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その7 金持ち争わず

教室に着くと、エスパー部隊の娘たちが不安そうに待っていた。

でも、美羅ちゃんに手を引かれて、困った顔で歩いてくる友美っちを見て少し安心したみたい。

少なくても、大人しく教室に帰ってきただけでも友美っちの常識ポイントが少し上がったといっていいと思う。


さっき、友美っちに言いがかりをつけた音羽さんが気まずそうに美羅ちゃんに話しかけた。

「あの金持婦人、ほんとうに天道さんはイトコでしたの?。」

「おほほ、お母様もご存知でしたわ。ですけど、ワタクシがまだ知らない親戚がいたとはさすが御爺様ですわ。おほほほ。」


友美っちが思わず美羅ちゃんに突っ込んだ。

「ちょっと、それよりも『金持婦人』ってなに?あなたのあだ名なの?。」

「おほほ、そう呼ばれておりますわ。なにせ普通のお金持ちから見ても兼松財閥は超お金持ちですのよ。いつの間にか『兼松』ではなく『金持』と呼ばれるようになってしまいましたわ。ですが分かりやすくてワタクシも気に入っておりますのよ。」


すると、奥のほうから今時見ないような角刈りで長い学ランの男が寄ってきた。

「なにが金持婦人だ、お前達イラつくんだよ。チャラチャラしてるとぶっ殺すぞ!。」

そういって、美羅ちゃんに絡んできた。


すると、私は驚いたよ。

教室にいたセレブっぽい連中が、みんな美羅ちゃんの前に集まって角刈り君の前に壁になったんだ。


そんで壁の一番前にいる音羽が、すこし震える声で角刈りに抵抗した。

「お、おやめなさい。金持婦人に無礼を働くことは、ゆ、許しません。」

音羽ちゃん、緊張しすぎてドモってる。

でも、これはカリスマだな。


「ぜけんな金持ちども!まとめてぶっ殺してやる!。」

そういって、角刈り君が音羽ちゃんに殴りかかった。

音羽ちゃんは目をつぶって体を硬直させたけど逃げない。

意外に根性あるな・・・。


でも角刈り君のパンチは音羽ちゃんには届かなかった。

バシ!


あの荒川餡ちゃんが横から、角刈り君のこぶしを掴んだから。

そして餡ちゃんは、ギリギリと角刈り君の腕をねじりあげる。


おお、凄いね。


すると、教室にいたほかの不良たちも席を立ってコッチに構えた。

それをみて、オタクっぽい連中も「餡ちゃん」とか言いながら立ち上がる。

教室が二分された。


餡のために迷わずオタクたちが全員立ち上がって身構えたのも驚いた。

この娘もカリスマなんだ。

さすが荒川の血筋はカリスマメーカーだよ。


一触即発な状態の中、美羅の声がひびいた。

「おやめになってくださいませ。ワタクシが気に入らないというのでしたら、ワタクシがお相手いたしますわ。」


そういうと目の前の人の壁を掻き分けて前に進んできた。

「おほほ、餡も放して差し上げて。ワタクシが自分でお話いたしますわ。手出しは不要でしてよ」

それを聞いて餡は黙って手を放した。


その瞬間、なんと角刈り君はいきなり美羅ちゃんを殴った!。

「うぶ!」


セレブさんたちから「キュアア」と悲鳴が上がった。

でも殴られても美羅ちゃんは顔が横を向いただけで、体はまったくそのまま立っている。

何事も無かったかのようにまた正面を向き、扇子をパタパタ仰ぎだす。


「おほほほ、暴力はいけませんことよ。ワタクシはお話を・・・」

そこでまた角刈り君は無言で美羅ちゃんの顔を殴った。また衝撃で美羅ちゃんの顔が横を向く。


「うぶ!。おほほ、とてもお腹立ちのようですわね。もしもご無礼がありましたら謝罪させていただき・・。」

そこでまた殴られる。


「うぶ!謝罪させていただきますわ。おほほほ、ですからそうお怒りになら・・・」

こんどは顔に肘を横から食らう!

また、衝撃で美羅ちゃんは顔だけ横を向いた。


「うぶ!・・・お怒りにならないでくださいまし。おほほほ。」

美羅ちゃんは、まったく態度が変わることなく、お金持ちのおおらかなテンションのまま、どんどん言葉を続けてるよ。


凄いな、この人・・・。


さすがに角刈り君&不良メンバーの顔が引きつっている。

いや、私達も引きつってるけど。


角刈り君は、半歩後ずさりながら言った。

「おまえ、なんで平然としていやがるんだよ・・・。」

「おほほほ、あなたに良い言葉をお教えして差し上げますわ。金持ち争わずですわ。おほほほほ。」


すると、友美っちが美羅の横に歩み出てきた。

友美っちが前に来たんで、エスパー部隊や私達も身構えたよ。


でも友美っちは、すごい上から目線で角刈り君に言い放った。

「あなた、今完全に心が負けてるじゃない。ただの暴力男は、暴力に屈しない心の広い女の子より偉いの?ここは素直に負けを認めて謝りなさい。男らしく無いんじゃないの?。」

「く、なんだと・・・」


角刈り君は退くに退けないで居心地が悪そう。


っていうか、友美っちが美羅ちゃんをかばってる?

それほど、美羅ちゃんは衝撃的に私達の心を掴んだってことなんだね。


ちょっと意外。でもこれはVっちの思惑通りなんだろうな・・・。

すると美羅ちゃんが友美っちの前にでる。


「おほほ、友美さんワタクシに味方してくださりありがとうございます。ですが、そのような言い方で男性の面子を潰すものではありませんことよ。

こういう時は女子が一歩引いて男性を立ててさしあげなくてはいけませんわ。

これから毎日お顔を合わせるのですから、気持ちよくお付き合いできるように心配りをするのも婦女子の嗜みですのよ。

今はこちらの角刈り様に謝罪など求めずに、こちらから退くことにいたしましょう。おほほほほ。」


「美羅ちゃん、あなたって思ったよりも良い娘なのね。Vちゃまが私の常識教育に選んだ理由が分かる気がしたよ。イトコが良い娘で嬉しいよ。」

「おほほほ、こちらこそ仲良くなれそうで嬉しいですわ。」


おお、友美っちが歩み寄った!


そしてこの美羅ちゃんは凄い!

上手くいえないけど、なんか凄い!


そしたら角刈り君がズイっと一歩近づく。

「おい金持ち、お前には負けたよ。俺を倒れるまで殴れ。それで手打ちにしよう。」


おお、角刈り君も歩み寄った。

すごいぞ美羅ちゃん。


すると、美羅ちゃんは角刈り君の手をとり言った。

「それでは、ワタクシが殴る代わりにお約束してくださいませ。

この強い拳はこれから正義のためだけにお使いになると。

そしてよろしければワタクシとお友達になってくださいませんか。

殴ってお友達になるというのも、ワタクシたちの友情が男性同士の絆みたいで面白いと思いますのよ。おほほほ。」


すると友美っちはクスリと笑った。

「美羅ちゃん、あなたはロンリーVみたいね。Vちゃまもよく敵と仲良くなって仲間になっていたよ。」

「まあ、それは何よりも嬉しいほめ言葉ですわ。ワタクシはVお兄様に憧れて育ちましたのよ。おほほほ」


それを聞いて、角刈り君の血相が変わった。

「おい、あんた達は荒川武威を知っているのか?。」


すると餡が説明した。

「知ってるも何も、僕も美羅もこの友美も、V兄さんとはイトコだ。君もV兄さんを知っているのかい?。」

読んでくださりありがとうございます。


兼松美羅マメ知識:アンミラー5のリーダー、アンミラーPだ。

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