表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

◾︎第5話 女の子の服

 俺がトイレを済ませた後、柚希が俺の家に戻ってきた。

 

バン!───


「だっだいま~!!希ー。服とか持ってきたよ~!」

 銃声のような音が聞こえたので、音が聞こえたほうを向くと、柚希が立っていた。おそらく、ものすごい力でドアを開けたのだろう。いや、足で蹴飛ばして開けたかもしれないな。柚希ならやりかねん...。

「...。柚希さん、元気ですね。」

「あぁ。きっと俺を着せ替え人形にして遊ぶ気なんだろうな。」

 俺と結衣は柚希に白い目を向けた。

「えー。なんでそんなに白い目で見てくるの~?楽しいよ~。人の家のドアを蹴飛ばすの。」

 はぁ。本当に足で開けていたとは...。俺ですらやったことないのに...。いや、そりゃあやったことないか。柚希が天災過ぎるだけ。そういうことにしておこう。

「本当に足で開けてたのかよ!しかも人の家で!自分の家でやれ!!」

「もー。希のケチ!あ、あと一応少しドアを開けた状態で蹴ってるから実際には足で開けたとは言わないよ。」

 おそらく、これは事実だろう。流石の柚希も人の家の物を壊すことはしないはずだし。

「はいはい。そうかい。わかった。わかった。」

 俺は適当に反応した。結衣も若干引いてるし。

「希は反応薄いね~。あ、そんなことよりさ、ほら、服とか持ってきたから早く着替えて!!」

 結衣は手に持っている紙袋を持ち上げながらそう言った。

「えぇー。本当に着るのか?」

「今後何年間かは女の子として生活するんだし、女の子の服くらい着てもらわなきゃ!」

 確かにそうなんだけど...。俺としてはあんまり着たくはない。

「ほら、お兄ちゃん!早く服を脱いで!!」

 結衣も乗り気なのか...。まぁ、仕方ないか。女の子の服にもなれないといけないしな。

 俺はそう言って着ていたTシャツを脱いだ。

「「の、希(お、お兄ちゃん)!?い、意外と...。」」

 柚希と結衣の声が重なった。俺にはよくわからず、頭にははてなマークが浮かんでいた。

「...?」

 ん?2人の視線が...。胸にある!!!

「お、おい。あんまり見ないでくれよ...。」

 流石に幼馴染と妹に体を見られるのは恥ずかしい。じゃあここで着替えなければいいとは思うけど。

 そんな中、2人はこう言った。

「「小さい!!!」」

「失礼な!!!」

 うっ。俺も胸が小さいとは思っていた。普通、どんなラノベでも、アニメでも女の子になったときは少なからず胸があるはずなのに...。おかしい。俺は全くと言っていいほどない。


 俺はそんな文句を口にしながら、学校の制服に袖を通した。

「ど、どう?」

「「かわいい~!!!」」

 2人は声を合わせて俺の容姿を絶賛した。

「こ、こういうポーズは...?」

 俺は少し上目遣いで2人を見た。

「お、お兄ちゃん...。」

「...?どうした?結衣。」

「私のこと、お姉ちゃんって呼んでみて。」

 !?妹をお姉ちゃんと呼ぶのは若干気が引けるな...。でも、ここは覚悟を決めて言うしかないな...。

 俺は少し上目遣いで、

「お、お姉ちゃん...。」

「か、かわいい...。」

 妹が俺をまじまじ見ながら感想を述べていた。そんな中、

「え~!私にもやってほしいなぁ~!!」

 柚希もお姉ちゃんと呼んでほしいらしい。じゃあ、仕方なく?

「お、お姉ちゃん...?」

 今度は少し首をかしげながら呼んだ。

「かわいい~!!!やっぱり今回の実験は成功だったね!!」

「そうですね!お兄ちゃんはこのまま女の子でもいいかもしれません!!」

「良い訳ねえだろぉぉぉぉぉ!!!!」

 俺はそう言いながら2時間ほど着せ替え人形にして遊ばれるのであった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ