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SCORE5:ザ・バンビッツ・ウォークライ Ⅰ

さてさて・・・ある程度在庫の減ったキャラまとめと行こうじゃあないかァ・・・!

・アレキサンドラ・カヴァルカンチ少佐(アデレイドの部下。筋金入りのスパイ。〈アルセーナ〉出身)

・パーチェス・パルマ(カールの父。妻と共に家具職人として生業を立てている。『自然由来の材質がいい』で好評だったらしい。享年39。〈ミシガンベルツ〉出身)

・スズナ・パルマ(カールの母、パーチェスの妻。旧姓・平泉。スペルが長いとか何とかでこっちにしたという。享年36。〈アンバーライト・マム〉出身。)

・ヒライズミ・ムーン・キイト(アデレイドの夫。故人。享年28。〈アンバーライト・マム〉出身)

 レベッカは生きた心地がしなかった。それもその筈、囲まれている最中なのだから。

「どうして人がいる・・・?それもこの星に・・・?!」

 カールを森の木陰が生い茂る大樹の下で足を延ばせるように、まるで介護老人の様に体を運び、保冷材などで体を申し訳程度で冷やしていた状態の時。要はどちらも満身創痍。


 困惑が隠しきれなかった。鉄製だろうか、相手は槍のような武器を持っている。木に隠れながらこちらをうかがっているのが確認できる。服は・・・中世か近代チックな庶民服だろうか。多少ヘルメットみたいなものや胸当てを付けて武装しているみたいな・・・。私は山から出没してきた熊か何か、レベッカはそう言いたいような表情だった。


 だが、明らかに「異物を見るような目」でこちらを見ているのは確かな事実だった。

「レベッカ・・・逃げろ・・・。幸い・・・こちらにはブラスターがあるから問題ない・・・機体で何とか逃げられるだろう、お前のは・・・。」カールが口を開いた。

「・・・少しだけは喋れるの・・・?」

「何とか。かなり水分が無くて死にかけたところだったが・・・。」いつもよりも青白い表皮のまま、受け答えた。額からは直径一センチ程の大粒の汗が鼻を伝って落ちて行った。


「・・・機体が壊れた。」

「・・・はい?!」

「壊れたのよ、いきなり。本当よ、本当に着陸したときに『バキッ』て、基盤が音を立てて・・・」

「何だって?!・・・いてて・・・。」重度の熱中症になって死にかけた直後にいきなり大声を出したカールは当然の生理的反応を示した。それはアルコールに酔っている時よりも酷く厳しいものだった。


「安静に!安静に・・・。あんた死にかけたんだから・・・。」

「そうだった。・・・もう囲まれているんだろうか・・・。」

「多分。それに、『あれら』はここの地理には詳しいはず。それに、鉄器を扱える知能もあるわね。話が通じるとは思えないけど、話してみる価値はあるのかも・・・?」

「お手上げだな、多分。救援はいつ来るか、分かるか?何もかも全部任せっきりで悪いけどな・・・。」

「ホントよ、ホント。全く、あんたのせいで・・・。」


「文句はあの大佐に行ってくれ。『仕事をしない』で定評のあるあいつに。」

「さあね。あと二時間弱で来るとは言っているけれど、・・・ちょっと待って。」

「向こうから来なさったか。」そう言ったカールの手元は徐々にブラスターへと近づいた。

「さあ、どこからでもかかって・・・」

「さあ、逃げろ、レベッカ!」

「どうしてっ?!」

「今お前が捕まったら誰に状況を説明する?!最悪二人が死ぬ結果に終わってしまう・・・お前にスモークグレネードと探知機を渡す。僕のスーツに対応している奴だ。さあ、行け!」


 完全な正論だった。結局、レベッカは一人で森の中を走りだしていた。パワードスーツのような防弾、衝撃吸収能力もない、ただのパイロットスーツで。




「逃げたぞ!追え!」キース・・・という名のソルジャーは声高に叫んだ。決してレベッカやカールには聞こえないような言語で。

 彼らは、「アルミナ」という名の少女の通報を受けて現場にやってきた次第である。十数人の仲間を連れ、それぞれ斧や槍を握り、動きのある方へと足を進めて行った。


「そして・・・このぐったりしていて動かない奴はどうする?」部下のシーディアはキースに進言した。

「・・・取りあえず捕まえる。あの『大鳥』の情報も分かるかもしれない。『シャプト』の能力の足しにもなるだろう。」はっきりと決断していた。

 そして、他の学校の生徒にお金をたかる中学の不良のように、カールを脅迫した。


「手を上げろ!その得体の知れないブツを落とせ!」彼が持っていたグラディウスに近い剣をカールに向けて、ブラスターを落とすよう指図した。

 その言語こそカール自身は分からなかったが、何を言いたいかはよく分かった。彼はおそらくリーダー格の人間だろうか。カールは気分が良くなかった。実際に。何しろ、まだ熱はあり立っているだけもやっとの体なのだから。


「・・・で、お前は何だ、これは何だ?!」鼓膜が破れかねない大きさで恫喝した。

「・・・あんたには僕の言っている意味は分からない。だが、はっきり言っておくが、レベッカはS4の操縦だけじゃなくて、陸でも逃げるのがうまいんだぜ・・・」そう言って、彼の肩に倒れこんでしまった。


「・・・なんだ?なんだ・・・?こいつ、かなり汗をかいているじゃないか・・・死ぬぞ、これ!」

「早く助けた方が良さそうよ。」

「水蒸気から冷水を作れないのか?」

「私の『ソル』は『シャプト』に特化しているのよ、今更どうして聞くの?」

「・・・悪かった。他の奴らはどうなんだ?」

「見た限りだと善戦しているみたい・・・というか、アータルタが前線に出すぎてむしろ追いかけっこになっちゃっているみたい・・・。」

「・・・あのバカっ!」


「止めるからまず、隊長はこの半死人を運ばせて。恐らくあの赤髪の女の人の方が脅威だから、今は。」

「ああ、分かっている。行ってこい!」

「はい、隊長!それとアータルタに『馬鹿』って言ったこと、言うから!」

「馬鹿やろー!早くいってこい!」

 人狩りをしている状態には思えない陽気さで、二人は会話を終えた。だが、活劇はまだ終わらなかった・・・。




「何なのよこれ・・・?!」レベッカは逃げていた。ここまで走ったのは訓練の時以来だろうか。パイロットになってからはずっと走るなんてことは無かった。まして、後ろからよく分からない火球に追われながらなんてことはどこのマニュアルにもなかった。


「ええい、使ってやる・・・!」やけになってスモークを炊いた。白い煙が辺りを覆う。火の玉が草木の間に落ちる。やった、これで追跡から逃れた!後は逃げるだけ・・・。

 逃げる・・・なんか焦げ臭い。化学物質からの匂いでもないし・・・山火事?!まずい!


「どうしてよおおお!」本当にやけくそだ、今日は。基盤はぶっ壊れるし、カールは死んで、じゃない死にかけるし、その上山火事で死ぬ羽目になるとは。レベッカはまだ死んではいないがその想像をしただけで頭が・・・何と言うか「ハイ」になっていた。

「オラオラオラオラァ!燃えてしまえ!!」巻き毛に近い赤毛のアータルタはそう言いながら火を放ち続けていたが、仲間に制止された。


「燃えてます、森が!」

「何?!あの煙幕のせいで追跡できなかったじゃない!・・・そうか、火じゃなかったら良いのよね?!」

「ちょ・・・何してるんですか?!」

「川から水を大量にくみ取って消火する・・・アイツの命ごと!」

「そしたら情報が・・・」

「うるさい!」

 仲間の静止も役には立たず、半径二〇メートルもの水球がレベッカを押しつぶそうとした。レベッカがそれに気づき、相手に向けてブラスターの引き金を引いた時までは。


 ブラスターには三つのモードがある。一つは弾数が一〇発のコイルガン。これはあくまでエネルギーが殆どないときの最終手段で、パワードスーツを着けている人には効力がない。せいぜい自決用と言った所である。二つ目は二〇〇発撃てるノーマル・モード。角度によってパワードスーツの装甲を溶かし、ビームを貫通させる。最後はエレキ・ショット。これはスタンガンの遠距離用と言った所だが、レベッカはそれをショットガンと同様の破壊力になっている最大出力で近くの木に当てた。

「何?!」


 アータルタの集中が途切れ、水球が端の方から洪水のように滴り落ちた。火は消えたものの、追跡が困難になってしまった。

「・・・一旦退散!敵は強力な武装をしている!」その判断は懸命だった。第一、その仕組みが分からない以上、対処のしようもない。結局、キースたちはカールの身柄と持っていた幾つかの物品のみを村に持ち帰った。

「頭が・・・『ハイ』・・・?オラオラ・・・?」まずい、500年前ミームマニアのカールに勘づかれた。

「だぁーッ!分かった!分かってらあ!」

はい、書きます。

 

「ハイ」、「オラオラ」・・・ジョジョの奇妙な冒険第三部で主人公とラスボスの言うセリフ。ネタバレを避けるためここでは言わない。


・・・言わないが吉。何故って?そりゃあ・・・過去に後輩に三部のキャラの誰かが早期離脱するってネタバレされたのだから。

名前を言え、だって?!

まさか。ここで話したら「二次創作」のカテゴリに入ってしまうじゃあないかッ!


追記:スケジュールの都合上、本日は3個立てです。あと4章(公募に出すつもりの奴。だがしかし物語はあと20章以上は続きます)、どうぞお付き合いください。

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