その39 未来を変える力
シャンバラ様に腕をつかまれると、ダラーインは目をむいて怯えた表情で、そばの建物の柱に捕まって悲鳴を上げた。
「ぎゃあああ、シャンバラー!」
シャンバラ様につかまれて、ダラーインの全身についた無数の目が、少しずつ消えていってる。
よく見ると、ダラーンは少しずつ小さくなってきているみたい。
そこで、見下ろすようにシャンバラ様はダラーインに言った。
「わらわは世界の壁を越えられること、忘れておったか。わらわに挑みしおろかさを悔いて死するが良い。うぬの力は我が吸い込んで食ろうてやろう。」
みるみるダラーインは悲鳴を上げながら小さくなっていく。
50メートルくらいあった体が、いまは5メートルくらいになっちゃった。
そこでダラーインは左手で落ちた槍を掴み、必死で自分の右腕を切り落とした。
腕が切れると、ダラーインはごろごろと前に転び、無様にへばる。
するとVっちはさらにポケットからスイッチを出したんだ。
それを友美っちに渡すと叫んだ。
「スマートスイッチが艶女スイッチの中で白面を発動した。つまり他の5次元人の世界で5次元人の力が発動しないというルールは、スイッチを介すことで『発動できる』というルールの穴がある事がわかった。つまりこのツワモノスイッチの中でシャンバラ様の全力の力をダラーインに叩きつけることは、イケメンスイッチを使えば可能だ。これが俺の最後の切り札だ。友美、6面だ!。」
Vっちはイケメンスイッチを友美っちになげた。
ダラーインは立ち上がって阻止しようとしたが、1000人の一斉攻撃に足止めされる。
友美っちは3秒程度で、6面そろえてしまった。
6面そろえたスイッチは光だし、六面すべてからスイッチがニューっとでた。
スイッチの角を持って友美っちはイケメンスイッチをVっちに渡そうとした。
だがVっちは黙って武玄さんを指差した。
「爺ちゃん、クソスイッチにケジメつけるんだろ、6面スイッチ押しは、じいちゃんに任せるよ。」
「おめえ、最後の花は俺におくるってか。小憎いことしてくれやがるぜ。」
Vっちは全員に叫んだ。
「男は全員壁を越えて艶女スイッチに移動しろ、走れ!白面スイッチがみんなに効かなかったのだから、スイッチは次元の壁を越えてまでは影響しないはずだ。全員異次元(別のスイッチ)の壁を越えろ。」
そして、それを見届けて友美っちは武玄さんにスイッチを渡した。
「御爺ちゃま、私はお爺ちゃまにスイッチを合わせるために生まれたはずだったのに、一生その役目をおえないのかと思っていました。これでなんかスッキリしました。」
私やエスパー部隊も、みんなを次元の壁を越えるまで押し込んで、艶女スイッチに避難したよ。
本当は一緒に戦いたかったけど、みんなだけ艶女スイッチに押し込んだら、ウズオズメちゃんが箱庭で遊んじゃうかもしれないから、みんなを守る為に一緒に艶女スイッチに入ったんだ。
Vっちと冬姉は小さくなったダラーインをたこ殴りにして時間を稼いでいたんだけど、全員が避難したのを確認すると、武玄さんの後ろに走っていったよ。
Vっちが友美っちを抱きしめて叫んだんだ。
「ダラーイン、俺達を殺そうとしたことを後悔しろ。そしておもい知れ!これが俺たち虫けらの意地だ!。これがイケメンマスターの力だ!。」
武玄さんは、一回スイッチを空中にクルクル投げると、両手でくるむようにキャッチして、6っ個のスイッチを同時に押した。
「しねや、クソスイッチ!」
カチカチカチカチカチカチ
次の瞬間、ダラーインの体がボコボコ膨らんでいく。
「u...pu....」
ダラーインはそこまで言うと、必死に左手で口を押さえた。
あれ、もしかするとアレを言わなければ防御できるって事?。
だけど友美っちが如意棒を伸ばして勢いよく、ダラーインの腕に打ちつけた。
「お爺ちゃまを殺し、Vちゃままで殺そうとしたんだ!許さないんだから!。」
如意棒は、弱ったダラーインの首を少しだけ曲げさせた。
その瞬間、手がずれてしまい、言葉が漏れる。
「...pu...i」
ダラーインの綺麗なシルエットの体は、大きく膨れ・・・・爆発した。
大爆発・・・すると思ったら意外にしょぼい爆発だった。
バン!
粉々に砕け散り、消えた。
すると別の壁がパリンと割れて、その奥に女性の上半身に蛇の下半身の巨大な女性が現れた。
その女性は、尻尾の先を磨きながらVっち達を見つめる。
「われらを滅ぼししライテの王が、まさか3次元人に一方的に殺されるとは複雑な気持ちさね。さすがにシャンバラー様に気に入られるだけあって、イケメンマスターは恐ろしいねえ。そうそうシャンバラー様、協力したんだから約束どおり私の事はもう壁に近づいても殺さないでおくれよ。」
割れた壁の向こうにい居るシャンバラ様は面倒くさそうにうなずいた。
私達の後ろから、ウズオズメちゃんも叫んだ。
「本当にまるで遊ばれるようにダラーインが3次元人に殺されて恐ろしいことです。それとシャンバラー様、私も協力したんですから、もう襲って食べようとしないでくださいね。」
それにも気だるくうなずいた。
スイッチの住人達がなぜ壁から離れて暮らしていたのか?
ここでやっと私もその理由が分かった気がしたよ。
次元の壁を越えて他の5次元人を食べるシャンバラ様が怖かったからなんだ・・・。
他のスイッチから恐れられるシャンバラー様って、凄いなあ。
その直後、ツワモノスイッチの世界が崩れだした。
Vっちは友美っちを抱えて逃げようとしする。
でもそのときシャンバラ様が、面倒くさそうに言ったんだ。
「逃げるでないV。空のスイッチは人の欲望をかなえる箱である。スイッチの住人を殺した者は、好きな願いをかなえられれるであろう。」
「マジっすか!」
絶叫したVっち。
次の瞬間・・・・
崩れたツワモノスイッチの世界が、急激に少女趣味の姿に変わっていったんだ。
いや、これは少女趣味って言うより・・・・ゴスロリ?
少女っぽいアイテムが、黒色だったり髑髏だったりしていた。
その世界で、Vっちと武玄さんと友美っちは世界の形成を眺めていた。
すると、ゴスロリ風のベッドが現れて、その上に巨大なで黒髪縦ロールでゴスロリな少女が現れた。
その少女は現れると友美っちを手に乗せた。。
「おほほほあなたが友美ね。ダラーインにトドメを刺したあなたの願いによって私は来てあげたんだからね。私はアマタカの王女、テラマアサ。あなたの潜在的な願いに応えて私は現れたのよ。あらゆる恋愛の奇跡を起すスイッチ。いうなれば私はヤンデレスイッチといったとこかしら。おほほほほほ。」
シャンバラ様はそれを見届けて、ぱりぱりと壁が直る後ろで言ったんだ。
「人の心の欲望を勝手に具現化するのがスイッチ。昔の連中は人を殺すことばかり望んでおったので、人を殺すスイッチが多く生まれたが、今の人間は裕福ゆえくだらぬスイッチ生み出すものであるな」
そう言い終わるの同時に、シャンバラ様の開けた壁の穴はふさがってシャンバラ様は見えなくなった。
蛇みたいな女性も
「まったくさね・・・でもまあ私はこういうスイッチは嫌いではないけどさ。」
そういうと、その壁もまたパリパリとふさがった。
こうしてヤンデレマスター友美っちが誕生したんだ。




