その38 作戦の結末
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校庭では、多くの生徒が疲れて座り込んでいた。
嵐のよううな戦いだった。
イキナリ現れた悪魔のような武義、とそれと戦う戦士たち。
武義を倒したと思ったらVが殺され、それにより芽衣が魔王化した。
その芽衣を倒すためにまた戦いが始まったが、唐突に夏子によって戦いは終了する。
多くの生徒が、頭の中で今日の戦いの整理が出来ていない。
そんな疲れて校庭で、座り込んで居る生徒は、今は全員無言で通信機に耳を傾けていた。
急にVの声で通信が入って来たからだ。
しかし、一瞬嬉しそうな顔をした生徒達は、通信機に耳を傾けながら暗い表情になっていく。
大黒雅人は、切れた腕をかばいながら悔しがる。
「くそ、俺達は結局Vさんに騙されて利用されたんだ、ぶっ殺してやる!。」
荒川餡も地面を殴って叫ぶ。
「V兄さん許せないよ、僕達は使い捨ての道具じゃない。許せないよ!。」
美羅も怒っていた。
「Vお兄様を見損ないましたわ、必ず叩き潰してやりますの。」
しかも何故か夏子や矛美までVに恨み言を言う。
そんな中、ツワモノスイッチを握り締め冬美は険しい顔で言うのだった。
「Vさん・・・私を騙して利用するなんて・・・信じていたのに。必ず私が殺してやる。」
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私は歌田芽衣
自由にセクシーボディーになれるけど、普段は地味キャラのエスパーだよ。
ま、いまはハイパーなセクシーボディーがプリンプリンなのですよ。
せっかくこのボディーをVっちに見せ付けているのに、Vっちは顔を腫らして泣いているから、全然見てくれないよ。
ちょっとみんなで殴りすぎちゃったかも・・・・。
さっきは私に向かって「セクシー芽衣の攻撃が一番ヤバかった。危うくココで死ぬところだったよ」ってVっちが文句言ったよ。
ごめん・・・でもVっちが悪いんだからね。
腫れたVっちの顔を、友美っちがさすって「痛いの痛いの飛んでけ!」ってやってる。
スイッチマスターだから、すぐに治ると思うけど、Vっちごめん、ホントちょっとやりすぎた。
Vっちは友美っちをマジマジと見つめる。
「なあ、今思ったんだけど女の子って良い匂いがするっていう都市伝説があるけどさ、友美って良い匂いがしていたことって無いよね。」
友美っちはビクっとして自分の匂いをかいでる。
そして悲しそうな顔をしていった。
「ほんとうだ・・・・わたし血の匂いしかしない・・・。」
「友美ってシャンプーとかは何使ってるのさ?。」
「・・・・つかってないよ。お湯に入ってでてくるだけ。」
私は慌てて話に割りこんだ。
「Vっち、友美っちは勘違いしているんだよ。ちゃんと私がいつも頭も洗ってるし、体も石鹸で洗ってあげているから。」
Vっちはあきれた顔をした。
「友美ちゃん、君は冬美を笑えないな。ちゃんと自分で体洗ったり、シャンプーとトリートメントを使えるようになりなさい。ねえ芽衣。」
私は焦っちゃったよ。
「ト、トリートメントって何?」
「え、芽衣はトリートメント知らないの?。」
「だ、だって誰も教えてくれないから・・・・。」
「マジか・・・・そういえば二人とも女の子らしい生活をしてこなかったもんな。」
友美っちは甘えるようにVっちにつかまる。
「じゃあ、Vちゃまも今度いっしょに入って教えてよ。」
「と、友美さん、それはかなりハードル高いよ。市杵にでも教えてもらいなさいよ。」
「やーだー。5才の子に教わるなんて、いーやーだー。」
「なんだかな・・・。」
Vっちは腕を組んで困った顔をする。
あ、よく見るともう腫れが引いてるじゃん。
スイッチマスターの回復力って、やっぱりすごいね。
ギャグマンガの登場人物級の回復力だよ。
Vっちは立ち上がるとみんなを見る。
「これから俺達は神を殺す。その代償がどれだけ大きいかは想像も出来ない。だがやるしかない。俺達のやることは一つ。ツワモノスイッチの住人であるダラーインをツワモノスイッチの中の壁まで押し込むことだ。」
そこで友美っちが聞いたよ。
「壁まで押し込んでどうするんですか?。」
「壁まで押し込むだけだ。そうしたら神殺しの切り札が発動する。みんな一度はスイッチの住人の玉座を見たことがあると思うけど、どの玉座も神殿の中央にあっただろ。それは壁に近寄ると危ないからだ。俺達はとにかく壁まで押し込むだけだ。」
大黒玄太は納得いかなそうに言ったよ。
「なんで壁まで行くと危ないんだい?それだけで勝てるという理由も納得いかないんだけど。」
「それは・・・・」
Vっちが説明しようとしたら、急に艶女スイッチの壁が割れた。
パリンとまるでガラスが割れるみたいに。
私達は全員割れた壁を見る。
するとその割れた壁の奥には、槍を持った全身に目玉がついているけど、綺麗なシルエットをした男性が立っていた。
よく見ると・・・やはりかなり巨大だ。
その男性を見るなり、巨大な少女のウズオズメは言った。
「あれはダラーインです。あいつが先手を打って攻めて来ました。」
よくみるとダラーインの足元には大量の人影が見えた。
小さい影だが、ダラーイン大きさから判断して、おそらく普通の人間くらいの大きさの影だったよ。
かなりにの人数が居る。
よく見ると、その小さい人影は見覚えの有る姿ばかりだった。
芽守学園のみんなだった。
なんで・・・みんながそこに?
するとダラーインが大きな声でこちらに話しかけてきた。
「おぬしら、我に歯向かうつもりだろうが、我にも手駒がおるぞ。この者たちはみなイケメンマスターを恨みし者、だまし討ちで命をかけさせられて、怒れし者どもだ。この者どもはイケメンマスターに復讐するために我に血を奉げたぞ。この者共に阻まれて我にたどり着くことが出来るか?。虫けらは虫けらに阻まれとよい。」
よく見ると、全員が気念砲を装備している。
決戦直前にVっちが出来るだけみんなに気念砲を与えたのが裏目に出たか・・・。
しかもその一番先頭に出てきた人物がタチが悪いよ。
矛美さん、夏子さん、餡ちゃん、美羅ちゃん、房代さん、金子。雅人、・・・・それに、冬美姉。
最悪だ・・・。
Vっちの計画に踊らされたことに気づいたみんなが、Vっちに復讐に来たんだ。
まさかこんなところで計画が裏目に出るなんて。
おそらく、ダラーインの足元に居る人数は1000人くらい居るように見える。
するとVっちはユックリ前にでる。
ツワモノスイッチと艶女スイッチの境界線ギリギリまで進むと腕を組んでダラーインを睨む。
「ダラーイン、やってくれたな。みんなをご丁寧にそそのかしてくれたのか?。」
ダラーインは槍をこちらへ向けながら言った。
「そそのかしたのではない。おぬしへの恨みの心に手を貸してやったまでよ。虫けら共の恨みはおろかで実に愉快だ。」
Vっちは厳しい顔で叫んだ。
「おい、今お前のスイッチの周りを、この艶女スイッチのほかにも、オトメスイッチ、スマートスイッチ、イケメンスイッチが囲んでいる。だからお前は今居るその生徒達をスイッチの外に出したくても、他のスイッチの干渉のせいで放り出すことは出来ないぞ。」
「それがどうした!。」
「そしてお前は大事な事を忘れている、スイッチの住人はスイッチマスターを殺せない。だがマスターが望めばその力は住人の意思を無視して引き出される。」
「それがどうした!。」
「つまり、お前は・・・お前では殺すことが出来ない虫けらの敵を1000人も引き入れてしまったって事だ。しかもそいつらが戦えば戦うほどお前の力も吸い出されて本体のお前の力は弱くなる!。」
Vっちがそう言うと、ダラーインの足元に居た連中が、一斉に振り返ってダラーインに気念砲を打ち出した。
そこで武玄おじいちゃんが叫ぶ。
「てめえら、自分の体を無限のエネルギーを吸い出すストローだと思いやがれ。自分の力じゃなくて自分がつながる巨大な力を無限に打ち出すんだ。」
ダラーインは絶叫した。
「お前たち、我を騙したな!」
Vっちはニヒルに微笑んだ。
「シャンバラ様は嘘がつけないらしいが、お前は嘘がつけるんだな。だからお前を騙すことにしたのさ。騙すのが得意なやつは、騙されたフリをすると驚くほど簡単に騙される。昔対麻薬部隊にいた頃は、この手で敵を良くハメたものさ。お前は自分の力を削る敵を1000人も招き入れたんだ。これでお前は何割かは力を失ったな。」
「ばかな・・・・我がたばかられたと言うのか?」
「5次元人は未来が見られるし過去も自由にいじれる。だから見えないものに対する予想力というものが欠如している。
だが自分のスイッチマスターには手が出せないルールのせいで、スイッチマスターにした後の過去や未来の操作はできないだろう?。
こんなにみんなが俺を恨んでいるわけ無いだろうに、そんな事も予想できなかったお前の負けだ。
お前を騙す演技をして、スイッチの戦いに参加するように最後の指示を出してあったんだよ。
散々団体戦を経験した彼らは、すぐに自分の役割を理解して動いてくれた。これで終わりだな、ダラーイン。」
そこにVっちはスイッチをポケットから出した。
わたしは思わず聞いちゃったよ・
「Vっち、スイッチってスイッチの中に持ってこれるの?。」
「ああ、爺ちゃんがオトメスイッチとスマートスイッチをイケメンスイッチの中に持ち込んでいたから気づいたんだ。スイッチは自分の中に自分のスイッチを持ちこめないのは当然だけど、他のスイッチの中にならスイッチで入れるんだ。」
そこでダラーインは叫んだ。
「だが、5次元人は、ほかの5次元人の支配する世界には入れないし、力も及ぼせない。我を倒すことは出来ないぞ。我の世界に入ったときが、お前たちの最後だ。」
Vっちは鼻で笑った。
「ああ、お前の世界に入った瞬間、ツワモノマスターでは無い俺達はお前に軽々殺されるだろうな。だから俺はこのこのスイッチと玄太君のコンビが必要だったんだ。友美、このスイッチを白面セットして玄太君に渡せ!。」
友美っちは受け取ると、すぐにポンとスイッチを玄太に投げた。
玄太がスイッチを受け取ると・・・もう白面が揃っていてスイッチが出ている。
は・・・速すぎる!
そしてVっちは言った。
「玄太君、白面のキャンセルスイッチはスイッチの力・・・つまり5次元人の力を無効化するのは聞いてるだろ。だからそのスマートスイッチでキャンセルをかけてくれ。」
玄太は驚いた。
「え、これはスマートスイッチだったの?」
「ああ、だからわざわざオトメスイッチを通ってもってきたんだ。他のスイッチじゃスイッチのキャンセルを掛けられる対象がイケメンだけだったり乙女だけだったりと制限があるけど、スマートスイッチと玄太君のコンビなら全員に掛けられるからな。何分有効だ?。」
玄太はスイッチを構えていった。
「5分だ!スイッチを入れるよ!」
カチン
その場に居た全員が白い光に包まれた。
その光を確認すると、武玄さんが飛び出した。
「おっしゃあ、こうなっちまえば3次元人と5次元の差はデカさだけだ。勢いでに壁まで押し込むぞ!。」
飛び込みつつ、一気にジャンプしてダラーインのおなかに蹴りこむ。
「ぐああああ!。」
ダラーインは数歩下る。
いけそうじゃん!。
私たちも飛び出した。
エスパー部隊も全力攻撃!
「ぐああああああ!」
ダラーインは苦しみながらさらにさがる。
Vっちも手から閃光を打ち出した。
それを食らって、ダラーインはのけぞるようにさらにさがる。
福神七傑も攻撃して、ダラーインの持っていた槍を叩き落す。
莉奈さんは目とか鼻とかの嫌なところを狙撃して苦しめている。
よし、私だって。
一気に背に背負った連式の気念砲をジェットのように使って、ダラーインの眉間に全力パンチ!
打ち込むと、苦しそうにダラーインはさらにさがった。
そこで壁に背が触れた。
そこでVっちは叫んだ
「いまだ!ダラーインは壁際だ!。」
すると壁がパリンとガラスのように割れた。
そこから、巨大な腕が数本出てきて、ダラーインの右腕を後ろから掴んだ。
割れた壁から、巨大な6本腕の女性の姿が見える。
私ははじめて見たけど直感的に分かったよ。
シャンバラ様だ。




