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その29 美少女の友情は何色か?

次の日、朝のホテルの食堂で金子が待っていた。

金子はあの後に歌田芽衣から事情を聞いたという事で、俺に報告してくれるために。


「Vさん、あれはヤバイですわ。あの娘が逃げ出したっていうスーパーエスパー研究所ですが、俺らの情報網にも無い研究です。そういうのは大抵は大国のおかかえ秘密研究所ですわ。そこが殺処分しようってことは、意地でも殺しに来ますよ。はやく放出したほうが良いですよ。」


なるほど、しかし俺は冷静に

「うーん、そのスーパーエスパー研究所は研究所名があまりにしょぼいな。タブン彼女が嘘の研究所を言っていると思う。研究所名で探さずに、あのくらいのエスパーを作る技術力と殺処分にする冷酷さを持った研究でさがしてみてくれ。日本国内にそんな研究所がそれほどあるとは思えないから、すぐ見つかるんじゃないかな。」


すると金子は、不思議そうな顔をして

「どうして研究所名が嘘だって分かるんすか?でもって研究所はあるってところは嘘とは思わんっていうのは何でですか?。」


「気絶から目を覚まして、咄嗟に言った言葉だから研究所は本当だろう。だがそのあと、冷静になってから言った事は嘘だな。考えてからいったからタブン歌田芽衣って名前も嘘の可能性がある、そのくらい信じないで考えたほうが良いだろうね。逃亡者は無駄に嘘をつくものさ。まして俺たちが味方の保障はまだ全く無いわけだし。」


金子は感心した顔で頷く。

「ほんま、Vさんは素人さんとは思えんですな。わかりました、その切り口で再度情報調査を依頼してきます。」

そういうと、金子は自室に帰っていった。


そこで、金子と入れ替わるように歌田芽衣を起こしに行った友美が、芽衣と二人で食堂に来た。

朝のホテルは、バイキング形式と相場が決まっている。

入ってくるなり、友美と芽衣は同じ反応をした。


「「わあ、美味しそうな食べ物がいっぱい」」


ハモるなよ・・・

友美は俺に小走りで近づいてくると

「ここの食事は、もしやバイキング形式ですか?もしかして好きなだけ食べてもいいアレですか?!。わたし憧れていたんです!」

目が飛び出しそうなほど必死にきいてきた。

ちょっと引いた俺は、動揺しながら頷いた。


すると、後ろから芽衣が

「え?これを好きなだけ食べていいんですか?ここではどんな罠に気をつけたら良いですか?。こんな天国があるわけないですよ。罠がありますよね絶対!」


なんだこいつらは。

俺は呆れて

「そう、バイキング形式だ。好きなだけ食べて良いよ。罠があるとしたら、お皿に盛った物は、元の場所に戻してはいけないし全部食べないといけないって言う掟があることくらいだ。」


友美と芽衣は手を取り合って

「まじ?」「まじだよ、食べ放題だよ!」

と喜んでいる。


俺は二人に

「お腹すいてるなら、はやく食べ物とっておいで。走っちゃダメだし、テーブルに持ってくるまで食べちゃダメだぞ。」

ふたりは目をキラキラさせながら

「はーい」

と元気な子供のような返事をして、走らないように妙な早歩き状態で食事を取りに行く。


なんか友美が細胞分裂して、ふたりに増えたような光景だった。


そこで、金子が戻ってきた。

「イケメンマスター、どんぴしゃですわ。イケメンマスターの言うとおり、条件を満たす研究所がありましたよ。研究所の場所も浦安に有ってここから2km程度です。」


「やっぱり・・・・。でその研究所はどこなの?。」

「なんと、裏の世界では名の知れた人体研究のトップ。国持兵団研究所です。」


「なんだって!」


「知ってはるんですか?」

「ごめん、全然知らない。そこはどういう研究所?。」

「ボケも一流ですな。そこは細胞操作やら脳操作やらの権威で、実質世界一らしいです。非人道的な実験とかも行うんで表に発表できないらいしいですが。」


「そうか・・・・そこでの最近の動きとか、後援者とか、そこの敵とか、細かく調べてもらえるかな。」

「わかりました。芽衣ちゃんのようなエスパーを欲しがるやつがバックに居ないかも含めて、調べてみますわ。」

「よろしくたのむ。」


そこに友美と芽衣が、両手にてんこ盛りに料理を入れた皿を持って戻ってきた。

友美は金子を見ると不機嫌な顔をしたが俺は

「もっと取りに行くんだろ、金子がお皿持ちを手伝ってくれるから、もっと持ってきなよ。」


持っていたお皿をテーブルに置くと友美はぷいっとしつつ

「そ、それじゃあしょうがないですね。金子、食事の用意を手伝いなさい。」


そういわれて金子は

「喜んでお供させていただきます、お姫様。」

三人は、再び食事を取りに向かった。


---

数分後

俺は金子に言った

「俺は友美と互角の速度で食事をするのは、アマゾンのピラニアだけかと思っていたよ。」


金子も信じられないという顔で頷く。

「自分もですわ。この芽衣っちゅう娘は凄いですな。友美様にまけていませんよ。」


そう、友美と芽衣は俺たちの前で、凄まじいフードファイトを見せてくれた。

二人の横には、なにかの冗談みたいにお皿が13枚ずつ積んである。

この計26枚の皿にはどれも山盛りに料理が載っていたのに、5分ほどでなくなた。


おれは、芽衣をマジマジ見た。

「芽衣ちゃん、食べるの早いね」


そういうと芽衣は、お腹をパンパン叩きながら

「当然ですよ、襲撃は食事のときにも来るから、早めに食べないとですよ。」

すると友美が嬉しそうに芽衣を指差しながら笑った。

「だよね!」

なんか、友美が楽しそうだな・・・


いいねえ、楽しそうな友美を離れてみるのは新鮮だ。

紳士的な温かい目で二人を見ていること数分。

すると友美の口から、もっとも恐れていた言葉が唐突に出た。


「ねえVさん、芽衣を助けてあげられないかな・・・。」


俺が口を開く前に、金子が慌てて言った。

「なにいうてますの、無理に決まってるでしょ。友美様だって危険な中にいるんですよ。なのに好き好んで他人の危険に顔突っ込むなんて、そりゃ無いですわ。むり無理ムリ。」


友美は金子を睨みながら

「あなたには聞いていません!芽衣の話を聞いてて思いました。芽衣は私と同じタイプの人間です。助けたいんです!。」


だが金子は声を荒げて

「我侭をいうてもらっては困ります。俺らは友美様をまもるために使う命はあっても、こんなよく分からん小娘を守るために捨てる命はありません。部下の命だって無駄に使えんのです。」


金子の後ろで、他の護衛チームが金子の意見に頷いてる。


そこで芽衣が、申し訳なさそうに割りこんできた。

「友美っち、もう良いよ。わたしと関わったら友美っちも殺されちゃうもん。助けてもらって、美味しいご飯をお腹いっぱい食べさせてもらえて、わたしはこれで充分だから。」


だが友美は芽衣の肩を掴み

「ダメだよ!誰も助けてくれなかった殺されちゃうよ!。そんなの嫌だよ!」


ここで金子が割って入ってきた。

「じゃあ俺らは殺されても良いって言うんでしょうかね。もうすこし考えてから言ってもらわな困ります。イケメンマスターもそう思いますやろ。」


そこで友美と金子は俺を見る。

わざわざ俺を『Vさん』ではなく『イケメンマスター』と呼んだのは、暗に俺がココの司令塔だという事を含んでいるんだろう。


しかし、その一言に芽衣は興味を持った。


「あの、イケメンマスターって・・・Vさんの事ですか。えええ・・・、それはイジメで言ってるんですか?。Vさんがイケメンって、それはちょっと無いですよ。・・・あ、でもそのへんのイケメンなんかよりも、Vさんの方が好きですよ。」


俺は気まずい気持ちにいなってしまた。イケメンマスターを笑われたこともそうだが、Vさん好きってちょっと・・・照れますがな。

「イケメンマスターの話はさ、まああとで友美に聞いておいてよ。今は芽衣ちゃんを助けるかどうかだけど・・・・」


三人が俺をぐっとみる。


後ろの護衛チームも緊張している。

俺は一拍おいて。


「ここで助けなかったら友美の心にまた傷を増やしちまう。おれが友美を守るために芽衣もついでに守ってやるよ。」


友美はよろこんで俺に抱きついてきた。

「やほぉぉい!さすがVさんです!Vさんなら必ず助けてくれると信じていました。」


金子は納得行かないという顔をしながら

「・・・しょうがないですな。Vさんは、変なところが先代のイケメンマスターに良く似てますわ。しゃあないですな、命賭けますわ。」

そう言って天井を見上げた。


だが俺は金子に言った。

「安心してくれ、俺は君達を犠牲にしてまで守るとは言ってい無い。俺と友美で守るつもりだ。そのためには友美にも辛い思いをしてもらうかもしれない。友美、それでいいか?」


金子は「え?」という顔をした。


だが俺は友美をみつめた。

友美は真面目な顔になり

「わかりました。私が言ったんですもの、責任とって誰も犠牲にしないように、私とVさんで守ります!。」


友美にしがみつくように芽衣は友美を見てなきそうな顔をしている。

「な、なんで助けてくれるの。危ないんだよ。友美っちも殺されるかもしれないんだよ。なんで昨日あったばっかりの私を助けてくれようとするの?。」


友美はなぜか偉そうに

「それを言ったら、Vさんなんてもっと凄いんだよ。私が追われてる時、はじめてあった私を助けるために命を賭けてくれたんだから。つまりそういうことだよ。」


金子がびしっと突っ込む

「そういうことって、どういうことやねん。」


友美を見ていると、いままではどうにも嫌な色のイメージが強かった。

悲劇の灰色や血のどす黒い色しか連想できなかった。


しかし、芽衣が現れて、初めて友美におんなのこっぽい、明るい色を運んでくれた気がする。

この色を俺に見せてくれた代金として、まあ芽衣の命を助けてやるかね。


そんな事を考えた俺だった。

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