その31 今までの成果を見せる時だ
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武義が叔母の矛美と向かい合っているとき、Vはイケメンスイッチの中で過去の出来事を見ていた。
祖父である武玄が死亡したのは8年前の事だ。
スイッチの秘密に触れ、他のスイッチを集めだした武玄は、奪い取ったばかりのツワモノスイッチをもって家に帰ってきた。
武玄は自分の家族にそろそろ今自分がやっている事と、これからの荒神流の進化について相談したかったからだ。
房江と房代という娘の存在も伝えなければいけない。
だから房江だけでも連れてきた。
しかし、そこで家にいたのが偶々、武義だけ。
積もる話はみなが集まってからと思い、武玄は武義がどれほど高みに行ったか確認しようとした。
しかし、口先ばかりで実際の力が追いついていない武義に、心底ガッカリしてしまった。
そしてつい口が滑った。
「ち、しょうがねえな。どうも武威を俺の後継者にするしかねえみてえだな。おめえじゃ器が小せえから頼りにならねえよ。」
武義の心には、口では言えないほどの闇が広がった。
その時、武玄が無造作にそばに置いてあったツワモノスイッチが武義に語りかける。
『我を手にしろ、今目の前に居る男を倒す力をお前に与えよう。我の面をそろえてスイッチを入れてみろ。お前は世界最強になれる。心に闇を持つ者よ、我を手にとれ。』
武義がスイッチを手にすると、後一すこしで面が揃いそうな状態だ他った。
軽く一回まわしただけでスイッチは青面をそろえてスイッチを出す。
スイッチには「近くのツワモノ」と書いてある。
武義はよくわからないが、声のままスイッチを入れた。
すると武玄が急に叫ぶ。
「まさか・・・やりやがったな・・・・・upupu・・・・i」
その瞬間、武玄の首はグルグル回り、ねじ切れて落ちた。
いきなりの出来事に怯え、武義は壁にへばりつく。
『な、なんだ。何が起きたんだ!。』
するとスイッチからまた声が聞こえてきた。
『お前がやったのだ。我の名はツワモノスイッチ。強者への憎しみを力にするスイッチだ。』
その後、一緒に来ていた房江が悲鳴を上げたので武義は逃げてしまった。
しばらくして、恐る恐る帰ってきたときは、祖父の遺体はなくなっていて、一緒の来ていた房江もいなくなっていた。
そこまでの出来事見てからVは現実に帰ってくる。
「ある意味、兄ちゃんも被害者なのかもしれないが、もうそんな事は言ってられなくなったな。」
スイッチの外を映すモニターには、化け物に変わり果てた兄の姿が見えた。
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私は歌田芽衣。エスパーなんだ。
普段は、家事にしか使用されないESPだけど、いざとなったらすごく強いよ。
そしてこの力でVっちの代わりに友美っちを守るんだ。
そんな私達の前で、兼松矛美学園長が悪魔のようになった武義に薙刀を向けている。
ツワモノスイッチの力によって人類最強になった武義に勝てるわけ無いのに・・・・矛美学園長、無理しないで・・・。
すると通信機からVっちの声が聞こえてきた。
『いいかみんな、とにかく死なないように時間を稼げ。
スイッチの力はどれも時間制限あがあるはずだ。あれだって短ければ数十分。長くても数時間で効果が切れる。
だから負けても死なないように戦い続ける必要がある。スイッチの効果が切れるまで時間を稼げば勝てるぞ。』
友美っちは髪をかき上げながら通信機を構える。
「でもVちゃま、あいつは凄く強くて、きっと矛美叔母様もすぐに負けちゃいますよ。なにか言い作戦は無いんですか?。」
『だったら安心しろ、お前達は今までチーム戦を学んできたろ。一人の最強なんて弱い人間のフォーメーションに負けることは良くあることさ。
Aチームとして餡、美羅、冬美、友美、芽衣で状況に応じて冬美を助けるんだ。
Bチームとしてエスパー部隊は雅人の補助。
殺子は竹内館の連中に指揮して、疲れたフォワードがこまめに休憩できるように補助してやれ。冬美チームと雅人チームのどっちかが常に休憩できるようにな。
もうすぐ、そっちに強力なチームが一つ援護に行くはずだから、それまでがんばれよ。』
「わかりました。」
武義のパワーを上手くいなしながら戦っていた矛美学園長も今、目の前で吹き飛ばされた。
友美っちは雅人のシリを叩いた。
「ほら、もう行けるでしょ。私の治療を受けたのに戦闘でヘマしないでよ。」
雅人は立ち上がる。
「おお、こりゃ凄いな。体が軽くてダメージも抜けてる。」
「あたりまえよ。私はVさんのサポートで戦ってきたんだから、このくらい出来て当然何だから。さあチーム戦でやつを倒すよ。」
そういうと、友美っちはエスパー部隊に叫んだ。
「全員、中距離戦闘でフォワードの雅人を援護!チーム戦の見本を見せてあげなさい!。」
エスパー部隊は全員敬礼して「ハッ!」というと武義を囲んで展開した。
飛び込もうとする雅人にVっちからの通信が入る。
『戦って分かった思うが武義とお前では子供と大人ほどの差が有る。
だが今大事なのは疲労させる事だ。お前が疲れてきたら冬美と交代して体力回復させろ。その判断は殺子に任せる。殺子が下がれといったらやれそうでも下れ。
セント兼松学園を倒しすぎた時みたいに無理して失敗するなよ、殺子の指示で必ず冬美と交代だ、いいな』
「わかりました!まかせてください!。」
雅人は武義に飛び込む。
その瞬間、まわりからエスパー部隊の衝撃波が武義に降り注ぐ。
そのため、武義は雅人が突っ込んで来る瞬簡に目をつぶってしまった。
防御も出来ずに、武義は雅人のパンチに吹き飛ばされる。
吹き飛ばされた武義は、後方からの衝撃波でまた前に押し返されると、また雅人の一撃を食らう。
おもわず吹っ飛んで武義は倒れた。
そこに後方からエスパー部隊の巴マコ子の声が響いた。
「雅人下って、大技撃つから。」
おもわず一歩下る雅人。
すると魔法少女班のエネルギーを一身に浴びた巴マコ子の絶叫が響く。
「ティ○・フィナーレ!」
雅人をかすめるように轟音を立てて凄い熱量の閃光がまっすぐ武義に直撃した。
吹き飛ばされた武義にさらにトドメを撃つべく、雅人は飛び込み打ち込む。
しかし、雅人は羽の衝撃波で吹き飛ばされてしまった。
すぐに雅人に飛び込んでこようとする武義に、エスパー部隊はESPの細かい衝撃波を打ち込み妨害。
視界とバランスを失い動きが止まる武義。
そこで殺子が叫んだ。
「雅人さん、冬美さんの準備が終わったみたいだから交代っす!。」
今までの雅人ならば「疲れていない」と飛び込むだろうが、素直に後ろに飛びのいた。
そのタイミングに合わせて餡ちゃんと美羅ちゃんが如意棒で襲い掛かる。
武義は羽の衝撃波で吹き飛ばそうとしたが、二人はひらりと如意棒を利用して上空に逃げてしまった。
大きく羽をふるって背中を見せている武義に、如意棒の大剣を構えた冬美姉が飛び込む。
「でやあああ!。」
気合一戦、武義に羽を両方切り裂いた。
「ぐあああああ!馬鹿な!二人は囮か!」
そこに私は芽衣スペシャル(拘束ESP)を仕掛けた。
すぐに下って体勢を立て直そうとしたのに、その場に止められて武義があせってるのが分かる。
動けない武義に、友美っちが気念砲のマシンガンを打ち込んだ。
体中から血を吹きだしながら武義は叫んだよ。
「ぐあああああ、貴様ら卑怯だぞ!。」
マシンガンの攻撃で呼吸すら上手くできないでいる武義に、冬姉が必殺の一撃を振り下ろす。
「てやああ!」
深々と、武義の肩を冬姉の大剣が斬り進む。
なんか勝てそうじゃん。
すると武義が絶叫した。
「ツワモノスイッチ!これで最強なのか!もっと力を!もっと力をくれ!」
その言葉に反応するかのように武義の体が変化しだした。
ESPやマシンガンで傷だらけだったからだが回復を始め、切り取った羽ももっと立派になって生えてきた。
「うおおおおおお!、力がわいてきた。さらに俺が最強だ!」
みるみる身長がさらに大きくなる。2.5メートルくらいに膨れる。
すると武義が絶叫した。
「くらえ、ガキ共!」
その叫び声が衝撃波のように私達を吹き飛ばす。
あわてて殺子が叫ぶ。
「雅人さん、フォローに入ってください。冬美さんたちは治療を!」
すぐにエスパー部隊が衝撃波を打ち込む。
雅人は楽しそうに突っ込んだ。
「パワーアップかよ。倒し甲斐があるぜ。」
雅人は武義の攻撃をかわしながらコツコツ攻撃を入れている。
倒すというよりも、ダメージの蓄積を狙っているようだ。
雅人・・・成長したな。この学校一武道会が雅人を明らかに成長させたよ。
ちょっと前の雅人だったら、絶対大技を狙ってすぐやられたと思う。
今の雅人はこの作戦の意味を理解しているから、コツコツ戦っているんだね。
でも急に武義の角が伸びて雅人を捕らえた。
武義め、まだ、そんな小技を隠していたのか。
そして角はさらに伸びてエスパ部隊に雅人をたたきつけた。
やばいよ。
殺子が絶叫した。
「冬美さん、角を切り裂いてください!。」
素早く踏み込んだ冬姉は雅人を捕らえている角を切り捨てると、返す刃で武義を斬りかかる。けど、武義はバックステップで避けた。
冬姉は大剣を素早く槍に変えると、コツコツ武義の足を狙い始めた。
それを補助する為に、わたしと友美っちは武義の上半身を攻撃して動きを止める。
地味だけど、こういうコツコツ攻撃がきっと意味が出るはず。
だってVっちが時間さえ掛ければ勝てるって言っていたもん。
すると、こんどは武義は体中の皮膚を気合で吹き飛ばしてきた。
「はっ!」
なんじゃそりゃ、気色悪い!。
でも、この予想外の攻撃に、私達は全員吹き飛ばされてしまった。
みると、雅人はまだふらふらして立ち上がれて居ない。
やばい、武義を休ませたらいけない。
すると矛美学園長が空中に四角いものを投げて叫んだ。
「お前達、よく時間を稼いだぞ。どうやらこいつらの準備が出来たようだ!さあ出て来い!」
空中に投げられた四角いものから、空中で丸い物体と人影が飛び出した。
あ・・・このシルエットは見覚えがある。
そこで空中の丸いものが叫んだ。
「福神七傑、空より参上。」
お読みくださりアリガトウございます。
次回予告:Vの最期




