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第十三話:『【速報】芋ジャージ無双【若獅子杯】』

大会終了後、掲示板『ダンジョン・ナウ』のサーバーは、かつてない負荷により悲鳴を上げていた。


特に、首席合格の「折原ミオ」を監視し続けていた特定のスレッドは、1000を超えて次々と新設される異常事態となっていた。


【伝説】折原ミオ、各道場の看板を粉砕完了【若獅子杯】

1:名無しの探索者

おいおいおいおい。 今、武道館から帰ってきたんだが、俺が見たのは現実か?


2:名無しの探索者

1 おかえり。安心しろ、俺も現地にいたが、いまだに夢だと思いたい。


3:名無しの探索者

配信組だけど、何が起きたか解説してくれ。 神刀流の若先生が飛んでったところでカメラが追いついてなかった。


4:名無しの探索者

3 解説もクソもない。 神刀流の奥義(笑)を鼻先でかわした直後、あの子が木刀を「置いた」だけ。 そしたら若先生、時速100キロくらいで場外の壁まで吹っ飛んでった。


5:名無しの探索者

【画像】ジャージ姿で虚空を見つめる折原ミオ(アップ) 見てくれよ、この目。 「一千万……肉……」って呟いてるようにしか見えない。 目の前の天才少年(蓮くん)のこと、1ミリも視界に入れてなかったぞ。


6:名無しの探索者

5 怖すぎワロタwww ていうか、一ノ瀬くんの最後の奥義、あれ完全に師匠のBランク直伝の魔力出力だったろ。 それを「安物の木刀」で、正面から、物理で、叩き割ったぞあの子。


7:名無しの探索者

物理(概念)。 木刀が振り下ろされた瞬間、会場の空気が一瞬だけ真空になったの気づいた? 俺、最前列にいたけど、鼓膜が破れるかと思ったわ。 あれはもう武術じゃなくて、局地的な天災だ。


8:名無しの探索者

一番可哀想なのは、看板背負って出てきた名門道場だよな。 「うちはエリート育ててます!」って顔して出てきた連中が、 隈だらけのジャージ女子に、一撃ずつ、均等に、ゴミみたいに処理された。 明日から門下生激減だろこれ。


9:名無しの探索者

8 剛拳会の師範代が、試合後に「あれはどこの流派だ……あんな重心操作、人間には不可能だ」って震えながら漏らしてたらしい。


10:名無しの探索者

これでもまだFランクなんだろ? ギルドのシステム、バグってねえか? あんなの野放しにしたら、新人探索者が全員自信喪失して引退するぞ。


11:名無しの探索者

【速報】折原ミオ、優勝インタビュー完全無視。 「賞金はいつ振り込まれますか?」とだけ聞いて、スタッフを震え上がらせて帰宅。


12:名無しの探索者

11 ブレねえなwwww 最強の死神にして、最恐の守銭奴。 これもう「芋ジャージの死神」って呼ぶしかないだろ。


13:名無しの探索者

でもさ、マジな話、これ各道場が黙ってないだろ。 特に面子を潰された剛拳会とか、バックにヤバい筋の探索者ついてるし。 あの子、変なことに巻き込まれなきゃいいけどな。


14:名無しの探索者

13 ……心配なのは「狙う側」の方だと思うぞ。


 ミオが自宅で、周防に「一千万の資産運用計画」を強制的にレクチャーされ、白目を剥きながら眠りについている頃。  


ネットの熱狂とは裏腹に、面子を潰された武道界の闇と、彼女の「異常な強さ」の源流を突き止めようとする影たちが、龍脈の屋敷へと静かに食指を伸ばし始めていた。


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