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第0話 プロローグ 無知による無慈悲

唐突だが

渋谷の人ごみの中で箱のようなものを拾った。

昔あったルービックキューブのようだ。


「懐かしいものを拾ったな」


俺は、面白半分にそのルービックキューブをその場で回し始めてみた。

むかしは、6面そろえることも出来たのに、今はコツを忘れてしまってるようで、全然面がそろわない。

一生懸命集中して回したら、なんとか一面だけ色をそろえた。


黄色の面だ。


すると・・・、不思議なことに、そろえた面から「地域」と書かれたつまみ式のスイッチが出てきた。


本当に、ニュっとルービックキューブからはえて来たのだ。

なんだろうと思い。俺はそのスイッチをカチリと入れてみた。


次の瞬間


渋谷の街が震えた。

大量の爆音が周り中で響き、凄まじい衝撃が広範囲で鳴り響いた。

「うわああ、何がおきた??」


頭では突然の出来事を理解できなかった。

しかし、目は周りの出来事を次々に脳に送り続ける。


まわりで人間が次々に爆発をしていた。

一人二人ではない。

目にはいる範囲全てでそれこそほとんどの人が爆発しているように見える。

一瞬で、大量の人間が爆発した。

あたかも血の詰まった爆弾が一斉に爆発したように見えた。


俺は何が起きたの感情が邪魔して理解しようと出来なかった。

いま何千人もいっせいに人が爆発したのが見えたのに。

爆発の後。見える範囲全てが真っ赤だった。


数秒して、そこらじゅうで女性の悲鳴が聞こえる。

悲鳴が聞こえるという事は、どうやら、この付近の全員が爆発したのではなさそうだ。

しかし凄まじい光景すぎて目の前の光景に現実感がもてないまま放心してしまった。。

思わず、俺は手に持っていたルービックキューブをポロリと落とした。


渋谷の街が、本当に真っ赤だった。360度見渡す限り、飛び散った人の破片や臓物で真っ赤なのだ。血を浴びた人間達も真っ赤。


よく見ると、車の屋根や建物のガラスが吹き飛んでいる。

本当に爆弾が爆発したのだと実感できる。


悲鳴と血の匂いが凄まじく、どこまでを現実だと認識すれば良いか分からないほど凄まじい光景だった。


コレはテロなのか・・・


すると、誰かが俺に声をかけてきた。

「そこの不細工な若者よ、これはあんたのスイッチかね?」


呆然とした俺は、はっと我に帰り声のほうを向く。

すると、ひどく不細工なおじいちゃんが、俺が落としたルービックキューブを持ってこちらを見ていた。


「は、はい。さっき拾ったばっかりですが、それは僕のです。」

すると老人はにっこり笑って。


「そうか。ではこの惨事はあんたが起こしたのだな。」

俺はこの老人が何を言ってるのか分からなかった。

「何を言ってるんですか?僕もたまたまこの場に居ただけです。」


すると老人はにやりとして語りだした。

「ほおお、では知らないでこのスイッチを使ったのか?いや、そうでなければこうも無慈悲にスイッチをつかえはしないか。これはイケメンスイッチという神秘のスイッチなのだ。これを押した人間以上のイケメンを爆発させる恐怖の力を持って居る。おそらくお前がスイッチを入れてしまったせいで、この町に居たお前以上のイケメンが全て爆発してしまったのだな。」


確かに、人が爆発したタイミングは、このスイッチを入れたタイミングと同じだった。だがそんなことがあるわけが無い。

俺はおじいさんの胸倉を掴んで怒鳴った。


「バカかあんた、コレだけの大惨事の中で馬鹿なこと言ってやがると、じいさんでもぶっ飛ばすぞ!」

しかし、胸倉を掴む俺を無視するように、おじいさんはルービックキューブをカチカチ一生懸命まわしてる。


そういえば、ルービックキュブからはえてきたスイッチはもう見当たらない。

ルービックキューブを回しなら、おじいさんは更に語り始めた。

「イケメンスイッチは、そろえた面の色によって出てくるスイッチが違うのだ。しかも一回使うとそろった面がバラバラになりスイッチは消えるので、また面を合わせてスイッチを出し直さないといけない。面倒だが、それを差し引いてもこのスイッチは凄まじいものだ。」


そう言いながらおじいさんは、ルービックキューブの面を一つそろえた。


青の面だった。


すると、前と同じように、そろえた面からニューっとつまみ式のスイッチが出てきた。


スイッチには「意識できる範囲」と書いてあった。


おじいさんはまたニヤリと微笑むと俺に向かってこういった。

「お前の不幸はこのイケメンスイッチの真の価値を知らなかったことだ。さようなら、一度だけのスイッチマスター。」

そう言いながら俺を見ながらスイッチを入れた。


カチッ


目の前の醜い老人がスイッチを入れるのが見える。

次の瞬間、体の中に凄まじい衝撃を感じた。


「ぐああああああ!」


激痛とともに、俺は自分の体が爆発する音を聞いた。


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