その21 ラスプーチン
いま周りでは戦闘の後始末をペルシアの華のメンバーが行っています。
秋彦叔父様や房代さんも、病院に搬送されていった。
そんなな中で、私は安心して、すこしボーっとしてる中。
だってVちゃまとも連絡できたし。
通信機があってよかった。
Vちゃまと連絡が取れてよかった・・・
この通信機は、電波に代わる新しい通信方法『時空振』というもので通信する試作品。
Vちゃまは、距離が関係なくなる画期的な発明品と自慢していたけど、今はこの通信機を発明した国持兵団研究所に感謝です。
でも国持兵団研究所は、最近までペルシアの華と敵対関係だったんだよね。
でもVちゃまが『どんなに困難に思えても和解を目指しましょう』と言った事で、いまは協力体制になれている。
そういえば、芽衣やエスパー部隊だって最初は敵だったね。
秋彦叔父様だって、最初はVちゃまに凄く警戒していたし。
護衛隊長の金子だって、Vちゃまが気に入らなくてイジワルしていたし。
でも今はみんな、Vちゃまの仲間です。
芽衣も
秋彦叔父様も
金子も
国持所長も
それに狙撃で私達を助けてくれた早川莉奈さんも、
みんなVちゃまが、少しずつ味方にした人たち。
今はその人たちの協力のおかげで私達は生き残っている。
ここにいなくても、Vちゃまはちゃんと私達を守ってくれているって思えるな。
ズンズンズン
そこに丸い人間が肉を揺らしながらこちらに来た。
「友美ちゃん、飲み物を飲むかい、持って来たよ。ほふほふほふ。」
「あなたの油のついたものなんか飲みません。」
この丸い人間は大黒玄太。
Vちゃまの親友で、Vちゃまの10倍は強いという嫌な奴。
まあ不本意ながら、この玄太もVちゃまの残してくれたモノの一つ。
不本意ながら、かなりの戦力となってくれている。
玄田の横から冬美お姉ちゃまがヒョコリ現れます。
「こらデブオタク、私の可愛い妹に近づくな!」
そういうなりお姉ちゃまは玄太の膝裏に鋭いローキック。
ドスン!
かなり重いのが入った音がしたけど玄太は平気な顔です。
「冬美ちゃんは厳しいなー」
とかいいながら、何故かうれしそうにしていてイラっとくる。
うわあ、見ているだけでキモイ。
お姉ちゃまは、そんな玄太を睨みながら自分が持ってきた飲み物を私に渡してくれた。
お姉ちゃまは、どこかぶっきら棒なところがあるけど、すごく優しいんだよね。
そこに芽衣も現れた。
そいえばさっき聞いたけど、今回、玄太とお姉ちゃまと芽衣が空から飛んできたのは、パニックを起こした芽衣が玄太を吹き飛ばしたかららしい。
それをみてお姉ちゃまも『私も飛ばせ、友美のもとへ!』って叫んだからだとか。
芽衣はESPで消費したエネルギーを補給するかのように両手いっぱいの携帯食料を持ってバリバリ食べている。
「友美っちも冬姉も食べなよ。あんまりおいしくないけど。」
するとお姉ちゃまは無造作に、ちょうど三分の一くらいを掴む。
「もらっておこう、ありがとう、妹同然の芽衣よ。」
芽衣はお姉ちゃまににっこり微笑むと私に駆け寄ってきた。
そういえば、私も少しお腹すいているかも。
のこった分の半分くらいを芽衣がボトボトと私に渡してくれる。
私たちはあっという間にそれを食べきってしまった。
よし、食料食べたら元気が出てきたぞ。
食べ終わったところで、私は三人に言った。
「今ね、Vさんと連絡取れたよ。明日まではイケメンスッチは使えないはずだからって言ってた。指示もくれたし一安心だよ。」
芽衣の目が明らかにキラキラする。
「よかった、じゃあすぐにVっちを助けに行けるね。」
「うん」
私達に休んでいる暇はないのです。
すぐに次に向けて動き出した。
―――
ここは佐倉。
イケメンスイッチを奪った美メン教団は確かに成田方面に向かって居たが、成田までは進まなかっい。
その手前の佐倉にある大きな廃屋に入っていった。
当然そのことは、Vを通してイケメンスイッチの中から友美たちに伝えてある。
しかし、そんな漠然とした情報ではあるが、友美たちは廃屋を探して動き出していた。
そうとは知らず、イケメンスイッチを持ち帰ったアーマーノイドは建物の奥に向かう。
建物中は、意外なほどきれいで中世の貴族でも住んでいそうな装飾である。
アーマーノイドがさらに奥に進む。
すると、教会のようなつくりの場所に出た。
その部屋の中では、大量のアーマーノイドが騎士のように両壁に並んで立っている。
50体はいるだろうか。
その一番奥の十字架の前にいる男の前まで進み、アーマーノイドは膝を突きイケメンスイッチを差し出した。
「ラスプーチン教主、イケメンスイッチを奪取してまいりました。」
ラスプーチンと呼ばれた若いイケメンはイケメンスイッチを手に取る。
「ハラショー、これで我々は安心して王国を作れるぞ、我ら美しき者達の国を。お前もご苦労だったな。国に帰って元の体にもどったら爵位を与えよう。」
「は、ありがたき幸せ。」
イケメンスイッチの中か見ていたVは、なんとも時代錯誤な光景にやや呆れていた。
すると、奥の部屋から一人の男が現れた。
「いやあお見事ですねラスプーチン殿。我々も中国からアーマーノイドを入手してお譲りした甲斐がありました。」
そう言って現れたのはなんと・・・・
野多首相
現在の日本の首相だった。
野多は本当なら首相になれるはずが無い人間だった。
だが、野党であった友愛党が何かの間違いで与党になってしまったので、首相と言う地位に上り詰められた男だ。
ラスプーチンはうやうやしく礼をする。
「おかげさまで悲願が達成することができました。そのうえ我々の国家のために島を一つ割譲していただけるのですから、野多首相には感謝の言葉もございません。」
「いえいえ、こちらもそれなりに下心があっての事です。お気になさらないでください。それよりも・・・アーマーノイドになった皆さんを全員呼び集めてもらえませんか。彼らの自己犠牲の上に手に入れたイケメンスイッチです。是非このイケメンスッチをがんばった皆さんにお見せしないといけません。」
するとラスプーチンは嬉しそうに言う。
「それでしたらご安心を、ここにいるのが全員です。200居たアーマーノイドも、今ではコレだけです。」
野多首相のにごった目が一瞬光る。
「そうですか、それでは私から美メン教団のみなさんにもう一つプレゼントがあります。」
そう言うと、携帯電話のようなものを出しスイッチを押した。
ボボボボボン!
そのとき、そこに居たアーマーノイド全員の頭が吹き飛んだ。
正確には、頭の上半分が吹き飛んだ。
脳を撒き散らし、アーマーノイドはバタバタと倒れる。
ラスプーチンはすぐに事態を理解した。
「野多!貴様・・・はかったな!」
そこに、武装したヤクザ風の連中が銃を構えてゾロゾロと部屋に入り込んでくる。
野多首相は、いかにも悪人な微笑を浮かべるとラスプーチンに言った。
「貴方達のような世間知らずは扱いやすかったですよ。貴重な人型兵器『先行者』を150体もつぶされるのは予想外でしたが。でもこれでペルシアの華から見れば、イケメンスイッチとともに貴方達が消えたように見えるでしょう。我々は安心してイケメンマスターになれます。それではさようなら。」
そう言うと、野多首相はラスプーチンに背を向けて部屋から出て行く。
ラスプーチンは追いかけようとしたが、大量のヤクザ風の男達に阻まれる。
「おいおいイケメンさんよ、あんたの相手は不細工な俺達だ。」
そう言いながら銃を構えて囲むようにジリジリとラスプーチンに近づいてくる。
ラスプーチンは怯えた表情で最後に絶叫した。
「野多!地獄では貴様を八つ裂きにしてやる!。」
そして大量の銃声が鳴り響いた。
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ラスプーチン豆知識:本名はプーチン。




