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その27 徐々に明かされる秘密

~~~~~~

Vが叔母の兼松矛美のいる学園長室に行くと、そこに早川莉奈も待っていた。


Vは不思議そうに兼松矛美に聞いた。

「叔母ちゃん、なんで莉奈が俺の協力者だって気づいたんだ?。」


すると矛美は武威にコーヒーをいれながら笑う。

「ペルシアの華の本部に呼ばれたとき、莉奈さんの言葉には確信があった。上手くいえないがその姿を見た時に、お前と秘密を共有している協力者だと感じたよ。」


莉奈は少し居所なさそうにした。

「ごめん武威さん、上手くやっているつもりだったんだけど。さすが武威さんの叔母さんね。でも、あとは夏子くらいにしか見抜かれていないと思うわ。」


それを聞いて矛美は驚いた。

「なぜ夏子さんにはバレていると思うんだ?。」


「だって、夏子がそっとフォローしている気がするのよね。アレは分かっていて気づいていないフリをしているんじゃないかしら。天然ボケに見えるけど、油断できない奴だから。」


すると矛美は申し分けなさそうに言った。

「実は・・・・うぷぷいの遺跡で、武威がウチを訪ねてきたことをポロリといってしまったんだ。そしたら夏子さんに厳重に口止めされてな。」


Vは少し笑ってしまった。

「まあ夏子なら安心していいと思うよ。あいつは俺と考えるパターンが似ているから、何かが起きていることは察知していると思うし。ああ見えて頭のいい奴だから信用していいよ。友美が関る事なら、きっと誰よりも頼りになると思うしな。そうだろ夏子。」


そのVの言葉を聴いて、莉奈と矛美は不思議そうな顔をした。

「夏子?」


すると、矛美の後ろからひょっこり夏子が現れた。

「さすがVさんですねえ。私を見つけるのはVさんくらいですよお。そして私も秘密に混ぜてくださいね。」


驚く矛美と莉奈を無視するように、コーヒーを飲みながらVは夏子に答えた。

「うわー、カマかけただけだったのに本当にいたのかよ。油断できない奴だな。まあいや、ここからは夏子の協力も必要だったからちょうど良いよ。夏子なら俺のエゴに協力してくれるだろうし。」


矛美は一呼吸置いて冷静になると、椅子に座る。

「では聞かせてもらおうか。」

「ああ、まずはイケメンスイッチの中の人についての説明が必要なんだ。イケメンスイッチの中にいるのはシャンバラ様という異次元人で7次元への干渉もできる存在だ。これは人の感覚で言えば神と言ってもいいレベルだな。

時間や運命を計算する能力があって、たくさんの偶然を作ることで望んだ未来を作る力もある。

あのイケメンスイッチで人が爆発するのも偶然を利用して爆発させた自然現象だ。その偶然を集めた自然現象をスイッチを入れた瞬間にシャンバラ様が起している。それがイケメンスイッチの正体だ。

偶然の集まりと言うと漠然としているが、運命と言っても良いかもしれない。」


矛美は表情こそ変えていなかったが、内心は早くも内容を信じられない自分を感じていた。しかし、どうにか信じる為に質問をする。

「つまり、渋谷や中国の人間爆発事件は、イケメンスイッチが作り出した運命のようなもののせいで爆発したという事か?。」


「そう、時間を支配する4次元の力をさらに超えた5次元の力で、距離も時間も関係なく偶然を作り出せるらしい。

だが、スイッチの外に影響させられるのは、人を爆発させること以外は微小にしか影響を与えられないとも言っていた。

これはシャンバラ様をはるかに超えた上位の存在がそうルールをそう決めたかららしく、そのルールには逆らえないらしい。」

「難しい話だな。」


「まあ、そんなものだと思ってココまでは深く理解する必要は無いよ。

でも時間を無視して偶然を作って人を爆発させるシャンバラ様は、未来を見たり予想したりする能力は凄まじいというのは分かると思う。

そこで俺は『こうしたら未来はどうなる?』というのを遊び半分でシャンバラ様に尋ねたんだ。すると・・・何をしても未来は人類壊滅に向かうことが分かった。」


「それはどのくらいの確証がある話だ?。」

「爺ちゃんは、10年前にはイケメンスイッチで渋谷や中国が壊滅することは聞いていたそうだ。おれがイケメンマスターになることも含めて。」


「なるほど・・・」

「で、いくつも可能性を探っているうちに俺は未来は、あるポイントで急激に同じ方向に向かうことに気づいたんだ。

たとえば、織田信長が生き残って織田幕府を作っても、幕末に維新派が負けて江戸幕府が存続しても、第二次世界大戦の原爆で、結局2000年あたりではどの未来も日本は同じような姿になるんだ。

どんな道を通っても、あるポイントで歴史は強制的に一定の方向に向く。俺はこれを『時間のKEYフレーム』と呼ぶことにしたんだ。」


「ほおお、それは面白い話だな。こんな時でなければじっくり聞きたいものだ。」

「そうだね、そのうちじっくり話すよ。つまり本質的な未来を変えようと思うと、このKEYを壊さないとどうしようもない。

原爆投下という一点のみを止めれば日本の歴史は大きく変化が可能だが、原爆が投下されれば、それ以前の努力はまったく未来を変える要素にならない。

それと同じように、人類滅亡のKEY以外をどう変えても意味が無いんだ。人類滅亡を止めるには、人類滅亡を生むKEYを見つけて潰さないといけない。」


「・・・・で、そのKEYは見当がついているのか?。」

「ああ、なん通りも未来の可能性を見ていると、かならず滅亡にかかわる人物がいる。その三人が間違いなく人類滅亡を招くKEYだ。」


「誰だ?私も知ってる人間か?。」

そこでVはユックリ息をすると、厳しい目で答えた。


「ああ、直接的には友美と芽衣だ。あの二人が世界滅亡の中心だ。だが二人を魔王に導く人物がいる。それが荒川武義とツワモノスイッチだ。」


その場にいた3人は、うっと言葉を詰まらす。

しかし、心のどこかで納得も出来る気がした。

矛美は冷静を保ちつつ聞く。

「ならばその三人を殺すのか?。」


Vは苦しそうに答えた。

「・・・だから俺は覚悟を決めたんだ・・・・。」

「そうか、あんな可愛い少女を殺すしかないのか。おまえも辛かろう。」


「いや、俺は友美と芽衣の二人は殺さない覚悟を決めたんだよ。」

「な、なに!お前正気か?!」


「友美と芽衣を殺しても150年後にはやはり宇宙が滅ぶ。

だから根本的な解決にはなっていないんだ。

だから俺は二人を殺すなんて許さないよ。凄く悩んだけど世界を救う方法も考えたから。

ギリギリまで俺は、友美も芽衣も世界も諦めない覚悟を決めた。

あの二人のために、たくさんの大人が死ぬかもしれない。

でもこれは俺のエゴだけど、そこは譲る気は無い。

もしもどうしてもどちらかを選ばないといけなくなったら、俺は多分二人を選ぶ。

それが嫌だったらみんな世界を守る為に奔走してもらわないといけないな。

失敗すれば多くの人に過酷な運命の綱渡りをしいるけど、それが俺の覚悟なんだ。」


矛美は目をつぶりしばらく考えてから口を開いた。

「それと今回の学校一武道会は関係あるのか?。」


Vはにやりとする

「ああ、万が一友美や芽衣を殺しても、別の人間が同じ役目でKEYになる可能性もあるし、じっさいKEYの人間は偶然に守られて簡単には死なない。

だから二人を殺す努力よりも二人がKEYになりえない方向を試みてみようと思うんだ。

失敗すれば人類が半分くらい死ぬかもしれないけど、でも半分も救われるための予防線は作った。

友美達が原因で15年後に人類を壊滅させる事を考えれば、まだ割が良い。

で、人類の根本的な変化のポイントがこの学校一武道会なのさ。

俺が失敗して、世界が友美と芽衣によって危機を迎えたとき、人類が壊滅する前に、人類の危機を止められる人材を俺が見た未来よりもはるかに多く作ることで、未来で人類が少しでも生き残る可能性にしたい。

それがこの学校一武道会の理由の半分だ。」


「もう半分の理由は?。」

「実は世界の滅亡には、武義兄ちゃんが関ってくる。その兄ちゃんの存在を消しておきたい。もしかすると友美と芽衣と兄ちゃんと兄ちゃんのスイッチの四つが揃って、初めてKEYになるのかもしれないから。だから兄ちゃんと兄ちゃんのスイッチを殺して様子を見てみたいんだ。」


「武義もかかわるのか?どんな理由で?。」

「兄ちゃんは、じいちゃんを殺した犯人なんだ。そして俺を殺す。」


「な、ばかな。アレに父を殺す力なぞないぞ!。お前の事だって殺せないだろう。」


「ああ、兄ちゃんにはそんな力はない。

だが爺ちゃんがツワモノマスターから奪い取って持っていた『ツワモノスイッチ』を盗んで使えば可能だったんだ。

兄ちゃんは今もツワモノスイッチを持っている。

おそらく俺が姿を見せればツワモノスイッチで兄ちゃんに殺されるだろう。

だから俺の脅威を兄ちゃんに感じさせずにツワモノスイッチを奪う舞台が必要なんだ。

未来ではツワモノスイッチは兄ちゃんから友美の手に渡り、世界は壊滅に向かいだす。」


「なんと・・・、そのためにこの武道会が必要だったのか。」

「ああ、そういう希望をおれはこの学校で作れると考えている。

現に俺が見たどの未来よりも大黒雅人や餡は進化しはじめているし、玄太君達『福神七傑』の完成もいい感じだ。

友美達の後に現れる本当の敵を倒すためにも、未来に向けた第二、第三の安全策も同時に作成中って訳さ。」


「なるほど。では話を整理してみようか。歴史にはKEYという存在がいて、それを壊さないと未来は容易に変わらない。

そこで、まずは人類壊滅のKEYの可能性を半分消すことで、友美と芽衣をKEYにしない未来を創りたい。

だが万が一それでは足らずに友美と芽衣がKEYになり未来が壊滅に向かったら、被害を最小限にする人材を育成するためにこの学校を使うつもり・・・でいいのか?。」


「その通りだ。で、叔母ちゃんも最悪の事態の時にそなえて真荒神流を学んでおいてもらいたい。

甥のおれに教わるのは気に入らないかもしれないけど、餡や美羅、それに莉奈や夏子にも伝えておきたいな、万が一の時の人類の希望となる為に。

最後の敵であるupupui遺跡のアイツと戦うときは、かならず必要な力だし。」


「それだ、それも聞きたかったのだ。あの遺跡のupupuiの正体は何だ?」


「あれか・・・あれこそが一番最初に生み出されたスイッチだ。最も強い力を持ち、最も理屈の通じない相手。シャンバラ様はあれをこう呼んでいた『vasi』と。スイッチ最強の破壊神さ。」


「アレは破壊してしまうのでは問題があるのか?。」

「壁画の破壊は中身を殺せないからススメしないよ。

あれは破壊可能な唯一のスイッチでもあるんだけど、破壊したらスイッチの中身の『vasi』が3次元に具現化されてしまう。

友美達に対抗する為に人類が最後の希望として持ち出したのが『vasi』だった。

だが戦いの中で『vasi』の石版は破壊されて、『vasi』が3次元に現れて、ビッグバンが起きる。」


「おい!それは人類壊滅どころか宇宙壊滅じゃないか!」

「ここまで聞けば分かったと思うけど、友美たちを殺すことは根本的な解決にいはなっていないんだ。友美たちを殺しても150年後にはやはり壁画のスイッチが壊されてビッグバンは起きる。

そしてその宇宙にまた『vasi』を封じたスイッチが生まれる。」


「・・・・なるほど。今の人類を何人犠牲にしようとも、このチャンスに『vasi』を無力化させる方法を考えるわけか」

「ま、友美と芽衣を助けるための、ついでに人類を助けるだけだけどね。」


そこで夏子はポンと手を打ち口を開く。

「私分かっちゃいましたよ。」


Vは「はあ?」遠い顔をしたが夏子はさらに言葉を続ける。

「もしかすると歴史のKEYっていうのは『vasi』みたいな存在を殺すチャンスに、強制的に人類の力を集結していくことなのではないでしょうか。

ウチの研究機関の資料でアメリカの原爆があの時期にあったのが不思議だって書いたものがあるのです。そう考えると納得がいきますよ。」


「つまり・・・・あの原爆と思われている爆発は、KEYと戦ったスイッチの爆発だと?。」

「もちろん本当のところはもう分かりませんが、それならKEYという時間の不思議や、あのときに原爆が不在だった説も納得がいくなあと思ったんです。

あのころののイケメンマスターはペルシアの華でも戦争のドサクサ中で見失っていた時期なんですよ。」


「なるほどな・・・それはありえるかもな。」


そういいつつ、武威は艶女アデージョスイッチを取り出した。

「叔母ちゃんも夏子も初めてみるだろうけど、これが艶女スイッチだ。これを夏子に預けたい。そして、あることをしておいて欲しい。」


夏子は無造作に艶女スイッチを手にすると不思議そうに見つめる。

「私にコレをどうして欲しいんですかあ?。」

Vはにやりと笑うと続けた。

「じつは、このスイッチの中の高次元人とは対話をして説得済みなんだが、それをやるためには夏子の協力が必要なんだ。それはな・・・・」


その内容は、その場にいた全員を驚かせた。

~~~~~~

お読みくださりアリガトウ御座います。


艶女スイッチ豆知識:なかの5次元人は可愛い。

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