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その34 魔王覚醒

『我に108億人の命をささげよ。さすれば人の一人くらいは生き返らせてやってもいいぞ。』


その声は、みんなにも聞こえていたみたいでその場の全員がビクリとした。

その声は、もう一度頭に響く。


『我に従ってみぬか。我に人の命を108億ささげれば、人の一人くらいは生き返らせてやってもいいぞ。このツワモノスイッチの力によってな』


私はツワモノスイッチを見た。

今、コイツが話しかけたの?

拾うとした。


カキン!


弾ける音がした瞬間、ツワモノスイッチが吹き飛ぶ。


すぐに校舎からライフルを構えた莉奈さんが叫んだ。

「そのスイッチを友美ちゃんや芽衣ちゃんに渡しては駄目。みんなでそのスイッチを守って!。」


足元にスイッチが転がってきた玄太はそれを拾って厳しい表情をした。

「なるほど、これさえ守ればKEYは成立しないんだな。おそらく魔王の正体はツワモノスイッに騙された芽衣ちゃんだ。このスイッチさえなければギリギリ本当の魔王にしないで済むかもしれない。

みんな、芽衣ちゃんを止めるんだ。芽衣ちゃんはまだ強化した自分の力に慣れていなしESP制御装置もついている状態だ!勝機はあるぞ。」


その言葉に反応して福神七傑が玄太の周りにフォーメーションを組む。

さらにエスパー部隊が私達を囲んだ。


そこに雅人が飛び込んできた。

「おいバカ女、俺が相手だ。同じ大黒憤怒態なら俺のほうがベテランだぞ。」


しかし雅人は私に届く前に、あっという間に私の羽の刃に右腕を切り落とされた。

「うぎゃああ、そんな馬鹿な・・・。」


「バカはお前だ。あたしのは憤怒態じゃない。怒りとESPの共鳴体だ、一緒にするな。邪魔をするなら消えろ。」

私は軽く手で払った。


すると衝撃波で雅人は校舎よりも高く吹き飛ぶ。

エスパー部隊がESPで雅人を空中キャッチして捕まえる。

すかさず、福神七傑が飛び込んできた。


玄太は叫ぶ。

「やはりまだ俺達の未来で見た魔王ほどの力は無い。福神七傑Bチームはスイッチを守れ。俺達Aチームで芽衣ちゃんを止めるぞ。」

「おお!」

玄太は素早くツワモノスイッチを後方の子供に渡して自分達は突っ込んできた。


吹き飛ばしてやる!。


私が手を突き出そうとすると、その腕に激痛が走って弾かれた。

莉奈さんの狙撃だ。


その隙に、玄太のラオウパンチが私に当たる。

全力でESP防御をしようとしたけど、玄太の威力が大きすぎて、ESP障壁が吹き飛ばされた。


そこで莉奈さんが通信機で叫ぶ。

「エスパー部隊は全員ESP抑制装置を外しなさい。体が大きくなって芽衣ちゃんは首にめり込んだESP抑制装置を外せないから、みんなで押え付けなさい。」

エスパー部隊は全員ESP抑制装置を外した。


くそ、抑制装置がついていたって負けないよ。

私はESPだけの女でいたくないから、いつも冬姉の練習を見て武道を盗んでたんだ。ESPが弱まったって負けないよ。


真正面からESP勝負はしない。

私は自分の体に風の共鳴力を作り出し、身を軽くする。


エスパー部隊が衝撃波で私を足止めする前に横に飛び出した。

ジュバババ

私の居た場所に、エスパー部隊の衝撃波が炸裂した。

でも私はもういない。


エスパー部隊の弱点はESPに頼りすぎていることだってVっちが言っていた。

肉体的には特別な強化をしていないから、こういうスピードにはついてこれないんだ。


ビュ

 ビュ


私の体は、怒り共鳴体の影響もあって、驚くほど速く動いたよ。


完全に私を見失った部隊から、手にした如意棒で吹き飛ばす。

「きゃああああ!。」

まるで木の葉のようだ、次々にESP部隊が軽々飛ぶよ。


あっというまにエスパー部隊を全員吹き飛ばした。


その私に玄太が飛び込んでくる。

遅いよ。


足をかけて転ばしてやった。


福神七傑の連中も飛び込んできたけど、ESPで足元を吹っ飛ばして転ばせた。


ESP抑制装置でESPが弱められているとはいえ、人を吹き飛ばす程度は軽々出来るパワーはあるんだ。


だれも私のスピードについてきていないよ。


そんな私にスピードでついてきたやつがいる。


美羅ちゃんだった。

「おほほほ、パワーは足りなくてもスピードには自信がありましてよ。」

いうなり、美羅ちゃんは私の足に抱きついた。


思わず私はゴロゴロ転ぶ。

すると、私の腕を動けないように固めたやつがいる。


荒川餡ちゃんだった。

「僕はパワーやスピードは足りないかもしれないけど、技には自信があってね。接近戦ではしつこくやらせてもらうよ。」

そう言いながら、私の両腕をがっちり足で固めた。


今の私は腕力だって相当強まっているはずなのに、綺麗に固められて動かない。

これが・・・・極め技の力なの?今度覚えてやる。


でも倒されて動けなくなった私は絶体絶命。

急いで背中の如意棒を広げようとした。


そのとき、その如意棒を無造作に誰かが紐のようなもので縛って封じた。

冬姉だ・・・・器用に如意棒をロープのように使ったな。

「ゆるせ妹同然の芽衣よ。今は冷静になるときだ。」


そこに玄太も近寄ってきた。

くそ、ここまでか。


すると友美っちが玄太の前に立ちはだかった。


「玄太、ツワモノスイッチをこちらにわたしなさい。108億の命をささげてVちゃまを生き返らせてもらいます。スイッチならできるかもしれない。」


玄太は足を止めて膝を突くと友美っちの目線で語りだした。

「友美ちゃん、一人を助ける為に地球を壊滅させる気かい?だまされちゃ駄目だ、V君はそんな事を望む男じゃない。」


それを聞いて友美っちは私のほうに走ってきた。

「お姉ちゃま、餡、美羅やめてよ。Vちゃまを生き返らそうよ。私はスイッチの力の恐ろしさを知っているから、あの力に掛けてみたいの。お願い!一緒にVちゃまを生き返らせよう。」


冬姉はそっと友美っちの肩に手を置く。

「私も悩む。だがVさんがどう考えるかを思うと、すぐには結論が出せない。Vさんは他人を犠牲にして自分が生き残ろうなどと思わない人だから。」


「でもそれはVちゃまの感情でしょ。私はVちゃまが居れば人類が滅んでもいいよ。お姉ちゃまだって、人類よりもVちゃまが大事でしょ。」

「Vさんが大事だからこそ、Vさんが望まないことはしたくない。だから悩んでいる。」


「もう!だったら結論が出るまでお姉ちゃまはどっか行っていてよ!邪魔しないで!。」


その言葉に、冬美姉は複雑な表情ををし、そっと私の拘束を解くと数歩離れてしまった。

冬姉も揺れているんだ。人類とVっちの命の重さをはかりにかけている。


次に友美っちはエスパー部隊に叫んだよ。

「あなたたち、いっしょにVちゃまに罰を与えるって約束したじゃない。生き返ってくれないと罰を与えられないよ。世界なんかよりVちゃまでしょ!。ツワモノスイッチを奪って世界を滅ぼしてVちゃまを生き返らせようよ!。」


よろよろとエスパー部隊のリーダの柏ちゃんが立ち上がる。

「不肖、佐藤柏は、我らの主はVさんのみだと誓います。世界よりもVさんのために動く事にも異論はありません。ですがVさんが世界を犠牲にしても自分の生き返らせたいかは判断しかねます・・・・」


「だったら、私を守りなさい。Vさんの意思とか世界とかは忘れて、今戦う私を守りなさい!。」


その言葉にエスパー部隊は、ノロノロと私達の周りに防衛フォーメーションを作った。

エスパー部隊のみんな!悩みすぎて思考停止しちゃったの?


まあ、それのほうが私はありがたいけど。

私も世界よりも、友美っちやVっちが大事だもん。


私の背中を押さえる餡が叫んだ。

「だめだよ、世界をそんな簡単に犠牲にしていいわけが無い。Vさんはそんな事望まないよ!。」


私は、自由になった背中の如意棒で餡と美羅を玄太に投げつけた。

「ごめんね、餡ちゃん美羅ちゃん。」


ブオ!


玄太はしっかり餡ちゃんと美羅ちゃんをキャッチしてくれた。

よし、これで決戦開始だ。


玄太は汗を拭きながら言った。

「友美ちゃん、芽衣ちゃん。このツワモノスイッチが君達の手に渡ることを一番恐れていたのはV君だったのに、それでもこのツワモノスイッチを手に入れるのか?」


友美っちは叫ぶ。

「あたりまえです。Vちゃまは死んだからすべての意見は却下です。文句があるなら生き返ってから私達を叱ればいい。私達は何を犠牲にしてもVちゃまを生き返らせる!。」


玄太は一歩前に出た。

「友美ちゃんは本当にブレないね。・・・わかった、だったらせめて芽衣ちゃんとは僕がサシで戦っていいかな。この決着がついてから団体戦に移ればいい。僕は死ぬ前に未来の魔王と勝負がしてみたい。」


ブタ太・・・・

こんな形でお前と最期になるとはな。

私は一歩踏み出して構えた。


いいでしょう、せめてVっちの親友のお前は私が殺してあげる。

それからツワモノスイッチを奪う。


歩いてみると分かるけど、多分今の私はかなりのセクシーボディだな。

ユックリ息を整えると、風に共鳴させた。玄太に準備はさせない。


ビュッ!


私は風の速度で玄太の後ろに回りこむ。

一気に首を切り落として終わりだ、ブタ太!


でも、そこで玄太は私の事を見失っているはずなのに、背後の私に裏拳を打ってきた。


ぐああ


予想外だったから思わず食らっちゃった。

口のなかで血の味がする。


すぐに飛び上がろうとしたら、玄太は私の足を掴んだ。

なんで・・・目で追えていないはずなのに!。


私を地面に叩きつけようとする玄太ごと全力ESPで宙に浮いた。

重い!

それでも玄太のバランスは崩せた。そこに電撃衝撃波をかます。


玄太は「ぐわあ」と叫びながら私の足を離した。

やっぱり玄太は強いね。

視界から消えても予想で敵を追えるなんて、さすがVっちのライバルだけあるよ。


私がさらに飛びかかろうと踏み込んだら、玄太はなんと地面を蹴り上げた。


私は自分のスピードのせいで大量の地面から蹴り上げられた土や石に衝突してバランスを崩す。

そこを逃さず玄太は私を掴んで頭から地面に投げつけた。


ESP防御!

ドリル状にESPを回転させた衝撃波を作ることで、地面への衝突を回避。


すぐに私は背に背負った気念砲で電撃弾の弾幕を玄太に打ち込んだ。

玄太は地面に手を突っ込み、それを電撃弾にまき散らかして防御。


そしてすぐに、その舞った土を無視するように私に飛び込んできた。

私は右手に水の重みの共鳴を鋼の硬さの共鳴で作る。さらにそのパンチにESPでアシスト。

全力パンチ!


打ち込んできた玄太のパンチと私のパンチが空中でぶつかり合った。


その瞬間、私は背骨が折れるかと思うほど大きな衝撃をパンチ越しに受けた。

「ぐああああ!」


思わず吹っ飛び地面にゴロゴロ転げる。

玄太は吹っ飛んでいない。

くそ、まだパワーは負けているのか。


玄太がケリを打ち込んできたので、私は素早く風の共鳴力で一瞬で移動する。

でも移動した先に、先読みした玄太のパンチが飛んできた。


予測だけで私を狙えるのか!


私はとっさにその腕を掴み、玄太の腕を鉄棒のように使って全体重を利用して腕を背中に逆に極める。

さっき、餡ちゃんが見せてくれた技だ。


私は足で玄太の腕を固定すると、地面と天に共鳴して重心を一気に下方に落とした。


私の重みに負けて、バランスを崩した玄太の巨体がズシンと音を立てて地面に押し付けられた。

うつ伏せに押さえられ苦しそうにしている玄太に私はESPで背骨の神経に電撃麻痺を打ち込む。


そこで玄太はぐったり動かなくなった。


はあ、はあ・・・・・

玄太に電撃が効く事を知っていたから勝てたけど、そうでなかったら危なかった。

トドメ・・・さすかな。


そう思って玄太を見下ろしていると友美っちが動く。


友美っちがツワモノスイッチを渡された少女に近づいて行ってる。

当然、福神七傑は防御のフォーメーションをする。


友美っちを中心に私とエスパー部隊も急いで攻撃フォーメーションになる。



すると、



ほんと忘れていたんだけど、




ほんとこの人の存在を忘れていたんだけど、



間の抜けた不思議テンションな声がした



しかも、私達のフォーメーションの中央で!。

夏子さんの声!。


「やっと全員の血を吸わせられました。魔法の言葉だシャランラーン!。みんな捕まえちゃーえ。」


そう言いながら、フォーメーションの中央でルービーックキューブ状のものを持って回りはじめた。


その夏子さんの手が近づくと、エスパー部隊が次々とスイッチに吸い込まれちゃったんだ。

そして私の体もシュルリと吸い込まれるのを感じた。



~~~~~~

夏子がエスパー部隊のフォーメーションの中央でくるくる回ると、エスパー部隊は掃除機で吸いこまれるように次ぎ次ぎ吸い込まれる。


そして、夏子が一回転し終わると、そこには友美しか残っていなかった。


友美は慌てた。

「夏子さんいつのまに!それより何をしたんですか!。」


夏子は嬉しそうにスイッチをを抱えて話し出す。

「はい、Vさんの指示でこういう時のために準備していたんですよ。スイッチはスイッチマスターを吸い込んだり吐き出したりできるそうですね。

ですので私はコツコツエスパー部隊のみなさんの血をこの艶女スイッチにすわせていたんですよお。

で、さっき玄太さんが芽衣ちゃんに小さい傷をいっぱい付けてくれたんで、やっと芽衣ちゃんの血もピタリと奪えたのです。だからみんな吸い込んじゃったんです、シャランラーンって。」


友美は夏子から艶女スイッチを奪い取る。

「なんてことを!みんな、みんなだいじょうぶ!」


すると夏子は飄々と近づいて友美を抱きしめた。

「大丈夫ですよ、なかの高次元人さんとはVさんが既に話をつけてくれているそうです。

これはVさんが万が一自分が死んで、芽衣ちゃんが魔王になりそうだったらスイッチに閉じ込めるという作戦をたてていたから出来たんです。

怒らないでくださいね、これは間違いなくVさんの望みだったんですから。世界を滅ぼさずみんなを守ることが。」


「でも、Vちゃまが居ないんじゃ意味が無いですよ。」

「そうですね、・・・・ですが先に敵を倒しましょうよ。」


「敵?誰の事です?。」


「今、友美ちゃんたちを騙そうとしたツワモノスイッチです。アレが武義をそそのかして武玄さんを殺し、今回はVさんを殺しました。

敵を間違っては駄目ですよ。

もしもスイッチが人を生き返らせられるんでしたらイケメンスイッチでも可能だぞ。

でしたらツワモノスイッチに頼ってVさんを助けるなんてどうなんでしょう?

ツワモノスイッチはVさんを殺した仇なんですよ。」


友美の髪の毛が、逆立つ。

「そうでした。私はとんでも無い間違いをするところでした。」


『夏子に騙されるな。Vを生き返らせるチャンスを失うぞ。』


夏子はすかさず友美に言う。

「イケメンスイッチのシャンバラ様の手元には、ツワモノスイッチに殺された武玄さんが居たじゃないですか。わたしだったら『出来る』って主張するだけの奴よりも、すでに『やった』人を信用しますね。しかもイケメンスイッチは武玄さんを生き返らすために、命を108億も要求していないですよね。敵と味方を間違えないで。ツワモノスイッチは敵ですか?味方ですか?」


すると友美はまるで蝋人形のような冷たい表情になるとつぶやいた。




「ツワモノスイッチは敵です。」




夏子はそっと血まみれの友美の頭を抱きしめる。

「そう、それでいいの。えらいぞ友美ちゃん。」


友美はそっとツワモノスイッチを持っている少女の市杵に手を伸ばす。

市杵は迷うが、夏子がうなずいたのでそっと友美にツワモノスイッチを渡した。


友美はそれをじっと見つめる。

そして、地のそこから響くような声でつぶやいた。


「玄太、夏子さん、莉奈さん・・・・こいつを・・・・殺したい。」


次回以降予告


ついに、友美達はツワモノスイッチを敵と考えて倒すことを決めた。

しかし、そもそもスイッチを殺せるのか?

その答えはイケメンスイッチが握っていた。

スイッチの世界に入った友美にシャンバラは言った。

「友美、おぬしはイケメンマスターでもないのに、わらわに招かれたはじめての者ぞ。Vの希望に従い、見事その役目を果たすが良い。」

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第四部はこちら
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