その21 友美達の初戦
そしてあっという間に月曜日。
学校一武道会は始まったっよ。
ルールは簡単!休み時間や放課後に審判をつれてきて勝負して負けたら端末を奪われる。
最後まで残っていたチームが優勝。
竹内館の連中は、Vっちの指導で訓練していたみたいだけど、こっちだって作戦面で、いろんな人に協力してもらってがんばったから、かなり勝てると思うんだ。
その中でも、学園長の兼松矛美さんや、良い女の早川莉奈さんに協力してもらったのは大きいと思うよ。Vっちを直に知っている人の意見は大きいもの。
準備万全で私達が朝の教室に着くと、荒川餡ちゃんの周りに、ハチマキをした普通の男子が壁を作っていた。
おお、もう防御体制だ。
でもその防御の壁をヒョイっとどけて友美っちは餡ちゃんの隣の席に座った。
あの壁を作っている男子達・・・・つかえないな。
友美っちは餡ちゃにいつものように話しかける。
「おはよう餡。今日は少し緊張気味だね。」
「あ、おはよう友美。僕だけじゃなくてみんな少し緊張気味なんじゃないかな。」
「あんまり緊張しないほうがいいよ。緊張しすぎると視界が狭まるから、くだらない罠にかかったりするんだよ。こういう時こそいつもどおりに過ごして、敵が現れたら練習通りにやるのが一番だよ。」
「さすがに、実戦経験が豊富なだけあって友美は落ち着いているね、感心しちゃうよ。」
「あは、だってこの大会は負けたって死ぬわけじゃないもの。そんな緊張はいらないと思うよ。」
「その度胸は、さすがV兄さんと戦ってきただけあるね。僕は駄目だよ。負けたときの事が怖くて。」
「餡はまじめすぎるんだよ。そういえばそっちのチームのメンバーは頼りになる人なの?。」
「僕のチーム?それがまた嫌なんだよね・・・・。」
「え?嫌なチームなの?。」
「うん、実は武義兄さんと、うちの如水お兄ちゃんが無理やり僕のチームに入ってきてさ、困ってるんだよ。」
「ああ、あの荒川一族の小さい男コンビだね。餡に戦わせて負けたら餡のせいにする気なんじゃないの?。」
「あはは、多分ね。いいよ、僕は一人で戦ってやれるところまで戦うから。友美は誰と組んだんだい?」
「私?わたしはこの芽衣とお姉ちゃま、それとSPの金子と乳母の房代さんの5人だよ。」
「え、乳母さんって房代叔母さんだよね。あの人も戦えるの?おしとやかな人に見えたけど意外だな。」
「もちろんだよ。荒川武玄の血筋はみんな武闘派だよ。」
「あー、お爺ちゃんの血筋だもんね。そう言われると納得だね。」
そこに、屈強な男達が5人やってきたんだ。
「我々はセント兼松チームの一つ、綾小路家SPチームだ。ここにペルシア学園チームが居るときいてきた。お相手願いたい。」
おっと、私達をご指名だ。
そっか、生徒本人でなくてもいいからこういうオッサンチームもいるわけだ。
すると立ち上がったエスパー部隊を制して友美っちが立ち上がる。
「この大会の一戦目はやっぱり私達が出ないといけませんよね。このペルシア学園001チームがお相手します。」
するとすぐに、審判役の夏子さんが来たよ。
其の後にこっちも、メンバーの冬姉と金子と房代さんが来た。
向こうのチームとコッチのチームの特製端末を夏子さんに提出して、準備完了。
そしたら大会の一戦目だからということで、矛美学園長から目立つように校庭で始めるように指示が出たんだ。
そんなこなんで今私たちは校庭に出てきたよ。
全校生徒が窓から私達を見ている状況で、矛美さんの声で校内放送が流れた。
『それではただ今から、学校一武道会を開催する。
各参加者は反則負けにならないように、今一度ルールを確認しておくように。
参加者は手元の特製端末を確認してみろ。現在の参加チームを確認できる。
もしも最後の一チームまで絞り込めない時は、今週の金曜日17時時点で残ったチームが多い学校のリーダーチームを優勝チームとする。
ではゴング代わりに、セント兼松125番チームとペルシア学園001番チームの戦闘を行う。
ハジメ!』
夏子さんもすぐに「ハジメ」と号令。
その声に反応して綾小路SPチームはすぐに武器を構えた。
私達は、友美っちだけが戦う「一人型」フォーメーション。
本当は金子を前面に出して戦いたいけど、これはこの一戦が学校中で見られると分かったときに、友美っちが強烈にこだわった「一人型」フォーメーションなんだ。
初戦は、Vっちへの挑戦状も兼ねるから、絶対自分ひとりで戦いたかったんだって。
その熱意に、あの冬姉も黙って退いて、友美っちに戦いをまかしたよ。
友美っちは背中に背負った如意棒を羽のように広げると、冷たい目で相手を見下して言った。
「私達と戦うというのはお役目とはいえ同情します。ですからハンデをあげましょう。あなたたちのお相手は私一人です。」
向こうのチームは、コッチのチームが全員下がったのを見て少し動揺したようだったけど、無線でリーダーらしき男が指示を出したら拳銃型のスタンガンを構えて、友美っちを囲んだ。
その動きを見ていた金子が房代さんに言った。
「こいつら無能ですわ。Vさんなら三人で友美様を囲んで、二人は俺らと友美様の間の壁を兼ねた予備戦力としてフォーメーション組むと思いますわ。同士討ちを避ける意味でも。」
な、なるほど。
金子の視点は集団戦に慣れた視点というだけではなく、Vっちから教育された視点でもあるから、私達には重要だね。
綾小路SP部隊は、友美っちを囲むとすぐにリーダーっぽい男が指示を出した。
「撃て!」
五人は同時に友美っちにスタンガンを撃ったよ。
でもその瞬間!
友美っちは如意棒を地面に突き刺し、一気に伸ばすことで空中に飛び上がった。
その姿はまるで背面飛びをしている妖精みたいに華麗だった。
標的を失ったスタンガンは同士撃ちで二人に直撃する。
同士撃ちされた二人のSPおっちゃんは、一瞬直立したみたいに緊張して、バタリと倒れた。
カッコ悪っ。
慌てた綾小路SP部隊の残りの3人は、空中の友美っちを撃とうと上に銃を構えた。
そこでまた金子がつぶやく。
「ちゃうやろ、相手が視界から外れたらまずは本能的に移動や!その場で上に銃を構えるなんてVさんの部下だったら蹴り飛ばされますわ。」
たしかに、Vっちだったら急いで飛びのきそうな状況だと思う。
でもこのSP達は、すぐに上を向いて銃を構えた。
それが命取りだった。
SPたちが上を向くときには、友美っちは素早く如意棒を鋭角に曲げることで弧を描いて地面に降りていた。
友美っちは地面に降りながら背につけた気念砲を腰に構える。
その気念砲は友美っち用にカスタマイズされたもので、素早く繊細に変形できるように設計されているんだ。
友美っちは、SP達が自分に向くよりも早く気念砲をマシンガン型に変形させて叫んだ。
「友美、スタン弾撃ちます!」
ズガガガと黄色い光がオッチャン達に降り注がれる。
残っていたった3人のオッチャンたちも、力が抜けたようにその場に倒れた。
そして夏子さんが叫ぶ
「やめ!」
叫ぶなり、倒れたオッチャンたちの脈を確認し、嬉しそうに叫んだ。
「はあい、ペルシア学園001番チーム、通称お姫様妹とナイト姉チームの勝利です!。」
このとき、学校中が「おおお」という声でとどろいたよ。
よく聞くと、周りから「参加登録しちゃったよ、どうしよう」とか「甘かった、マジやばいよ」とかの悲痛な叫び声も聞こえきた。
そりゃ初戦が銃撃戦とか、みんなビビるよね。
そこに、校舎の3階から飛び降りてくる男がいた。
ズドンと地面に落ちると、その男はふてぶてしく笑いながら、ボロボロの学生帽を指であげてこちらに顔を見せる。
大黒雅人だった。
「おいおい、武道会なのに銃撃戦が初戦なんていうのはちょっと『しょっぱい』んじゃねえか。俺が男の戦いを見せてやるよ。次は俺が戦うぜ。」
すると、雅人のチームとおぼしき四人も、校舎から飛び降りてきた。
なぜか連中のとこだけバサバサと風が吹いて服がたなびく。
劇画か!
でもいいの、雅人?いきなりリーダー同士でぶつかる気なの?
Vっちは作戦を与えなかったのかな?それとも雅人の命令無視?。
そこで校舎に向かって雅人が叫んだ。
「おい、荒川武義・荒川如水。こんだけ派手な戦いだ、見てるんだろ。センコーのお前らから潰してやる。怖いなら逃げてもいいが、少しでも度胸があるならこの公開処刑場に来てみろよ、チキン野郎。」
すると、校舎の4階から荒川餡ちゃんが飛び降りてきた。
「お兄ちゃんたちは僕のチームだ。やるなら僕も相手になるよ!。」
おお。餡ちゃんカッコいい!。
そして飛び降りてきたときに、スパッツを履いていても全力でスカートがめくれる姿は萌えそうだったよ。
ちらりとみたら、やっぱり夏子さんは鼻を押さえている。
あれは、また鼻血でたね。
読んでくださりアリガトウございます。
荒川餡マメ知識:常時スパッツ着用。スパッツ見えた!でもスパッツだから恥ずかしくないもん!




