その24 なんでイラつかせるかな。
中国での東アジア平和会議に向かうため、二人の元首相と友愛党の幹事長は中国が用意してくれたホテルに向かっていた。
そこで鳩屋元首相はキョロキョロしながら言う。
「野多首相はどこでしょうか?現首相が居ないのでは同じアジアの代表の皆様に失礼になるのではと心配です。」
すると汗元首相は鳩屋元首相の肩を笑顔で叩く。
「どうやら急に発病したらしく来れなくなってしまったようです。私達でがんばりましょう。」
鳩屋元首相は残念そうに歩き出す。
そこで大沢幹事長は汗元首相を見る。
汗元首相は黙って引き金を引くジェスチャーをして頷いた。
『野多は射殺した』
という意味だ。
大沢幹事長も、にやりとして頷き鳩屋元首相を見る。
「まあまあ鳩屋さん、野多君もこのところ心労が溜まっていたようですから、ここは無理をさせないようにしましょう。」
「そうですね。野多首相にはネクストチャレンジにそなえて、今は休養してもらいましょう。私達でアジアの皆様に失礼のないようにがんばりましょう。」
鳩屋元首相はそう言いながら目を見開いて大沢幹事長を見る。
大沢幹事長は頷くと、前を向いて歩き出した。
『まったく、カネヅルだから放り出さないが、このバカにもいつか死んでもらわねばな』
そう考えていたが、まったく表情には出さずにニコやかに歩く。
しばらく歩くと、ホテルの豪華な一室に通された。
そこには中国の粉主席が待っていた。
「友愛党の先生方、お待ちしておりました。わが国家のために自国の身を削るその自己犠牲の精神には、我々もいつも感謝しております。」
すると大沢幹事長はニコやかにに粉主席と固く握手をする。
「いえいえ、我々は日本が苦しんでも、それ以上に苦しむアジアの人々の力になりたいのです。」
このとき、お互い、握手の下でそっと小さい紙を交換する。
大沢幹事長が渡した紙には
『イケメンスイッチを手に入れた事により時が来た。相応のポストを頼む』
とかかれており、粉主席が渡した紙には。
『資金と先行者と女を用意しておいた。中国のためにもう一働き頼む。』
という内容が書いてある。
粉主席から渡された紙は大沢幹事長が読んだ後、そっと汗元首相に渡され、汗元首相は読み終わると食事と共に食べてしまった。
そして大沢幹事長は汗元首相ににこやかに言います。
「そうそう汗さん、あなたはいつも隠れて騙まし討ちみたいな仕事をするか、人の後ろにいますよね。そろそろ思い切って、体を張って前に出る姿が見たいのですが。」
汗元首相は慌てて弁解する。
「なにを言っているんですか。さっきも危険な仕事をしました。」
だがニコニコしながらも目が笑っていない大沢幹事長は首を横にふる。
「さっきだって堂々としたものではありませんね。どうです、私や粉主席の信頼を得る為に、すこし体を張った仕事をして見ませんか。信頼を得たければ是非。舞台はこちらでで用意しますので・・・」
汗元首相は汗をダラダラとたらし始める。
これは逃げられないと気づいたのだ。
忠誠を見せないと、次に殺されるのは自分だと。
不思議そうに今の会話を聞いていた鳩屋元首相は大沢幹事長に聞く。
「なんの話をしているのですか?汗さんの努力は私が保証しましょう。」
すると、大沢幹事長は子供あやすように笑う。
「いやいや、汗さんに見合う、責任ある役職についてくれないかというお話ですよ。」
鳩屋首相は、大げさな表情で納得して頷いた。
その日はその後、鳩屋元首相が熱くアジアの共同平和を語り夜が更ける。
―――
私達は、陸から500mほど離れた場所で上陸用の小船にのりかえた。
金子は潜水艦でお留守番ね。
もしも必要ならば、潜水艦からミサイル攻撃もあるかもしれないし。
エスパー部隊と私達はボートに乗り込んだ。
玄太はボートが沈むから泳いで上陸させるかな。
そこでVちゃまに連絡をしてみた。
「Vさん、それでは上陸します。」
『よし、気をつけてな。あと金子。』
金子も通信機をつけていたので、慌てて「ハイ」と答える。
『今回は、今までと違い敵が大きい。
粉主席と大沢幹事長は日本を滅ぼす気で居る。
しかも中国は人材の懐も深いから、軽々とイケメンスイッチの面を合わせる奴もいるかもしれない。
さっき爺ちゃんに聞いたんだが、もしも万が一だがスイッチの扱いを間違えると、下手すると簡単にアジア一体が滅ぶ事だってありえるそうだ。
一番恐ろしいのはやつらがイケメンスイッチの取り扱いを間違えることだ。
万が一に備えて日本も含めて、アメリカ支部やヨーロッパの支部にも、中国と日本の重要施設へ保護部隊が急襲できるような準備をしておいてもらえないか。
人が死ぬだけでも恐ろしいのに、原発や軍事施設が暴走とかは勘弁して欲しいからな。』
「イケメンマスターは恐ろしいこと考えますな。ですがわかりました、連絡とって待機しておいてもらいますわ。」
『あと、潜水艦の各艦長に謝っておいてくれ。どうせこの娘たちは潜水艦の食料を食い尽くしてしまっただろうから』
そして私達は出発した。
泳ぎながら玄太は楽しそうなのがムカつくな。
「ふほふほふほ、36人の美少女達とwithなぞの美女。男は僕一人ですぞ。すごいエロゲーの予感。これは精神を加速させて少女と戦いに集中しないといけませんな。」
それを聞くと莉奈さんはライフルのボルトを引いて弾を装てん。険しい顔で黙って玄太の背中に打ち込んだ。
ドズン!
大型ライフルの一撃は、玄太を一瞬海に沈めます。
すぐに玄太は浮かび上がってくると、大慌てで叫びました。
「莉奈さん、そのライフルはかなり痛いです。しかも泳いでいるときはやめてください。デブと弾のランデブーは嫌デブー。」
イライラ!
莉奈さんはもう一度ライフルを構えた。
「お嬢ちゃんたちが攻撃する気持ちがよくわかったわ。芽衣ちゃん、あのビリビリのやつを撃って溺れさせちゃいなよ。」
芽衣が汚いものを見下す目で、黙って気念砲を出す。
本気だね、芽衣・・・。でも止めないよ。
玄太はさすがに慌てました。
「ちょ、ちよっと。海水中で電撃受けたら感電死しちゃうよ。それは洒落にならないからやめて、芽~衣た~ん。」
イライラ。
そうやってイラつかせることを最後に言うのは撃てという意味?
私達は、だまって芽衣に対して頷いた。
芽衣は、迷わず高電圧弾を打ち込む。
ビシュ!
「らめええ・・・・」
ぷかーん。
死んだかな?
エスパー部隊の柏は手を伸ばして玄太をスキャンしてくれた。
「生きています。気絶しているだけです。気絶させたまま陸まで引いていきますね。」
そう言うと、如意棒をカギ爪の様に変えて玄太に引っ掛ける。
それを見てお姉ちゃまは清々しい顔で空を見上げて微笑んだ。
「なんか大漁って感じだな。海豚捕ったどーって感じだ」
ボートに引かれる玄太の丸い背中は海豚とは程遠いけどね。
数分後
程なくして上陸した私達はボートを隠し準備を進める。
玄太も陸に着くと同時に、莉奈さんのライフルの至近距離弾で起されて、今準備中。
急がないといけません。
イケメンスイッチが再び目覚める前に。
読んでくださりありがとうございます。




