その25 とうとうあいつが現れた。謎の戦士。
今回の学校一武道会のエントリーは・・・
セント兼松学園は198チーム。
真田学園は81チーム。
竹内館チームは98チーム。
ペルシア学園チームは15チーム。
で・・・・
いま月曜日の16時なんだけど、竹内館の連中があっという間にセント兼松学園の93チームを倒しちゃったよ。
真田学園は15チームが負けたんだ。
そんで、私達ペルシア学園は無傷無敗。
竹内館も無敗。
セント兼松学園が圧倒的なチーム数で有利かと思ったけど、今は竹内館の強さが驚きだよ。
さすがVっちが指揮しているだけあって、恐ろしい強さだよ。
それと餡ちゃんは今日は帰宅したのに、如水と武義が真田学園の『助っ人作戦』に乗っかって好き勝手してペルシア学園に喧嘩を売りまくってきていてウザイ。
真田学園は、餡ちゃん以外にウチには勝つ見込みが無いんだから、餡ちゃんの回復を待ってから来ればいいのに。
すると、私達の前に荒川武義が現れた。
「ペルシア学園001チーム。我々と勝負しろ。」
そういった荒川武義は、あきらかに20人くらいつれてきているように見えた。
なに?この人数は。
私達は廊下に出て勝負の準備をすると、私達に向かい合っているチームに荒川武義はいなかった。
そこで、金子が鼻で笑ったよ。
「あれっすね。これは雑魚をいくつかぶつけてコッチを疲れさせてから、あの武義さんのチームが来る気ですわ。セコイ作戦を考えますな。友美様、ココは戦ってコッチが疲労したフリを見せたほうがいいですよ。疲労したように見えないと武義さんは逃げてしまうかもしれませんから。」
友美っちは悪い顔でニヤリと笑う。
「わかりました、では金子がフォワード。私達は金子のフォローで一回の戦闘を5分以上かけて戦いましょう。お姉ちゃまも演技をしてね。疲れたように見せれば、お姉ちゃまの念願だった荒神流幹部への攻撃ができるよ。」
冬姉もコクリとうなずいた。
そして連続で私達は3チームと戦ったよ。
雑魚を何分相手にしても疲れないよ。
でも、みんな上手に疲れたフリをしてる。
私も、両手を腿についてゼエゼエしてみてる。
だまされるかな・・・?
そしたら、武義は嬉しそうに審判の莉奈さんに宣言したよ。
「さて、では私のチームも戦いましょう。逃げるかね、天道友美?。」
すると友美っちはゼエゼエ演技しながら。
「う。うけてやりますよ・・・ハアハア。つぎは誰が相手?。」
その様子を見て、武義は莉奈さんに特製端末を渡した。
それを見届けて、冬姉が叫んだよ。
「よし、これで私の願いがかなえられる。Vさんを馬鹿にする荒神流のトップ3の一人であるお前を叩き潰し、お前がVさんの足元にも届かないことを私が証明してやる。みんな手を出さないでよ。この戦いは私が一人で戦う。」
武義はぎょっとしたようだったが、もう後の祭りだね。
武義に逃げ場は無いのさ。
嬉しそうに莉奈さんは「ハジメ!」と叫んだ。
武義は、一瞬腰が引けていたけど、もう逃げられないと悟ると、まるで自分に言い聞かせるように言ったよ。
「武威の弟子程度に私が負ける訳が無い。」
そして勢いよく冬姉に飛び込んできた。
冬姉はその動きを先読みしたみたいに、半歩前に出てジャブを撃つ。
あまりに良いタイミングで当たったので、武義はひっくり返った。
ぷぷ、かっこ悪い。
あわてて武義は起き上がるけど、そこで武義のコメカミに冬姉の回し蹴りが寸止めされた。
冬姉・・・圧倒的な力の差を見せつける気だな。
その足を払って武義がタックル気味に飛び込んできたけど、やっぱり冬姉はサラリと転身して武義のタックルをかわして、下から武義の顎を蹴り上げる足を寸止めした。
圧倒的な予感。
武義はその冬姉の足を掴もうとしたよ。
でも冬姉はふわりと飛んで近づくと、そのまま足で武義の腕を背中に逆に固めて(デラヒーバ)地面に引き倒してしまった。
地面にうつ伏せに押え付けられる武義。
冬姉はその逆技をといて、武義を解放するといった。
「技では私がはるかに上だな。さて次は私のパワーを見せ付けてやる。お前もVさんの兄なら、私の一撃程度で死ぬなよ。」
武義は、イケメンな顔を真っ赤にして叫んだ。
「ふざけるな、ガキが大人に逆らってただで済むと思うなよ。」
そういうと、力ら強く踏み込みながら肘ウチで突っ込んできた。
冬姉はその肘ウチを避けずに、ミゾオチで受ける。
そして、まったく顔色一つ変えない。
「効かないな。では次は私の一撃を受けてみろ。」
そう言うなり、その場からノーモーションで武義を右パンチで打ち上げた。
ズゴーンという凄い空気の振動が私達にも響いたよ。
打たれた武義は、そのまま浮き上がり天井に衝突し、跳ね返り壁にぶつかり、また跳ね返って床に落ちてきた。
メガネは割れて砕け、自慢のイケメンも白目をむいて口を開き、凄い表情で気を失っていた。
さらに冬姉は空中を手刀で一閃。
するとボーっとたっていた、のこりの真田学園メンバーが吹き飛んだ。
当然、一般人の真田学園生徒は、その一撃で失神した。
莉奈さんは気を失った武義の顔を踏みながら嬉しそうに宣言してくれた。
「はい、当然のようにペルシア学園のお姫様妹とナイト姉チームの勝利ね。」
冬姉も満足そうに武義の顔を踏みながら、手を突き上げて勝利のポーズをとる。
冬姉、さすがに圧倒的だな・・・
模擬戦ではエスパー部隊の、どの班と戦っても負けないようになっていたのは知っていたけど、ここまで強くなっていたとは。
―――
火曜日
朝から、校庭のほうから餡ちゃんの怒号が聞こえてきた。
私達は驚いて窓から校庭を見る。
すると、校庭の中央で餡ちゃんが武義と如水と向き合っていたんだ。
餡ちゃんの横には太一とかいうオタクっぽいやつもいる。
餡ちゃんはさらに怒鳴るように武義と如水に言ったよ。
「真田学園は僕の仲間だ!みんな覚悟を決めて参戦してくれているのに、無駄な敗北を強いるような戦い勝手にしないでよ。
昨日の戦いのビデオを見せてもらったよ、なんであんな無駄に消耗させるようなことしたんだ。
学校に来てみたらチームが半分に減っているなんてどうしてさ!。
お兄ちゃん達はもうウチのチームから出て行け!。」
おお、餡ちゃん激怒状態で顔が真っ赤だった。
すると如水が言い返す。
「うるせえ、こういう敵を消耗させたり戦力を調べる作戦なんだよ。こっちが5チーム消耗しても向こうの1チームを潰せれば勝てるだからよ。」
「お兄ちゃんバカじゃないの?こっちは40チームも消耗してペルシア学園は1チームも消耗させられて無いじゃないか!。
だいたいお兄ちゃん達は逃げいていて知らないだろうけど、テロ戦のときにペルシア学園はめちゃくちゃ強かったんだ。
おそらく四校で最強なんだ。普通に戦ったらコッチが負けるに決まっているじゃないか。
お兄ちゃん達は臆病なチキンなんだからもう、邪魔しないで欲しいよ。」
武義がそこで餡ちゃんを指差して反論。
「子供が大人に逆らうな!怪我して家に帰ったお前の代わりに指揮してやったのに文句言うな。お前のほうが役立たずだろ。」
これにはさすがに太一が怒って割って入ってきた。
「それは違いますよ!。あなたたちは逃げたから無傷だったんじゃないですか。いい加減にしてください。」
「なんだと、教師に向かって生意気だぞ!。」
武義は太一を殴ろうとした。
でもその瞬間、餡ちゃんが間に入って来た。
「いま太一君を殴ろうとしたね。不条理な理由で僕の仲間達に手を出すなら武義兄さんでも許さないよ。もう怒ったよ、二人が僕らのチームから出て行かないなら端末を奪い取って壊してやる。」
すると如水が真っ赤な顔をして怒った。
「妹のクセに生意気だ。武義と二人でお前にしつけをしてやる!。」
二人は構える。
餡ちゃんも構えた。
「お兄ちゃんも武義兄さんも、もう容赦しないよ。僕は絶対に二人を倒すよ。」
そう言うなり、武義に殴りかかった。
でもすぐに横から如水が餡ちゃんに攻撃をしたので、十分に踏み込めず武義に当たらない。
そのあとは、もう見ていられなかったよ。
太一は一瞬で殴り倒されて気絶するし、餡ちゃんは武義と如水の二人を相手に戦っている。
真田学園の生徒がわらわらと校庭に出てきたけど、武義が「教師に手を出した奴は退学だぞ。俺達に手を貸すなら参加しろ。」と叫んだんだ。
そこで餡ちゃんが「僕に手助けは不要だよ。もしも僕に協力してくれようとしている人は、絶対に手を出さないで。これは兄弟げんかだから」といって真田学園の生徒を制した。
みんな手を出せなくて困っている。
武義、姑息だ。
普通は1対2だとあっという間に勝負がつく。
格下が相手でも、敵が二人いるとすぐに負けてしまうことも少なくない。
でも餡ちゃんは劣勢ながらも戦い続けていた。
これは、餡ちゃんが凄く強いって意味だと思う。
でも、2分も戦わないうちに、餡ちゃんが苦しそうに肩で息をしだした。
1対2はスタミナの消耗が凄く早いから、これはしょうがない。
私達は、助けるわけにも行かず三人の戦いを見守るしかなかった。
その時、校舎の上から凄い笑い声が聞こえてきた。
「おほほほほほ、餡さん苦戦していますわね。」
その声の主は屋上から飛び降りるなりポーズを決める。
金髪の縦ロールに、ピンクの派手なミニスカートの服。
顔には目のところにマスクをつけている。
そして謎の紙袋をいくつか持っていた。
「おほほほ、セント兼松学園のピンチには必ずワタクシが現れますのよ。ワタクシの名はアンミラーP!愛と正義の美少女仮面ですわ。おほほほほ。」
お読みくださりありがとうございました。
アンミラーPとは一体誰なのか?それは決して気づいてはいけない学園の闇。




