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ノウノネ  作者: 淀川市
第一章
5/11

どうにでもなれ

「ばあ!」

「ん〜、」

「わあ!」

「ん〜?」

「わああああああ!」

うるさいなあ

「ん?だれ?」

「え?だから、夜また来るよって言ったじゃん。」

「ああ、そっか、さっきの人か。」

突然のことで驚いた。どうやら勉強に夢中になって気づかなかったらしい。気づいたら女の子が部屋の中にいた。今の声で、お母さん起きてないといいな。

「静かにね、お母さん起きちゃうから。」

「全然気づいてくれないんだもん。さっきみたいになんとなくで気配を察知するとかできないの?」

「…集中してたから。できないよ。」

「まあいいや!じゃあ行こっか!」

「ん?どこに?」

「どこって、楽しいところだよ。」

「え、なんで?というか、ダメだよ。」

ダメというか、普通そうじゃない?子供は夜に外出ちゃダメだし、そもそも、知らない人と二人きりもダメだし、怪しすぎるよ。

「え?なんでダメなの?こんなところ居たって楽しくないじゃない。コウエンとか、オカシヤサンとかさ、楽しいじゃん?」

「何言ってるの?お母さんに許可取らないと外にでちゃいけないし、お母さんにバレたらダメだし、そもそも初対面だよ?怪しいし。」

よく分からなくて、正直に言った。

「え?そんなこと?隠せばいいじゃん。ていうか私、怪しくないし。」

怪しくないって言う人が一番怪しいと思うけど。

………これ、夢か。あのまま寝落ちしたのか。最悪だ。どうりで不思議な感じがすると思ったんだ。今が夢ということは、さっきの昼の出来事も夢?かなり現実味を帯びていたけど、気のせいか。

 夢なら、どうでもいいや。どうせ起きたら朝なのだから、この子と外に出てもいいな。夜に外に出る夢なんて初めて見るな。

「じゃあ、行こうかな。」

「お〜、急にいく気になったんだ。なんでかは聞かないけど、まあ行こっか。」

そう言うと、何も持っていなかった女の子の手に突然自分の靴が現れた。いつの間に玄関から取ってきたんだろう。

と、女の子が靴を私の机に置いた。え?まさか、窓から出る気?

「え、窓から行くの?」

「うん、その方が早いし。」

夢だからいいか、と思い靴を履き、屋根の上を歩いた。かなり不安定だったが、何か、楽しい?

「どう?初めての夜の外出は。」

女の子が問いかける。なぜ今日が初めてだとわかるのだろうか。ああ、夢だからか。

「う〜ん、初めて見る夢だなあ、と。」

「夢?何が?」

「え、今が。」

「は?何を言ってるの?すごく、とても、当たり前に、今、現実だけど。」

女の子の言葉に少し焦る。

「そんなわけないよ。夜に外を出るなんて、ましてや屋根を歩くなんて、夢に決まってると思うけど。」

ぎゅ〜〜

 急に女の子が私のほっぺをつねってきた。

「いひゃい。」

痛い。私は急に冷静になった。いや、今までも冷静だったんだけども。なんというか、夢から覚めたような冷静さになった。

「でしょ?」

「ふん、いひゃいかゃ、はやふははひへ。」

「あ、ごめん。ちょっと触りごごちが良すぎた。」

私のほっぺって触り心地良いんだ。そんなことを考えるほど冷静だった。うん、現実、うん。

「どうしよ。」

「遊ぼう!」

違う違う、そうじゃない。ああ、でも…

「もう、どうでもいいや…」

囁きに近い独り言を言う。

「ん?どうしたの?遊ぶ?」

女の子はにっこりと笑って言った全てを見透かすように。

「いや、なんでもない、いや、なんでもなくはないけど、でもまあ、なんでもないや。遊ぶよ。よく分からないけど。」

「ふふーん、決定だね!じゃあこっちに来て!」

私は何も考えず、フラフラと女の子についていった。

 この前お母さんに蹴られちゃった足、痛いなあ。そんなことも、考えていた。







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