戯れ言 今度は俺が手術することになった
「あ、総合病院で手術ね。ウチじゃできないからコレ紹介状。一応、循環器にも通しておくから」
年末からえらいことになってしまいました。
軽い気持ちで歯の検診を受けたら、肉に埋もれた親知らずが虫歯だと言うことだ。
「でも、何でそんな一大事に? ここじゃダメなの?」
「だって心臓悪いんでしょ? 念には念をしとかないと。なんかあったら対応できないもん」
歯医者が言うことももっともだ。
私の叔父は糖尿病だったが、親知らずが虫歯になり、痛さに耐えきれず病気持ちであることを隠し、普通の歯医者で親知らずを抜いた結果、色々と合併症が誘発し病状が悪化、そのまま帰らぬ人となった。
また、私と同じく心臓が悪い妹も親知らずを抜くときも、上へ下への大騒ぎだったことを思い出す。
妹ほど病状が深刻な物では無いとはいえ、歯科医も下手が打てないと慎重になったのだろう。
意外な結果に心情は穏やかではないが、これはこれで仕方がないと腹をくくった。のだが……
「うーん。上と下でいっぺんに二本やろうね」
循環器で通っている総合病院の口腔外科の医師(歯科医?)に突然そう告げられた。
「何で?」
「だって、どっちか無くなったら意味ないし、虫歯になったら痛いし余計お金かかるよ」
(マジかよ)
「飲んでる薬はそのまま飲んでてね。麻酔とか大丈夫だと思うけど、やばくなったら何とかするから」
(何とかって何だ?)
「あ、それから麻酔切れたらかなり痛いから気を付けてね」
(何をどう気をつけろと)
「心臓のほうは、たぶん大丈夫だから気にしないで。一応話し付けとくけど」
(良いのかそれで?)
「あ、手術中は意識あるから、結構疲れるけど頑張ってね」
(頑張れってなんだ? 疲れるほうが重要なのか!?)
良くも悪くも意外と軽いノリの口腔外科の医師だったが、説明書きを見たら確かに痛そうだった。
順序としては肉を切り取り、少し出ている歯を裂き、残った根の部分を一本ずつ抜き取る。
その日のうちに上下同時にだ。
正直、めちゃくちゃ怖い。心臓の手術だったら寝ている間に何とかなるだろうと楽観できたが、起きている間、口の中を切られたり、ほじられたり、縫われたりと考えるとナーバスにもなる。
(死にはしないと思うが、想像よりヘビーな状況だ。おまけにPC壊れるし、俺何かしたのか?)
と、心のどこかで私は自問するのだった。
新調したPCに今まで使っていた文字入力ソフトが入っていないため、基本ソフトのみでのテストも兼ねて執筆してみました。勘が鈍らないよう手を止めたくなかったのもありますが……。
今月中には何とか前の環境に戻したいと思います。