表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/131

その34 エピローグ 新たな波乱の予感

結局、何も守れなかった戦いが終った。

中国が爆発してから、まだ一時間も立っていない状況の血に染まった中国の大地を眺める二人がいる。


早川莉奈と荒川武威。


莉奈は、傍にあったベンチゆっくりと腰をおろすと武威に問いかけた。

「なんでお嬢ちゃんたちに会わないの?イケメンスイッチの外に出られるようになったなあの子達に声をかけてあげてよ。」


Vは大きく溜息をついた。

「はー、出られるようになったことを伝えてあげたいけど、じつは出られないフリをしないといけない事情ができてな。もうすこし姿を隠すよ。」


「なんでよ、あの子たちは必死に武威さんのためにココまでたたっかのよ。会ってあげなさいよ。友美ちゃんや冬美ちゃんはもちろんだけど、エスパー部隊の子たちなんか、武威さんに尽くしたい一心でマインドコントロールを打ち破ったらしいわよ。その光景に友美ちゃんもボロボロ泣いたっていうし。傍でそういう話を聞いてあげたら?。」


武威は険しい顔で大地を眺めながら答えた。

「今はまだだめなんだ。これから俺がやろうとしていることは、罪も無い人を沢山犠牲にする悪魔の所業だ。その仕事が終わるまで、気持ちをゆるがせない為にも、今は会う訳には行かない。」

そう言いながら辛そうな顔をする武威。


早川莉奈は、そんな武威を少し見つめると微笑む。

「あなたは損な人ね。でも武威さんが悪魔の所業するなんて意外。それは武威さんは納得してやる事なの?。」


武威は遠くを見つめながら頷く。

「ああ、イケメンスイッチの中で世界の真実を知ってしまった以上、やるしかないんだ。これはスイッチマスターにしか出来ない事だからな。」


一息ついて、血に染まった大地を辛そうに見つめてから言葉を続ける。

「それに、イケメンスイッチがこの赤く染まる血の大地を作った時、心が決まったよ。どうやったって避けられない悲劇はある。だったら俺の手で多くの悲劇をつくろうとも、やらなければいけないと。」

莉奈も武威が見つめる赤い大地を見る。

「そう。だったら私はあなたを信じるわ。良い女って言うのは信じた男がどんなことをしても、世界の常識を無視して信じるものだもの。」


「すまない、俺達を助けてくれた莉奈を、その悪行の犠牲にしようとしているのに・・・・。」


すると莉奈は、まるで少女のような微笑を武威に向けた。

「あなたが私を犠牲に選んだんのら、私は喜んでその運命を受け入れるわ。それは私にとっても望む事なのよ。だって貴方は一生私を捨てられなくなるもの。」


武威は、そんな莉奈を泣きそうな顔で見つめ返すと、そっと四角い物体を莉奈に差し出した。

「本当にすまない。でもこの悲しい運命は俺が信じる相手にしか預けられないんだ。本当にすまない。」


莉奈は、黙ってその四角い物体を微笑みながら受け取ると、指を自分の爪で切って血を流し、血をその四角いものにつける。


そして莉奈は言うのだった。

「これで私も貴方と同じスイッチマスターね。今日から私は『オトメマスター』って事かしら。この乙女スイッチのスイッチマスターになったのですから。」


武威は再び辛そうな顔で莉奈を見つめる。

「すまない。本当にすまない。」


莉奈はオトメスイッチをポケットに押し込むと、優しく武威を見つめ返した。

「むしろありがとう。私はあなたに選ばれたことを誇りに思うわ。そして誓う。一生貴方の仲間でいることを。それよりもあの時は驚いたわよ、瀕死の大黒玄太の前に急に貴方が現れたんですもの。そして懐からスイッチを出して玄太の血をつけた時は何をしているのかと思ったわ。次の瞬間に玄太が目を開いて起きあがったんだから二度びっくりね。あれはどんなスイッチなの?」


「あれか?あれは『スマートスイッチ』だ。自分よりも痩せた人間をパスタみたいに細く切り刻むスイッチらしい。俺も話で聞いただけでその現場を見たこと無いけどね。」


「ふふ、玄太には最強のスイッチね。そしてさっきの話だと、私のオトメスイッチは自分よりも清らかな女を数日かけて醜く老人にして殺すスイッチなんでしょ。まったくスイッチは恐ろしいものばかりね。」


武威はふたたび真っ赤な大地に目を向けて言った。

「ああ、殆どのスイッチは、この真っ赤な中国の大地のようなものを作り出す力がある。だから俺はこれを莉奈や玄太君に託したんだ。」


「ふふ、そしてこれからはスイッチの秘密のせいで、あなたは悪魔になることを選ぶのね。いいわ、私も魔女になって貴方と共に進んであげる。」

「すまない、これから莉奈には酷い運命おしつけるというのに・・・・本当にすまない。」


莉奈は武威の肩を軽く手のひらで叩いた。

「ほら、もう謝らないの。私はあなたに感謝しているっていたっでしょ。どんなに酷い運命でも、何も出来ずに大きな流れに呑まれて何もできずに死ぬよりもずっと良いわよ。私のがんばりで私と世界の運命を左右できるチャンスをもらえて感謝してるのよ。良い女は自分の運命は自分の責任で進むものですからね、たとえそれがどれだけ他人から見て悲しい運命に見えても誇りを持って進むの。だからもう謝らないで。」


武威は、本当にすまなそうな顔で答えた。


「ありがとう。」


武威はそっと莉奈の手を握り、そして消えていった。


莉奈は両手を腰に当てて独りつぶやく。

「魔女みたいな私に聖女のスイッチを渡すとは、荒川武威も皮肉屋ね。」

そして傍においてあった愛用のライフルを担ぐと、日本への帰路につくのだった。

読んでくださりありがとうございます。


これにて第2部終了。

幕間をはさんで、第三部の学園編です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ランキングアップのために、↓↓クリックしてくれると嬉しいです
小説家になろう 勝手にランキング

第四部はこちら
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ