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その23 私たち二人だけで居たいんです

さて眠るかと思ったが、いま予約しているホテルに泊まるのは危険だろう。

だが友美はすでに眠たそうにフラフラ歩いている。

おそらく、今日は朝から動き回っていたんで疲れているのだろう。


しょうがない、予約無しで男女で泊まるのは、ラブホテルくらいだ。

うんしょうがない。


だが・・・・さすがにこの少女を連れて入ると、ちょっと犯罪的なキモチになるなあ。

いや、今はそんなことは言ってられない。

友美が足手まといにならないように、今日はしっかりとベットで寝かせておかないと。


俺たちは、適当なラブホテルを選んで入ると、まずは友美をベッドに放り投げる。

その瞬間、友美は一瞬で寝息をかき始めた。

素早く食い、素早く寝る。

修羅場を生き抜いた習慣なんだろう。


俺も眠かったが、先にやる事がある。

今日秋葉原で買ったモノを確認しないと。

そして寝息を立てる友美の横でゴソゴソくだらない道具を吟味し始めた。


---


気が付くと俺はベットで寝ていた。

いつの間に眠ったのだろう?

机の上には完成したアイテムがおいてある。

一応やることはやって眠ったみたいだな。

まあ一応安心だと思った。


浴室からシャワーの音が聞こえる。そして友美の姿が見えない。

そっか、俺が寝てる間に目が覚めてシャワーを浴びてるのか・・・。

そう考えながらもう一度目を閉じた。

そのあと何分経ったかわからないが、友美が俺をゆすってた。

はっとして目を覚まし飛び起きると、となりで友美はちょこんと座っている。



少し緊張したが、どうやら緊急事態で俺を起こしたのではないようだ。

俺はもう一度寝転がりながら友美に言った。


「目が覚めたか?どうしたよ、退屈だったの?」

すると友美は

「はい。退屈だったからVさんとお話がしたかったので起こしちゃいました。」

可愛い理由だなこのやろう、迷惑な話だけど。


まあしょうがない。

「そう。で、なんの話がしたいの?」

すると友美は困った顔をして、逆に聞き返してきた。

「えっと・・・・何のお話がしたいですか?」

おいおい。

可愛いけど、それはないでしょ。


だが丁度いいので俺は質問した。

「そうだ、イケメンスイッチのスイッチっていくつもあるだろ。俺は青とオレンジと黄色の面のスイッチしか知らないからさ。他の面のスイッチの特性も教えて。」


すると友美は急に偉そうに胸を張った。

「なるほど。知りたいなら教えましょう。

青は{意識できる範囲}で目で見える範囲なら好きに狙えます。

オレンジは{囲いの範囲}家の中とか車の中とか公園の中みたいな狭い範囲で有効です。

黄色は{地域の範囲}村とか山とかそういう広い範囲で有効です。ここまでは知って居ますよね。」

「そう、そこまではね」


「では次に使うのが緑ですね、これは{イメージの範囲}です。名前しか知らないとか、このゴミを落とした奴・・・みたいなアバウトな指定で爆破できます」

「そ、それは凄いな」


「ですが、指定がアバウトなんで誤爆も結構あるんですよ。まあ相手の顔を知っていればだいたい誤爆しませんけど」

「なるほど・・・。」


「次に赤面。これは{強い一点}です。近くにいなくても狙えますが、顔を知ってる一人しか狙えません。ですが爆発力が凄いです。一回でビルを粉々にしてクレーターを作るほどの威力です。」

「むむ、強力だな。」


「そして最後に白面は{キャンセル}です。事前にこのスイッチでキャンセルのバリアで包んでおけば、その人はスイッチの影響を受けないんです。数秒から数分の持続時間です」


「それは便利そうだ。それなら味方のイケメンだけスイッチから守る事も出来るな。」


「はいそうなんですよ。面白いでしょ。」

俺は、戦略の幅が広がるのを感じた。


「あ、そうだ全然ちがう質問をしていい?」

「もちろんです、何でもどうぞ!!!」


「友美ちゃんはさ、何か俺以外の人をすぐに追い払おうとするけど何で?」

すると友美は一瞬表情を曇らしながらもニッコリ笑う。


「誰も信じられないからです。イケメンスイッチは人の裏切りを生みます。ですから、もう誰も信じないで一人で生きようと決めたんです。今日だって神埼が裏切ったでしょ。もしも神埼に心を開いていたら死んでるところでしたよ。」


俺は少し疑問がわいた

「誰も信じないなんて…疲れるんじゃないのかな。っていうか、なんか俺の事は信じてるよね。」


すると友美は、はにかむ表情をする。

「賭けです。確かに私は一人に疲れたんです。そんなときにVさんが現れました。ですから賭けたんです、Vさんに。いまのところ私の賭けは勝ちみたい。だってVさんは私の味方で居てくれていますもの。」


思ったよりも深い理由はなさそうだ。

全ては人間不信と、直感による俺への甘えなのだろうと判断した。

すると友美は俺の横に寝転がり言った。


「もういっそ、二人だけでどこまでも行きましょうよ。誰も要らないし誰も信じない。私たち二人だけで居たいんです」


友美は俺の腕を抱きしめ、腕に顔をうずめる。


そんな友美の頭を見ながら俺は、自分でも信じられない事を密かに心に誓った。

俺がこの娘を守る、そして俺がこの娘に愛情を注ぐ。

この娘が俺を呼ぶ限り、俺はこの娘のそばに居よう。

友のように、兄のように、父のように、騎士のように・・・・


俺は優しく友美の頭を抱きしめて言った。

「わかった、俺は約束するよ。友美ちゃんが望む限り、たとえ一生でも友美ちゃんのそばで友美ちゃんと共に進むよ。友美ちゃんが望むなら俺の一生をあげるよ。」

友美は驚いた顔で起き上がると俺をマジマジと見た。そして言った。

「やっぱりVさんは最高です、わたしに忠誠を誓っう人は居ましたが、一生をくれるなんて言ってくれたのはお父ちゃまだけですもの。嬉しいです。もう絶対一生一緒にいましょうね!」

そういうと再び俺の腕に顔をうずめた。


俺は今の言葉を、ちょっと後悔した。だが訂正する雰囲気ではなくなったので、イロイロ諦めた。



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