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ノウノネ  作者: 淀川市
第一章
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日々の生活

 私は私立の小学校に通っているわけなので、三年生になる前までは公立の小学校というものを知らなかった。まあ仮にそこで知ったとして特に何も思い。そんなものがあるんだなと思ってさして気にしなかった。

 しかしその日、普段通り登校している時、別の学校の子の集団を見た。普段より遅く家を出たからか、初めて他校の子を見た。公立の学校の子達だ。

「おいお前ら、今日あれ持ってきたか?」

「もちろん!」

「俺も俺も!ゲームとお菓子とジュース!」

「ナイスだお前ら。休み時間に遊びまくろうぜ!」

そんな話が聞こえた。お菓子?ジュース?テストのご褒美会でもやるのかな。…学校で!?思わず「は?」と言いそうになったが、そういう冗談なんだと納得しその場を離れた。

 学校についてからまた思い出した。あんな冗談を言う人がいるんだな。

今日は算数と国語、理科、社会、音楽、英語。四教科全部あるじゃん。やったぁ。座学がたくさんあることに喜びつつ授業の準備をした。

「〜であるからして、ここを距離と置くとこっちは速さになります。」

「助詞と助動詞の違いはこうで、動詞は〜」

「ビーカーの使い方はこうで、丸底フラスコが〜」

「えー、第二次世界大戦に関わった国は〜」

「ゴーのスペルはgoで、過去形にするとwentになります。」

 座学が好きといっても、ほとんどもう勉強済み。全部理解してるし、暇なので、いつも睡魔に襲われる。

 むぅ〜眠い。頭を揺らして寝かけながら、おそらく記憶に残らないであろう授業の話を聞いた。こうなってくるともはや音楽や家庭科の調理実習の方がいいかもしれない…いや、やっぱ実技はダメだ。どうしても。

 私は実技の教科だけはどうしてもダメなんだ。これだけは成績が上がらない。他は全部最高評価なのにな。あ、でもこの間の成績表には居眠りをしすぎですって書かれたな。

 放課後、お母さんにはすぐに帰ってこいと言われているので、別に誰と話すわけでもなく、てくてくと歩いて帰った。友達はいない。お母さんが決めてるからね。友達なんて作ったら成績が落ちる!っていってた。いなくとも学校は楽しい。お母さんが怒鳴っている家に居るよりかは学校の方がましなんだ。

「ただいま」

2階で何か音がしたと思ったらお母さんがすごい形相で階段を降りてきて怒鳴り散らかした。

「今学校から電話かかってきたんだけど!!お前授業で寝てるんだって!?ふざけんな!いくら学費払ってると思ってんだ!」

「ごめんなさい。」

反射的に謝った。お母さんの顔があまりにも怖かったからだ。

「何回言ったら分かるんだよこの出来損ない!」

「明日からもう寝ません。ごめんなさい。」

これから何時間続くかな、これ。時間の無駄なんだけどな。部屋に篭って算数やりたい。

 この日の夜は怒られ殴られ蹴られ水をかけられ物を投げられ、もうしっちゃかめっちゃかで、結局私が疲れて寝て、お母さんも諦めたのか二階の部屋に戻って行った。

 「痛っ…」

朝、起きた時、体に痛みが走った。そういえば殴られて…床で寝てたな。

のそのそと起き上がり時計を見た。六時か。準備しないと。

自分の部屋に向かい学校の準備をする。今日は金曜日か。

うーん、眠い。

 昨日の記憶があるようなないような、夢心地のまま準備するうちに再び床で寝ていたらしく、起きたら七時半だった。

「あ〜。まずいな。遅刻する。」

二階から音がしない。お母さんはまだ寝てるのか。

私は荷物を引っ掴んでとっとと家を出た。

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[良い点] なんて落ち込んだ作品だろう [気になる点] 家庭内暴力の現れ [一言] 現実は起こった
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