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その29 チェリーに贈り物

私は、もう一度巴マコ子に命じた。

「やめなさい、私のために尊厳を捨ててはいけません。Vさんの代わりの命令です!。」


でもマコ子は外したメガネを、なんとパキリと折ってすててしまった。

エスパー部隊にとってはメガネは服従の証。ありえなかった。


そしてマコ子は私を見た。

「Vさんは決して私達に無理な命令をしませんでした。いつも『頼む』ばっかり。そして言うんです『いつか自分をしばる自分という呪いをうけいれろ』って。今ならその意味が分かります。私は私の意志で、命令を拒絶します。私は友美様を守って欲しいというVさんとの約束を優先させたいんです。命令よりも約束を選びます。」


そういいながら、服のボタンを外し始めた。

「やめてよ、Vさんだってそんなことは望まないよ。」


するとマコ子はイタズラっぽく微笑んだ。

「そうだと思います。ですから私は命令を拒絶しているんです。これは私の意志なんです。」


そういうと、するりと上着を脱いでしまった。

いま上半身はブラジャーだけの状態。


ニート君はうれしそうに命じる。

「ぎゃはは、この切迫感もエロゲーぽくて良いねえ、さあブラも外せ!。」

マコ子はユックリフックに手を伸ばした。


私は、必死に叫ぶことしかできなかった。

「やめなさい!マコ子、こんなバカのいう事なんて聞いては駄目!こんなやつに自分の尊厳を捨てては駄目。やめなさい!」


すると玄太も叫びます。

「汗の息子!お前はなんて屑なんだ!萌えの心はそんなに邪悪じゃない。お前はオタクの面汚しだ。やめろ!。」


するとニート君はリモコンを再び私に向けて叫びます。

「うるさい!文句を言うとその首輪の爆弾を爆発させるぞ!。」


次の瞬間


ボシュ!


リモコンを持ったニート君の腕が肘から千切れて吹き飛んだ。

血を吹きながら、地に落ちるニート君の腕。


悲鳴を上げて驚くニート君をよそに、エスパー部隊は全員が戦慄した。

誰かが我慢できずにESPで攻撃したのなら、私とお姉ちゃまの首が飛ぶのだから。


でも、私達の首輪は爆発しなかった。

私達が状況を理解できないでいると、牢の奥の廊下の暗がりから固い靴底で歩く足音が響いてきた。


カツーン

 カツーン

  カツーン


そして足音の方向から、聞きなれた女性の声が聞こえてきたのです。

「これだからチェリー君はこまるのよね。良い男って言うのは女に恥をかかせないものよ。」


足音が近づいてくると、声の主がだんだん見えてきた。

足音の正体が分かった私は、嬉しくなって大声でその名を呼んじゃうのです。


「遅いですよ、早川莉奈さん!」


肩に大きなライフルを担いで歩いてくる莉奈さんの姿がはっきり見えると、莉奈さんはいつもの調子で微笑む。

「遅くなってごめんなさい。でも良い女って言うのは、相手を待たせるものなのよ。」


ニート君の護衛のアーマーノイドが動こうとした。

でもその瞬間、莉奈さんはすごいスピードで、肩に背負ったライフルを腰に構えると二発撃つ。


ボン!ボン!


一瞬で、二体のアーマーノイドの頭が吹き飛んだ。

数100メートル離れた場所からでもアーマーノイドの装甲を撃ちぬくライフルだもの、この至近距離では凄まじい威力。


慌てて逃げようとするニート君。

でも、すぐに莉奈さんはニート君の膝を打ち抜いた。

強大な威力のライフルで撃ち抜かれた足は、膝からちぎれて吹き飛ぶ。


「うぎゃあああ!」


ニート君は悲鳴を上げながら転げまわった。


―――


数分後


私達は、全員牢からでられました。

なんと、莉奈さんと一緒にチャンが来ていたから。


チャンは、私達を助けようと牢の近くで様子を伺っているとこで莉奈さんを見つけて案内してきたらしい。


莉奈さんをここまで案内したチャンは、しっかり牢の鍵も盗み出しておいてくれたので、こうやって私達は自由の身となっている。


冬美お姉ちゃまは、チャンに心配そうに聞いいていた。

「チャン、中国を裏切って大丈夫なの?。」


私もそれは心配です。

でもチャンはカエルが潰れたような不細工な顔で笑う。

「私、だれも裏切るしてないよ。私はずっとイケメンマスタの仲間。中国が私達裏切った。悪いのはやつらね。」


そしてチャンはニート君が持ってきたリモコンを拾うと嬉しそうする。


「冬美様友美様、すごく運がいいよ。このリモコンあれば首の爆弾外せる。今外すからちょっとまっててね。」


そういうとチャンはリモコンを操作して私達の首の爆弾を簡単に外してくれた。


チャンってすごい・・・


お姉ちゃまも感心してる。

「チャン、よくこの首輪の外し方を知っていたな。助かったよ。」


すると、チャンはへらへら笑いながら言うのでした。

「しってるよ、この首輪を中国に売ったは私だから。」


それを聞いて私達は大笑いをしてしまった。

久しぶりにお腹が痛くなるほど笑いました。

そういえば、Vちゃまがいなくなってから、笑っていなかったかも。


笑いながら、ふと莉奈さんを見ると、私達から外した首輪をまだ生きているニート君の首につけていた。


「さあニート君、これは美少女達から貴方へのプレゼントよ。よかったわね、美少女からのプレゼントなんてこれが最初で・・・最期になるわ。」

ニート君は「やめろ!外してくれ!」と力なく言っていますが、まあ無視ですね。


その横でチャンがタバコを出してライターを探している様子でした。


気を利かせてマコ子がチャンに近寄る。

「チャンさん、火ならここにありますよ。ESPですけど。」


そういって人差し指をチャンのタバコに触れさせる。

ESPでチャンのタバコに火をつけた瞬間。


ボン!


ニート君は脳髄を撒き散らして、おとなしくなるのでした。


さあ、反撃開始です。


私達は、走って外に向かった。

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