冒険の始まり…?
「アルファちゃん、何があったの?」
「みんな慌ててるの!それから色んなところの電気が点滅したり、地面が揺れたり…!」
アルファは慌てながら、事情を説明した、その言葉を聞いて辺りを見渡すと、確かにいつもの様子ではない。エックスとガンマは一緒に広場へ行き、誰かに状況を聞くことにした。
「!これは、一体…?」
広場に行くと、この国のリーダーが国民に状況を説明していた。すぐ近くに中性子が立っている。エックスたちも近くに行くと、一緒に話を聞いた。
「_つまり、このままでは、少なくともこの国は崩壊してしまうでしょう。できる限りの対処はしますので、協力して頂き___」
「…意味が分からねぇ…急にそんなこと言われたって、対応できるわけ…。」
ガンマは怪訝な顔をして、そう文句を言った。何も言わずに聞いていたが、正直なところエックスも同じ感想だ。これからどうしよう、とガンマに相談しようとした時…突然、中性子が人の集まりから抜けて、早足で歩き出した。
「ちょっと、中性子くん!?どこ行くの!?」
「………。」
「せめて返事して!?中性子くんってば!」
「おい中性子!話聞けよ!」
無言で歩き続ける中性子を、エックスとガンマは急いで追いかけた。
「あっ!中性子、どうしたの?」
「お久しぶりです、中性子さん。」
中性子が向かった先には、アルファとベータがいた。どうやら、3人は仲が良いらしい。
「…大変なことになってるから、何とかしたい。手伝ってくれないかな?」
「えっ?何とかするって…どうするの?」
中性子の誘いに、アルファは疑問を浮かべていた。すると、中性子は国境となっている大きな壁を指差した。
「……どこかに、抜け道がある。こうなった原因を探したいんだけど…。」
「急に何言ってんだよ、お前は!俺達の出る幕はねぇだろ。これは世界規模の問題だぞ?」
「…それは…。」
黙っていられなくなったらしく、間髪入れずにガンマが突っ込む。すると、少し俯いた中性子を見て、ベータが口を開いた。
「でも…確かに、中性子さんの気持ちも分かります。」
「そうは言っても、俺達がどうにかできる問題じゃ…。」
ガンマは反対している様子だ。エックス自身も、あまり乗り気ではない。しかし、中性子にも考えがあるのだろう。そして、アルファとベータは協力する方向で考えているようだった。
「まぁ、やってみてもいいかもね…って中性子くん、どこ!?」
「おい中性子!勝手にどっか行くんじゃねぇ!!」
エックスとガンマが決意した頃には、目の前から中性子の姿が消えていた。また突然の行動を取った中性子を、急いで4人で追いかける。すると、中性子は壁を探っていた。
「……見つけたよ。ここから出られる。」
そう呟いた中性子が壁を指差すと、確かに他の壁とは材質が違う。電磁波族であれば、この壁を通り抜けられるようになっているのだろう。
「こんな抜け道が……って、アルファちゃん?」
4人は問題なく壁を通り抜けた。しかし、何故かアルファが着いてきていない。
「どうしたんだ?アルファも来てみろよ!」
「……みんな私が透過力小さいこと知ってるくせに!いじわる!!」
そう言われて、エックス達は気付いた。アルファは他と比べて透過力が小さいため、この薄さの壁でも通り抜けられない。4人は思わず笑いながら、改めてアルファの通れる道を探した。