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魔法士と魔術士とコル家

ウルススは王国が今の姿になる前にも存在し、何代にも続く名門貴族、コル家の正妻の長男として生を受けた。しかし、家を継ぐ嫡男ではなかった。

理由は魔法士として欠陥品だから。

異母兄妹は少なく無かったが、とにかく実父の父親に嫌われていた。


それはウルススの母親が産後の肥立ちが悪く亡くなったのが主な原因である。最愛の人の命を縮めた実の息子を憎悪させるには十分すぎる欠陥だった。実の息子を愛せなったとしても、幼いウルススが何故父親に愛されないのかを理解するには、この世界の魔法の在り方そのもののせいだった。


魔法の才能は誰にでもあるとされているが、ない人にはとことんない。回復魔法を覚える魔術士は回復術師として教会の帰属になる。

魔術士はそのまま詠唱によって攻撃魔法を使える者。属性にもは7種類あるが、だいたい四大元素魔法のどれか1つか2つ。多くて5つがいいところ。

しかし、魔法士は違う、攻撃魔法は7つ全て、中には固有魔法まで持つ者もいる。そして回復魔法も使える。まさに選ばらし者だった。


ウルススには回復魔法しか使えなかった。


それが父親に露見した時、ウルススの世界が一変した。使用人は影で悪く云うし、仲の良かった兄妹ともギクシャクした。


しかし、ウルススに勝てる魔法士は居なかった。


身体強化、その才能。攻撃を受ける前に倒す。意識して魔法を放つ前に攻撃する。遠くから攻撃するなら距離を詰めて攻撃を先に当てる。誰も彼に勝てなかった。


いつしかウルススは魔法士殺しとの異名が付いていた。


何回も毒殺されかけるも自力の回復魔法で生き延びた。触れるな危険。異端児としてウルススは育ち、王都では有名だった。


15歳の成人年齢になるとウルススは家を出た。有名だったが顔は知られてる無かったので、冒険者になるため教会で回復術師の修行を受け、最低ランクから出発したが、数年後に人を殺したとして冒険者ギルドを辞める事になった


暗殺者になったのは本当に成り行きで、あるいらいを遂行したらスカウトされたのだ。


その依頼は暗殺者ギルドの入会試練であり、過去で最高の出来だったそうだ。暗殺者ギルドの一員になると世界の裏側まで見えるようになり、酒を覚えた。ストレス軽減がのためかもしれない。


圧制を敷いていた前国王を手にかけたこともあれば、聖書者の皮を被った悪魔を倒したこともある。大商人の用心棒のような事をして豪華な生活を送ったこともあれば、乞食のフリで路上で生活したこともある。


「ご主人様はお金に興味がないんですか?」

「酒を買うのに必要だから金に興味が無いわけじゃないさ」



暖炉の前の長いソファーに腰かけ、銀貨5枚した20年ものの蒸留酒をティアが作ってくれた氷を入れたロックで味わう。これぞ、贅沢。


「金がなければティアも家も買えなかったしな」

「それは、そうですねてっきりギアスで性奴隷にされるものかと……」

「俺は諦めたいないのだが?」

「私の自由意志に任せると言ったのは、ご主人様です」

「ま、好感度が上がるように、せいぜい頑張るさ」

「ちなみにマイナスからのスタートなので、今は気になる同居人レベルです」

「それは思い切って手を出す案件では?」

「そう思ってるのは肉欲に正直な男性側の意見です」


残っていた酒をグイッと開けると、


「美味しい食事に美味い酒。傍らには美少女をはべらせ。アレ? 俺って人生の勝ち組では?」

「ハイハイ、酔っ払いは早く寝ましょうね」

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