その30 唐突に決戦開始
今学校は大変だよ。
結局、ペルシア学園を中心とした三校合同チームと、竹内館チームが朝から校庭で向かい合っているから。
雅人のチームと、友美っち率いる私達のチームはにらみ合っている。
結局、頭同士の直接対決になっちゃったよ。
この戦いを始めたのはコッチ。
だってこのまま金曜日なっちゃったら、チーム数の差で負けちゃうもの。
今日のうちにガッツり減らしてやるんだ。
友美っちは私に話しかけてきた。
「連中が持ってるのって如意棒じゃない?こっちはエスパー部隊にハンデようのESP抑制装置をつけてるのに、ちょっとヤバくないかな?」
「たしかに如意棒っぽいね。でも使い慣れていない武器はただの棒と変わらないから大丈夫じゃないかな。」
「そうだね。連中が使い慣れる前に倒しちゃおう。」
すると、離れたところから雅人は腕を組みながら叫んだ。
「おい、今日から一気に頭同士で戦うっていうのはVさんの作戦通りだ。お前達は実は今罠にかかったんだ。覚悟しやがれ。」
友美っちは珍しく怒らずに静かに返した。
「それはどうでしょうね。こっちはリーダー決戦用に装備をパワーアップしています。あなた達には負けません。」
餡ちゃんや美羅ちゃん用に、莉奈さんが新装備を用意していてくれたから、こっちだって負けないよ。
私達はにらみ合った。
すると・・・・
急に、空がバチバチ音を立てだしたの。
私達は空を見上げたよ。
すると。
空間が歪んだかと思うと、空中に切れ目が現れてそこから、2メートル以上ありそうな化け物が降りてきたんだ。
凄い筋肉の塊で、悪魔のような羽をもち、頭からは角が生え、口は耳まで裂けていた。
そして、銀色の細いフレームのメガネをしている。
私達の後ろで、索敵担当の天満ちゃんがパニクった声をあげる。
「信じられません、急に現れました。高速で移動して来たとかではありません。本当に急に現れました。これは・・・テレポーテーションです。」
その巨大な悪魔は落ちて来た地響きと共に校庭に降り立つと私達をにらんだ。
「ガキども。今すぐ俺がお前達を殺してやる。教師を馬鹿にする生徒は皆殺しだ!。」
教師?生徒?この化け物は急に現れて何を言ってるんだろう?。
え?いきなり急展開なんだけど何が起きているの?。
すると、矛美学園長が薙刀を持って飛び出してきた。
武道家教師も、今回は後ろからついてきている。
そこで、Vっちの声が通信機の外部スピーカーから響いたんだ。
『敵が現れたら迷うな。世の中は不条理に急に爆発して死ぬ人だって居る。それに比べたら戦うチャンスがあるだけお前達はラッキーだ。パニックはするな。危険が現れたから倒す、それだけだ。!』
よく分からないけど、私は友美っちの前に立って防御体制。
すると、Vっちからペルシア学園メンバーにだけ聞こえる周波数で通信が入った。
『エスパー部隊は友美を守って後衛待機。俺の指示があるまでESP抑制機は外すなよ。冬美と餡と美羅は俺の指示があるまで全力防衛。金子は急いでそこから護衛範に命令して戦闘にかかわれなさそうな生徒を避難させろ。』
次に、竹内館の連中が通信機に集中している。
きっと向こうにだけ聞こえる周波数で話しかけているんだな。
ここは必殺ESPイヤーで小さい音でも聞き逃さないぞ。
すると、通信機の微細な音が聞こえてきた。
『雅人、これからお前達には真実を話す。今目の前に居る男は世界滅亡のカギを握る男だ。コイツを倒さないと世界は救えない。だがこいつの力を調べないといけない。全員下がって戦いを見守って奴の力や戦い方を見るんだ。そして次の戦いに備えろ。だが雅人、お前だけはこの目の前の男の力を計るために犠牲になって欲しい。いやなら別のやつに頼むがどうだろう?』
「へへ、それは俺が一番に戦えるってことですよね。別に勝てたら勝っていいでしょ。」
『そうだな、勝てたら勝て。お前達は今、想像以上に世界の存亡をかけた戦いにかかわってしまった。この男を殺せるかどうかで世界が終わるかどうかが決まる。頼んだぞ。』
「面白い、俺の独り舞台だぜ。」
雅人の後ろから、急いで殺子がキンキンと火打石を打つ。
前から思っていたけど、こいつら古風だよね。
悪魔はユックリ雅人を向く
「まずはお前が生贄か?。おもしろい、相手をしてやる。」
悪魔は羽を広げて雅人に向かって飛び出す。
雅人は素早くジャンプし、悪魔の肩を踏み台にして飛び上がった。
そして空中で絶叫した。
「ぐあああああああ、憤怒態!」
すると、みるみる雅人の体が筋肉で盛り上がり、地面の降りたときは筋肉の男、ケンシロウっぽくなっていた。
「食らえ悪魔やろう。」
雅人が素早く踏み込み殴りかかる。
しかし悪魔は手のひらを雅人に突き出した。
その瞬間、雅人は衝撃で吹き飛ぶ。
あ、あれはESP!
悪魔は吹き飛んだ雅人に凄いスピードで追いつき片手で掴むと、軽々振り上げ地面にたたきつけた。
衝撃で雅人は地面に埋もれる。
でも雅人はまったくダメージを感じて居ないかのように起き上がると、素早く悪魔の角を握って膝蹴りを放つ。
岩を砕くような衝撃音が響いた。
それで悪魔は一瞬、足元がふらついた。
すぐに雅人が次の一撃を放つ。
でも悪魔は素早く雅人の腕を逆に決めると、そのまま持ち上げ頭から地面に突き刺した。
地面が大きく揺れ、雅の頭は地面に突き刺さる。
その冗談みたいな体制の雅人の体に、悪魔は強烈な回し蹴りを放った。
凄まじい衝撃が空気越しに伝わった。
雅人はそのまま吹き飛ばされ、校舎にめり込み動かなくなった。
この悪魔強い。
そこで餡ちゃんと冬姉が我慢できずに飛び出した。
冬姉のパンチの一撃が悪魔に炸裂。
悪魔は数歩下がって苦しんだが、すぐに冬姉にパンチを反撃。
冬姉はガードごと吹っ飛ばされる。
餡ちゃんもすぐに蹴りこんだけど、悪魔は微動だにしないで、餡ちゃんを無視して冬姉に向かう。
美羅ちゃんも飛び込んだ。
でもその時、悪魔は羽を広げて叫びながら一振りした。
「邪魔だ雑魚ども!」
その衝撃波で餡ちゃんも美羅ちゃんも吹き飛ばされてしまった。
友美っちが通信機に向かって叫ぶ。
「Vちゃま、エスパー部隊だしますよ!。」
『駄目だ、俺の作戦を信じろ。まだ駄目だ。チャンス以外でエスパー部隊は消耗できない。わかるな。』
友美っちは「うっ」と言葉を詰まらせる。
次は矛美学園長が前に立ちはだかった。
「お前、今の自分の姿が分かっているのか?もう人の姿では無いぞ!。武義!」
そういわれて、悪魔は学校の窓に映る自分の姿を見た。
っていうか・・・武義?この悪魔が武義?。
「ほお、私は今このような姿なのか。叔母ちゃんはよく私だと分かったな。」
「ああ、まさかとは思ったがな。馬鹿なことはやめて反省しろ。いまならまだ間に合う。」
「うるさい、いま私は世界最強になったのだ。何を反省しろって言うんだ?喜べよ、いま荒神流が世界最強だぞ。わはははははは。」
そう笑いながら、武義は倒れていた美羅のと冬美姉の首を掴んで持ち上げた。
「ガタガタいうなら、いますぐこの二人の首を握りつつぶして、引きちぎるぞ。」
そこに這いずりながら雅人がきた。
「お、お前の相手は俺だ。女子供と遊んで俺を無視するんじゃねえ。」
しかし雅人は、武義に軽々蹴られて吹っ飛ばされてしまった。
「雑魚が、大人しくしていないと長生きできないぞ。わっはっはっは。」
そこで友美っちが急に雅人に走り寄った。
え?何する気?
そこに天誅殺子も走り寄る。
しょうがないから私もついていった。
そしたら友美っちは雅人の体を揉みだした。
「殺子、あなたは雅人の出血部分に布を巻いて。芽衣はこの重たい体を私が治療しやすいように動かして。」
殺子は驚いて友美っちの顔を覗き込む。
すると友美っちは殺子に言ったよ。
「雅人にはもう一回戦ってもらってお姉ちゃまを助けてもらう。だから急いで復活させます。手伝ってもらえる?。」
殺子はうなずくと、後ろの仲間にシャツを切って布を作るように命令しだした。
友美っち、ほんと強い子だよ。
その様子を、余裕の笑みで見ながら武義は虚空に叫んだ。
「武威、出て来い!お前も殺してやる。爺ちゃんのように首がねじ切れて死ね。」
そこに、武道家教師達が武器を手に武義に襲い掛かった。
しかし、武義は手に持った冬美姉と美羅ちゃんを放すことなく、羽の衝撃波だけで全員を吹き飛ばした。
「くくく、誰も私に歯が立たないじゃないか。お笑いだな。」
矛美学園長は再び武義の前に立つ。
「武義、せめて私の手であの世に送ってやる。」
「ふざけるな、ババアのくせに!。」
武義はまた羽で衝撃波を矛美学園長に打った。
でも学園長はその衝撃波を薙刀で切り裂く。
「そんな小技じゃ私は倒せないぞ、武義!。」
そこで武義は、もっていた冬姉と美羅ちゃんを放すと、しっかりと矛美学園長に構えた。
「面白い、では私の手で叔母ちゃんを殺してあげましょう。」
ふたりは、緊張する空気の中で向かい合う。
お読みくださりありがとうございます。
ここからは読者置き去りで走り抜けたいと思います。




