9月7日 全国大会(片親)
みんなと同じ距離感でいれるのは私には難しいな。ただ、ここでちゃんとしないといけないのかもしれない。私は、新田に言われたことを思い出していた。
ー8月31日ー
私 「じゃあ、大学には行かないの?」
新田「決めたわけじゃないけど、そうなる可能性が高いと思うよ」
私 「なんでなの?」
新田「うーん、、、、なんでだろうな」
新田は、何か考えがあるようだった。
私 「海美だったら、賢いんじゃないの?」
新田「まぁ、それなりにな」
私 「否定しないんだ」
新田「それだけが取り柄だからな」
思ったよりも、この人強気だな。どこか、私に通じるものを感じてしまっていた。試合は、後半25分。スコアは、1対2。そろそろもう一点とりたいところだろうな。
私 「私は、大学行く予定ないかな」
新田「えっ、なんで?」
私 「私は、片親だから」
新田「一緒じゃん」
まさかだった。新田が片親なんて。
新田「片親だから、大学行けないなんてないよ」
私 「そうかな?」
新田「七海知ってるだろ?」
私 「七海?」
誰のことだろうか?パッと思い浮かばなかった。試合は、京都西高校のエースの高木が全体に指示をだしながら走っていた。一方、聖徳高校は沢田を筆頭にさっきよりは、息を吹きかえしているようにも思えた。
新田「篠木だよ」
私 「もちろん、知ってるよ」
新田「アイツも一人親だよ」
私 「えっ、そうなの?」
驚きを隠さなかった。
新田「そうだよ。アイツなんて、弟3人もいるんだから」
私 「知らなかった」
新田「だから、俺らなんて大したことねぇよ。やりたいことあんなら、諦めんなよ」
諦めてはないけど、、、、、、。なんだかな。ちょっと自分とは違う気がした。
新田「あれって、聖徳の子じゃないの?」
私 「ん?」
新田の視線に目を向けると、そこには高田と寺崎がいるのがわかった。高田は、寺崎の肩を抑えながら、スタジアムの入り口へと向かっているようだった。寺崎がしんどくなったのか?
新田「行かなくていいの?」
私 「あんまり仲良くないからね」
寺崎は、かなりしんどそうだ。
新田「そんなこと言うなよ」
私 「まぁ、ウチらもいろいろあるのよ」
新田「そんなことねぇだろ」
もう一点をとりに、再び聖徳高校のスタンドからは大きな歓声が鳴り響いた。




