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その4 そういえば俺にイケメンスイッチ渡そうとしたよな・・・

友美は走りながら、後ろを走る俺にこまめに振り返り、さっきのルービックキューブ型をしたものがいかに大事なモノかとういうことを聞かせてくれた。


あれはイケメンスイッチと言ってイケメンを爆発させる神秘のスイッチで、世界中の男性を一瞬で爆発させる力があるとか。

この子は美少女の癖に馬鹿な事言っていると思う。

俺としてはその妄想が命を賭けないといけないほどのものだとは思えないのだが。

だけど、あのルービックキューブみたいなモノが、この渋谷大虐殺の原因だと言いきり、無駄にアクティブな友美を放っておく事が出来ない。


本当は男達を追う少女を止めたいんだけど・・・追い付けない。

走る少女に追いつけないで止められないでいる俺って貧弱?。

いいえ、友美さんがタフすぎるんです。

これが・・・これが若さと言うものか・・・。


くそ、止まってくれ友美ちゃん。

長い黒髪をたなびかせて陸上選手並のタフさで走る少女を追う俺。


あれ? これ他人が見たら俺が少女を追う変質者に見えないか?

ううう、でもそうなったら止めてもらえるからありがたい。

そろそろ。。。そろそろわき腹が限界で吐きそう・・・。


そんな事を考えていると友美が俺を呼んだ

「Vさん、いましたよ。ちょど奪い合いが始まっています。」


友美は建物のスキマからチラリと見えた人影を指差し、素早く近くの建物の陰に隠れる。

フラフラしつつ俺もその横にくの字に曲がりながらしゃがみこんだ。

ゼエハア、ゼエハア・・・ちょっと休憩。

しかしこの娘すげえなあ。あんなに走りながら的確に相手を見つけたぞ。

俺なんて目もかすむほど気持ち悪いのに。


壁の隙間からのぞくように向こうを見る友美が、必死に俺を手招きしている。

しょうがないので俺も隙間から向こうをのぞく。

うう、もうちょっと休憩させて欲しいのに。


ゼエゼエ言いながら俺もスキマからそっと向こうを見る。

すると、さっきの四人が老人を囲んで、棒を構えていた。


俺が飛び出そうとすると、友美が止めた

「待ってください、あのお爺ちゃんが持っているスイッチが使われるまで待ってください。さっきVさんに渡そうとして面を揃えてスイッチを出してしまっていますので、それが使用されるまで様子を見ましょう。でないと爆発してしまいますよ。」

「でも老人が棒を持った四人組に囲まれているんだ、飛びださないと。」

「良いんです!あのお爺ちゃんも悪い人なんですから共倒れするまで待って良いんです!。」

俺の腕を掴んで友美は強い口調でそういった。

だが俺の倫理観ではこれは見過ごせない。

友美の手を振り払って飛び出そうとした。


すると友美は必死な顔で俺の腕の腕にしがみついた。

「このあとの私の言葉を全て疑っても良いですから、今だけは私を信じてください。そうじゃないと死んでしまいます!。」


いてててて!

なに娘、すげえ力強い。

華奢な体しているのに予想外のパワーでしがみつかれて俺は思わず体がぐらついた。


必死な人間は時々驚くほどの力を出す。

つまりこの娘は火事場の馬鹿力を出すほど必死ということか?

俺は必死な表情の友美を眺めて、ちょっと信じても良いかと言う気持ちいなってきていた。

それに正直言えば、戦って獲物を奪った直後の敵を倒すほうが楽だ。

俺だって、奴らが戦って多少なりとも消耗してくれた方がありがたいと思う。

だが、少女に腕を掴まれるというのも悪くないので、「わかった」と言わずに、老人と四人の戦いを見守ることにした。

友美は俺の考えが読みきれないのか、まだ腕にしがみついたままだ。

ふふふ、勝手に脳内で「当ててんのよ」とう台詞を妄想してみた。

うん悪くない、もうちょっとしがみ付いててもらおう。


すると

四人が老人に飛びかかろうとするのが見えた。

俺は老人が殴られるのだと思った。


しかし


老人が手に持ったルービックキューブのスイッチをカチリと入れた瞬間・・・

轟音と共に爆発が青き手空気が揺れた。

目を疑った。


老人がルービックキューブから出たスイッチをカチリと入れた瞬間、爆音とともに四人が爆発したのだ。

本当にスイッチ入れた瞬間、四人同時に。


俺は飛び出そうとして半分乗り出してい体を、驚いて伏せて隠れた。

なにあれ?

あれ、もしかしてあのスイッチって本当に爆発スイッチ?

マジで爆発スイッチ?。


硬直する俺に友美は言った

「わかりましたか!爆発させてしまうんです。でも今がチャンス。急いでスイッチを奪ってください。奴が面をそろえて再びスイッチを出す前に。」


よく分からないが、急いだほうがよさそうだ。

俺は飛び出し、老人に走りよった。

老人は、 俺を見るなり身構える。

「また出たかハイエナめ、世界の王はわしじゃ!わしがスイッチマスター!イケメンマスターじゃ!」

そう言いながら、老人はいそいでルービックキューブを回し始めた。


しかし、老人が面をそろえるよりも、俺が老人を捕まえるのが早かった。

「やめろばか者、これはお前程度がもっていいものじゃない!」

老人は叫んだが、俺は力ずくでルービックキューブを奪う。


そのとき、老人の顔が見えた。

ビックリするほど不細工だった。


さっきの友美の話を信じたわけではないが、これが自分よりもイケメンを爆発させるスイッチなのならば、この老人は無敵の爆破魔になれるのは間違いない。


ルービックキューブを奪い、老人を突き飛ばすと俺は友美にルービックキューブを渡そうとした。


しかしそのとき、俺の後ろにいたはずの友美の姿が見当たらなかった。

すこしキョロキョロさがすと、なんと友美は頭ほどもある石をかかえて、倒れた老人の横にいた。


「おい友美ちゃん、なにする気だ!」

おれは止めるため近づこうとしたが、友美は悲しい顔で 一歩俺から離れる。

「止めないでください。こいつと、さっきの6人は・・・・私の家族を殺してイケメンスイッチを奪った奴らなの。私は半年もこいつらを探してきたの・・・・殺さないといけないの・・・」

そういいながら、目をつぶる。


俺は、優しく友美の肩に手を乗せると、出来るだけ優しい声で言った。

「そっか、仇だったのか。でもな、もう終わりで良いんだよ。人殺しになる必要はない。あとは俺に任せなさい。」


そういって、思いっきり老人の胸を踏み潰した。

足の裏に骨が折れる感触が伝わる。

もしかすると、友美は妄想で適当な事を言っているのかもしれないけど、この老人は少なくてもさっき人を爆発させたんだから完璧に無罪と言うわけではないからこのくらいは良いだろう。


「ぐばばあああああ」

老人は奇妙な叫び声を上げた。

苦しそうに胸を押さえてころげまわる。


俺は友美の頭をなでながら

「これで奴は長くは無い。だが急いで病院に行けても肺を潰された事で、苦しみながら数年を過ごす。これで捨てていこう」

そういった。

友美は静かにうなずく。


おれはホッとして、駅に戻るため数歩いたのだが、

俺が離れるなり、友美はぐわっと石を頭上に持ち上げ、老人の頭にたたきつけた。

ベギョ!

老人の頭が血を噴出しながら潰れた音がした。


え? あれ?今殺すの諦めちゃんじゃなかったの??

「ちょ、おま・・・!殺すなよ!ちょっと友美さん・・・いまうなずいたよね、殺すの諦めようって言ったらうなずいたよね?。」


友美はニッコリしながらこちらを振り向いた。

「だってー、仇をうつって決めていたんですもん。だからちょっとVさんを騙しちゃいました。ごめんなちゃい。テヘペロ。」


テヘペロじゃねえええ!

可愛いけどそれはないだろう!

イケメンスイチよりも、目の前の少女のほうがよほど怖いと思った俺であった。↓




あ、

待て待て、大事なことをスルーしてた!


いや・・・いやいや待て待てまて!


そいえば、この娘は俺が四人組と戦っているとき、おれにイケメンスイチを渡そうとしたよな。

それで戦えって言ったよな?

つまりあの四人は俺よりもイケメンと判断したわけ?

いやいや、ないわー、それないわー。


つまりあれかい?俺は爺さんよりもイケメンだけど、あの四人組よりはブサメンって事か?

おいおい、俺の目から見てもあの四人は不細工だったぞ・・・

それなのに、俺にスイッチで戦えって言ったってことは・・・・

ヤベ、ちょっと凹むわ。

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