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その41 エッチなお店は好きですか?

秘密教団「ペルシアの華」

世界中に支部を持ち、莫大な資金と優秀な人材を持つ組織だ。

意外にもその本部は埼玉にある。


俺は、天道友美と歌田芽衣と共に、その本部に来ていた。

そこで、俺たちの今後の方針を話し合うために。


現教主の天道秋彦は忙しい身なので、俺たちは本部のVIPルームで時間をつぶしている。


そこで、護衛チームのリーダーである金子は、楽しそうに俺に話しかけてきた。

「いやあ、さすがVさんですわ。あの現教主の秋彦さままで懐柔したばかりか、敵対していた国持兵団研究所を手駒にしてしまうんやから。」


俺は、芽衣が入れてくれたコーヒーを受け取りながら答えた。

「そんなんじゃないよ、たまたま気があっただけさ。懐柔とか手駒って考えはダメだぞ。敵は少ない方がいいし、有力者は味方であってくれたほうが心強い。手伝ってもらっているのはコッチなんだからね。敬意と感謝を忘れないようにな。」


金子は腕を組んでうなずく。

「なるほど、さすがイケメンマスターですわ。いっそ教主の座を狙いましょうや。」


俺はコーヒーを一口飲むと、芽衣に軽く微笑んでから金子に顔を向ける。

「教主の座は絶対狙わないよ。もしも教主になったら組織に『俺を守るためにみんなあつまれ』とか命令する事になるんだぞ。そんな恥ずかしい命令ができなかったから先代のイケメンマスターは自分が先頭に立たなければいけなくなったんだろ。」

「あ、そうですが・・・。」


「大丈夫さ、俺が教主にならなくても、教団はおれに力を貸してくれるんだ。だったら教主になるよりも第三者でいたほうが結果的に無茶な協力要請も教団にしやすくなる。だから不穏分子を生むような変な発言をして、厄介を増やさないようにしてくれよ。厄介事は無駄に時間を奪われて損なだけだ。」


金子は、ほーという顔をした。

「なるほど、教主になるよりも今の立場のほうが利益が多いと冷静に判断しはったわけですか。いやあ恐れ入りましたわ。」


俺はかるく頷くと、もう一口コーヒーを口に運ぶ。

うん、正直ここのコーヒーも俺好みではない。でも芽衣が入れてくれた手前、それなりに味わって飲むか。


もっと苦味が強くて癖があるほうが好きなんだよな。

苦いのに香りが豊かで、口の中で甘みにすら感じるような奴とかだったら最高だ。


そういえば・・・・

もう何日も俺は行方不明のはずだけど、家族はおろか会社からも携帯に電話が掛かってこないのは寂しいな。

確かに昔から俺や妹は、家族に何も言わずに何週間も帰らない仕事をしていたからわかるけど、会社から連絡来ないのはどうなんだろう。


一応、こちらの位置情報を知らせないために携帯で連絡を取ってないけど、でもな・・・・

渋谷人体爆発事件の件でバタバタして、まだ俺なんかに構っていられないのかな。

それとも叔母のコネ入社だったから、居なくなって清々されてるんだろうか?それだったら寂しい。


ま、それは今はいいか。

今はそれ以上に考えなくてはいけないことがある。


仲間に呼ばれて金子がドアの外に出て行くのを眺めつつ、さらに考える。


そろそろ、ちょっとエロいアレしないとアレだよな。

もう何日も友美達とベッタリ一緒だから、男の健康をもてあましだしているのだよ。


自室でも常に誰か居るから、やっぱホテルの外に出ないとダメだろうな。

そういうお店に行って、さっさと処理したいな。

これからも冷静な判断を下すためにも、ココは一つスッキリとしなくてはいけない、うん、そうだそうだ。


そんなことを思っていると、友美が俺の肩をゆすってきた。


「Vさーん、なんかして遊びましょうよ。テレビとか見ましょうよ。」

コーヒーをテーブルに置くと俺は友美を向き、言った。

「それよりも、俺は一人で遊びに行きたいんで、友美ちゃんと芽衣っちの二人で遊んでなさいな。」

友美がさらに激しく俺の肩をゆする。

「なんでですかー。一緒に遊びにいきますよー。一人で行くのはだーめーでーすー。」


俺は困った顔をしながら説得を試みる 。

「あのな、男はいろいろエッチ成分が必要なんだけど、君達が一緒だとそうもいかないだろ。だからちょっとエッチなお店とか行って、イロイロやらないといけないんだよ。だからついてこないでほしいのさ。OK?」


友美はまったく俺の肩をゆする手を緩めず

「エッチなこと程度は我慢すればいいじゃないですか。私と遊ぶのが優先です。あーそーぼーよー。」

「そんなご無体な。俺にエッチな遊びをさせておくんなまし。」


友美は納得いかないそぶりで、さらに駄々をこねる

「嫌ですよお、じゃあ私もお店の前まで行きますから、そのあと遊びに行きましょうよ。」


おいおい・・・・

すると、金子が申し訳なさそうな顔をしながら話に割って入ってきた。

「イケメンマスター・・・お話中申し訳ないんですが・・・その・・・お客さんがお待ちです。」

「お客さん?」


俺が振り返って出口のほうを向くと、奥多摩でお世話になった田島房代さんが立っていた。

「あう!房代さん・・・、あ、今の会話、どこから聞いてました?。」


房代さんは困った表情で苦笑いを見せる。

「ドアの外からですが、『俺は教主になる気はない・・・』のあたりからでしょうか。後ろから聞いていてしまってすいません。ですが、イケメンマスターのお話を聞いて安心しました。」


俺は狼狽しつつ、房代さんのほうを向く。

「ええええ、いまの恥ずかしい会話の中で、どこに安心材料が?むしろ不安材料しかないエロ方向の会話だった気がするんですが。」


房代さんはニコリ微笑むと

「いえ、正直言いますと、友美さまにやらしい事をしている可能性も考えていました。ですがエッチなお店に行きたいということは、友美さまには手を出す気がないということですよね。イケメンマスターの良識が感じられて安心しました。」


「お、お恥ずかしい限りです」

おれは、久しぶりに顔が赤くなるのを感じた。

は、はずかしい。

椅子の下にもぐりこんで隠れたい気分だ。


そこで友美が不思議そうな顔で話に割って入ってきた。

「あれ、房代さんもこっちに異動ですか?。」

房代さんは友美に近づくと

「ええ、もうあのセーフハウスは廃棄ですから。その後処理が終わりましたのでこちらに来ました。」


そういうと、房代さんは暴れて少し乱れた友美の髪の毛を手でなでて直す。

すると、友美は何ともいえないイタズラを思いついたようなニターとした笑いをした。

そしてコッチをみる。

すぐに房代さんのほうを向き、またコッチを見る。


なに、いまの友美の悪い顔は。


友美は房代さんに言った。

「エッチなお店とかに行きたがる男をどう思います。」


この娘、なに言い出すの!

おれは慌てて友美の口をふさいで抱き寄せる。

「と、友美さん、もうその話は一旦やめようね。ほらアレがアレだから。あ、そうそう、芽衣さん、房代さんにもコーヒーを入れてあげてください。あははは。」


俺はこういう時のごまかし方を知らない自分を再認識した。

その様子をクスリと笑いながら見ている房代さんに、恥ずかしくて顔を向けられない気分だ。



お読みくださりありがとうございます。

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