぱそうだよな、高く見積もりすぎだよな。ドロシーさんの命の恩人だからって、いくらなんでもただのガラス食器が有名陶作師が作ったものより高いなんておかしいもんな。
やっぱ適正価格ってものがあるんだしさ、やっぱりここは、もっと安くていいですよって言うべきだろう。
- あ、あの、
言いかけたその時、ノックの音がした。
「入れ」
「お客様がご到着なさいました」
「ああ、構わないからここに通すように」
「わかりました」
召使というにはいい服を着ていたように見えたその人は、お辞儀をすると音を立てずに扉を閉めて去った。
「あ、先生にお伝えするのを失念しておりましたが、他の商人を呼んでおいたのですよ」
- はぁ、そうですか。
何となく言いそびれてしまい、タイミングを逸したというか、今言えばいいのかちょっと迷ってしまい、エクイテスさんがテーブルの上の冷めたカップを手にしてお茶の残りをくいっと飲み干すのを見て、俺もつられるようにカップを手にして飲み干した。
あ、俺には元の世界のこともあって普通だったから気にしていなかったけど、このティーカップは――コースターはあるがソーサーはついていない。おそらく元の世界とは由来が違うんだろう――模様というか絵入りの白い陶器だった。高いやつだ。
左手で飲んでいたので気付かなかったが、右手で飲むと目の前に精緻な馬の絵が描かれていた。底に近いところに草原の絵がついていた。なるほど、それがぐるっと一周してたのか。そういう模様なだけだと思ってたよ。
「お気づきになられましたか、それは実は陶匠メロスクスの作品でしてね、彼は馬が好きだったようで、作品には馬が描かれていることが多いのですよ」
- ほう…。
「彼の筆遣いやその発色は未だ完全に模倣できる者がいないので価値は高いのですが、その反面とても多くの作品を遺しておりますので、私のような中程度の商人でも入手することができます」
さっき見せてもらったお皿にも馬の絵が描かれてたな。
- なるほど、さきほどのお皿もそうだったんですね。
「はい。お、そろそろ来るようです」
廊下を歩く音が聞こえてきたのでエクイテスさんは立ち上がった。
つられて俺も立ち上がろうとしたら、『先生はどうぞそのままで』と言われた。
いいのかな…。
すぐに廊下の足音が扉の外で止まり、ノックがあって先の高級召使いのひとが扉を開けて、2名が入室し、エクイテスさんと挨拶を交わし始めた。
高級召使いのひとはまた音を立てずに退室してそっと扉を閉めた。
そして応接テーブルを挟んで俺の向かいに3人が横並びになる。
「タケル先生、こちらが今回の取引で私と共に先生のお品を取り扱わせて頂く商人仲間です。先生から見まして左から、あ、先生はどうかそのままで、ではご挨拶を」
「ロンダー商会を営んでおります、シェルエ・ロンダーです。
エクイテスさんにタケル先生のお作品を見せて頂いたとき、美しく不思議な模様に吸い込まれそうに感じて鳥肌が立ちましたの。私どもにも是非お取り扱いをお願いしたくて参上致しました。どうぞよろしくお願いします」
にこりと微笑んで軽くお辞儀をしたシェルエさんは、ピンと立ったオレンジ色の耳をもつ色っぽい女性だ。薄手の服の淡い色が彼女を引き立てるかのようで、透けそうな部分には違う色の薄い布が重ねられているため、体の線がわかるが上品さは損なわれていないように思えた。
座ったままでいいと言われた俺は、微妙な居心地の悪さを感じながらも一応姿勢を正して頷いた。
「ロンダー商会はこのシェルエの手によって急成長を遂げたのですよ、彼女の目と手腕は都でも有名でして、たまたまこのセルミドアに来ていたのは僥倖でした」
シェルエさんはエクイテスさんの言葉に少し照れたような表情を一瞬だけしてから、薄く微笑んで彼のほうに少しだけ首を傾けた。
「ふふっ、苦しいときに資金援助をして下さったのはエクイテスさんでしてよ?」
「それはまぁ、その、成り行きといいますか、んんっ、次はリビスタス商会からノリタスさん、どうぞ」
「リビスタス商会の、ノリタスです。あのっ、先生に詳しいお話を伺いたくて…、あ、すみません」
ノリタスさんは若いのかな、どうもこの世界に来てから見かけと年齢がおかしい人を見ているせいか、見た目が若くても素直に若いと思えなくなっちゃってるんだよね。
あ、若いと言ってもエクイテスさんよりは若く見えるってだけで、俺よりは年上だろうと思う。
「彼は知り合いの陶作師の息子さんでしてね、新しくこの町にできる飲食店に食器類を卸しに来て、ついでにうちに挨拶に来たので、先生の作品を見せたら帰りを1日伸ばすと言いまして、こうなりました」
「実はぼ、私はここで見習い修行をさせてもらっていたんです」
なるほど。そういう縁なのか。
「あ、あの、よろしくお願いします」
勢いよくお辞儀をした。
つい、「はい」と返事をしてシェルエさんにくすっと笑われてしまった。
「どうぞ掛けて下さい」
エクイテスさんが言うと、シェルエさんとノリタスさんがソファーに腰掛けた。
エクイテスさんは執務机の上に置いてあった布の包みを解き、石食器を1セット持ってテーブルの短辺側の席に着いた。
「先生とのお話が途中でしたね。この石の食器ですが、正直に申しますと最初は薄い黄色の無地だと思っていたのです。ところが翌日明るいところで見たところ、外側に植物の模様がある事に気がつきまして…」
ああうん、無地だとつまらないかなってね。
原料は砂浜の砂だし、ちょっと組成を偏らせると薄く絵が描けるんだよ。
前にさ、ホワイトボードが欲しいなって、土壁作ったときに白っぽい壁ができたことがあったんで、その応用だ。
あの時のは完全に魔法で生成された石壁だけど、原材料があると魔力消費がかなり抑えられるので、砂に含まれてる色の違う粒でうっすらと濃淡が表現できないかなって思ってね。やってみたらできたってわけ。
どうせ魔砂漠の邪魔な塵を除外するついでに、組成をフィルタみたいにいじることになるのでついでにやったみたいなもんだったりする。
あまり複雑なのは面倒だからやってないけど、落書きしたみたいな葉を、底にある土台っていうか2箇所だけ欠けてる円形の『高台』をツタの茎に見立てて、そこから生えてるように描いただけなんだけどね。
あまり偏らせるとそこから割れたりするので、そこらへんは適当に魔力制御を加減するとぼかしたようになるから、明るいところじゃないと分かりにくいんだ。
あの砂浜は濃い色の砂粒が含まれていなくて、全体的には薄い黄色なんだけどあまり濃淡に差がないので、必然的に絵も薄くなるのは仕方が無い。
「しかも手で触れても表面は滑らかで、凹凸がありません。まるで彫刻をして別の石を同じ形に削り、寸分の狂いもなくぴったりとはめ込んだようで、いやはや全く驚きました」
まぁ、魔法で作った砂岩みたいなもんだからなぁ…、彫刻とかはめ込みとか、そんな面倒な加工はしてないよ。
- あ、途中から他の模様にしたような…。
「他の模様ですと?」
- えーっと、薄く描いてあるのは同じなのですが、器の中央に太陽か月で、ふちの周囲に波模様だったかな。昼の皿と夜の皿を作ったような…。
途中で飽きてきて、模様を変えたんだった。
飽きたからなんて理由は言えないけど。
眠くてさ、大鍋の様子をみて適度にアクを取って、水が減りすぎないように適度に水を足したりして、その合間に器を魔力のループ制御で作ってたわけで、同じのばっかり出来ていくのを見てるとだんだん目がおかしくなったような気がして、眠気が倍増するんだよね。それで途中から適当に模様を変えてみたってわけ。
さっきの話、砂が素材で濃淡がそもそも幅が無いので、そんないい出来とは言えないんだよ…。
「な、何ですと…」
エクイテスさんは応接テーブルの端においてあった小さなハンドベルを鳴らし、すぐに入ってきた高級召使いの人に『明るいところでよく見ると違う模様の器があるそうだ、それを持ってきてくれないか』と伝えた。
すっとお辞儀をした高級召使いの人は、やはり音も立てずに部屋を出て行った。
何者なんだろう?、たぶん凄腕の人だ。いや何となく。
「しかしそうしますと、先ほど先生にお伝えしたお引取り価格は見直す必要がありますね」
「エクイテスさん、このガラス食器は昨日見せて頂いたものと同じですわよね?」
「はい」
「石食器のお話は今お伺いしましたので見直す理由はわかりましたが、ガラス食器も何か違いがあるという事でしょうか?」
「はい、タケル先生のお話では、ガラス食器についている色や模様は、偶然の産物であって、ひとつとして同じ模様のものは無いのだそうです」
「!……な、なるほど…」
そうなんだよね、精錬技術が未熟なせいで、微量に不純物が混じってしまうからどうしても薄く色が出たりする。しかも何色がでるとか制御できないんだ。
そうすると同じ模様で揃えることができない…。
ま、価値が下がるのも仕方ないよな、やっぱりちゃんと言おう。
- あの、
そこでまたノックの音がした。タイミング悪いな。
「入れ」
「お話中失礼致します。検品長がどうしてもお尋ねしたいと申しておりますが、いかが致しましょう」
さっきエクイテスさんが持ってこいと言った石食器だろう、丁寧に布で包まれたものを手渡しながら高級召使いのひとが言った。
「ん?、ニールズか…、先生、うちの者をひとり同席させてもよろしいでしょうか?」
- あっはい、どうぞ。
「おそらく仕事着のままだと思いますが、ご容赦くださいますか?」
- はい、問題ありません。
俺だってこれ普段着みたいなもんだし。今はこれ一着しかないし。
「ありがとうございます。お許しが出た」
そう言って高級召使いのひとに頷くと、彼はお辞儀をして部屋を出て扉を支え、革エプロンで仕事着の男性が入室した。扉は音もなくそっと閉じられた。
「こちらはうちの仕入れ担当をやらせております、ニールズです」
「ニールズです。普段はそこの荷下ろし場で検品を担当しております。よろしくお願いします」
彼はがっちりした体格の男性だ。声は太くて少し嗄れ気味だが、聞き取りにくくは無い。
しかし何だか見覚えがあるな。引き取りに来たときのメンバーに居たような…。
「ニールズは先ほど先生のお宅に伺ったとき一緒に居たのですが、先生にお伺いしたい事があるとの事です。同席をお許し頂いてありがとうございます」
あ、それで革のエプロン姿なのか。ラフな格好だなって思った。あ、仕事着でいいですかと訊かれたんだっけ。なるほど仕事着だ。
- いえ。それで、何か問題でも?、あ、どうぞ座って下さい。
と言うとニールズさんはエクイテスさんをちらっと見た。
エクイテスさんはちらっと斜め下を見た。
そして何故かニールズさんはテーブルの角のところ、つまり椅子がないところの床に正座した。
え?、なんで床に…?、さっきの目線ってそういう指示?
「それでニールズ、何があった?」
「はい、先生の倉庫から石食器を運んでいるとき、若いもんが敷物に足を取られまして、」
「何だと!?」
突っ込む隙も無く、床といっても絨毯のような分厚い布が敷かれているが、そこに正座したままのニールズさんが話し始めた。
どうやら石食器を落としちゃったみたいだ。
エクイテスさんは鋭く声を発して、焦っているようだ。
ま、大丈夫だろうけどね、表面は水などがしみこまないように密度を上げてあるしそのおかげで薄いのに丈夫で傷もつきにくいから、多少重ねて落としたぐらいじゃ壊れないはず。
「はい、お察しのように重ねて持ったまま落としてしまいましたんですが、何ともならなかったんです」
「割れなかったのか?」
「はい。普通の陶器なら重ねている状態で落とすと確実に破損します。甲高い音がしましたので、これはもう確実に破損したんだとその場に居た全員が凍りつきました」
「き、傷は、どうなんだ?」
「傷もありませんでした。それどころか、そいつは起き上がるときにスプーンを踏んでしまったんですが…、それも汚れはしましたが折れてもいませんし傷もありません。こちらで洗ったのですが水がしみこまず汚れがさっと落ちました。商会長、一体あれは何でできてるんですか?、私ら何を運ばされたんです?」
信じられないものでも見るような全員の視線がエクイテスさんに集まり、そしてこっちにそのままシフトした。
- え?、まぁ、簡単に言いますと、海岸の砂を素材に魔法で固めて作った食器、ですね。
「魔法!?」
「陶器じゃなかったのですか?」
「ではガラス食器も!?」
- はい。加工時に熱処理もしていますが、窯で焼いたものでは無いので厳密には陶器とは違います。
「あの薄さであれだけ頑丈なのは…」
- 密度が違うから、ですね。
「それで金属並みの重さがあるのか…」
ニールズさんが呟くように言った。
「そ、そのガラス食器もそれほど丈夫なのでしょうか?」
シェルエさんがテーブルの上に置かれたままのガラス食器を手で示して言った。
- 石食器のほうが破損には強いでしょうね。あ、ちょっと失礼。
席を立って窓に近づき、はめ込まれているガラスをよく見てみた。
ふむ、これってハツの家で割れていたガラスとたぶん同じだろう。
元の世界で言うソーダ石灰ガラスに近いものじゃないかなと思う。
だったら窓ガラスを借りなくても済む。
ポーチからそのガラスの塊を取り出して、土魔法で小さなテーブルを作り、その上でガラスの塊を溶かして成型、同じ形の器を作って支えながら全体を同時に温度を下げてみて大丈夫そうなので室温まで下げた。
無表情でやってるけど内心では割らないようにびくびくしてたりして。
- こちらがたぶんそこの窓ガラスと同じガラスで作った、同じ大きさの器です。
皆を見ると絶句状態のようだ。まぁそうだろうね。
そしてポーチから、予備というか余りのガラス食器を取り出して並べた。
- こちらは模様が少し違いますが、そこにあるのと同じものです。
「せ、先生、それはまさか伝説の、」
- このポーチのことは後ほど。えっとニールズさん、この2つの器の違いがわかりますか?
「わ、私ですか?、あの、そちらに行っても…?」
ニールズさんはエクイテスさんと俺の間に視線をさまよわせていたが、エクイテスさんが頷いてゆっくり立ち上がり、二人でこちらに近づいてきた。
「手にとってみても?」
- どうぞ?
遅れてシェルエさんとノリタスさんもやってきて、4人で窓のほうに透かして見たり重さを比べてみたりしながら話し合っていた。
「どちらも表面はとても滑らかだがこちらのほうが柔らかいか?」
「置いた時に気付いたのですが、音が違いますね」
「ふちの色も違う気がします」
「弾力が違うような…」
ほう、みなさん鋭いな。
- ふちの色が緑っぽく見えているほうは窓ガラスとほぼ同じ素材のほうですね、今回引き取ってもらうほうの食器は、そういう色がついていないはずです。
「もしかして、ガラスとしての純度の問題でしょうか?」
- えーっと、簡単に言うとそうなのですが、窓ガラスのほうは決して粗悪というわけではないんです。
「どういうことでしょう?」
- 加工しやすくするために混ぜてある、と言えばいいのでしょうか。純度が高いと溶ける温度が高いので加工がしにくいんですよ、その代わりに割れやすくなったりするようですが、どちらも固いところに落とせば普通に壊れます。
「そうなのですか…」
- はい、魔法で石食器と同じように密度を上げると透明じゃなくなるんですよ…。
やってみたんだけどね、どうしてそうなるのかちょっと分からない。
だいたいさ、密度を上げると頑丈になるってったって、土魔法で生成した石だろうが素材があって加工した石だろうが、そんな単純に圧縮って科学的にどうなんだ?、って思うんだよ。おかしいだろ?、ってね。
でもできてしまう不思議。
だからガラスというか石英ガラスのはずなんだけど、圧縮して密度を上げるとどういうわけかにごり始めて白くなる。
不純物が少ないほうがやりにくいっていうか魔力消費も増えるし魔力制御もきつくなるので、透明じゃなくなるならガラスでやらなくてもいいよな?、っていう事なんだよ。
「はぁ…」
理解できてなさそうな返事。大丈夫。俺も理解できてないから。
- せっかく透明できれいなのを、わざわざ不透明にするぐらいなら最初から石食器でいいじゃないかって思ったので。
「な、なるほど…」
- 一応は、純度が高いことで多少は熱いものを乗せても割れたりしないと思いますが、その、色がついちゃってるのは僕の未熟なところでして、そこは不純物が微量に含まれてしまってるので、もしかしたらそこから割れたりするかも知れません。
「未熟だなんてそのような、」
- いえ、未熟だという自覚はあるんですよ。なので色がついちゃうのは偶然ですし、揃える事ができないんです。だからその分、価値が下がっても仕方が無いって思っています。
「価値が下がるなんて滅相もありませんよ!」
- え?、でも最初につけて下さった値段はいくらなんでも高すぎでしょう?
「いいえ、先生、あなたは勘違いをしておられます」
「そうですよ、魔法で食器を作るなんて、都の魔導師でもそんな事ができる者はいませんよ?」
「陶器ではないと先生は仰いましたが、私には究極の陶器に思えます」
- え?
「不思議な色があり、それ以外の部分は純粋に透明、素晴らしいですわ」
「陶器のようで陶器ではない、落としても割れず傷もつかない、頑丈で汚れもおちやすい。夢のような食器ですよ?」
「ほらこのように先生、むしろ知れば知るほど価値が上がっているんだとお分かりになれませんか?」
- あー…、はい、お任せします。
「ありがとうございます」
何故か全員が一斉にお辞儀をした。
居心地悪いなぁ…。
●○●○●○●
「この辺りのはずじゃが…」
「あそこに土人形が並んどるよ、あれは光の魔道具じゃないか?」
「おお、そうじゃの、じゃがあれは一体何じゃ?」
「海藻を干しとるようだね、何に使うのか分からんが」
「まぁええじゃろ、さて、連中も帰ったようじゃし、お邪魔するとしようかの」
「ふん、律儀に正面から入らんでも、裏から入れば待たんで済んだのに」
「初めて訪れる家に裏からじゃと失礼じゃろうが」
「そんなもんかねぇ…」
4体のハニワ兵が敬礼をする横を通る、毛むくじゃらのモノが2体。
それが魔導師の家の表玄関から入った。
「邪魔するよ」
(誰だろう?、外の人かな?)
「え?、うわぁぁぁ!」
「きゃぁぁぁ!」
そりゃそんなのがいきなり入って来たら、奥の扉からそっと覗いたハツとミリィが悲鳴を上げるのも仕方の無い事だろう。
廊下との境にある扉を閉じるのも忘れて腰を抜かすハツと、その首の後ろにあるフードに潜り込むミリィ。
ハツが後ろに尻餅をついたせいで、扉が少し引っ張られてきぃぃと7割ほど開いた。
「あーこれこれ、怪しい者じゃありゃせん」
「ドゥーン、ちょっと待ちな。この子たちプローブが検出した魔力の主じゃないよ?」
片方が何か四角い装置のようなものを見て言った。
「何じゃと?、ふむ、なぁお前さんたち、ちと尋ねたいんじゃが」
「け、っけ、っけが、け、」
「怪我しておるのか?」
「あーちょっと待ちな、ドゥーン、結界を」
「おおそうじゃった」
ドゥーンと呼ばれたほうがもぞもぞと毛むくじゃらの腹部で何かをした。
ブンと音がしたようにハツたちには感じられただろう、一瞬風が通り抜けたような気がしたかも知れない。
ハツもミリィも何が何やらという表情をそれぞれしていた。
「どうじゃ?」
「よし」
そう言うと2人はもぞもぞと肩のあたりから毛むくじゃら部分をごそっと脱いだ。片方は白髪と髭のあるお爺さんのような雰囲気の人物で、もう一人は髪を後ろでひっつめてまとめている女性のようだった。
「驚かせるつもりは無かったんじゃよ、儂はドゥーンという、こっちはアーレナじゃ。お前さんたちの名は何と言う?」
問われたハツは、中身がどうやら温厚そうな人らしいと安心したのか、落ち着きを取り戻しつつあるようだ。ミリィはハツのフードから身を乗り出して肩のところに這い上がってドゥーンとアーレナと名乗った2人を見た。
「え、えっと、ハツといいます…」
「言葉がわかる…」
「ほれ、ちっこい方、アンタもだよ!」
「は、はいぃ!、ミリィです!」
「よろしい。それでアンタたち、ここには2人だけかい?、他には居ないのかい?」
名前を答えたのにアンタたちと言われる理不尽。
アーレナという人は小柄な背を大きく見せるように胸を張り、装置を持っていない方の手を腰に当ててハツたちに問いかけた。
「えっと…」
「今は出かけてるかな」
ハツのほうは見知らぬ人にタケルの事を話していいのか悩んでいたが、ミリィがさっさと答えてしまった。
「そうかい。じゃ、待たせてもらうよ」
「お前さんがた、そんなところに座っておっても何じゃろう、こっちにきて少し話でもせんかの?」
「そうだねぇ、私らならアンタたち2人の通訳もできるからね」
ハツは何となくこの2人からは逃げられないような気がして、いそいそと立ち上がり食卓代わりに使っているテーブルのところでちゃっかりと席についている2人に近づいた。
自分がいつも使っていた椅子が手前にあるのを見たハツは、お師匠さんと2人で使っていたのだから椅子は2脚しかなかったはずだと小首を傾げたが、タケルという例を思い出したのか、椅子を引き席に着いた。
「ふむ。素直でよいの。それで儂らに訊きたいことがあるような顔じゃが?」
「あの、お二人はどうしてここに来られたんですか?」
「人を探しておっての」
「それらしき反応がこの近くにあったからね、外に土人形もいたからここで間違いないはずさね」
「あ、ハニワ兵ってタケルさんが言ってたかな…」
「ほう、ハニワ兵と呼んでおるのか」
「土人形の名前なんて何でもいいさね。それはそうと何だいアンタ?、んー?、おや?、珍しいじゃないか、この子『火混じり』だよ!?、ドゥーン!、アンタからも見てみなよ!」
「どれどれ…、ほぉう、こりゃ確かに『火混じり』じゃな、ふぅむ…、それでこういう身体になっとるのか…、いや、少し寄りつつあるのう…、しかしこのままではちと拙いんじゃないか?」
ハツの両側からじろじろ見るアーレナとドゥーンの二人。
両側からなので逃げるに逃げられず困った顔のハツ。
何やら面白そうな事かなーとでも言いたそうな表情でふわふわ浮いて見ているミリィ。
(お兄さん…、助けて…、早く帰ってきて…)
次話3-012は2019年10月11日(金)の予定です。
20220124:衍字訂正。 底に近いのところに ⇒ 底に近いところに
20230524:何故か途中で切れていたのを補完。 あったんで、 ⇒ あったんで、その応用だ。
20240402:今頃誤りに気付く始末。 銅貨2枚(20エカー)⇒ 大銅貨2枚(20エカー)
●今回の登場人物・固有名詞
タケル:
本編の主人公。12人の勇者のひとり。
ハツ:
タケルにすっかり懐いてしまった可愛い子。
町の人から忌み嫌われるのは髪と目の色が理由。
ハツは少し勘違いをしているようだ。
そして絶賛困惑中。
お師匠さん:
ハツの師匠。故人。
ミリィ:
食欲種族、有翅族の娘。
そう言えば真珠はどこ行った?
ドロシー:
エクイテスの愛妾。というか現地妻のようなもの。
元酒場の歌姫。結構チョロい人かも。
先祖はセイレーンですかね?、そんな設定ありませんが。
エクイテス:
商人。エクイテス商会の経営者。
儲けさせてもらえそうなタケルを笑顔で接待中。
シェルエ:
商人。ロンダー商会の現経営者で、元経営者のロンダー氏は故人。
そのためシェルエ・ロンダーと名乗っている。
傾いていた夫の商会を引き継いで盛り立て、商会を発展させた。
セルミドアには海藻や貝がらの仕入れに来ていた。
扱う商品は、主に女性向けのものが多い。
ノリタス:
リビスタス商会の商人。実はリービスという人との共同経営。
エクイテスの知り合いの陶作師の息子。
その縁でエクイテス商会で見習い修行をしてから独立したらしい。
ニールズ:
エクイテス商会で検品長をやっている人。
港町セルミドア:
港町。ついにタケルが町に入った。
この町が本来の意味での『港町』だったのはかなり昔の事。
現在はどちらかというとちいさな漁船のための港でしかない。
ケモ族:
何らかの獣の特徴が備わっている人種の総称。
獣人族からの略。
ム族・ムー族:
ケモ族に対して、身体に獣の特徴が無い種族の事。
無人族から略されてこうなった。
失われた大陸なんて無いのでそういった方面とは無関係。
ウィノアさん:
水の精霊。
ここのところ影が薄い。
リンちゃん:
光の精霊。タケルに仕えるメイド少女。
タケルの留守を預かる。
また出番なし。
ドゥーンさん:
大地の精霊。ドゥーン=エーラ#$%&。
形は異なるがアフリカ大陸のように広大な砂漠を有し、
赤道から南半球に位置する大陸を担当する。
のんびりした爺さんみたいな性格。
やっと出番が来たようだ。
アーレナさん:
大地の精霊。アーレナ=エーラ#$%&。
ドゥーンと共同で砂漠の管理を担っている。
担当区域はその大陸から点々と連なる赤道付近の島々。
せっかちなおばちゃん系の性格だが情に厚い。
ハニワ兵:
タケルが光の精霊の里へ招待されたときにお土産にもらった
コアを使って動く自動人形。超高性能。
精霊を認識しているようだ。
火混じり:
今回はノーコメント。